今年の夏は例年以上の暑さですよね。そんな中、保育園で危惧されるのが熱中症や夏バテ。身体の小さい子どもだけでなく、保育士さん自身も十分注意する必要があります。今回は、保育士バンク!公式Instagramを通じて集めた夏バテ・熱中症対策を紹介!フォロワーの先生たちが実際に現場で取り入れているお役立ちノウハウをチェックしてみましょう。
■目次
保育園でも注意が必要?!夏バテ・熱中症
全国各地で例年より早く梅雨明けが報じられ、2022年は暑い夏になりそうです。
そんな中で気になるのが夏の暑さ。子どもたちや保育士さんが夏を元気に乗り切るにはどんな工夫をするとよいのでしょうか?
まずは、夏バテ・熱中症について簡単におさらいしましょう。
夏バテとは?
夏バテとは、疲れが抜けにくい・食欲がわかないといった、厳しい暑さによって生じる身体の不調を指します。
<原因>
体内の水分・ミネラル不足…脱水症状
暑さによる食欲の低下…栄養不足
暑さとエアコンによる冷えの繰り返し…自律神経の乱れ
夏バテを防ぐには、外気温との温度差や体の冷やし過ぎに注意したり、睡眠な睡眠・栄養バランスなど生活習慣を整えたりすることが大切と言われています。
熱中症とは?
熱中症とは、暑さにより体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を言います。
<原因>
気温・湿度の高さなど…環境要因
高齢者や乳幼児、体調不良…からだの要因
激しい運動や屋外での作業、水分補給の不足…行動要因
熱中症を予防するためには、こまめに水分・塩分補給をして体内のバランスを整えたり、暑さを避ける行動をとったりすることが大切なのだそう。
熱中症・夏バテともに、子どもも大人もなる可能性があると言われており、健康を守るための行動が求められます。
ただ、多くの子どもたちを見る保育現場ではどのように対策していくとよいのか頭を悩ませる保育士さんが多いのではないでしょうか?
ここからは、保育士バンク!公式Instagramで先生たちが教えてくれた対策アイデアを一挙に紹介します!
保育園での熱中症・夏バテ対策:水分・塩分補給
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まずは、熱中症・夏バテ対策の基本となる水分・塩分補給について、保育園での実施アイデアを見ていきましょう!
水分補給
保育士さん
長い針が3と6になったら水分補給をしています!
保育士さん
15分目安で水分を取るようにしています。プラスして30分に1回は経口補水液を摂取!
保育士さん
こまめに水分補給を促しています!水筒は子どもの手の届くところに置いておき、量が減っているかも確認します。
水分に関しては、保育士さんが時間を見ながらこまめに補給を促しているという声が多数ありました。
また、
- 麦茶
- ベビー用のスポーツドリンク
- レモン水
- イオン水
などを給食室で用意してもらい、午睡後や園庭で遊んだあとに提供しているという保育園もあるようです。
塩分補給
熱中症対策においては、水分とあわせて塩分を補給することも大切なポイント。
保育士さん
水分補給にプラスして塩分タブレットを食べています!
保育士さん
午前と午後の活動時間に、看護師が塩分チャージ・塩飴を配り歩いています!
保育士さん
お茶の時間に黒糖を食べます!
など、体調を崩さないよう水分・塩分をしっかり補給しましょう。
また、子ども向けの対策として
保育士さん
おやつに昆布を出しています。
保育士さん
給食で出すお汁・スープ類は、少しでも塩分補給できるよう味噌汁に変更しています。
といった声も。
保育園の栄養士さんと連携しながら適切に塩分補給ができるよう対策を練っていけるとよいですね。
保育園での熱中症・夏バテ対策:室内での対策
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続いて、水分・塩分補給に加えて室内で過ごすときに保育士さんが注意したいポイントを紹介します。
室温管理
保育士さん
エアコンとサーキュレーターの併用で室温が均等になるよう調整!
保育士さん
クーラーをつけての室内遊びを中心に活動を回しています。
環境省の資料によると、子どもは汗腺が未発達なため、汗をかいて体温を調節することが難しいそう。
適切な室温は28℃と言われているため、心地よい室温を保てるよう早めにエアコンをつけて調整するとよいですね。
このとき、エアコンの設定温度を28℃にするのでなく、室温計を見ながらこまめに設定を変えることがポイントです!
