保育士の休憩時間は労働基準法で何分?取れないのは違法?裁判事例や交代制のコツも解説

「午睡中も結局仕事をしていて、まともに休憩を取れたことがない!」そんな悩みを抱える保育士さんは少なくありません。労働基準法では、8時間超の勤務に1時間以上の休憩が義務づけられており、保育士も例外ではありません。今回は休憩が取れない原因から、交代制での回し方の工夫、それでも改善しないときの選択肢まで解説します。

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この記事でわかること
  • 午睡も人手不足も全部リアル!休憩が取れない5つの構造的原因 ▼詳細
  • 相談・効率化・文化づくり、今日から動ける具体策 ▼詳細
  • 現場で実践できる交代制の回し方4パターン ▼詳細

目次

労働基準法における休憩時間の基本ルール

保育園の一般的な勤務時間は、早番・中番・遅番のシフト制で1日8時間が基本です。

労働基準法の第34条によると、勤務時間が8時間を超える場合は1時間以上、6時間を超え8時間以下の場合は45分以上の休憩を、勤務時間の途中に与えなければなりません。

パートや時短勤務の保育士さんであっても、6時間を超えて働く場合は同様に休憩が必要です。雇用形態による違いはありません。

休憩時間は通常、労働者に一斉に与えられることが求められていますが、保育の現場では、子どもたちの見守りが必須です。

そのため、一斉に休憩をとるのではなく、交代制でとるのが一般的です。

しかし、この交代制を採用していることにより、十分な休憩時間を確保できない園もあり、裁判に発展した事例もあります。

⚖️ 知っておきたい現場のリアル
保育園の休憩未取得が裁判事例も

ある認可保育園の裁判では、一人担任の保育士が休憩時間中も連絡帳の記入や園児との食事指導を行っていたことから、裁判所が「休憩を取れていなかった」と認定された例があります。

シフト表に休憩の「○」印があったものの、具体的にいつ・誰が休憩したかの記載がなかったため、証拠にはならないと判断のようです。

こうした判例からも、保育士の休憩未取得は「現場ではよくあること」で済まされる問題ではなく、法的にも園側の責任が問われる問題です。

「うちの園もそうかも…」と感じた方は、
まず自分の勤務時間と休憩の実態を記録しておくことが大切です。

保育士が労働基準法で定められている休憩時間を確保しにくい5つの理由

労働基準法で定められた休憩時間を保育士に与えないことは違法ですが、午睡中の見守りや連絡帳の記入などでなかなか休憩が取れない状況も…。

業務から完全に解放されていない状態は法律上「休憩」とは認められませんが、なぜそのような実態が起きてしまうのか、理由を見ていきましょう。

子どもたちの安全管理が最優先だから

保育士さんの業務では、子どもたちの安全確保が最優先でしょう。

特に低年齢児を担当する場合、常に大人の見守りが必要で、一人でも保育士さんが抜けてしまうと安全管理が難しくなることが多いかもしれません。

そのため、職場の状況によっては休憩をとりたくてもとれないことも珍しくありません。

子どもの午睡中も見守りや業務を行っているから

子どもたちの午睡中に見守りや事務作業に追われる保育士さんも多く、休憩が確保しにくい状況になっていることも少なくありません。

午睡中には、子どもの呼吸や寝返りを確認したり、急な体調の変化に備えたりと、常に注意を払って見守る必要があるからです。

また、子どもが寝ている間に連絡帳の記入や保育計画の準備、教室の整備など、普段できない業務を進めなければならないことも多いことから、実質的に休憩時間がとれなくなってしまう傾向にあります。

人手不足によって業務負担が増加しているから

近年、保育現場では慢性的な人手不足が大きな課題となっており、一人ひとりの保育士さんにかかる負担が増している状況にあります。

人手不足のため、保育士さんが担当する子どもの人数が増え、日々の保育業務の負担が大きくなってしまうことも珍しくありません。

保育士さんの仕事は、食事や着替えのサポート、オムツ替え、遊びの指導など多岐にわたります。

ほかにも、保育日誌の記入や保護者への報告書の作成など、事務的な業務もこなさなければなりません。

これらの対応を少人数で行わなければならないため、一人あたりの業務量が増えてしまい、休憩がとりづらくなってしまうようです。

特に、小規模な保育園では職員数が限られており、一人が抜けるだけで現場の運営に支障が出やすいでしょう。結果的に十分な休憩時間が確保しにくい状況に陥ってしまうことも珍しくありません。

