放課後等デイサービスにおける保育士の役割は、個別支援計画に基づき、遊びや生活支援を通じて児童の発達と自立をうながすことです。今回の記事では、保育園との役割の違い・仕事内容、保育士として活かせる経験やスキル、給与の実態やワークライフバランスがかなう働き方について紹介します。放デイの転職に役立つQ&Aも解説します。
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放課後等デイサービスの保育士の役割は?
学齢期の障がいを持つ児童の発達支援を行う
児童一人ひとりと深く向き合い、保育士としての経験やスキルが活かせる
残業や持ち帰りが少ない傾向があり、希望に合った働き方が期待できる
キャリアアップや働き方で給料アップも狙える
放課後等デイサービスで働く保育士の役割
放課後等デイサービスは支援が必要な児童のための施設
放課後等デイサービスは、身体や発達段階に障がいのある学齢期の児童が、主に学校の授業終了後に通い、自立支援や居場所の提供を受けるための施設です。
児童福祉法に基づく通所型サービスの一つで、土曜や夏休みなどの長期休暇にも利用されます。
施設の目的は、生活能力の向上や社会性を身につけるための「療育」にあり、将来、地域社会で自立した生活を送れるようサポートするのが保育士の仕事です。
児童が利用するにあたっては、市区町村から「通所受給者証」の交付を受ける必要があります。
保育士は放課後等デイサービスでも働ける!
多くの放課後等デイサービスでは、保育士の求人募集を行っています。
これは、放課後等デイサービスの人員配置基準では、職員として「保育士」または「児童指導員」の配置が義務付けられているからです。
保育士と児童指導員の業務・役割は、ほぼ同じといえるでしょう。ともに以下の役割が求められます。
【求められる役割】
- 児童一人ひとりの特性に応じた個別支援計画の実行
- 学校や家庭とは異なる「安心できる居場所の提供」
- 遊びや集団活動を通じた社会性の発達支援
放課後等デイサービスの「本人支援」は、心身の健康や生活に関する領域(健康・生活)、運動や感覚に関する領域(運動・感覚)など、五領域の視点を網羅した総合的な支援が基本です。
保育士さんが、これまで保育園などの勤務経験で培った、食事・排泄などの基本的な生活習慣を身につけるための支援や、遊びを通じて豊かな感性や創造性を養うスキルは強みになります。
また、児童の心身の成長と将来の社会参加のサポートのために、発達段階を理解して、ていねいな関わり方ができるのも、保育士経験がある方ならではといえるでしょう。
児童指導員とは
放課後等デイサービスで児童指導員として働くには、任用資格が必要です。
この任用資格を得るための要件はいくつかありますが、2年以上(高卒以上でない場合は3年)保育園などの児童福祉施設の勤務経験があれば、この要件に該当します。
つまり、保育士さんに多くあるパターンとしては
・児童福祉施設での勤務経験が2年以上ある
・放課後等デイサービスに勤務する
・施設から児童指導員に任用される
上記の条件を満たすことで、児童指導員として働くことができます。
ただし、施設によって独自に規定した採用試験があるなど、上記の要件にプラスして施設ごとの任用基準を設けている場合もあるようです。
どれくらいの放課後等デイサービスで保育士の求人があるのか、以下のボタンからチェックできます。
放デイの求人を見てみる児童指導員の仕事についてもっと知りたい!という方は以下の記事を参考にしてみてくださいね。
保育士の役割を徹底比較!保育園と放デイの働き方
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保育園とは異なる、保育士の仕事を比較
保育園と放課後等デイサービスにおける保育士の仕事や働き方を比較し、主な違いを見ていきましょう。
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保育園で働く保育士 |
放課後等デイサービスで働く保育士 |
|
|
支援のねらい |
乳児~幼児の保育と養護。健康な心身の育成と生活習慣の確立。 |
障がいのある学齢期の児童の療育を通した、自立支援と社会参加の促進 |
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支援の対象 |
0歳~就学前の児童全般 |
就学~18歳までの身体や発達などに障がいのある児童・生徒 |
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主な業務内容 |