体調管理
保育士さん
おしっこの回数をチェックして、水分不足になっていないか確認します。
保育士さん
朝ご飯をしっかり食べてきてもらうよう声かけをしています。ちゃんと食べられたかも連絡帳でチェック!
熱中症の初期症状として、体内の水分が不足して排尿間隔が短くなることがあるそうです。
また、午前中を元気に過ごすためには朝ご飯も大切!家庭と連携しながら健康管理に努めていきましょう♪
服装
保育士さん
毎日濡れタオルで汗拭き、お着替えを徹底しています!
保育士さん
衣服の調節!なるべく風通しのよい服を用意してもらいます。
身体の熱を発散させるために、子どもたちには涼しくて風通しがよい衣類を準備してもらうという声が寄せられました。
また、「子どものマスク着用を義務づけない」「マスクは活動内容によってつけ外し」といった意見も。厚生労働省などが出している指針を参考に、適切な感染症対策を考えていくとよいかもしれません。
保育園での熱中症・夏バテ対策:戸外遊びでの対策
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続いて、保育園で戸外遊びを取り入れるときの対策アイデアをまとめました。
戸外に出るときの確認事項
気温をチェック
保育士さん
毎朝看護師の方が暑さ指数(WBGT)を出してくれています!職員みんなで共有して外遊びを制限しています。
保育士さん
熱中症警戒アラートが出ているときは外に出ないようにしています。
暑さ指数とは、熱中症予防策として国際的に認められた指標で、人間の熱バランスに影響する気温・湿度・輻射熱をもとに算出されます。
地域別の指数については環境省のサイトで毎日更新されるほか、計測器も市販されているので、参考に取り入れてみてくださいね。
なお、この暑さ指数によって、環境省・気象庁から熱中症警戒アラートが出されます。
具体的な熱中症予防行動もあわせて報じられるので、毎日チェックするとよいでしょう。
短い時間で!
保育士さん
外遊びの時間を普段より短くしています。
保育士さん
外に出られない分、お部屋で身体を動かし、楽しめる遊びをたくさんします!
戸外で過ごす時間が長くなりすぎないよう気をつけている保育士さんが多数。
「物足りない…」という子どもたち向けに、室内で身体を動かせる遊びを取り入れるとよいですね。
こまめに水分補給
保育士さん
戸外遊びではいつでも水分補給できるように、手が届く場所に各自の水筒を置いています!乳児クラスも持ってきていますよ♪
保育士さん
園長先生がジャグを用意してくれているので、こまめに水分を取るよう促しています。
保育士さん
適度な間隔で休息を取るよう声をかけています!
戸外にいても水分を取れるよう準備することがポイント!
遊びに夢中だと喉が乾いたことに気づかない場合もあるので、保育士さんがこまめに声をかけていきましょう♪
暑さを和らげる工夫を
保育士さん
園庭にミストを設置しています!
保育士さん
園庭にはテントや遮光シートなどで日陰を作ります。
保育士さん
夏限定で、外遊びのあとは必ず氷遊びを取り入れています♪
保育士さん
保冷剤をタオルに包んで外遊びしています。
テントやシート、タープなどで日陰を確保するという意見が多く寄せられました。
また、戸外から戻ったあとは氷遊びをして涼むというのも楽しそうなアイデアですね♪
【シーン別】こんなときどうする?対策アイデア
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ここでは、「お散歩」「プール」と2つの場面で取り入れたい熱中症対策アイデアを紹介します。
お散歩のとき
保育士さん
お散歩帽子を冷水で濡らして散歩に出るようにしています。
保育士さん
散歩はなるべく日陰の道を通って行きます!
保育士さん
帽子や首元に霧吹きをして涼を取れるようにしています♪
散歩に出ていると、もしものことがあってもすぐに対応できないことが予想されるため、普段よりいっそう注意しておきたいところです。
先述した基本的な熱中症対策と合わせて取り入れ、楽しく安全に活動できるとよいですね。
プールのとき
保育士さん
子どもたちは頭に熱がこもらないよう、常にホースで水をかけています。保育士はタオル・帽子完備で見守るようにしています!
