保育園で行うマット遊びについて知りたい保育士さんもいるでしょう。どのような遊び方があるのか知って、子どもの運動遊びに活かしてみましょう。今回は保育で行うマット遊びについて、子どもが楽しめるアイデアを紹介します。あわせて、指導案作成のポイントや配慮する点などもまとめました。
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■目次
保育に活用できるマット遊びとは
マット遊びとは、適度な柔らかさのマットを活用して転がったりジャンプをしたりする運動遊びのことです。保育園の室内活動にマット遊びを取り入れることがあるかもしれません。
マットのうえで跳んだり回転したりとさまざまな運動を通して、友だちといっしょに体を動かす楽しさを味わうことができるでしょう。
0歳児から5歳児まで幅広いクラスで楽しめるので、子どもたちと全身を動かしたいときの保育に導入するとよいかもしれませんね。
保育で楽しめるマット遊びのアイデア
ここでは、マット遊びの楽しみ方を紹介します。
遊べる年齢の目安を参考にして、保育に活用してみましょう。
マット山
やり方
1.マットを2枚使用し、1枚のマットを丸めて縄跳びで結び、土台を作ります。
2.もう1枚のマットを上からかぶせて山に見立てます。
3.ハイハイをして山に見立てたマットの上に登ったら、滑り台のようにお尻をつけて滑り降ります。
ポイント
保育士さんと一緒に、0歳の乳児クラスから楽しんでみましょう。
2歳児以降であれば、保育士さんの補助がなくても山を登ったり降りたりできるかもしれません。
保育士さんが必ずそばにつき、子どもがマットの山から落ちて怪我することがないように注意しましょう。
マットのトンネル
やり方
1.マットがトンネルの形になるように丸め、縄跳びで結んで固定します。
2.マットで作ったトンネルの中をハイハイで進みましょう。
ポイント
保育士さんと一緒であれば、0歳の乳児クラスから遊べるでしょう。
1歳児クラスからは、順番にトンネルへ入るなどの簡単なルールを理解して楽しめるかもしれません。
トンネルのなかで座ってしまった子どもには、ぬいぐるみを活用して「こっちだよ。おいで。」と出口に誘導するとよいかもしれません。
子どもがトンネルの中で衝突しないように出入口を決めて、保育士さんがそばについて見守りながら遊びましょう。
いもむし
やり方
1.保育士さん2人で、マットの上に仰向けに寝転がっている子どもの両手と両足をしっかり持ちます。
2.子どもは体をまっすぐにして、マットの上をうつ伏せになりながら転がります。
ポイント
保育士さんと一緒に取り組めば、0歳児の乳児クラスから遊べるでしょう。
1歳児では両手のみ補助、2歳児からは保育士さんの補助なしで挑戦するなど、徐々に難易度を高くしてもよいかもしれません。
指先とつま先をしっかり伸ばし、マットからはみ出さないように転がるのがポイントになります。
ゆりかご
やり方
1.マットの上にお尻をつけて座り、膝を抱えて体を丸めます。
2.その体勢のまま後ろへ倒れ、元に戻るという動作を繰り返します。
ポイント
保育士さんと一緒であれば、1歳児から遊べるでしょう。
3歳児の幼児クラスからは、保育士さんが補助をしなくても、動作を真似してできるようになるかもしれません。
ゆりかごは、前転につながる運動でもあるので、練習として行うものよさそうです。
あごをひくと背中を丸めやすくなるので、上手くできない子がいたらアドバイスしてみてくださいね。
障害物ゲーム
やり方
1.マットの上にブロックなどを適当に並べましょう。
2.マットの端から端まで、置かれているものを踏まないように避けながら歩きます。
ポイント
保育士さんと一緒に行えば、2歳児から遊べそうです。
3歳児の幼児クラスからは、マットを2枚つなげるなどして、コースを長くしてもおもしろいかもしれません。
マットの上に置いたフラフープの中にしゃがむなど、さまざまな動きをするコースを作ってもよいですね。
カエルの足打ち
やり方
1.両手を大きなパーに広げて肘を伸ばし、肩幅程度の間隔が開くように手の平をマットの上に置きます。
2.頭が手より前になるように意識しながら、足を強く蹴り上げます。
ポイント
3歳児の幼児クラスから、保育士さんの真似をして挑戦してみましょう。
腕で体を支える感覚を鍛えることで、逆立ちや跳び箱へつながるかもしれません。
