保育園で0歳児から食育を始める場合、どのようなことを意識すればよいでしょうか。子どもが食に興味を持てるようなねらいを持って、保育士として適切な関わり方ができるとよいですね。今回は、0歳児の授乳や手づかみ食べなど、それぞれの時期に応じた配慮点を紹介します。また、食育への取り組み方についてもまとめました。
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■目次
0歳児から食育を始めてみよう
0歳児から食育を始めるなんて早いのでは?と感じる保育士さんがいるかもしれません。
食育基本法には、食育によって健全な心身を培うことができ、豊かな人間性を育むための基礎になると記されています。
授乳や離乳食の時間も、子どもと保育士さんとの信頼関係を築ける大切なひと時といえるでしょう。
そのため、保育士さんが早い時期から食育を意識することで、子どもとより良いコミュニケーションを図ることができそうです。
食育を早い時期から積極的に取り入れて、子どもへの関わり方を今一度見直してみませんか?
子どもが食に興味を持つ第一歩につながるよう、ねらいなどを確認していきましょう。
参考文献:食育基本法
【0歳児の食育】時期別のねらいは?
ここでは、時期別のねらいを紹介します。
授乳期
- 授乳を通して保育士さんに親しみを持つ
- 空腹が満たされるよろこびを感じる
子どもにとって授乳の時間は、保育士さんを近くに感じることができる大切なひとときです。
空腹が満たされると同時に、安心感も得られることでしょう。
離乳食の介助をする時期
- いろいろな素材を通して食に興味を持つ
- 噛んで味わいながら食材の性質を知る
離乳食が始まったら、徐々に固い食材へと移行しましょう。
食べるのが楽しいと感じられるような雰囲気作りを心がけることが大切です。
手づかみ食べをする時期
- 手づかみ食べを通して食材の感触を知る
- 自分で進んで食べようとする
- 色々な食べ物を見る・触る・噛んで味わう経験
子どもが五感を通して、いろいろな食材を覚えていく時期です。
自主的にさまざまな料理に手を伸ばせるように、調理法を工夫できるとよいですね。
【0歳児の食育】時期別の関わり方
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ここでは、食育を意識した子どもへの関わり方で、時期別に配慮したい点をまとめました。
授乳期
保育士さんが落ち着かない心境で授乳を行なえば、子どもも不安な気持ちになってしまうかもしれません。
保育士さんが明るい表情でゆったりと授乳できれば、子どもは穏やかな気持ちで空腹を満たすことができるでしょう。
離乳食の介助をする時期
子どもが飲み込むペースに合わせて、ゆっくり口に運ぶことを意識しましょう。
汁物はスプーンを活用すると、子どもが飲みやすいかもしれません。
子どもがなかなか食べないときは、調理方法を変えるなど工夫することで食べられることもありますよ。
また、離乳食の時間をずらしてみるのも一つの方法です。
手づかみ食べをする時期
離乳食が2回食になったら、手づかみ食べを始める目安と考えてよいかもしれません。
自分で食べようと手を伸ばす姿が見られれば、食への関心が高まっているといえそうです。
崩れにくい固さのスティック状に調理すれば、子どもが持ちやすいでしょう。
さまざまな食材の味覚や触感を楽しみながら、子どもの好きな食べ物が増えるとよいですね。
【0歳児の食育】進めるうえで意識したいポイント
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0歳児から食育を進めるうえで、次に挙げるポイントを意識するとよいでしょう。
積極的に声掛けを行なう
子どもの目を見ながら、「ミルクおいしいね」「モグモグ上手だね」などの声掛けを積極的に行ないましょう。
保育士さんが口をモグモグ動かせば、子どもは真似して上手に咀嚼できるようになるかもしれません。
子どもにとって食べることが楽しみになるように、保育士さんが笑顔で接することも大切です。
焦らずに進める
子どもがなかなかミルクや食事を口にしないと悩みますよね。
摂取量には個人差があるため、焦らずにゆったりと子どもと関わるようにしましょう。
もしかすると子どもの体調不良によって、摂取量が少ない場面もあります。
子どもの様子に注意しながら、無理強いしないことが大切です。
清潔な環境を整える
保育士として、子どもの使う椅子とテーブルを拭いたり食前食後は手や口の洗浄を行なったりと、衛生面に配慮することが求められます。
なお、子どもの椅子の下に新聞紙やビニールシートなどを敷いておけば、子どもが食べこぼした際の掃除の負担が軽減されますよ。
0歳児の食育に取り組み、子どもに食べることのよろこびを伝えよう
保育士さんが0歳児から食育を意識することで、子どもが食べることを楽しいと感じるきっかけを作れるかもしれません。
授乳や給食の時間は子どものペースに合わせながら、穏やかな気持ちで楽しい雰囲気作りを心掛けましょう。
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