保育士さん
着替えたあとに必ず水分補給をしています♪
保育士さん
プール遊びの時間も短縮で、テントの下で行うようにしています。
プール遊びにおいても、しっかり熱中症対策を行っているという声が寄せられました。
特に日差しが強い日は、直射日光が当たらないようテントやタープなどを活用するとよいかもしれません。
子どもも保育士さんも気をつけて!夏バテ予防対策をピックアップ!
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暑さによる身体の不調を指す夏バテ。子ども・大人の両方がなる可能性があるそうなので、保育園でも対策していきましょう。
保育士さん向けの夏バテ対策
水分補給をこまめに!
保育士さん
保育士はある程度の時間になるとポカリを飲むようにしています。
保育士さん
経口補水液を園に常備!
保育士さん
保育士同士も水分補給の声をかけ合うよう気をつけています!
基本的な対策である水分補給に気をつけている保育士さんが大勢いました!
保育士同士お互いに声をかけることで、忙しい保育中でも水分を取るタイミングを確保していきましょう。
塩分補給もしっかり
保育士さん
保育士もスポーツドリンクと塩分チャージタブレットを補給♪
保育士さん
水筒は2本用意して、1本はスポーツドリンク、もう1本はお茶を入れています!さらに塩分チャージのタブレットも常備!
保育士さん
毎年梅干しをつけています!ご飯のお供として食べて塩分補給しています。
子どもより発汗量が多いと言われる大人は、水分といっしょに十分な量の塩分を補給することが大切なんだそう。
タブレットや経口補水液など、気軽に摂取できる形で取り入れている保育士さんが多数でした♪
体調管理を万全に
保育士さん
早寝早起き!
保育士さん
栄養ドリンク、飲む酢、梅干し、深呼吸など…自分に合った健康管理をしています。
保育士さん
豚肉を食べてビタミンB群を積極的に補給♪
保育士さん
できるだけ7時間睡眠を目指しています。
保育士さん
早番でも朝ご飯は絶対食べます!
夏バテを防ぐには、健康な身体を作ることが大切。
しっかり栄養のあるご飯を食べてゆっくり休息を取ることを心がけているという声が寄せられました。
メリハリのある生活を
保育士さん
疲れているときは無理しない!
保育士さん
休日は思い切りリフレッシュ♪
保育士さん
しっかり食べて、身体を動かしゆっくり休息を取ることを意識しています。
早番・遅番などで不規則になりがちな保育士の仕事ですが、「しっかり食べて早く寝る」ことで夏バテ対策をしている保育士さんがたくさんいました。
暑さ対策も意識
保育士さん
今話題の「アイスリング」を買いました!
保育士さん
園外保育ではネッククーラーをつけています!
保育士さん
外との気温差を考慮して、室内ではカーディガンを着るようにしています。
夏バテの原因として、外気温と室温の差による急激な気温の変化も挙げられるそう。
しっかり室温調整をしつつも、なるべく気温差が生まれないような工夫をしている保育士さんが多いようです。
子ども向けの夏バテ対策
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子どもたちもなり得る夏バテ。ここでは保育士さんから寄せられた、子どもたちが夏を元気に過ごすための対策アイデアをまとめました!
保育士さん
外で遊んだあとは楽しかったことを話しながらゆっくり水分を取る時間を作っています。
保育士さん
夕方、園庭遊びの時間をずらしてなるべく涼しい時間に出るように!
保育士さん
遊びの中でも休憩(寝る遊び、絵本やペープサートを見る時間)を入れています。
保育士さん
空調が涼しくなりすぎないようこまめに調整しています。
幼い子どもたちは、気温や活動量を自分で調整できないうえ、具合が悪くなっても言葉で表すのが難しいことも。
熱中症対策と合わせて、保育士さんが配慮していけるとよいですね。
出典:8月 夏バテを防ぎ、元気に暑さを乗り切る!/全国健康保険協会
保育園での夏バテ・熱中症対策に気をつけよう
今回は、保育現場で取り入れられている夏バテ・熱中症対策について紹介しました。
大人だけでなく子どももなるおそれがある熱中症や夏バテ。
室温調整や水分補給など、正しく対策をして暑い夏を健やかに過ごせるよう配慮していきましょう!
保育士バンク!では、毎日の保育に役立つアイデアから、転職に関するノウハウも公開しています。
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