預かり保育とは?幼稚園・認定こども園での仕事内容、無償化や保育園との違いを解説

預かり保育とは、幼稚園や認定こども園が通常の時間外に、園に通っている1号認定の子どもを預かる保育サービスです。共働き家庭でも幼稚園に通うことができるため、多くの園で導入されています。本記事では、預かり保育で働きたい保育士さんに向けて、事業についてわかりやすく紹介しながら、預かり保育ならではの働き方、ほかの保育事業との違い、どんな方が働くのに向いているか解説します。

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預かり保育とは?幼稚園で時間外に園児を保育するサービス

「預かり保育」とは、幼稚園や認定こども園が、通常の教育時間外に、在籍する満3歳以上の幼児を一時的に預かるサービスです。

文部科学省による2022年の資料によれば、在園児の預かり保育を実施している幼稚園は全体の87.8%にのぼり、そのうち17時以降の保育を行っている園は約70%以上です。

幼稚園であっても、通常の保育園とほぼ変わらない時間で預かりが行われていることから、利用ニーズが高いことがわかります。

保育にあたるのは主に保育士や幼稚園教諭です。保育園などの職員配置基準のように、有資格者が配置される規定がありますが、自治体の研修を受けた人や保育学生など無資格でも働けるようです。

共働き家庭の子どもの預かりが中心だけど、ほかにも子育て世帯のさまざまな事情で利用できるのも、人気の理由かもしれませんね。

利用料を無償化の対象にするには?制度のしくみと条件

認定こども園などを利用する3歳児以上の児童は、利用料が無償化の対象になります。

ただし、預かり保育を利用する場合、無償化の対象になるには、認可保育園への入園するための認定と同じ要件である「保育の必要性の認定」を、自治体から受ける必要があります。

一般的な「保育の必要性の認定」には以下の区分があり、このうち、2号・3号認定を受けた場合は、預かり保育の利用料も無償化の対象になります。

区分 1号認定 2号認定 3号認定

預かり保育の無償化

対象外

対象

対象

対象児童

「保育を必要とする事由」に該当しない3歳児~5歳児

「保育を必要とする事由」に該当する3歳児~5歳児

「保育を必要とする事由」に該当する0~2歳

利用できる施設(預かり保育)

幼稚園・ 認定こども園

保育所 ・ 認定こども園

保育所 ・ 認定こども園・ 地域型保育

幼稚園の預かり保育については、幼稚園の利用料に加え、利用日数に応じて月額最大で1万1,300円までの預かり保育の利用料が無償化の対象になります。

これらとは別に、各自治体ごとに独自の補助を行っているケースもあります。

預かり保育は条件を問わず利用できるけど、無償化の対象になるには自治体の認定が必要ってことなんですね。

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保育園、一時保育や延長保育などとの違い

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預かり保育は、幼稚園や認定こども園に通う園児を、通常の教育時間外に預かるものですが、混同しやすい、保育園・一時保育・延長保育との違いを以下に整理しました。

 

預かり保育

保育園(通常保育)

一時保育

延長保育

実施施設

幼稚園、認定こども園

保育所、認定こども園

保育所、地域の子育て支援センターなど

保育所、認定こども園

対象

その施設に在籍している1号認定の子ども

その施設に在籍している2号・3号認定の子ども

その施設に在籍していない子ども

その施設に在籍している2号・3号認定の子ども

預かり

時間

預かり時間通常の教育時間(9時~14時頃など)の前後、長期休業中

8時間~11時間など保育必要量に応じた時間

短期間、または臨時的(時間単位、日単位など)

各施設の定める通常の保育時間外(夕方以降、早朝など)

主な利用理由

保護者の就労など

保護者の就労や疾病、介護など(認可園は保育の必要性の認定が必要)

保護者の急用、疾病、リフレッシュ、短期間のパートなど

保護者の勤務時間の都合で通常の保育時間に間に合わない場合

特徴

幼稚園の時程を終えた後の預かりサービス

就労等の理由で保育を必要とする子どものための生活の場

緊急時やリフレッシュなど一時的に利用できるサービス

保育所の通常の開所時間を超えて預かるサービス

実施場所や利用目的などはそれぞれ異なりますが、預かり保育も、保護者の生活スタイルやそのときの都合など、個別のニーズに応えられる選択肢の一つとなっています。

また、原則としては幼稚園や認定こども園の園内で行われるため、幼稚園教諭免許を持っている職員が保育にあたることもあるようです。

ざっくりまとめると
幼稚園や認定こども園の時間外に園児を預かるのが「預かり保育」
定期ではなく、支援センターなどで一時的に子どもを預かるのが「一時保育」
保育園でお迎えの時間が遅くなる場合に行うのが「延長保育」!

