持続可能な開発目標として策定された「SDGs」。保育園で子どもの生活にかかわる「食育」「健康」「リサイクル」などの事柄を通して、SDGsについて考える機会を設けられるとよいですね。今回はSDGsを意識した遊び10選を紹介します。子どもへのわかりやすい伝え方もまとめたので、参考にしてみてくださいね。
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■目次
SDGsとは
SDGsとは、「SustainableDevelopmentGoals(サステナブルデベロップメントゴールズ)」の略称です。
2015年9月に国連サミットで持続可能な開発目標として17の指標が採択され、2030年までの達成を目指しています。
SDGsの17の指標は以下の通りです。
- 貧困をなくそう
- 飢餓ゼロへ
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 世界中に安全な水とトイレを
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいと経済の発展へ
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 差別をなくし人と国が平等に
- 住み続けられる街づくり
- 気候変動に具体的な対策を
- つくる責任と使う責任
- 海を守ろう
- 陸を守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップ問題を解消
保育園でSDGsについてわかりやすく伝えることで、自らが地球環境を守るにはどうしたらよいのかを考えるきっかけになるかもしれません。
また、保育士さんは積極的にSDGsを意識した遊びを取り入れて、子どもたちといっしょに理解を深められるとよいですね。
保育園でSDGsについてわかりやすく伝える方法
SDGsは「持続可能な開発目標」としていますが、子どもたちに説明する際は難しい言葉を使わずに、わかりやすく伝えることがポイントになります。
子どもたちへの伝え方の例は以下の通りです。
「みんなが地球でずっと暮らしていくためにはゴミを減らしたり、食べ物を大切にしたりとさまざまなことに取り組む必要があります。そのためには何が必要か世界中のみんなで考えたことを『SDGs』と呼びます。生活する中で、自分たちが何をできるか考えてみることが大切だね。」
SDGsの説明時には、リサイクルの絵本や自然の大切さを伝えられる本などを読めば、子どもたちがイメージしやすいかもしれません。
また、SDGsの17のすべての指標を子どもたちに伝えるのは難しいでしょう。
17の指標からいくつかピックアップして、子どもたちが理解しやすいようにSDGs関連の遊びを展開するとよさそうです。
ここからは、「食育」や「健康」「リサイクル」「自然とのかかわり」の観点から、保育園で楽しめるSDGsを意識した遊びアイデアを紹介します。
保育園でSDGsを意識した遊びアイデア:食育
SDGsの指標のひとつである「飢餓をゼロへ」にかかわる取り組みとして、保育園で食育の機会を取り入れていきましょう。
まずは子どもたちが食べ物に興味がもてるよう、野菜を育てたり、料理の製作をしたりとさまざまな活動を楽しむとよさそうです。
そのうえで世界には食べたいものが食べられずに困っている人がたくさんいることを伝え、子どもたちに食べ物の大切さを伝えられるとよいですね。
野菜の育て方を知ろう
園庭や近隣の畑などできゅうりやミニトマト、かぶ、ジャガイモなどを育て、普段食べている野菜がどのように成長していくか学ぶ機会をつくりましょう。
土にふれる感触を味わえ、作物を育てたり収穫したりすることでさまざまな経験を積むことができるでしょう。
また、自らで野菜を育てることで、野菜の好き嫌いがある子が嫌いな野菜を食べられるようになることがあるようです。
子どもたちにとって自分で育てた野菜を収穫して食べることは特別な経験になりそうですね。
身近な材料でお弁当作り
新聞紙や折り紙など身近な材料を使ってお弁当を作ってみましょう。
ハンバーグやブロッコリーなどさまざまなメニューを作ることで、食べ物に関心をもつきっかけになりそうです。
また、普段保護者の方がお弁当を作ってくれていることを伝え、感謝の気持ちを込めて「ママやパパにお弁当を作ってみよう」と声かけしてもよいかもしれません。
