保育園で毛糸遊びを取り入れたい保育士さんもいるでしょう。毛糸にはさまざまな色や太さがあり、身近なお店で安く手に入るうえに、切ったり結んだりといろいろな楽しみ方ができるという特徴があります。今回は、春夏秋冬別の毛糸遊びのアイデアを紹介します。季節感のある製作や記念日に使える遊び方をまとめました。
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■目次
保育に毛糸遊びを取り入れよう!
身近な素材のひとつである毛糸を使った遊びには、くるくると巻きつけたり、毛糸を短く切って貼ったり、何かに見立てたりとさまざまな遊び方があります。
保育に毛糸遊びを取り入れるときのねらいには、以下が挙げられるでしょう。
- 毛糸の感触を味わい、その特徴に気づく
- 遊びを通してさまざまな毛糸の使い方を知る
子どもが毛糸のふわふわとした感触を味わいながら表現を楽しんだり、工夫した使い方を考えたりできるよう活動を考えていけるとよいですね。
春夏秋冬の季節別に、毛糸遊びのアイデアをみていきましょう。
【季節別】毛糸遊び~春~
ここでは、春にぴったりな毛糸遊びのアイデアを紹介します。
毛糸の花束
毛糸の束を結んで作る花束の製作をやってみましょう。
用意するもの
- 毛糸(30cmのもの、150cmのもの)
- 厚紙(7cm×5cmほど)
- ストロー
- 両面テープ
- はさみ
作り方
1.厚紙の7cmの辺の真ん中に切り込みを入れます。
2.30cmの毛糸の真ん中を切り込みに引っかけ、糸は切り込みに対して平行に流します。
3.(1)の毛糸に対して垂直方向に、150cmの毛糸を巻きつけていきます。
4.巻き終わったら、厚紙を外して(1)の毛糸を中心で結びます。
5.余分な毛糸をカットし、ストローに貼りつけたらできあがりです。
ポイント
厚紙を用意しておけば簡単に作ることができる、春らしいお花の製作です。
毛糸の種類や太さによって、完成する花の雰囲気が変わります。
いろいろな毛糸を用意しておくと、自分なりに組み合わせて楽しむこともできそうですね。
クラス全員で1つずつお花を作り、「○○組の花束」として共同で作ってもよいかもしれません。
散髪の日にちなんだ美容師さんごっこ
3月8日は散髪の日です。それにちなんで美容師さんごっこを行うのもよいかもしれません。
用意するもの
- 紙コップ
- 毛糸(髪の毛用)
- 毛糸(ひも用)
- ペン
- はさみ
- キリ
ポイント
好きなように人形の髪をカットできる、毛糸ならではの遊びです。
はさみを使用する遊びなので、必ず保育士さんが側について見守りながら遊ぶようにしましょう。
髪の毛をセットするためのヘアゴムやおもちゃのクシなどがあると、さらに遊びが盛り上がるかもしれませんね。(詳しい説明はこちら)
母の日のメッセージカード
5月にある母の日に向けて、温かみのあるメッセージカードを作ってみましょう。
用意するもの
- 毛糸
- 厚紙 1枚
- 画用紙 1枚
- ハート型の型紙
- つまようじ 1本
- テープ
- キリ
- のり
- はさみ
- 鉛筆
- クレヨンや色鉛筆
ポイント
穴の中に糸を通す工程があるので、お裁縫のような毛糸遊びを楽しみながら製作ができます。
つまようじの先でけがをしないように、カッターなどで先端をカットしておくとよいでしょう。
この遊びは子どもによって得意、不得意が分かれるかもしれません。
苦手な子どもも興味を持てるように、「ちくちく上手だね」「お母さん喜んでくれるかな」と意欲を持てるような声かけをするとよさそうです。(詳しい説明はこちら)
【季節別】毛糸遊び~夏~
温かいイメージのある毛糸ですが、夏の製作や手作りおもちゃにも活かすことができます。
