1歳児のできることの目安について知りたい保育士さんもいるでしょう。自我が芽生える時期や運動面の成長について知れば、日々の保育に役立てられるかもしれません。今回は、1歳児に見られる姿とできるようになることを月齢に分けて紹介します。また、言葉や生活などの特徴や、接するときのポイントについてもまとめました。
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■目次
1歳児にはどのような姿が見られる?
1歳児の子どもは、0歳児のときと比べると伝い歩きが上手になったり1人歩きができるようになったりするので、行動範囲がぐんと広がるでしょう。
そのぶん危険が及ばないように、保育士さんは子どもから目を離せない場面が増えるかもしれません。
1歳児のこどもができるようになることや見られる姿について、いくつか例を挙げてみました。
- 1人歩きをする
- クレヨンでなぐり書きをする
- 積み木を積み上げる
- 自我が芽生える
- 意味を理解した言葉を話す
これらの行動には個人差があるので、保育士さんは子ども一人ひとりの成長に合わせた援助や言葉かけなどをするとよいですね。
次からは、1歳児ができるようになることの目安についてみていきましょう。
1歳児ができるようになることの目安【1歳0カ月~1歳4か月】
1歳0カ月から4カ月の間でできるようになることの目安をまとめました。
運動
1歳児になると足腰の筋力もついてくるため、徐々にしゃがんだり立ったりできるようになるでしょう。
自分の足で移動できるようになるなど行動範囲が広がることで、周りの友だちや保育士さんのすることに興味を示すようになるかもしれません。
言葉
1歳児になると、喃語を多く口にするようになるでしょう。
保育士さんの言葉を聞きながら少しずつ意味を理解し、徐々に話す言葉が増えていくようです。
そのうち「ブーブー」や「まんま」など、一語の言葉が言えるようになるかもしれません。
生活
食事は離乳食から幼児食へと移行し、1日3回食が基本となるでしょう。
また、1歳を境に卒乳する子どももいるようです。
「いただきます」や「おはよう」などの基本的な挨拶を子どもに伝え、1日のタイムスケジュールを確立していきましょう。
規則正しい生活リズムを保てるように意識しながら過ごすとよいかもしれません。
遊び
興味のあるものを握り、上下に振って遊べるようになるでしょう。
楽器を使って音を鳴らすリズム遊びを取り入れてもよいかもしれません。
また、手先が器用になるため、物の出し入れやボタンをかけるようなおもちゃを取り入れても楽しめるでしょう。
1歳児ができるようになることの目安【1歳5カ月~11カ月】
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1歳児後期の、5カ月から11カ月の間にできるようになることをまとめました。
運動
足腰の力がさらに発達し、階段をのぼったり少し高さのあるところから飛び降りたりと、さまざまな行動がとれるようになるでしょう。
腕の力もつくので、少し重いものを持ち上げられるようになったり、物を移動させたりする姿も見られるかもしれません。
言葉
保育士さんの簡単な言葉の意味を理解するようになるなど、少しずつ分かる言葉が増えていく時期でしょう。
2歳児へ近づくにつれ「ブーブーきた」など、2語文も徐々に話せるようになるかもしれません。
「ほんとうだね。車がきたね。」など、保育士さんはできる限り赤ちゃん言葉ではない本来の言葉を使うようにすると、子どもが正しく話せるようになるかもしれません。
生活
1歳後半頃には、自分のしたいことが明確になってきて自我が目覚めるようになるでしょう。
意思を主張するようになり、保育士さんの言うことに反抗するような態度をとることもあるかもしれません。
さらに好奇心も旺盛になり、いろいろなことにチャレンジしようとする行動も見られるでしょう。
危険を伴うことでなければ、できる限り子どもの「自分でしたい」という気持ちを尊重するとよいですね。
遊び
1歳児後期では、楽しい手遊びやダンスなど、リズム遊びに興味を持つようになるでしょう。
手先もさらに器用に動かせるようになるので、自分で絵本をめくったり、シールをはがしたりと、細かい作業もできるようになるかもしれません。
お絵かきや粘土、手先を使って新聞をビリビリ破く活動など、遊びの幅も広がりそうです。
保育士が1歳児に接するときのポイント
