子どものころに遊んだわらべうたで集団遊びを保育に取り入れて、子どもたちと手遊びを楽しむのはいかがでしょうか?0歳児、1歳児、2歳児、3歳児から4・5歳児まで、年齢や発達にあわせたわらべうたでの遊びを紹介します。どれも今日からすぐに保育園で取り入れられるものばかりですよ!
metamorworks/stock.adobe.com
■目次
集団遊びにぴったり!わらべうたとはどんなもの?
国内では数百を越える種類が歌い継がれているというわらべうた。これらは古くから子どもたちの日常生活や遊びのなかで育まれてきた、古き良き日本の文化のひとつとも言えるでしょう。
「ずいずいずっころばし」や「むすんでひらいて」など、わかりやすく楽しいリズムと旋律にのせて、日本語のおもしろさ、美しさも同時に感じることができるわらべうたは、まだ発語前の子どもにもなじみやすく歌いやすいこともあり、世代を超えて親しまれています。
高齢者の方から乳幼児までいっしょに楽しく遊びながら、幼児期の子どもの心身の成長にも大きく貢献してくれるので、保育現場での集団遊びにも最適です。
わらべうたによる集団遊びを取り入れるねらい
maroke/stock.adobe.com
保育園では、0歳児から5歳児まで、幅広い年齢の乳幼児が生活します。「三つ子の魂百まで」との言葉からもわかるように、この年齢は人格形成や情緒にも大きく影響するとても大切な時期です。
わらべうたや集団遊びをとおして、0歳児にはスキンシップや歌を聞く体験、1歳児・2歳児以降は手遊びを楽しみながら発語や自ら歌う体験、さらに成長してくると、対人関係やマナー、集団生活のルールなどを覚えるきっかけにもなります。
身体が自由に動かせる年齢になってくると、手遊びだけではなく、じゃんけんや陣取りなどのゲーム要素も取り入れられることで、運動能力の向上や、集団遊びの基礎を育むことにもつながっていきます。
年齢別・集団遊びと手遊びができるわらべうた
0歳児から5歳児まで、年齢にあわせて楽しめるわらべうたを動画でピックアップします。それぞれの年齢での効果的な取り入れ方などのポイントも押さえて保育の現場で生かしながら楽しみましょう。
0歳児
いっぽんばしこちょこちょ
スキンシップの第一歩ともいえるのがこのわらべうたです。たたく、つねる、くすぐる、といった動作を、言葉とあわせて行なうことで、言葉と動作の認知を促します。
ラララぞうきん
赤ちゃんの身体からつまさきまでをやさしくなでたり、つついたり。全身のふれあいを大事にしたわらべうたです。おむつ交換時などに、足を動かしてあげる乳児体操としても取り入れてみましょう。
きゅうりができた
こちらも「ラララぞうきん」と同様のめあてを持つわらべうたです。身体をなでたり揺らしたりトントンしたりする動作は、保育士さんの笑顔を見せながらやさしく行なってくださいね。
ぽっつんぽつぽつあめがふる
おすわりができるようになった子でも楽しめるわらべうたがこちらです。雨が降るということ、雨つぶが全身にあたる感覚を、リズミカルにうたいながら身体で感じることができます。
0歳児で取り入れるねらい・ポイント
0歳児に向けたわらべうたは、集団遊びよりも保育士さんが1対1で笑顔でふれあうことが大事なポイントです。月齢に応じた、ねんね、おすわりの発達にあわせながら、全身を大きくなでる、手の甲や頭などを小さく触る、といった動作の繰り返しを行なうことで、ふれあいの感覚を養います。
1~2歳児
むすんでひらいて
子どもから大人まで誰もが知っているスタンダードなわらべうたです。手を「むすぶ」「ひらく」こと、さらに「上に」「下に」という言葉にならいながら動作を行なうことで、手を動かすルールを覚えます。
かたつむり
簡単な動作をしながら生態を真似ることで、虫や動物といった生き物への興味をうながします。子どもたちが大好きな「かたつむり」に興味をもってもらえるように楽しく取り入れましょう。
まほうのて
じゃんけんの基礎にもなる「グー・チョキ・パー」のかたちを覚えることができます。わらべうたとしても、手がくっついてからの展開が楽しく、子どもたちのワクワクを引き出すことができます。
キャベツの中から
楽しく歌いながら、指の動きと「おとうさん指」「おかあさん指」といった指の呼び名も知ることができます。あおむしがたくさん食べ成長して蝶になるストーリーを子どもたちと楽しみましょう。
1歳児~2歳児で取り入れるねらい・ポイント
この年齢のわらべうたは、リズムにのって手や指を動かしながら歌や手遊びの楽しさを知ることが大切です。また繰り返し遊ぶことで、長めの歌も覚えることができます。速くしたり遅くしたりとテンポを変えたり「このあとどうなる?」など次の展開をクイズ形式にするなどの工夫も効果的です。
3歳児