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    短時間・無資格OKなど働き方の特徴とメリット

    預かり保育は、通常の幼稚園業務とは異なり、夕方や長期休暇中の保育がメインとなります。

    そのため、勤務時間や内容も独特です。ここでは、具体的な働き方の特徴やメリットについて解説します。

    短時間勤務の求人が多い

    預かり保育の主な勤務時間は、幼稚園の教育時間が終わった後の午後から夕方にかけてです。

    求人としては、一般的には14時から18時頃がコアタイムとして募集されていることが多いようです。

    文部科学省の調査によると、17時以降も開設している園の割合は70%以上、18時以降に開設している園も27%以上あることから、午後から夕方以降にかけての勤務が中心であることがわかります。

    また、幼稚園には春休みや夏休みなどの長期休暇がありますが、その期間中も預かり保育は実施されるため、朝からの勤務が発生することもあるようです。

    このように、フルタイムではなく、午後の数時間だけ働きたいというニーズにマッチするため、パート勤務での求人が多い傾向があります。

    時給の相場は地域によりますが、保育士バンク!の求人では、おおむね1,200円~1,400円前後に設定されていることが多いようです。預かり保育の求人について相談

    無資格OK・保育補助としての募集もある

    預かり保育では、本来必要な教員免許や保育士資格を持つ職員の配置に加え、一定の条件を満たせば無資格者でも勤務できるよう定められています。

    具体的には、担当職員の3分の1以上が有資格者であれば、残りの人員は自治体の研修を受けた人などで対応可能です。

    そのため、幼稚園教諭や保育士の資格取得を目指して勉強中の学生さんが、保育補助として現場経験を積むケースも少なくないようです。

    ただし、園によっては専任の保育士を雇わず、通常クラスを受け持っている幼稚園教諭が預かり保育を担当することもあるため、すべての園で募集があるわけではない点に注意が必要です。

    少人数・縦割り保育での実施が多い

    大きな特徴の一つが、異年齢の子どもたちが一緒に過ごす「縦割り保育」を行っている園が多いことかもしれません。

    園や利用人数などによっては、通常のクラス保育とは異なり、年少から年長までの子どもが同じ空間で保育することもあるようです。

    保育士にとっては、少人数で家庭的な雰囲気の中で子どもたちとじっくり向き合えるため、一人ひとりの成長をていねいにサポートできるという面で、やりがいを感じられるかもしれません。

    育児との両立、ブランクあり、潜在保育士も働きやすい

    子育て中の保育士や、一度現場を離れたブランクのある保育士にとって、働きやすい環境が整っている可能性が高そうです。

    理由としては、勤務時間が午後からの短時間に限られていることや、保育園のような行事が少ないため、持ち帰り残業などの業務負担が少ないことが考えられるからです。

    現場復帰を考えているけれど、いきなりフルタイムの担任業務に戻るのは体力や精神的に不安があるという方にとって、預かり保育での勤務は「慣らし運転」としても最適かもしれません。

    しばらく保育の現場を離れていた方のなかには、無理なく復職できる場所として、まずは預かり保育での勤務を選ぶ保育士さんもいるみたいですよ!

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    預かり保育での保育士の働き方Q&A

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    預かり保育の仕事に興味を持った方が、疑問に感じやすいポイントをまとめました。

    Q1. 求人で見かける「幼稚園型I」と「幼稚園型II」とは?

    A. どちらも一時預かり事業の類型です。

    「幼稚園型I」と「幼稚園型II」は、国が主導している「一時預かり事業」の実施方法を定めた類型です。

    どちらも幼稚園が実施するのが主ですが、「I型」は在籍児(3歳以上)の時間外預かり(預かり保育)、「II型」は、主に地域の0~2歳児を定期的に預かります。

    Q2. 預かり保育は業務負担が少ない?

    A. 一般的な保育園などに比べると少ないかもしれません。

    長期的なカリキュラムの作成や、入園・卒園、遠足といった大規模な行事準備、日誌・保育計画の作成などの事務作業が、一般的な保育園での勤務に比べて少ない可能性があります。

    また、異年齢合同の縦割りで保育が行われることが多いため、その場合はクラス担任などの役割がない点も特徴です。

    Q3. 預かり保育から正規雇用やキャリアアップの道はある?

    A. 園の登用基準によりますが可能です!

    体力やブランクに不安がある保育士さんが、無理なく現場復帰するための「慣らし」として、選ぶ方もいるようです。

    特に人材不足が続く保育業界では、業務経験のあるパート職員を正規職員として登用するケースもあるため、キャリアアップの足がかりとして考えてもよいかもしれませんね。

    ただし、預かり保育のみのポジションで正規雇用を行っていない園であれば、幼稚園教諭免許が必須でしょう。園によって登用の基準は異なります

    Q4. 預かり保育の求人の効率的な探し方は?

    A. 保育専門の求人サイトや転職エージェントに登録!

    預かり保育の求人は、一般的な求人サイトよりも、保育業界に特化した専門サイトや転職エージェントを利用する方が効率よく見つかります。

    とくに、転職エージェントを利用すれば、求人票には載っていない園の雰囲気や、実際の残業時間、人間関係などの内部情報を事前に教えてもらえることもあります。

    「幼稚園型II」を実施している園を探す場合や資格要件の確認など、判断が難しい場合もあるため、保育業界に詳しいキャリアアドバイザーのサポートを受ければ、安心して就職活動を進めることができます保育士バンク!で転職相談無料で会員登録する

     

    出典:一時預かり事業/こども家庭庁出典:一時預かり事業の実施について/こども家庭庁出典:幼稚園における預かり保育、幼保小の接続及び幼児教育推進体制について/厚生労働省出典:幼稚園、保育所、認定こども園等の無償化について/文部科学省

    短時間勤務を希望なら預かり保育で無理なく働こう

    預かり保育は、幼稚園などの教育時間外に子どもたちを預かる、地域の子育て支援に欠かせないサービスです。

    通常の保育業務に比べて書類作成や行事負担が少なく、午後からの短時間勤務が中心であるため、家庭との両立や復職の第一歩として非常に働きやすい環境です。

    自分のライフスタイルに合った働き方を見つけるために、預かり保育という選択肢も検討してみると、仕事探しの幅が広がりそうですね。

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