1歳児ができることの目安を踏まえながら、保育士さんが接するときに気をつけたいポイントをまとめました。
歩行をサポートする
伝い歩きから1人歩きができるようになる頃は、まだ立ち姿も不安定で転んでしまうことがあるかもしれません
子どもの両手を支えるなどして、安全に歩けるよう保育士さんが援助するようにしましょう。
両手で支えて上手に歩けるようになったら片手のみつなぐなど、サポートの仕方を工夫するとよいですね。
手先を使う遊びを取り入れる
手先が器用になるので、遊びの幅も広がるでしょう。
穴に毛糸や紐を通したり、ボタンを掛けたりはずしたりと、細かい作業を必要とする遊びを取り入れて、指先の動きを活発にできるとよいかもしれません。
たくさん言葉かけをする
保育士さんが話す言葉の意味を徐々に理解できるようになる時期なので、子どもにたくさん言葉かけをしながら遊びましょう。
絵本を読み聞かせながらいろいろな言葉に触れることも、子どもの表現力を育むのに効果的かもしれません。
また、1歳児はまだ相手の気持ちを汲んだり自分の思いを伝えたりすることは難しいため、気に入った玩具を横取りするなどして、トラブルが起こりやすい時期でもあるでしょう。
「〇〇ちゃんが使っているから終わるまで待っていようね。」と声かけをし、なぜいけないのか理由を根気よく伝えるようにすれば、子どもは少しずつ友だちとの遊び方を学ぶことができるかもしれません。
好奇心を刺激する
子どもの好奇心の芽をつまないよう、気持ちを代弁したり共感する言葉をかけたりして、興味が広がるようにサポートしましょう。
危険なことでなければ、子どものやりたいという気持ちを汲んで、保育士さんもいっしょに取り組めるとよいですね。
1歳児ができる遊びのアイデア
1歳児の好奇心をくすぐるような遊びのアイデアを、戸外と室内に分けて紹介します。
戸外遊び
しゃぼん玉
保育士さんがしゃぼん玉をたくさん作り、子どもが追いかけたり、パチンと両手で割ったりして遊びます。
大小さまざまな大きさのシャボン玉を作れば、子どももよろこびそうですね。
自然遊び
戸外遊びのなかで、自然にふれ合って遊びましょう。
砂で山や川を作ったり、落ち葉でプールを作ったりと、自然の素材を活かして思いっきり楽しめそうですね。
運動遊び
少し高さのあるところへよじ登れるようになるなど、動きも活発になってくるので、全身を使う運動遊びを取り入れてみましょう。
柔らかいボールを使って保育士さんとキャッチボールをしたり、地面に置いた縄跳びの上を歩いたりして、1歳児ができるレベルに合わせることが大切です。
保育士さんが楽しそうに体を動かしている姿を見れば、子どもも興味を示すかもしれませんね。
室内遊び
積み木
1歳児は手で物を掴めるようになるので、積み木を積み上げる遊びを楽しめるようになるでしょう。
保育士さんが積み木を高く積み上げて崩す様子を見せてみれば、子どもはよろこんでくれるかもしれませんね。
お絵かき
1歳児は、製作遊びでタンポを使えば、楽しくかつ簡単にお絵かきに取り組めるでしょう。
いろいろな色の絵の具を用意して使えば、色に興味をもつきっかけにもなるかもしれませんね。
参考動画:【お絵かき】タンポでやさしい色使いポンポンお絵かき/保育士バンク!
リズム遊び
保育士さんが手遊びをしたり、音楽をかけてダンスをしたりしてみましょう。
子どもは保育士さんの真似をしながら、リズムに合わせて身体を揺らしたりするかもしれません。
リズム遊びを通して音楽に親しめば、表現力が身につくでしょう。
参考動画:『りんごのうた』楽しいリズムの手遊び歌/保育士バンク!
1歳児のできることの目安を知って、保育に役立てよう
今回は、1歳児ができるようになることの目安やかかわり方のポイントを紹介しました。
1歳児は徐々に自我も芽生えてくるため、自分の思い通りにならないときに反発するような態度をとることもあるでしょう。
そのような場合は、「〇〇がしたかったんだね。」などと子どもの気持ちを受け止めて代弁するなど、子どもに寄り添った言葉がけができるとよいかもしれません。
1歳児の発達に合わせて、積み木やお絵かきといった手先を使う遊びや、縄跳びなどの全身を使った遊びを取り入れれば、活動の幅が広がるでしょう。
1歳児ができることの目安や特徴を知り、子どもの好奇心の芽をつまないよう成長に応じて保育ができるとよいですね。
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