生活習慣のサポート、遊びを通じた集団活動の指導、給食や間食の対応、年間行事の企画・実施、保育計画・保護者連絡などの書類作成、保護者対応など |
児童発達支援管理士が作成した個別別支援計画に基づく療育プログラムの実施、間食の対応、送迎業務、個別記録作成など |
|
任用資格 |
任用資格なし |
児童指導員 |
ワークライフバランスから見る働き方のポイント
放課後等デイサービスは、保育園と比較してワークライフバランスを取りやすい傾向があるようです。
とくに残業の少なさや勤務時間は大きなポイントといえるでしょう。
勤務時間
放課後等デイサービスは、児童にとっては学校帰りの居場所のため、平日は滞在時間が保育園より短いことが特徴です。
放デイでは児童が放課後から通所し、帰りの送迎時間は夕方になる施設が多いため、平日の開所時間は比較的短くなります。
職員は、事務作業や準備、保護者との面談などで児童とすごす時間の前後に勤務することもありますが、保育園のように「早朝から早番・19時まで遅番」のようなシフト勤務は少ないようです。
そのため、比較的プライベートの時間が確保しやすい、決まった時間の勤務で安定しやすいといったメリットがあるかもしれません。短時間勤務が選べる
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残業の少なさ
放課後等デイサービスは、保育園と比べて運動会や発表会などの大規模なイベントや行事がない施設が多いようです。
保育園で働く保育士は、行事の準備や練習などで残業や持ち帰り作業が多くなる傾向があるため、その点に関しては放課後等デイサービスでは軽減されそうです。
また、活動の主となる平日は放課後のみの保育となるため、保育園と比較すると、業務内容の記録に関してもやや時間が短縮される部分もあるようです。
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保育士資格・スキルを活かせる仕事内容と役割
【活かせるスキル1】児童を見守る観察力と危機管理能力
保育園での経験で培われた、児童の小さな変化やサインを見つける観察力と危機管理能力は、放課後等デイサービスで求められるスキルです。
児童からのサインを見逃さず適切な対応をとれる
放デイでは、児童の心身の状態をきめ細やかに確認し、ふだんと違う状態を見つけ出してすみやかに対応することが求められます。
たとえば、かんしゃくやパニックなどの問題行動が起きたとき、頭ごなしにとがめたり注意したりするのではなく、その行動の裏にある理由を推測し「行動に至った原因」を理解します。
意思表示が困難な児童の場合は、小さなサインでも心身の異変に気づけるよう、観察を行うことが欠かせません。
【具体的な役割】
とくに発達に困難を抱える児童の問題行動として、以下のような要因がひそんでいるかもしれません。
・感覚や認知の偏り
・言葉でうまく伝えられないことによるフラストレーション
・コミュニケーションの困難から生ずる行動障がい
このような困難を抱える児童に寄り添い、よりすごしやすい対策や予防的なアプローチを考えて実施します。
安全管理の徹底
集団での活動時や送迎時に、安全への配慮を徹底できる保育士さんも、放デイでの勤務に向いていそうです。
放課後等デイサービスでは、食事・送迎・屋外活動など事故のリスクが高い場面も多くあるため、保育士の危機管理能力は大きな強みになるでしょう。
【具体的な役割】
放デイ運営上の指針「放課後等デイサービスガイドライン」では、安全計画を策定し、設備の安全点検や職員の研修・訓練、日常でリスクが高い場面における安全管理マニュアルの作成が求められています。
保育士として、さまざまな年齢の乳幼児の安全に気を配りながら保育を行った経験が活かせそうです。
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【活かせるスキル2】遊びを通して発達をうながす
「遊び」を通じて発達を促すことは、保育士が最も得意とする分野かもしれません。
このスキルは、放課後等デイサービスでも、児童が意欲的に参加できる療育プログラムの企画・実施に欠かせません。
効果的な遊びのアイデアや企画力
放課後等デイサービスの「本人支援」では「言語・コミュニケーション」や「人間関係・社会性」などの基本活動を高めることが求められます。
遊びやアクティビティを通して、児童の成長をうながす活動を展開させる企画力が発揮できそうです。
活動中にポジティブな言葉がけを多用し、児童が自己肯定感を高められるようにサポートすることも大切です。
