自然遊びとは、身近なところにある自然に触れて学んでいく遊びのことです。そんな自然遊びを、積極的に保育活動に取り入れていきたいと考えている保育士さんも多いのではなないでしょうか。そこで今回は自然遊びのねらいや内容を解説しつつ、自然遊びが子どもにどのような効果を与えるのかを紹介します。また、保育活動に取り入れる際の注意点も一緒に確認しておきましょう。
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■目次
自然遊びとはどんな遊び?
自然遊びとは、草や花、水、天気、生き物など身近なところにある自然に触れ、変化を楽しんだり、五感を使って感じ取ったりしながら、さまざまなことを学んでいく遊びのことです。
たとえば、草や花を使って製作をしたり、虫を観察したりするのも自然遊びのひとつといわれています。最近は、そんな自然遊びを保育活動のひとつとして取り入れている保育園が増えているようです。
自然遊びを導入するねらいとは
自然遊びは、保育所保育指針で定められている「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」のひとつの「自然との関わり・生命尊重」に関わる大切な活動です。
身の回りにあるさまざまな自然環境に興味や関心を持ってもらい、発見を楽しみ、考えるなどの行動を普段の生活に取り入れようとする力を養うことを目的としています。
自然遊びのねらいに記載されている内容とは
保育所保育指針では、自然遊びのねらいとして以下のような内容が記載されています。
- 自然に触れて生活をしながら、その大きさや美しさ、不思議さに気づく
- 生活する中であらゆるものに触れ、その性質や仕組みに興味・関心を持つ
- 季節によって、自然や人間の生活に変化があることに気づく
- 自然などの身近な事象に関心を持ち、取り入れて遊ぶ<
- 身近な動植物に接して、生命の尊さに気づき、いたわり、大切にする
つまり、遊びの中で自然に触れ合うことで、普段の生活だけでは気づけないことや学びを深められるということが主なねらいと言えそうです。
自然遊びが子どもに与える効果
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自然遊びをすることで、子どもにどのような効果を与えるのでしょうか。ここでは、自然遊びの効果を解説します。
命の大切さを感じられるようになる
自然遊びをしているときに見つけた虫を、保育園の中で飼育することもあるかもしれません。飼育をするということは、必然的に虫を観察することにつながります。
観察することで虫の生態に興味や関心が湧くと同時に、好奇心・探求心が育まれるでしょう。さらに、生き物の命の大切さを感じられるようになります。
想像力・発想力が豊かになる
自然遊びには、特に決められたルールがありません。そのため、子どもたちは自ら「どうやって遊ぼう?」と考えるようになります。
考えて実際に行動することによって新たな発見があるため、自然と想像力や発想力が育まれていくでしょう。
問題解決力を身につけられる
子どもは自然遊びを経験することで、さまざまな疑問を持つことがあるといわれています。「どうして?」や「なぜ?」など、自然遊びをしたときに浮かび上がった疑問を考えるようになるそうです。
疑問を持つことで自ら考え始め、本や図鑑で調べたり、先生に聞いてみたりするなどして、答えを導き出そうとします。このような経験が、問題解決力を育むといわれています。
生活リズムを整えられる
自然の中で身体を動かして遊ぶことで、多くのエネルギーを消費します。すると、お腹が空くため、ごはんをしっかりと食べるようになるでしょう。
また、同時に体力も消耗しているので、睡眠の質の向上も期待できます。日常的に自然遊びを取り入れることで生活リズムが整い、子どもの発育に良い影響を与えてくれるでしょう。
コミュニケーション能力や協調性を身につけられる
自然遊びは一人でもできることですが、保育園の活動でお友達と協力して遊ぶことでコミュニケーションを身につけるきっかけにもなるといわれています。
また、遊びを通してルールを守ったり、協力したりする必要が出てくるため、自然と協調性も身についていくでしょう。
園庭や公園などの身近な場所で自然遊びをする方法
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自然遊びをするとなると、どうしても山や川、森など自然が多いところに行かなければならないと思うのではないでしょうか。
自然が多いところに行かずとも、保育園にある園庭、近所の公園などでも、意外と簡単に自然遊びを楽しむことができますよ。
天気がいい日に園庭や公園で生き物を探してみたり、砂遊びをしてみたりしましょう。また、雨や雪などが降っている日に雨や雪に触れてみることでも、充分自然遊びを体験できますよ。
自然遊びを保育活動に取り入れる際の注意点
子どもにとってたくさんの効果が期待できる自然遊びですが、保育活動で取り入れる際にはいくつか注意すべきことがあります。ここでは、どのような点に注意して取り組むべきなのか確認しておきましょう。
自然遊びをする場所の下見をする
自然遊びをする際は、遊びを予定している場所の下見を必ず忘れずに行ないましょう。
なぜなら、自然に生えている植物の中には、トゲがあったり、かぶれたりするものがあるからです。園内にはないかもしれませんが、公園などには危ない植物が生えている可能性があります。
また、危険な場所がないかの確認をすることも忘れずに。子どもを確認できない死角があったり、危ない傾斜があったりしないかなど、あらゆる危険を想定しておくことが大切です。
事前に子どもたちにルールを周知する
自然遊びをする前に、子どもたちに遊ぶときのルールを必ず周知しましょう。たとえば公園で遊ぶ場合、遊んでいい場所・ダメな場所をはっきりと伝えておくことが大切です。
事前に共有しておかないと、子どもの興味が向くままに行動してしまうことが考えられるため、注意しなければなりません。
当日の天気をしっかりと確認する
自然遊びは、天候に左右されやすい遊びです。そのため、当日の天気をしっかりと確認した上で遊ぶようにしましょう。
年齢によっては霧雨やにわか雪程度の天気であれば遊べるかもしれませんが、その場合は防雨・防寒対策をしてから遊びましょう。
自然遊びで子どもに自然への興味・関心を持ってもらおう
自然遊びには、自然に興味・関心を持ってもらい、発見を楽しみ、考えるなどの行動を普段の生活に取り入れる力を養うというねらいがあります。
保育所保育指針でも重要視されていることなので、普段の保育活動で身近な自然に触れ合える機会を積極的に作るようにしましょう。
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