乳児クラスの保育士さんのなかには、2歳児ができるようになることについて考える方もいるのではないでしょうか。イヤイヤ期とも呼ばれる時期でもあり、保育園で保育士さんや友だちにさまざまな刺激をうけながら、できることが増えていくようです。今回は、2歳児の子どもたちができるようになることを項目に分けて紹介します。あわせて、接する時のポイントもまとめました。
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■目次
2歳児はどんな時期?特徴は?
2歳児といえば、0歳児や1歳児より動かし方や言葉の使い方が上手になり、少しずつお兄さんやお姉さんになってくる時期です。
第一次反抗期とも呼ばれる時期にもあたり、何でも「イヤイヤ」といってしまうこともあるでしょう。
「自分でやりたい」という気持ちが強くなり、何でも一人でやろうとする姿も見られ、思い通りにできずに怒ったり、抵抗したりというときもあるかもしれません。
2歳児のクラス担任になったときなど、この時期の子どもたちの特徴やできることの目安を知っておくと保育に役立てられそうですね。
今回は2歳児の子どもたちができるようになることについて、項目ごとに紹介します。
2歳児ができようになること:言葉編
まずは、「言葉」に焦点をあてて2歳児の子どもたちができるようになることをみていきましょう。
二語文や三語文で話す
「ワンワン、いた」というような二語文や「ワンワン、あっち、いた」など三語文で話せるようになる子どもがいるようです。
保育士さんも、「ワンワンあっち行っちゃったね」など起きたことを伝えると、子どもが自然と真似して話してくれるかもしれません。
自分の気持を伝える
「いま、おこっているの」「〇〇たのしいね」「せんせい、だいすき」など自分の気持ちを少しずつ言葉で表現ができるようになってくる頃のようです。
子どもたちが気持ちを言いやすいように、「今楽しい気持ちかな」「〇〇が楽しいね」「〇〇してもらって嬉しかったね」など声掛けをすると子どもが答えやすくなるかもしれません。
日常の挨拶をする
「おはよう」「いただきます」「ごちそうさま」「こんにちは」などの日常の挨拶を覚え言葉にできるようになる頃のようです。
保育士さんは、朝であれば「おはよう」と意識的に声をかけて、子どもたちとの朝の挨拶をやり取りしてみるとよいですね。
2歳児ができるようになること:遊び編
次に、遊びのなかで2歳児ができるようになることを見ていきましょう。
指先を使って遊ぶ
紐通しや、ビーズ通しなど指先を使って遊べるようになってくるようです。ほかにも、台紙からシールを剥がしたり別の場所に貼ったりできるようになるでしょう。
またビーズは大きめのものを用意し、口に入れるなどの危険のないよう遊んでいる最中は子どもたちから目を離さないようにしましょう。
絵本を集中して見る
5~10分ぐらいの絵本なら集中して見られるようになる頃のようです。
絵本を通してお話の世界を想像できるように、子どもたちの好きな絵本を繰り返し読むとよいですね。場面がどんどん変わったり、少し仕掛けがあったりするものだと飽きずに集中して見られそうですね。
丸や線などのお絵かきをする
ぐるぐる丸を書いたり、一本線をかいてみたりなどお絵かきができるようになってくる時期のようです。まだ上手にクレヨンを持てない子がいたら、いっしょに持つなど個別に対応をしていくとよいでしょう。
2歳児ができるようになること:運動編
続いて、運動の中で2歳児の子どもたちができるようになることを見ていきましょう。
ボールなどの道具を使って遊ぶ
ボールを投げたり、蹴ったり鉄棒にぶら下がったりと道具を使って遊べるようになる頃のようです。
ボール遊びや鉄棒、マットなどダイナミックな遊びを組み合わせて楽しめる、サーキットを保育に取り入れると楽しめそうですね。
走ったりジャンプをしたりする
体の使い方が上手になってきて、走ったりジャンプしたりできるようになってくる時期のようです。