【具体的な役割】
集団遊びや制作活動の豊富な経験を活かし、社会性やコミュニケーション能力を高める活動を、児童たちが楽しめるように企画・実施します。
遊びの例
・ジェスチャーゲームにソーシャルスキルトレーニング(SST)を取り入れる
・ごっこ遊びを通じてコミュニケーションスキルを高める
発達段階に応じた楽しみ方を工夫する
放課後等デイサービスは幅広い年齢層の児童が対象です。就学まもない児童から高学年、施設によっては中高生など幅広く対応する必要があるでしょう。
幅広い年代の児童の保育経験があれば、それぞれの時期の発達過程や障がいの特性への理解度が高いでしょう。そのなかで、集団での活動を通した適切な支援を行えそうです。
【具体的な役割】
活動の難易度設定を適切に行い、挑戦や失敗を含め、児童が成功体験を積み重ねることで、「もっとやってみたい」という意欲を引き出します。
また、運動機能の発達支援として、遊びのなかで粗大運動や微細運動の発達をうながし、身体的な自立をサポートすることもできそうです。
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【活かせるスキル3】児童や保護者に寄り添う関わり方
児童の自己肯定感を育み、安心感を与える関わり方は、特性のある児童の情緒を安定させるための土台になるでしょう。
また、家庭と放デイの支援内容をつなぎ、保護者と連携するうえでも、保育士としての寄り添いやコミュニケーション能力が活かせます。
児童の情緒を安定させる関わり方
児童が安心し、自分らしく成長していくためには、保育士さんの共感的な関わりが大切です。
放デイの現場では、ひとり一人の発達特性を理解して肯定的に受け止めることが、児童の情緒の安定につながります。また、アタッチメント(愛着)の形成を支え、信頼関係の土台になります。
視覚的な支援や環境調整を行いながら、自己決定の機会を積み重ねたり、小さな成長を可視化しながら認めたりすることも、意欲を引き出すことにつながるでしょう。
保育の知識や現場で身につけた、児童との関わり方が活かせそうです。
【具体的な役割】
行動や表情から気持ちを読み取り、肯定的に受け止めます。また、不安を軽減させる・わかりやすくするなどの工夫も大切です。
スケジュール表やタイマーを活用して、活動の流れを視覚的に見せながら「今日は時計を見ながら、課題を時間内に終えられたね!」のように、具体的な成果や成長につながったがんばりを認めましょう。
保護者とのきめ細やかな情報共有
放課後等デイサービスにおける保護者連携は、児童の家庭での生活を安定させ、ひいては成長につながる重要なポイントです。
保育士は、施設での様子を伝え、家庭の様子をていねいに聞き取ることで、親子の信頼関係も支えるよう、家族を包括したサポートが必要です。
個別支援計画にもとづく支援内容について、家庭での関わり方に関する具体的な助言や、日々の様子を共有しながら現場の支援をすすめることも大切になってくるので、保護者との会話スキルが役立ちます。
【具体的な役割】
日々のコミュニケーションを重ねながら、保護者の子育てや家庭の悩みに寄り添い、気持ちを受け止めます。
そのうえで、保護者の悩みを発達支援の視点から分析し、必要であれば専門機関との具体的な連携にもつなげます。
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放課後等デイサービスで働く保育士の給与
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基本的な給与水準
厚生労働省が公表している「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」の結果によると、放課後等デイサービスの職員全般と、障がい福祉サービスで働く保育士の平均月給額は以下のようになっています(手当て・一時金込み)。
|
区分 |
月給平均(常勤) |
月給平均(非常勤) |
備考 |
|
放課後等デイサービス |
28万6,110円 |
9万4,760円 |
保育士以外も含む職員全体の水準 |
|
障がい福祉サービスに 従事する保育士 |
32万9,390円 |
13万4,050円 |
放デイを含む障がい福祉サービス全般の平均水準 |
「放デイで働く保育士」の実際の給与額とはやや差がありそうですが、国による福祉・介護職員の処遇改善が進んでいるため、今後も安定した給与水準が期待できそうです。高給与の放デイ求人を探す!
放デイで働く場合の給与について、2025年の最新情報を知りたい方はこちらの記事も!