人員に余裕のある園があります休憩がとれる職場を聞いてみる

突発的な対応に対処する必要があるから

保育の現場では、子どもたちが急に体調を崩したりケガをしたりして、突発的な対応が発生することが珍しくありません。

こうした子どもの安全にかかわる事態が発生した場合は優先的な対応が求められ、予定していた休憩も後回しになりがちです。

また、子どもたちの活動がスムーズに進まないことも珍しくなく、たとえばお散歩の準備に時間がかかったり、食事がゆっくりになったりすることがあります。

予定していた時間よりも活動が長引いてしまった場合、事前に計画していたタイミングで休憩をとるのが難しくなってしまうようです。

保育士さんへの配慮が不十分な職場環境だから

保育園全体で休憩時間を確保する重要性が十分に認識されていない職場では、保育士さんの休憩が軽視されているおそれがあります。

特に労働基準法を遵守した休憩時間が守られていないケースでは、保育士さんの身体・精神的な負担が増すこともあるようです。

また、休憩専用のスペース(休憩室)が設けられていない園も少なくありません。

保育室や職員室で休憩を取らざるを得ない環境では、子どもの泣き声や同僚の仕事の気配が気になり、心身ともに十分にリフレッシュできないでしょう。

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保育士さんが労働基準法で定められた休憩時間を確保する方法

さまざまな理由から休憩時間がとりにくい保育士さんですが、労働基準法で定められた休憩時間をとるためにはどうしたらよいのでしょうか。

あなたの園は大丈夫?
休憩環境チェックリスト

3つ以上チェックが付かない場合は、
園全体の体制見直しが必要かもしれません。

チェックリストを確認したうえで、休憩時間が取れていない場合は以下の方法を検討してみましょう。

上司や先輩保育士に相談する

まずは、きちんと休憩時間を確保したい旨を、園長や信頼できる先輩保育士さんに相談してみましょう

その際、現状困っている事例を端的に伝えながら、どう改善すればよさそうかを提案すると話が進みやすいかもしれません。

午睡中の業務の効率化を図る

子どもたちが午睡中にもこなさなければならない仕事に追われている場合は、業務の削減や効率化に努めることで休める時間を確保できそうです。

たとえば、業務の負担を軽減できるようなICTシステムを導入できないかを保育園側に提案してみてもよいでしょう。

また、清掃や片付けの分担を決めて役割をシンプルにしたりすると、午睡中に対応すべき業務の負担が軽減し、短時間の休憩をとりやすくなるかもしれません。

園全体で休憩時間の確保を意識する文化を作る

保育士さんが安心して休憩をとれるようにするためには、園全体で休憩時間を確保する文化を作ることが大切です。

保育士さんが休憩をとるということに罪悪感を持たず、また上司やほかの職員が積極的にサポートできるようにすることで、休憩がとりやすくなるでしょう。

たとえば、園内で「お互いの休憩を守ろう」というルールや声かけを徹底することが効果的です。

また、休憩時間中の外出についても話し合いましょう。

労働基準法第34条第3項では「休憩時間を自由に利用させなければならない」と規定されており、園が一律に外出を禁止することは原則として認められていません。

休憩中にコンビニへ行ったり、気分転換に外の空気を吸ったりすることは、労働者に認められた権利です。

暗黙の了解で外出できない」という園も多いですが、本来は自由に過ごせるのが休憩時間の正しいあり方です。

その点も含めて、園で休憩時間のルールを設けることが大切ですね。

休憩時間のとれる保育園に転職する

「休憩が取れないのがつらくて辞めたい」「でも辞めるほどの理由になるのかな…」と迷っている保育士さんもいるかもしれません。

しかし、休憩が取れない状態が続くことは法律違反であるだけでなく、心身の健康を損なうリスクもあります。我慢し続ける必要はありません。思い切って環境を変えるのもひとつの方法です。