下のマットを見るように目線を意識すると、やりやすくなりますよ。
前転がり
やり方
1.両手をマットに置いてしゃがみます。
2.身体を丸め込み、後頭部をマットにつけて、体を回転させます。
ポイント
マット運動に慣れていれば、3歳児の幼児クラスから挑戦できそうです。
5歳児になると、保育士さんの補助なしでも上手に前転できるようになるかもしれません。
最初はマットに高低差をつけて練習してみましょう。
足を閉じ、お尻を自分の頭よりも上になるような姿勢をとると、前転しやすいかもしれません。自分のおへそを見るように前へ転がるよう声掛けをしてみてくださいね。
うさぎ跳び
やり方
1.両手と両足をマットの上につけて膝を曲げます。
2.その状態から前の方へ両手をつきなおし、両足をできるだけ揃えながら両手へ近づけて着地します。
ポイント
保育士さんがお手本を見せて動きを真似してもらえば、3歳児の幼児クラスから挑戦できるかもしれません。
手を遠くにつくように意識すると、上手く跳べるでしょう。
ついた両手よりも両足を前へ出して着地できるようにアドバイスしてみてくださいね。
保育で行うマット遊びの指導案を作成するときのポイント
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マット運動の指導案を書くときのポイントについてまとめました。
子どもの状況:日々の子どもの様子をもとに書く
子どもの遊んでいる様子などを思い返してみましょう。
日々の保育のなかで見つけた変化や子どもたちの行動を参考にして書けるとよいですね。
活動内容:発達状況に沿った内容で書く
子どもの運動能力には個人差があるでしょう。
発達状況を考慮し、難易度を調整できるような内容にするとよさそうです。
準備:子どもの様子を想像した環境構成にする
活動を実際に行うことを想定して、用意するものを書き出しましょう。
4歳児や5歳児では、友だちと競ったり協力したりできるような環境を設定するとよさそうです。
子どもがケガをしないために必要となる準備はなにか考えて記しましょう。
ねらい:ねらいを明確にする
マット運動を通して、どのような成長が期待できるのかを考えるとよいかもしれません。
子どもの心身の成長に合わせて、子どもの行動を想像しながらねらいをいくつか挙げてみましょう。
保育士の援助:援助する要点を記す
子どもの気持ちを汲み、次の自信へとつながるような指導ができるとよいかもしれません。
子どものやる気を引き出すために、保育士さんがどのような言葉掛けやフォローをするとよいのかを考えてみましょう。
保育でマット遊びを行う際に配慮する点
保育活動でマット遊びをする際に配慮するとよいポイントをまとめました。
準備や片付けも保育の一環にする
マットの準備や片づけをする時間も、保育の一環として子どもに手伝ってもらいましょう。
子ども複数人でマットを持ち運ぶことにより、どのようにすると持ちやすいのか相談したり協力し合ったりして、協調性が育まれるかもしれません。
子どもの成長に合わせた難易度にする
難しい技に挑戦すると、子どもは上手くできないことで自信を失ってしまうかもしれません。また、子どもにとって難しい動きを取り入れると、怪我につながる恐れもあるでしょう。
そのため、子どもの成長に合わせた内容のマット遊びを取り入れるように考慮しましょう。
援助は最低限にする
保育士さんが手を出しすぎたり、助言が多かったりすると、自分で考えながらマット運動に挑戦しようという気持ちが抑制されてしまうかもしれません。
そのため、保育士さんの援助は、子どもの怪我につながりそうな場面に留めるとよいでしょう。
また、子どもが気づきにくい上達に向けたポイントなどがあれば、アドバイスするとよいかもしれません。
安全性を確保する
マット運動をするのに適した広さを確保しましょう。
マットの上や周辺に、子どもにとって危険なものなどが落ちていないか確認してから遊ぶことが大切です。
マット遊びを積極的に保育に取り入れよう
保育園で楽しめるマット遊びについて、保育に活かせるアイデアや指導案の書き方、配慮する点などをお伝えしました。
マット運動は全身を使うので、天候により外遊びができないときなどに取り入れるとよいかもしれません。高さを変えたり、ほかの運動器具と組み合わせたりと、工夫次第で遊び方も広がりそうです。
マット遊びを保育に取り入れ、子どもがいろいろな運動に意欲的に取り組めるようになるとよいですね。