給料アップには転職とキャリアアップ
放課後等デイサービスの保育士が給料をアップさせるためには、キャリアアップと職場選びがポイントになります。
福祉・介護職員等処遇改善加算の届け出をしている施設に転職する
処遇改善加算は、職員の賃金改善を目的とした制度です。
国や自治体から施設に支給された補助金を、施設が職員に適切に分配することで職員の給与水準をあげて、待遇を改善するためのものです。
放課後等デイサービス事業所の多くがこの加算申請を行なっているため、加算を取得している施設を選べば、より安定した給与水準で働くことができる可能性が高まります。
児童発達支援管理責任者(児発管)を目指す
児童発達支援管理責任者(児発管)はF、放デイにおける現場での支援の責任者としての役割です。
勤続年数とさまざまな研修を経て取得できる任用資格で、一般の保育士や児童指導員に比べて月の平均給与額は高く、常勤で40万5,480円となっています 。
また、福祉・介護職員等処遇F改善加算の手当を職員にどう配分するかは施設ごとに決めることができますが、児発管は80.5%と配分される可能性も高いため、給与の底上げも期待できそうです。
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放課後等デイサービスへの転職に関するQ&A
放課後等デイサービスへの転職を考える際に、気になる疑問について答えました。
Q1. 療育の専門知識がなくても働ける?
保育士資格と保育の実務経験があれば、療育の知識や経験がなくても、放デイの保育士として多くの募集があります。
保育士を募集している施設のなかには、一部「療育経験者のみ」の募集をしている場合もありますが、それ以外の求人であれば、即戦力として歓迎されるでしょう。
不安な場合は、転職エージェントに相談して、合う転職先を探してもらうとスムーズです。保育士バンク!に無料会員登録転職先を紹介してもらう
Q2. 医療的ケアや重度の身体障がいを持つ児童の対応はある?
医療的ケアが必要な児童がいる場合、施設には看護師が配置されることが義務付けられています。
そのため、専門的な医療行為を行うことは原則としてありません。保育士の業務は、基本的に日常生活と遊びや社会性の発達支援が中心となります。
ただし、施設の専門性によって支援の内容は異なるため、不安な場合は事前に施設の情報を確認するようにしましょう。
Q3. 発達支援・自立支援とは具体的にどういう業務?
発達支援・自立支援とは、障がいを抱える児童が将来、地域社会で自分らしく生活していくために必要な経験や能力を育む支援です。
具体的な業務としては、生活習慣の自立(着替え、手洗い、食事など)のサポート、コミュニケーションの練習、集団でのルールを学ぶ活動、運動能力や手先の器用さをうながす遊びの提供などが挙げられます。
これは、保育園での「生活習慣の自立」の延長線上にありますが、個別支援計画にもとづき、児童一人ひとりの特性や発達段階に合わせて行う点が大きな違いです。
Q4. 保育士でも送迎業務はある?
放課後等デイサービスで、保育士を含む常勤スタッフが送迎業務を担当するケースが多いようです。
とくに普通自動車免許を持っている場合は、保育士の業務のなかで送迎車の運転をまかされる可能性があります。
気になる場合は、募集要項の業務内容や必要資格の欄を確認しましょう。
Q5. 放デイの保育士に向いているのはどんな人?
放課後等デイサービスは、集団保育よりも、個別の発達支援に強い熱意を持つ人に向いているかもしれません。
児童の特性を理解し、根気強く、優しく関われる保育士さんであればやりがいをもって活躍できそうです。
実務の面では、支援を計画・実行するための記録といった事務作業や、家族支援における保護者とのやりとりに抵抗がない方も向いていそうです。
ほかにも、豊富な経験を持つ方は年齢に関係なく歓迎される傾向にあり、40代・50代からの転職やブランク明けに転職される保育士さんも多くいるようです。
「放課後等デイサービスに興味がある、でもどんな仕事なのか、保育士としてどんな役割があるのか不安」という保育士さんは意外と多いようです。
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出典:放課後等デイサービスガイドライン/こども家庭庁出典:令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査調査結果報告書/厚生労働省
放課後等デイサービスの保育士なら理想の働き方ができるかも
放課後等デイサービスへの転職は、保育士資格と経験を最大限に活かせるだけでなく、残業や持ち帰りが少なくワークライフバランスも実現できる可能性があるでしょう。
これまで培った保育士としての経験は、個別支援が必要な児童の自立をサポートするために必要不可欠なスキルです。
「児童の成長をじっくりサポートしたい」「プライベートの時間を大切にしたい」というあなたの理想の働き方が、放課後等デイサービスで見つかるかもしれません。
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