保育園でデカルコマニー製作を取り入れる際、指導案の書き方に悩む保育士さんもいるかもしれません。ねらいや環境構成、予想される子どもの姿、援助方法を詳しく記載すれば、活動をスムーズに行なうことができるでしょう。今回はデカルコマニーの概要や基本的なやり方、指導案例を詳しく紹介します。年齢別の書き方のポイントもまとめました。
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■目次
指導案に役立つデカルコマニーの概要とねらい
芸術的な模様を楽しむ「デカルコマニー」。
子どもたちの創造力や発想力を養う遊びのひとつとして、取り入れる園も多いかもしれません。
まずはデカルコマニーの技法や保育に取り入れる際のねらいを見ていきましょう。
デカルコマニーってどんな技法?
デカルコマニーとは、フランス語で「転写する」という意味を持つ絵具を使った芸術技法のひとつです。
絵具を塗った紙を半分に折り、転写させてさまざまな模様を作り出すことを楽しみます。筆などの道具が必要ないため、低年齢児クラスの製作活動としても取り入れることができるでしょう。
デカルコマニーのねらい
芸術的な作品に仕上がるデカルコマニーですが、保育の中で取り組むねらいは以下の通りです。
- 自由に表現することで自主性を育てる
- 絵具の色彩を楽しむ
- 模様の仕上がりを楽しみながら製作する
- 完成した模様を友だちと見せ合ってコミュニケーションを図る
完成した作品を見ながら「面白い形!」「○○ちゃんの模様きれい。」など子ども同士でやり取りすれば、発想を共有することもできそうですね。
デカルコマニーを取り入れる際は、事前に基本的なやり方を把握することが大切です。また、子どもたちがスムーズに活動できるよう、活動の流れや環境構成などを記載した指導案を作成するとよいですね。
基本的なデカルコマニーのやり方
ここでは、基本的なデカルコマニーのやり方を紹介します。
<デカルコマニーの手順>
1.画用紙を半分に折って開き、折り目をつけます。
2.片面に好きなように絵の具を塗ります。
3.指先を使って直接かいたり、チューブからそのまま色を出して塗りつけたりして自由にかきます。
4.絵の具が乾く前に、(1)の折り目に沿って紙を折ります。絵の具がきちんと転写されるように、紙全体を丁寧に手でこすります。
5.紙をゆっくりと開けばできあがりです。
スポンジや和紙などを使って絵具を塗る場合もあるようです。また、できあがった模様にクレヨンで絵をかいたり、マスキングテープやボタンといった異素材の材料を貼ったりすれば、表現の幅も広がりそうですね。
【作成例】デカルコマニー製作の指導案
ここで、保育園でデカルコマニー製作の指導案の実例を紹介します。書き方のポイントを抑え、具体的な援助方法などを記載して活動に備えましょう。
早めに指導案を作成して子どもたちの様子を想定し、環境構成などに配慮しながら準備できるとよいですね。
【年齢別】デカルコマニーの指導案作成のポイント
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年齢別にデカルコマニーの指導案の書き方のポイントを記載します。
0歳児~1歳児
0歳児クラスの場合、月齢によってはデカルコマニーのような指先を動かす製作は難しいかもしれません。「チャックつき袋に画用紙や絵具を入れて上からなぞる」などやり方を工夫する旨を指導案に書くとよいですね。
1歳児クラスでは、製作の説明をする際に気が散らないよう、材料を配るタイミングに配慮するとよさそうです。
また、スモックの着用に時間がかかったり、眠くなる子がいたりと活動を開始するまでに時間がかかることも考えられます。普段の子どもたちの様子を考慮して、ゆったりとした時間配分を設定し、援助方法などを記載するとよさそうです。
2歳児~3歳児
2歳児~3歳児クラスでは、デカルコマニー製作を経験した子も多いかもしれません。その際は季節のモチーフなどをテーマにして、四季の変化を楽しめるような工夫を取り入れてみるとよさそうです。
「製作活動の前に机をふく」「スモックを着用する」など自分でできることは子どもたちに任せ、自主性を育むことができるとよいですね。配慮する点については、指導案に詳しく記載しておきましょう。
4歳児~5歳児
いろいろな技法を経験してきた4歳児〜5歳児クラスではデカルコマ二―製作に変化を持たせるとよいかもしれません。多様な遊びが展開できるように、画用紙やマスキングテープ、クレヨンなどさまざまな材料を用意しておきましょう。
また、簡単な工程のデカルコマニーは低年齢児から高年齢児クラスまで幅広い年齢の子どもたちが楽しめる遊びになります。
そのため、異年齢交流の活動としても取り上げ、2歳児や3歳児クラスなどといっしょに製作するのもよいですね。
指導案には、自由な発想力を培うための声かけのポイントや異年齢交流の際の注意点などを記載しましょう。
デカルコマニー製作の指導案を作成して活動に向けて準備しよう
デカルコマニー製作は、絵具の色彩を楽しんだり模様の仕上がりにワクワクしたりと、子どもたちにとって魅力的な遊びのひとつでしょう。
事前に指導案を作成し、ねらいや援助方法を明確にすれば、スムーズな活動に役立ちそうです。年齢にあわせた活動の進め方、声かけ方法を記載するとよいですね。
保育園でデカルコマニー製作を楽しみ、豊かな感性を育てていきましょう。
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