黄砂とは、砂ぼこりが風に乗って地上に降り注ぐ気象現象です。日本では、2月から5月までの春にかけて飛来のピークを迎えます。寒さも和らぎ、暖かくなり始める時期のため、積極的に戸外遊びを取り入れる保育園も多いです。しかし、黄砂が飛来している場合はどうでしょうか。今回は、黄砂が飛来しているときは戸外遊びを避けるべきなのかを解説します。
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■目次
そもそも黄砂って何?
黄砂とは、中国やモンゴルなどの乾燥・半乾燥地域の砂ぼこりが風によって巻き上げられ、偏西風に乗って地上に降り注ぐ気象現象のことをいいます。
黄砂の多い時期はいつ?
日本では、例年2月から5月までの春の時期に観測されることが多いです。この中でも、特に4月が飛来のピークを迎える時期だといいます。
しかし、黄砂の発生地域が乾燥していて風が日本に向いて吹いているなどの気象条件が揃うと、春以外の季節にも飛来する可能性があるようです。
黄砂が飛来するとどうなる?
過去には自然現象のひとつとして認識されていた黄砂ですが、最近は健康被害に加え、農作物にも害を与えることが報告されているため、環境問題のひとつとして考えられているようです。
黄砂はアレルギー症状との関連が多いらしく、目のかゆみや鼻水、くしゃみなどを引き起こすことがあるそう。特に、子どもや高齢者が影響を受けやすいといわれています。
屋外にいる時間が長ければ長いほど症状が出やすいことが報告されているので、黄砂が降ると予報されている日には不必要な外出は避けるべきでしょう。
健康被害だけじゃない!黄砂は日常生活にも影響がある
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黄砂の影響は、健康被害だけではありません。何気なく過ごしている日常生活にも影響があります。
交通機関
保育士さんの中には、通勤時にバスや電車などの交通機関を使用している方もいるでしょう。
黄砂の飛来が多いと、霧がかっているときと同様に目の前の視界が遮られることがあり、交通機関に影響が出て通勤に支障をきたす可能性があります。
自動車
交通機関ではなく、自動車で通勤している保育士さんもいるでしょう。黄砂は車にも付着するため、フロントガラスなどが見えにくくなってしまいます。
交通機関を利用する際と同様に視界の見通しが悪くなってしまうことが予想されるため、最悪の場合、交通障害が起きてしまう可能性があります。
洗濯物
保育園では、洗濯したものを外に干すこともあるでしょう。黄砂は洗濯物にも付着してしまいます。
肌の弱い方が黄砂のついたものに触れるとかゆみや肌荒れなどを引き起こす可能性があるため、屋外に干すのは避けるべきでしょう。
黄砂が飛来しているときの保育園の対処法とは
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健康被害が出るといわれている黄砂が飛来しているとき、保育園での戸外遊びはどうするべきなのでしょうか。
黄砂飛来時の屋外活動は各園の判断に任されている
現状、日本では黄砂に関する明確な判断基準がありません。そのため、戸外遊びをするかどうかの判断は各園の判断に任されることが多いそうです。
ただし、黄砂が多く飛来することが予想される場合は、戸外遊びなどのような屋外に出る活動を控えたり、短時間に調整したりするなどの対策を取っているところがほとんどだといいます。
園内での室内遊びに切り替える
黄砂による影響が大きい場合は戸外遊びを中止し、室内で思いっきり身体を動かせる遊びに切り替えている保育園が多いといいます。
マット運動や平均台など、室内でも身体を動かせる遊びはたくさんあります。屋外で身体を動かせない分、室内でできる運動遊びを取り入れるとよいでしょう。
最終的な判断は黄砂情報を確認してから決めることが大切
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戸外遊びをするかどうかは、その日の黄砂情報を確認してから決めるようにしましょう。黄砂情報は、気象庁やテレビ番組の天気予報、天気情報のWebサイトなどで確認できます。
特に気象庁のサイトの場合、リアルタイムの状況や近日の予測など、設定した日時を細かく確認できるので便利です。
黄砂の飛来量が多いことがわかった場合は、園庭や公園で遊ぶのを別の日に設定し、園内で過ごすようにしましょう。
黄砂が飛来しているときは戸外遊びを控えよう
アレルギー症状を引き起こす可能性がある黄砂が飛来しているときは、戸外遊びをするのは避けるようにしましょう。
1日程度なら我慢できるかもしれませんが、それが数日続くと、室内で過ごすことが子どもたちのストレスになってしまうことが考えられます。
その場合は、子どもたちが思いっきり身体を動かして遊べるような運動遊びを取り入れるなど、子どもが楽しめる環境を整えるようにしましょう。