このコラムでは、おもちゃを簡単に手作りしたいという保育士さんのために、水遊びやおままごと、楽器の演奏など、遊び方の用途に合わせた手作りおもちゃの作り方を紹介します。輪投げや魚釣りなど保育園のみんなで遊べるゲームから、4歳の幼児が自分で作れる変身ベルトまで、楽しいアイデアが盛りだくさんです。
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おもちゃを手作りする意義とは
保育園でおもちゃを手作りすることにどんな意義があるのか、改めて考えてみましょう。
子どもを理解するきっかけになる
手作りおもちゃを作るときに一番大切なのは、そのおもちゃが子どもの年齢や興味に合っているか、ということです。どんなおもちゃなら子どもが楽しく遊んでくれるか、日頃の様子を観察してよく考えてみましょう。子どもにおもちゃの製作をしてもらう場合は、年齢に応じた無理のないプランを立てる必要があります。道具をどのくらい使えるのか、どんな材料を使えば喜んでくれそうか、製作に入る前にしっかりと考えてみましょう。
子どもは製作の喜びを知る
小さな子どもでも、作り方を工夫すれば製作できるおもちゃはたくさんあります。シール貼りやお絵描きなど、少しでもできることが増えてきたら、ぜひ手作りおもちゃに挑戦してもらいましょう。自分の力でこんなものが作れるんだ!と知ることは大きな自信につながります。手作りおもちゃを通して製作の喜びを知ってもらえるといいですね。
おもちゃに対する愛着が芽生える
自分で作ったおもちゃは、手をかければかけるだけ愛着が湧きます。できるだけ長く、大切に遊んでもらいましょう。自分で作ったものなら、ある程度の修理もできるはずです。壊れたら捨てるのではなく、直しながら大切に使うことを教えたいですね。
プール・水遊びの手作りおもちゃ
プカプカ浮かせたりピューと飛ばしたり、水の特性を生かせるおもちゃを作りましょう。
ペットボトル水鉄砲(2〜3歳向け)
ペットボトルのキャップにストローを取りつけて作る、水鉄砲です。キャップにキリを空ける作業は少し危険なので、先生が担当しましょう。ペットボトルの装飾は2歳くらいから楽しめそうです。シールを貼ったり、油性ペンでお絵描きしたり、思い思いの水鉄砲を作り、プールで楽しく遊びましょう。
魚釣りゲーム(4〜5歳向け)
乳酸菌飲料の空き容器で作る、魚釣りゲームの手作りおもちゃです。魚の装飾は4歳〜5歳くらいの子どもならひとりで完成させることができそうです。釣り竿に関しては、糸を縛りつける作業が少し難しいので先生が手伝ってあげましょう。完成したらプールに浮かせて釣りあげます。遊びながら指先のバランス感覚を養う、知育につながりそうなおもちゃです。
お料理・おままごと遊び
子どもに大人気のおままごと遊び。身近なおもちゃだからこそ、手作りする価値がありそうです。
アイスクリーム屋さん(1〜3歳向け)
フラワーペーパーをアイスに見立てて作る、簡単なおもちゃです。ペーパーの花びらを開くところはぜひ子どもにやってもらいましょう。完成したあとは、ビーズやラメなどを用意してトッピングを楽しみましょう。アイスに適量のボンドをつけ、用意したものを上から振りかけると、まるで本物のトッピングアイスのように仕上がりますよ。
ボタンかけおにぎり(2〜3歳向け)
フェルトとボタンで作る、おにぎりの手作りおもちゃです。ボタンを縫いつける作業は保育士さんの担当になりますが、シールで接着できるフェルトを使えば、具や海苔をつける作業は子どもたちにもできそうです。お着替えを練習中の2歳〜3歳なら、遊びながらボタンの訓練ができるのではないでしょうか。「おにぎりの中身はなんだろうね?」と話しかけながら楽しい雰囲気で遊びましょう。
どんぐりでケーキ職人(2〜5歳向け)
子どもが公園で集めてきたどんぐりと牛乳パックを使って、ケーキ屋さんごっこをするのはいかがでしょうか。4歳〜5歳くらいなら、牛乳パックに切り取り線をつけておけば自分たちで製作できるかもしれません。3歳以下の子どもたちには、最後のトッピングをまかせるのがいいでしょう。縦割り保育をしている園なら、年長児がケーキを作り、仕上げは全員で行うなどみんなで協力して楽しめるかもしれませんね。
たこ焼き屋さん(4〜5歳向け)