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    保育士さんの休憩の回し方のポイント

    保育士さん同士が協力し合って休憩を回すためには、計画的な役割分担やスケジュール管理が重要です。ここでは、具体的な休憩の回し方を紹介します。

    エリアやクラスを一時的に分担してカバーし合う

    休憩に入る保育士さんがいる場合、ほかの保育士さんが一時的にそのエリアやクラスを担当してカバーするのもよいでしょう。

    たとえば、クラスごとの活動時間中に交代で一人ずつ休憩をとる場合、ほかの保育士さんが一時的にそのクラスの見守りに入ることで、担当クラスの保育士さんが気兼ねなくリフレッシュできるかもしれません。

    こうした仕組みによって、保育業務を維持しながら、交代制の休憩を回しやすくなることが期待できるでしょう。

    子どもの活動に合わせた休憩を計画する

    子どもたちの活動時間や午睡のタイミングに合わせて休憩を計画するのも、効率的に休憩をとるための工夫のひとつです。

    特に子どもたちの午睡中は、保育士さん全員が見守りにつくのではなく、交代で休憩をとるようにすると、現場が無理なく回るでしょう。

    たとえば、午睡中に1人ずつ15分休憩を交代で回すことで、全員が少しずつでもリフレッシュできる時間を確保することができます。

    こうした配慮を取り入れることで、子どもたちの見守りが疎かにならないよう、バランスよく休憩を挟めるでしょう。

    連携プレーを意識してチームワークで対応する

    保育士さん同士が密に連携を取り、チームとして協力する意識を持つことで、交代制の休憩がとりやすくなるかもしれません。

    業務の合間に隙間時間が生まれたら、ほかの保育士さんがサポートに入り、交代で休憩をとるようにしましょう。

    たとえば、食事の時間や外遊びの時間帯などで1人が抜けてもほかの保育士さんがカバーに入ることで、無理なく交代しながら休憩時間をとれるかもしれません。

    事前に役割分担を明確にしておくと、自然な流れで休憩を回せるようになることが期待できます。

    シフト表や予定表に休憩時間を事前に組み込む

    シフト表や日ごとの予定表に休憩時間をあらかじめ記入し、保育士さん同士で事前に共有しておくと、交代制で休憩がとりやすくなるでしょう。

    たとえば、シフト表に10分ずつ交代制の休憩時間を割り当てておくことで、急な業務や予想外の対応が発生しても、最低限の休憩が確保しやすくなるかもしれません。

    計画的に休憩時間が設定されていることで、予定していたリフレッシュ時間がとりやすくなり、負担を軽減できるでしょう。

    今の園では休憩時間を取りづらい…と不安な方へ。

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    読んでおきたいおすすめ記事

    保育士の休憩時間に関するよくある質問Q&A

    Q. 保育士の休憩時間は法律で何分と決まっている?

    A. 労働基準法第34条により、6時間超の勤務で45分以上、8時間超の勤務で1時間以上の休憩が義務付けられています。

    これは保育士にも例外なく適用されるルールです。

    休憩時間は労働時間の途中に与えなければならず、労働者が自由に利用できることが原則とされています。

    保育現場では交代制での取得が一般的ですが、午睡中の見守りや事務作業で実質的に休めていないケースでは、法律上の休憩要件を満たしていない可能性があります。

    Q. 保育士が休憩を取れないのは違法?

    A. はい、労働基準法で定められた休憩時間を与えないことは違法です。

    保育中の見守りや連絡帳の記入など、業務から完全に離れられない状態は「休憩」とは認められません。

    労働基準法では、休憩時間は労働から完全に解放される必要があるとされています。

    もし慢性的に休憩が取れない場合は、まず園長や上司に相談し、それでも改善されなければ労働基準監督署に相談する方法もあります。

    Q. 午睡中の見守りは休憩時間に含まれる?

    A. いいえ、SIDS対策の呼吸チェックなど見守り業務を行っている時間は休憩とは認められません。

    労働基準法上、休憩時間は「労働者が労働から完全に離れることを保障されている時間」です。

    午睡中に子どもの体調確認や寝返りチェックを行っている場合、それは業務の延長であり、法的には労働時間に該当します。