【あいさつを覚える】手遊び歌3選
朝の会や退園時に取り入れている保育園も多い、あいさつの手遊び歌です。「おはよう」「おかえり」「さよなら」などのあいさつの中で、園での生活リズムやお片づけのうながしにもなります。
ぼうがいっぽん
「目」「耳」といった顔のパーツから「肩」「おなか」など全身にいたるまで、身体のさまざまな部位をあてていくわらべうたです。最後のくすぐる動作を子ども同士でしてみると集団遊びのきっかけにも。
手をたたきましょう
手をたたくという子どもたちが大好きな動作から、笑う、怒る、泣くという喜怒哀楽を表現できるわらべうたです。歌いながらそれぞれの動作を演じることで、感情や表情について学ぶことができます。
かみなりどんがやってきた
かみなりという自然災害や気象に親しむことと、昔から言われている「おへそをかくす」や「頭を低くする」などの動作をわらべ歌の中で覚えます。かみなりが題材の絵本の読み聞かせなどと併せても。
3歳児で取り入れるねらい・ポイント
3歳からは、あいさつや対人関係、友だちとのかかわりが大事になってくる年齢です。わらべうたをとおして身体や身のまわりの物の名称、生活のルールについても身につけることができます。また、手遊びの発展として集団遊びを覚えながら、遊びの幅を少しずつ広げるようにしていってくださいね。
4~5歳児
とけいのうた
歌の中で時計の短針・長針になりきることで、時計の仕組みと時刻についての興味をうながします。「コチコチコッチン」という擬音も楽しく、子どもたちに人気のわらべうたのひとつです。
ミッキーマウスマーチ
子どもから大人までみんなに大人気のキャラクターたちがたくさん登場する手遊びうたです。大好きなキャラの真似をしながら、指を1本ずつ増やす動作で数字にも触れることができます。
アブラハムの子
7人の子どもと7つの動作を楽しみながら、最終的には大きく全身を使って遊ぶわらべうたです。ひとつずつ動作が増えていくゲーム要素もあるので、4~5歳児には楽しく遊ぶことができるでしょう。
いっぴきおばけ
こちらも数が増えていくにしたがって動きも増えていく遊びです。子どもたちが大好きなおばけをモチーフにしたわらべうたならではの楽しい動きで、全身運動を取り入れましょう。
4~5歳児で取り入れるねらい・ポイント
この年齢でのわらべうたや集団遊びのねらいは、数字、左右、複雑なリズムでの全身運動などにチャレンジして、楽しみながら運動能力をうながすことがあげられます。生活や遊びのルールも学んでいく年齢ですので、それらを遊びの中で楽しく身につけられるよう指導していきましょう。
集団遊びができるわらべうたはほかにも!
耳なじみのあるわらべうた、ほかにも子どもたちが向かい合ってできるものや、ゲーム感覚で遊べるものなど、バリエーションが豊かなのもうれしいところですね。
2人1組で向き合って遊ぶわらべうた
向かい合って歌いながら手を合わせるものから、じゃんけんや全身運動も取り入れられるわらべうたもあります。それぞれ年齢によって難しいものもありますが、うまくできなくても楽しみながらすこしずつ覚えられるように遊びましょう。
- ゆうびんやさん
- お寺のおしょうさん
- せんろはつづくよ
- なべなべそこぬけ
- おちゃらか
集団遊びができるゲーム要素のあるわらべうた
3歳児から5歳児にかけてチームで楽しめる、わらべうたを歌いながら楽しめる集団遊びです。どれも昔から遊ばれてきたものなので、覚えることで高齢者の方との交流にも生かすことができます。
- ずいずいずっころばし
- かごめかごめ
- はないちもんめ
- だるまさんがころんだ
- おせんべやけたかな
わらべうたを取り入れた集団遊びで子どもたちを伸ばそう!
maroke/stock.adobe.com
幼児期の保育にわらべうたを取り入れることには、子どもの健やかな発達に大きな影響があると言われています。
0歳児、1歳児、2歳児は、簡単なリズムにのせて身体に触れることでリラックス状態が生まれ、安心する効果があるともいわれています。また、3歳児以降の子どもは、歌と身体の動きを合わせることで運動能力の基礎をつくることにもつながります。
わらべうたや集団遊びをうまく取り入れて、楽しみながら子どもたちの成長をサポートしていけるとよいですね。
保育士バンク!は、保育士専門の求人サイトです。
保育士バンク!では、保育に役立つ情報から、あなたのご希望に合う求人を紹介する転職サポートも行なっています。
「子どもたちともっとゆっくり向き合える園はない?」「自分の保育スキルをもっと高めたい!」など、あなたの理想に合う保育園について、いつでもご相談ください。
また、すぐに転職を考えていなくても、今の環境にお悩みがあれば、お気軽に保育士バンク!にお声がけください。