くわしい作り方をみていきましょう。
クラゲのおもちゃ
足を毛糸で表現した、触って楽しむクラゲのおもちゃを紹介します。
用意するもの
- 毛糸(各色)
- ゼリーカップ
- モール(15cmほど)
- ビニールテープ
- はさみ
- キリ
作り方
1.モールでわっかを作ります。
2.(1)のモールに、15cmほどにカットした毛糸の端を結び付けていきます。
ぶら下げたときにクラゲの足に見えるよう、バランスを調整しながら、いろいろな種類の毛糸を結びましょう。
3.ゼリーカップの底にキリで穴を開け、内側からモールを通します。
カップの内側に結んだ毛糸、外側には持ち手となるモールの輪がくるように形を整えます。
4.モールの結び目や、(3)の穴をビニールテープで保護したらできあがりです。
ポイント
毛糸を引っ張ったり、触ったりして楽しむことができる毛糸を使ったクラゲの手作りおもちゃです。
キラキラした毛糸や、リボンなどを結びつけるとよいアクセントとなり、より子どもの興味を惹きそうですね。
赤ちゃんが触っても心配がないよう、プリンカップのふちやモールの端などをよく確認し、必要であればビニールテープで保護するとよいでしょう。
毛糸でタネを表現するひまわり
毛糸を使ってタネの様子を表現するひまわりの作り方をみてみましょう。
用意するもの
- 段ボール
- 毛糸(茶)
- 黄色の折り紙
- コンパス
- はさみ
- のり
- えんぴつ
ポイント
切り込みに毛糸を引っかけていく工程が楽しいひまわりの毛糸遊びです。
保育士さんがあらかじめ切り込みを入れた段ボールを作っておくと活動がスムーズに進むでしょう。
活動の前に、本物のひまわりのタネの生え方を見ておくと、よりイメージが湧くかもしれません。(詳しい説明はこちら)
毛糸で作るミニチュア麦わら帽子
ペットボトルキャップと毛糸で作る、小さくてかわいい麦わら帽子を紹介します。
用意するもの
- 毛糸(ベージュ)
- ペットボトルキャップ
- 厚紙
- 両面テープ
- はさみ
- リボン
ポイント
細かい指の動きができるようになる5歳児頃に挑戦してみるとよいでしょう。
遊びを通して、集中力や手先の器用さを育むことにつながりそうです。
両面テープにペットボトルキャップを貼る部分は、保育士さんが行うとスムーズに作ることができますよ。
毛糸の種類を変えれば、カラフルな帽子を作ることもできます。
帽子屋さんごっこに展開するのも楽しいかもしれませんね。(詳しい説明はこちら)
【季節別】毛糸遊び~秋~
毛糸を使って秋らしい表現ができるアイデアを紹介します。
松ぼっくりのネックレス
園庭や散歩先で拾った松ぼっくりで、ネックレスを作ってみましょう。
用意するもの
- 毛糸(1m)
- 松ぼっくり
- ストロー 数本
- はさみ
ポイント
3歳児くらいから楽しめそうな毛糸遊びです。
毛糸にストローを通していくことで、指先の動きが養われそうですね。
首に掛けたまま走ると、どこかに引っかかって首が締まってしまうこともあります。
保育士さんの目の届くところで安全に遊べるよう配慮することが大切です。(詳しい説明はこちら)
毛糸ボールのけん玉
敬老の日の製作に遊べる、毛糸ボールを使ったけん玉を作ってみましょう。
用意するもの
- 紙コップ 2個
- 毛糸
- ダンボール
- 色画用紙
- はさみ
- テープ
ポイント
毛糸のボールは当たっても痛くないので、低年齢の子どもでも安心して遊べそうです。
紙コップの「けん」に入れるのも本来のけん玉より難しくないため、3歳児くらいから楽しめるでしょう。
はさみを使う工程があるため、保育士さんは子どもの発達に合わせて活動内容を調整するとよいですね。(詳しい説明はこちら)
