正社員として働き続けたいと考えている保育士さんの中には、キャリアアップをして「園長」を目指す方が多いのではないでしょうか?このコラムでは保育園の「園長」を目指す方向けに、そのお給料事情や仕事内容、必要な資質、園長になる方法を中心に解説していきます。
園長のお仕事を詳しく掘り下げ!
園長の仕事内容
保育所保育指針では、園長の仕事は、
「施設長は、保育所の役割や社会的責任を遂行するために、法令等を遵守し、保育所を取り巻く社会情勢等を踏まえ、施設長としての専門性等の向上に努め、当該保育所における保育の質及び職員の専門性向上のために必要な環境の確保に努めなければならない。」
と定められています。
具体的には、法律をよく理解して保育所の役割が果たせるように、苦情や保護者対応から得られた改善点を実行するのがその仕事の一つ。
また、自身が園のリーダーとしての役割を十分発揮するために自己評価や自己研鑽を繰り返して自分磨きをして、よりよい保育園を実現することが必要だということです。同様に、職員の保育技術の向上のために研修の機会を設けるのも園長の責務の一つに定められています。
この他にも園長の仕事内容は幅広いです。園の採用計画、労務・財務の管理に、自治体に提出する書類作成などの事務作業、地域の人との交流や保護者会、園長会議への出席など、外部との交渉役としての役割などもあり、園の外でも活動することが多いです。その他にも、クレーム対応や園の安全管理などありとあらゆる業務を担当します。
園長のお給料・福利厚生
こうした大きな責任がある園長は、それだけ一般の保育士よりも給与が高くなります。役職手当や管理職手当という形で、月々の給与やボーナスに上乗せがあります。
内閣府の調査によると、私立認可保育園の園長の場合、年収で約635万円。公立の場合は私立の場合より高く、約713万円、という調査結果が出ています。人気や伝統のある保育園や公立保育園の園長を長く務めた場合には年収1000万円を超える方もいるようです。
また、園長の給与は園の規模や経営法人によって違いがあり、小規模保育の場合だと、年収は350万円~400万円程の施設もあるようです。それでも、一般の保育士と比べると月額10万円程度高い給与がもらえるでしょう。
福利厚生に関しては一部利用できないものもあります。社会保険や有給休暇は園長にも適用されますが、仕事量の多さから時短勤務を利用するのは難しいでしょう。また、職場によっては住宅手当などの各種手当に所得制限を設けている場合もあり、チェックが必要です。
出典:内閣府 平成29年 保育所・幼稚園・認定こども園等の経営実態調査http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/kijun_34/pdf/s1-2.pdf
必要な資格
園長には保育士資格が必要と思われがちですが、一概にはそうとは言えません。園長になるのに明確な基準はなく、他業種から優れた経営者を園長として雇うこともあります。
ただ、ほとんどのケースでは経験を積んだベテランの保育士がなることが多く、目安として10年以上の保育士経験、また主任などの役職経験が必要です。
年功序列でのキャリアアップが一般的な職場であれば、先輩や同僚との兼ね合いになるため、園長になるのに長い年数がかかることも。そのため、園長の平均勤続年数は私立の認可保育園で23.1年、公立保育園で29.8年となっています。
園長に求められる資質
園長は園のトップ。その立場にふさわしい人物が求められます。ここでは、園長にも求められる資質をまとめました。
コミュニケーション能力
園長に必要な能力の一つがコミュニケーション能力です。園長は園の代表として様々な場所に顔を出します。保護者会や園の説明会などの園の行事、近隣住民とのあいさつや地域の集まり、近隣の園や系列園との園長会議、行政職員との面談など、その内容もさまざまです。初対面の人との出会いも多いでしょう。その中で、出会った人々と上手く関係を築き園の運営をスムーズにするコミュニケーション能力は必須です。
園の中においても、コミュニケーションが重要となります。園の管理者として日々現場の保育士から報告を受け、職員や子どもの様子を把握するのも園長の仕事。適切なコミュニケーションを通じて、職員一人ひとりと信頼関係を築き、気になることには迅速に対応します。

確固たる保育観と情熱
園長は園の方針を決める立場にあります。つまり、園長の考えが園の保育を大きく左右します。今までの経験の中で築いた保育観をもとに、子どもたちがどういう環境で、どういう経験をして、どういう雰囲気で遊べたらいいかを実際に自分の手で実現することができます。
園長の保育観がしっかり固まり、情熱をもってそれを他の職員や保護者に伝えることができたら、園が一つの目標に向かって進む、魅力的な園を作ることができるでしょう。