    園全体で交代制を整備し、見守り担当と休憩者を明確に分けることが重要です。

    Q. 休憩時間に連絡帳や書類を書くのは普通のこと?

    A. 多くの園で見られる実態ですが、本来は業務であり休憩とは認められません。

    休憩時間中の連絡帳記入・保育日誌作成・会議参加は、すべて労働に該当します。

    ICTシステムの導入で事務作業を効率化したり、業務分担を見直して勤務時間内に書類作業を終わらせる仕組みづくりが、休憩確保の近道です。

    Q. 保育士の休憩中に外出してもいい?

    A. はい、法律上は休憩時間中の外出は自由です。

    労働基準法第34条第3項では「休憩時間を自由に利用させなければならない」と規定されており、園が一律に外出を禁止することは原則として認められません。

    ただし、実態としては「何かあったときのために園内にいてほしい」という暗黙のルールがある園も存在します。

    休憩の自由利用が確保されているかどうかは、職場環境を見極める重要なポイントです。

    Q. 休憩がしっかり取れる保育園の見分け方は?

    A. 求人票だけでは判断しにくいため、園の実態を知る情報源を活用することが重要です。

    チェックすべきポイントとしては、職員の配置人数に余裕があるか、休憩専用のスペースがあるか、ICTシステムを導入して業務効率化に取り組んでいるか、などが挙げられます。

    保育士バンク!では専任アドバイザーが園を直接訪問し、休憩の取得状況や職場の雰囲気など、求人票には載らない情報を把握しています。「休憩をちゃんと取れる園がいい」という条件でも具体的な園を紹介できます。

    Q. 転職サービスに登録すると、今の職場にバレない?

    A. バレません。本人の許可なく、現在の勤務先に登録情報が共有されることは一切ありません。

    保育士バンク!では、登録時に「在職中」と伝えていただければ、連絡のタイミングや方法にも配慮して対応しています。

    たとえば「平日の日中は電話に出られない」「LINEでのやり取りがいい」といった希望にも柔軟に対応可能です。在職中の方の登録は非常に多く、安心してご利用いただけます。

    Q. まだ辞めるか決めていないけど、相談だけでもOK?

    A. はい、相談だけでもまったく問題ありません。

    「今の園の休憩体制が普通なのか知りたい」「他の園の条件を見てみたいだけ」という段階で登録される方はとても多いです。

    保育士バンク!では情報収集目的の相談を歓迎しており、無理に転職をすすめることはありません。

    専任アドバイザーが実際に園を訪問して集めた現場情報をもとに、「休憩がきちんと取れる園かどうか」といったリアルな働き方の情報もお伝えできます。

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    Q. 保育士バンク!に登録後、しつこく連絡が来ない?

    A. 希望の連絡方法(電話・LINE・メールなど)と時間帯を伝えれば、それに合わせた対応になります。

    「まずは情報だけほしい」「LINEで空いた時間にやり取りしたい」と最初に伝えておけば、必要以上の連絡は行いません。

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    労働基準法で定められた休憩時間を確保するには保育士さん同士の協力も必要

    休憩をとりやすくするためには、保育士さん同士がいっしょに働いている職場の仲間たちに、休憩の声かけをし合うことも大切です。

    たとえば、保育士さん同士で「今のうちに少し休憩に行っておいで」と声をかけ合うことで、安心してリフレッシュできる時間を持つことができるでしょう。

    こうした気遣いがあると、チーム全体で休憩をとりやすい職場の雰囲気が生まれ、保育士同士の信頼関係が強まります。職場全体で支え合い、無理のない働き方を目指すことが大切です。

    保育園によって勤務体制はまちまちかもしれませんが、息抜きできずに働き続けるような環境下ではストレスから心身に支障をきたしかねません。

    その点、きちんと休憩時間をとれる保育園であれば、いまより活き活きと働ける可能性があります。

    昼休憩を確保できる職場で働きたい」などとお考えの保育士さんは、保育士専門の求人サイトである保育士バンク!へご相談ください。

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