トイレットペーパーの芯で作るミノムシ
毛糸の衣に身を包んだミノムシの作り方を紹介します。
用意するもの
- 毛糸(各色)
- トイレットペーパーの芯
- 画用紙(白、黒)
- はさみ
- 接着剤
作り方
1.毛糸を1cmほどに短くカットしたものをたくさん用意します。
2.トイレットペーパーの芯に接着剤を塗り、(1)をくっつけます。
3.(2)を乾かして、画用紙で作った目玉を貼りつけたらできあがりです。
ポイント
毛糸をカットする工程は保育士さんがあらかじめ済ませておきましょう。
牛乳パックをカットして、毛糸の入れ物を作っておくと、そのまま活動に使えてよいかもしれません。
さまざまな色の毛糸を用意すれば、子どもが好きな色のミノムシを作ることができるでしょう。
毛糸だけでなくストローやちぎった折り紙を混ぜても個性的な作品になりそうですよ。
【季節別】毛糸遊び~冬~
ふわふわと温かな手触りの毛糸は、冬の製作にぴったりです。
どんな遊び方があるのでしょうか。
毛糸で作るクリスマスツリー
毛糸を巻きつけて作るクリスマスツリーを作ってみましょう。
用意するもの
- 毛糸
- クリアファイル 1枚
- はさみ
- 接着剤
- 水
- ゴム手袋
ポイント
接着剤によってやわらかい毛糸が固まってツリーの形になることに、子どもたちはびっくりするかもしれません。
きれいに固定するためには、接着剤が固まるまで風通しのよいところでしっかりと乾かすことが大切です。
また、形が崩れないようにしっかりと毛糸に接着剤を浸すことや、隙間なく巻きつけていくことに注意して製作しましょう。(詳しい説明はこちら)
小枝を使った雪の結晶
冬の戸外で拾える、小枝を活用して雪の結晶を作りましょう。
用意するもの
- 木の枝(10cmほど)3本
- 毛糸(各色)
- はさみ
作り方
1.木の枝3本をアスタリスクの形になるよう重ねて毛糸で固定します。
2.そのまま、毛糸を木の枝に1本ずつ順に巻いていきます。
途中で糸の色を変えてもよいでしょう。
3.3分の2ほど巻き終えたら、毛糸をカットして木の枝に結んでできあがりです。
ポイント
毛糸を巻きつけることで、六角形の雪の結晶の形ができていきます。
根気が必要な作業なので、少しずつできあがっていく様子を楽しめるように声をかけていきましょう。
枝を結びつける工程は保育士さんがやっておくとスムーズかもしれません。
巻き方がわからない子には、保育士さんが手を添えて教えるとよさそうですね。
節分にぴったりな鬼の帽子
鬼の髪の毛を毛糸で表現した、節分で使える帽子です。
用意するもの
- 毛糸
- 牛乳パック
- 画用紙
- パンチなど穴をあける道具
- ゴム紐
- 接着剤
- ガムテープ
- フェルトペン
ポイント
身につけて遊ぶことができる鬼の帽子を作れば、子どもたちも節分への期待感を膨らませることができそうです。
毛糸をくるくると巻く他に、カットした毛糸を接着剤で貼りつけるという方法もあります。
子どもの発達やクラスの状況に合わせてアレンジして取り入れてみましょう。(詳しい説明はこちら)
季節ごとの毛糸遊びのアイデアを知って、保育に取り入れよう
今回は、春夏秋冬の季節別に毛糸遊びのアイデアを紹介しました。
毛糸遊びには、素材のよさを味わいながら遊んだり、毛糸のさまざまな使い方を知ったりするというねらいが挙げられそうです。
春や夏には、毛糸の髪の毛をカットできる美容院ごっこや、毛糸で作った麦わら帽子など毛糸の特徴や質感を活かした遊び方ができるでしょう。
秋や冬には、毛糸にくるまれたミノムシや、毛糸を巻きつけて作るクリスマスツリーなど温かみのある工作遊びが楽しめそうですね。
季節別のネタを参考に、保育園でも毛糸遊びを取り入れてみてくださいね。