新聞紙や折り紙、卵パックなどを使って作る、たこ焼き屋さんの手作りおもちゃです。たこ焼きをクルッとひっくり返したり、トッピングを乗せたりする作業が、本物みたいで盛り上がりそうです。たこ焼きを返すピックは竹串などでも代用可能ですが、低年齢の子どもが扱うには危ないので、4歳〜5歳くらいになってから挑戦するのがいいでしょう。
ごっこ遊び
子どもは大人のマネをするのが大好き。スマホや電化製品など本物を持たせるのは難しいですが、手作りおもちゃなら存分に遊ばせてあげられますよ。
段ボールで作るスマホ(0〜2歳向け)
段ボールを装飾して作る簡単なスマホのおもちゃです。シール貼りを楽しめる月齢になったら、子どもたちに飾りつけを頼むのもよさそうですね。0歳〜1歳頃の乳児は特にスマホが大好きなので喜んでくれそうですが、段ボールは唾液で溶けてしまうので遊ばせる際は誤飲に注意しましょう。
箱ティッシュで作るカメラ(0〜2歳向け)
箱ティッシュで作るおもちゃのカメラです。フレームに入れる写真代わりのイラストは、たくさんあった方が楽しめそうなので、子どもたちにも描いてもらいましょう。お友だちの似顔絵や保育園のお花など、たくさんの写真を撮って盛り上がりましょう。
変身ベルト(3〜5歳向け)
工作が苦手という男の子でも、戦隊ヒーローのベルトなら喜んで作ってくれるかもしれません。できあがったものに、アルミホイルや金・銀の折り紙などキラキラした装飾をつけると、よりヒーローらしくなりそうです。
楽器遊び
乳児も大好きな音楽遊び。手作り楽器ならではの味のある音を楽しみましょう。
でんでん太鼓(0〜1歳向け)
チーズの空き容器で、昔なつかしいでんでん太鼓を作ってみましょう。0歳〜1歳の乳児が特に楽しめるおもちゃなので、乳児クラスに導入する際は先生が作ってあげましょう。ヒモを通して結ぶ作業が手先の訓練になりそうなので、4歳以降の年長児に手伝ってもらうのもよいかもしれません。
風船を使って簡単太鼓(3〜5歳向け)
風船と身近な材料でできる太鼓の手作りおもちゃです。ペットボトルやトイレットペーパーの芯など、何の材料に風船を張るかによって音が変わってくるので、色々作って比べてみるのも楽しそうです。みんなの好きな音楽に合わせて、リズムよく演奏してみましょう。
ゲーム遊び
お友だちと遊べるゲーム
輪投げ(4〜5歳向け)
紙皿を投げて動物の絵をつくる、楽しい輪投げです。コンパスを使う工程がありますが、年長さんくらいなら就学前の練習として挑戦してもらうのもよいかもしれません。紙コップを高くしてぞうさんの鼻を作ったり、低くして猫の鼻を作ったり、工夫によって難易度を変えられるおもちゃです。
サッカーゲーム(4〜5歳向け)
用意するもの
・段ボール
・ストロー
・緑の色画用紙
・白のマスキングテープ
・ピンポン玉
・のり
・カッター
作り方
1、段ボールを開き、サッカーコートを作ります。4つの辺を5cm〜10cmくらい立ててボールが転がらないよう壁を作りましょう。ピザや冊子が入っていたような平たい形の段ボールを使うと便利です。
2、短い方の壁にゴールを作ります。 壁の真ん中に、カッターで長方形の穴をあけましょう。ボールがちょうどくぐれる大きさにするのがコツです。
3、緑の色画用紙でコートを作ります。段ボールの底の大きさに合わせて切り取り、のりで貼ります。
4、白のマスキングテープを使って、コートのフィールドを作ります。コートの中央にセンターラインやセンターサークルなど白いラインをつけると、サッカーらしさが出てゲームも盛り上がりそうです。
遊び方
段ボールで作ったサッカーコートの中央にピンポン玉を乗せます。そのあと、2人1組になって両側からストローで息を吹きつけ、ピンポン玉を動かします。相手側のゴールにピンポン玉を落とした方の勝ちです。
子どもとおもちゃを手作りしよう
アイスクリーム屋さんやケーキ屋さんなど、おままごと遊びのおもちゃから、楽器や輪投げ、変身ベルトのおもちゃまで、多彩なアイデアをご紹介しました。子どもとおもちゃを手作りすることは知育にもつながりそうです。製作活動を通して、物を大切に扱う気持ちも育みたいですね。今回ご紹介した手作りおもちゃは簡単なものばかりなので、ぜひ保育園の子どもといっしょに作ってみてくださいね。