広い場所で走ったり、「ここにはワニさんが住んでいるからジャンプしてね」と声を掛けて、ジャンプと組み合わせたりして遊ぶのもよいでしょう。一斉に走るときは同じ向きにし、危険のないように注意することが大切です。
2歳児ができるようになること:社会性や生活、友だちへの興味編
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生活を送るなかでの社会性や友達への興味を見ていきましょう。
自ら排泄をする
保育生活を送る中で、クラス全体で一斉に排泄をする時間を作っていますよね。そのなかで2歳児になると子どもたち自ら「おしっこ出ちゃう」などと保育士さんに伝えて排泄のタイミングを知らせるようになってくるようです。
保育士さんが「教えてくれてありがとう」と伝えれば「また言おう」と思えて、自ら排泄ができるようになるかもしれません。
着脱をする
自分で衣服を着替えようとしたり、脱ごうとしたりするようになってくる頃のようです。
まだ上半身の服は脱ぎにくいこともあるため、少しだけ保育士さんがフォローをすることもあるでしょう。
個人個人に目を向けどこまでできるのか、どこを援助すればよいのかなど把握しておくことが大切です。
友だちといっしょに遊ぶ
0歳児や1歳児のように個人から、周りにいる友だちに興味を持ち、同じ遊びをするなど関わって遊べるようになる時期のようです。
保育士さんが「〇〇くんもいっしょに遊ぼうか」など子どもたち同士で遊べるように促すとよいでしょう。また、やり取りを見守ったり、いっしょに遊んだりすることで、子ども同士も自分から遊べるようになり、社会性がそなわっていくかもしれません。
自分で食事をする
スプーンやフォークを上手に使えるようになったことで、自分から進んで食事ができるようになる頃でしょう。
はじめは順手持ちと呼ばれる、手の甲を上にした持ち方をして食べ始めることができそうです。食事ができるようになってきたら、逆手持ちから鉛筆持ちに変化できると、幼児クラスでお箸を使う場合も苦戦せず持つことができるもしれません。
2歳児の子どもたちと接する時のポイント
最後に、2歳児の子どもたちと接するときのポイントをまとめました。
子どもの気持ちを受け止める
2歳児頃はイヤイヤ期でもあるため、まずは子ども自身がどうしたいのか気持ちを受け止めるようにしましょう。そのとき、子どもが何に対してイヤだと言っているのかをゆっくり聞く時間を取ることが大切です。
1対1の環境を作ることが難しいかもしれませんが、周りに他の子どもたちがいても「今、〇〇くんのお話を聞いているから、少し待っていてね」と声をかけるとよいでしょう。
やりたいことは子ども自身で挑戦できるようにする
子ども自身でやりたいと行動しているときは、基本、見守っているとよいでしょう。
ただし、援助を必要そうにしているときは少し手伝ったり「〇〇するといいよ」など声をかけたりして自分でできるように促すとよいかもしれません。時間がかかることを見越して、子どもたちができることはゆっくり時間を作っておくとよさそうです。
友だちや物の名前を生活のなかで多く使う
子どもたちが、周りにいる友だちや物の名前に気づくように意識的に多く使うようにしましょう。
保育士さんが使うことで子どもたちも名前に気づき、それを理解して自分の言葉として使えるようになるかもしれません。繰り返し行うと子どもたちの語彙も増えていきそうですね。
2歳児ができるようになることを知って適切な援助をしよう
今回は、2歳児の子どもたちができるようになることをくわしく紹介しました。
イヤイヤ期と呼ばれる2歳児の子どもたちは、自我が芽生えることで「自分でやりたい」という気持ちが出てくるでしょう。言葉や社会性、運動、言葉など保育生活のなかでさまざまなことができるようになる時期です。
2歳児の子どもたちの思いを受け止めながら、できることを把握して援助できるとよいですね。