食事を作ってくれている保護者への感謝の気持ちを表すことの大切さを伝えられそうです。(詳しい作り方はこちら)
保育園でSDGsを意識した遊びアイデア:健康
SDGsの指標のひとつである「すべての人に健康と福祉を」にかかわる取り組みとして、「手洗い」や「歯磨き」の大切さを伝えられる遊びを取り入れてみましょう。
手洗いを楽しむせっけん作り
手洗いに使うせっけんを手作りしてみましょう。
風邪を予防するために日々の手洗いは大切なことですよね。
感触が楽しいせっけんを作れば、子どもたちが積極的に手を洗ってくれるかもしれません。
活動の導入では「みんなが風邪をひかないようにするには、どんなことに気をつければいいのかな?」とクイズを出題して、健康に過ごすためになにが必要か考える機会を設けるとよさそうです。
歯磨き
健康を保つための歯磨きは、大切な習慣のひとつです。
動画で紹介したカバのおもちゃを手作りして、子どもたちに正しい歯磨きの仕方を伝えていきましょう。
「歯磨きしなかったら歯はどうなるかな?口の中がバイキンでいっぱいになったらどうしよう…」と声かけして、子どもといっしょに歯を健康に保つ方法を考えられるとよいですね。(詳しい作り方はこちら)
保育園でSDGsを意識した遊びアイデア:リサイクル
SDGsの指標のひとつである「つくる責任と使う責任」にかかわる取り組みとして、リサイクルの大切さを伝える活動を取り入れていきましょう。
活動前には「物を使ったあとにすぐにゴミとして出してしまえば、地球はどうなってしまうかな?」などと話し、再利用について考えるきっかけをつくれるとよいですね。
ここからは、段ボールや牛乳パックなどの廃材を利用した製作遊びを紹介します。
段ボールでパソコン作り
段ボールを使って折りたためるノートパソコンを作ってみましょう。
パソコンを打つ大人の様子を見ると、子どもたちが真似したくなりそうですね。
完成後は、作品に好きな絵を差し込んだりごっこ遊びを取り入れたりして楽しみましょう。(詳しい作り方はこちら)
牛乳パックで花瓶作り
牛乳パックを再利用してオリジナルの花瓶を作ってみましょう。
牛乳パックは水をはじく性質をもっているため、花瓶にぴったりな素材ですよね。
作品完成後は、折り紙で折った花を飾ってもらうとよいですね。(詳しい作り方はこちら)
食品トレーで版画遊び
食品トレーを活用して版画遊びを楽しみましょう。
絵を割りばしでなぞる工程は力を入れすぎると食品トレーに穴が開いてしまいます。事前に力加減に気をつけて優しくなぞることを伝えましょう。(詳しい作り方はこちら)
空き容器で魚釣り
空き容器でかわいい魚を作ってみましょう。
完成後は魚釣りを楽しみ、制限時間内にいくつ釣れるか競うとよさそうです。
空き容器を再利用して別のものに変身させる楽しさを伝えられるとよいですね。(詳しい作り方はこちら)
保育園でSDGsを意識した遊びアイデア:自然とのかかわり
SDGsの指標のひとつである「陸を守ろう」にかかわる取り組みとして、子どもたちが自然の大切さを感じられる、自然とふれ合える機会を設けていきましょう。
秋の風物詩であるどんぐりや松ぼっくりなどの自然物を使った製作遊びについて紹介します。
どんぐりでケーキ作り
かわいらしいどんぐりを飾ったケーキを作ってみましょう。
完成後はおままごとをしたり、ケーキ屋さんごっこをしたりとさまざまな遊びに展開できそうです。(詳しい作り方はこちら)
松ぼっくりで手作りけん玉
松ぼっくりでけん玉を作ってみんなで遊びましょう。
面白い形をした松ぼっくりは、子どもたちに大人気の自然物ですよね。
紙コップを装飾する際は好きなシールや絵を描いてもらい、オリジナルの作品を作ってもらいましょう。(詳しい作り方はこちら)
どんぐりや松ぼっくりの他に落ち葉や木の枝、花びらなどさまざまな自然物があります。
公園や散歩などに出かけた際は持ち帰り、製作に取り入れることで、自然とふれあう楽しさを感じられるとよいですね。
保育園でSDGsを意識した遊びを楽しみ、地球を守る大切さを伝えよう
保育園でSDGsを意識して遊ぶのは難しいと考える保育士さんもいるかもしれません。
まずは、17の指標から子どもたちの生活とかかわりがあるものをピックアップして、上記のような遊びを取り入れてみるとよさそうです。
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