リーダーシップ
リーダーシップも園長に求められる資質です。ただ、リーダーシップにはいろいろな形があります。例えば、園長が先頭に立って、職員を引っ張るというのもリーダーシップですし、職員の意見をよく聞きながら、各自の意見をまとめて運営するのもリーダーシップです。
どのような形にしても、リーダーとして、園全体をいい方向にもっていくことができるリーダーシップが求められるでしょう。
マネジメント・事務処理能力
園長に必要な資質の中で、仕事に直接かかわってくるのがマネジメントや事務処理の能力です。園のシフト管理、労務・財務管理、安全管理など、園の経営が傾かないように、また職員同士のチームワークがうまく回るようにマネジメントするのも園長の大切な資質です。
また、市町村への補助金の申請や書類の最終チェックなど、園長の事務作業は多いです。こうした事務作業を効率よく終わらせることができるかどうかも、重要になってきます。
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園長として働くやりがいと大変なこと
園をつくるやりがい
園長になる最大のやりがいは何より、自身の理想の園を作れるということです。園長は園のリーダーとして、保育の方針を決める役割を担います。役職につく前にはやりたかった保育も、園長になれば自ら積極的に提案することができます。今までの経験の中で培った保育観を存分に発揮できる立場といえるでしょう。
お給料の高さ
もちろん、お給料の高さも園長になる大切な要素です。お給料が園の中で一番高く、一般の保育士として働き続ける場合と比べて、年収に大きく差が出ます。ずっと一般の保育士さんとして働いて子どもと触れ合い続けるのも魅力ですが、責任ある立場で園を作り、それに見合ったお給料をもらう、というのも一つの選択肢ではないでしょうか。
現場に入る時間が少ない
園長になると現場に入る時間が少なくなります。園長の仕事の多くは机やパソコンと向き合う事務作業や保護者や関係者とかかわりを持つ、保育室の外での役割が多くなります。したがって、現場で子どもと触れ合う時間は少なくなります。「子どもと関わる時間が好きで保育士になってのに…」と理想と現実のギャップに悩む園長もいるでしょう。
責任が重く、仕事量は多い
園長にはその立場に見合う、責任、仕事が課されます。園長はその園の、いわば最高責任者。万が一トラブルや事故が起きてしまった場合には、表に立ってその解決・説明にあたります。また、そうならないように自身の目でしっかり保育士や園内外の環境をチェックします。
一方で、事務作業が多く、労務管理や書類作成など今までの保育計画や連絡帳の記帳とは異なる質の作業が多くなります。慣れるまでは、残業で仕事を終わらせるまで帰れない、ということもあるかもしれません。
ですが、仕事の上でも園長はトップです。非効率的なやり方があるなら、園長の決断でどんどん変えていくことができますし、残業が慢性化している職場ならば自身が早く仕事を終わらせて帰る、という姿勢を見せることで、働きやすい職場を実現できる立場ともいえます。
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園長になるには
園長になるには、保育士としてどのような経験・キャリアを歩んだらいいのでしょうか?その中にもいくつか方法があります。ここでは、その方法について具体的に解説します。
一つの園に勤め続ける
同じ園に勤め続けることは園長になる一般的な方法です。同じ園内でサブリーダー、リーダー、主任、と順調にキャリアを積むことで園長を目指します。
一園で園長を目指すことは、年功序列的なところが強く、先輩や同じ程度長く働いてきた同僚との兼ね合いになり、実際に園長になるには上述のように20年以上のキャリアが必要なこともあるようです。
ただし、近年では系列園を全国展開する大規模な社会福祉法人も増えているため、新規園開設の際に園長に抜擢されるというケースもあるでしょう。
一方で、昔ながらの保育園では園長は経営者一族が就く、と決まっている園もあるため、将来、園長になる可能性がある園なのかどうかはよく見極めましょう。
キャリアを積んで転職
現在「キャリアを積んで園長として転職」という方法もできるような環境も整いつつあります。近年では、保育需要の高まりを受けて、保育園の新規開設が相次いでいます。こうした園では、新規で園長を募集している園も多いです。求人票で勤続経験5年~10年以上や主任経験者などの条件を掲げており、転職という形で応募します。一つの園に勤め続けるより若くして園長になれることもあります。
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