障がい児保育を実施する保育園に配置される加配保育士になるには、どんな資格やスキルが必要なのでしょうか。転職先として検討している方は、今回の記事を読んで加配保育士の仕事についての理解を深めてみてくださいね。今回は、加配保育士とは何か、役割や仕事内容などを紹介します。あわせて、給料や求人事情もまとめました。
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■目次
加配保育士とは?概要や役割
まずは加配保育士とは何かを解説します。
概要
加配保育士とは、障がい児保育を実施する保育園などに、通常の人員配置に加えて置かれる保育士のことです。
障がいを持つ子どもが一般の保育園に通う場合、集団生活を円滑に送るために個別的なケアが必要になることがあります。
通常の配置基準のもとでは障がいを持つ子どもに対して手厚いケアができない可能性があるため、加配保育士を配置して保育の質を確保しています。
役割
加配保育士の役割は、障がいを持つ子どもを援助することです。
障がいの種類や程度を把握したうえで、専門的な知識をもとに適切なケアを行う必要があります。
加配保育士は、子どもと信頼関係を築きながら、それぞれのペースにあわせて関わることが重要です。
加配保育士の仕事内容
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続いて、加配保育士の仕事内容を見ていきましょう。
障がいを持つ子どものサポート
加配保育士の仕事内容の1つ目は、障がいを持つ子どもが保育園での生活に馴染めるようにサポートすることです。
子どもの障がいの種類や程度にもよりますが、集団生活でのつまずきをフォローしたり、他の子どもとの間に立ってコミュニケーションを仲立ちしたりと、いろいろな形でサポートします。
個別計画の作成
加配保育士の仕事内容の2つ目は、子どもの個別計画を作成することです。
子どものペースにあわせた適切なねらいを設定し、活動を進めていくことが大切になります。個別計画を作成するにあたり、日々の子どもの様子を記録しておくのも重要な仕事でしょう。
保護者や職員との連携
加配保育士の仕事内容の3つ目は、保護者や職員と連携することです。
クラス担任や他の加配保育士と連携を取り、日々の記録をもとに子どもの状況や活動内容などを共有し合うことで、園全体で適切な援助をすることにつながります。
また、保護者と子どもの様子を共有することも大切です。密なコミュニケーションによって信頼関係を築くことで、保護者が抱える不安を取り除くのも加配保育士の仕事と言えるでしょう。
加配保育士になるには?必要な資格やスキル
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続いて、加配保育士になるにはどんな資格やスキルが求められるのか見ていきましょう。
必要な資格
加配保育士になるには、保育士資格が必要です。
ただし保育士資格以外に特別な資格は必要ありません。そのため、加配保育士として入職したわけではないものの、加配担当となる可能性はあるようです。
求められるスキル
加配保育士は障がいを持つ子どもを相手にするため、障がいに対する知識やスキルが求められます。
障がいの種類によって適切な援助は異なるため、子どもの様子や障がいの程度を見たうえで、状況に応じて対応する力が必要になるでしょう。
乳児院や児童養護施設での療育の経験などがあると、即戦力として働けるかもしれませんね。
加配保育士の給料・求人事情
続いて、加配保育士の給料や求人事情を見ていきましょう。
給料
加配保育士の給料は通常の保育士と変わらないことが多いようです。
エリアや園にもよりますが、パートや派遣の時給は1300円~1500円程度が相場かもしれません。
求人
担当する子どもがお休みの場合はフリー保育士として配属される場合があるため、基本的にパート・アルバイトや派遣での募集が多くなっています。
なかには正社員募集の求人もありますが、全体として求人数自体がそこまで多くないのが現状です。
加配保育士のやりがいや大変なことは?体験談をご紹介
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障がいを持つ子どもを担当するため、加配保育士は大変なことや辛いことが多いというイメージを持つ方もいるかもしれません。
ここでは、加配保育士の仕事におけるやりがいや大変なことを体験談とあわせて紹介します。
やりがい
加配保育士のやりがいは、子どもと向き合いながら成長に向けたサポートをできる点です。
加配保育士は基本的に1人や2人などの少人数に対して保育を行うため、一人ひとりとじっくり関わることができます。
子どもに寄り添った手厚い保育をしたい方にとっては、やりがいを感じられるポイントでしょう。
大変なこと
加配保育士の大変なこととして、子どもへの対応が難しい点が挙げられるでしょう。
障がいの専門的な知識やスキルを求められるため、ときにはどのように関わればよいのか迷うこともあるかもしれません。
また他に加配保育士がいない場合、辛い状況や悩みを相談できずに1人で抱え込んでしまうことも。
こういった状況を防ぐためにも、日頃から他の職員さんとこまめに連携しておき、辛いことがあったときに相談しやすい体制を作っておくことが大切になるでしょう。
加配保育士として働いた方の体験談
では、実際に加配保育士として働いた方の体験談をもとに、大変なことややりがいなどを掘り下げてみましょう。
元
保育士
その子のペースを大切にしながら、集団の中で生活できるようにサポートすることを心がけていました。
子どもにもよりますが、ときには決まった流れに乗れないこともあります。例えば、外遊びの時間が終わり、片づけをして部屋に帰るときでも、自分の気持ちとうまく折り合いをつけられず、頑なになってしまうことも。
そういったときは、気持ちに折り合いをつけるためにどのようなタイミングでどういった言葉かけをすればよいのか悩み、試行錯誤しました。
元
保育士
運動会や遠足など、行事へどう参加していくかは毎回課題に感じていました。
普段と違う流れに動揺してしまう子もいたので、いつからどういった導入をしていけばよいのか、当日の対応について職員であらかじめ入念に打ち合わせをしました。
それでも臨機応変な対応は必要となるので、あらゆる想定をして当日を迎えるようにしていましたね。
子どもの一人ひとりのペースや個性を考えたうえで、日々の保育だけでなく行事の導入などにも慎重に対応していたことがわかります。
また、加配保育士が1人で対応を考えるのではなく、保育園全体でサポートしようとする体制があると、加配保育士の負担が減り子どもの保育にも専念できるようですね。
理想の保育を目指して転職をお考えの方は、こちらもお読みください。
加配保育士になるには障がいに関する知識を身につけよう
今回は、加配保育士とは何か、なるにはどんな資格やスキルが必要なのかなどを紹介しました。
加配保育士とは、障がい児保育を実施する保育園で、通常の配置基準に加えて置かれる保育士です。
加配保育士になるには保育士資格以外に特別な資格は必要ないものの、障がいに関する専門的な知識が求められます。
子どもへの対応に悩み、辛いと感じることがある一方で、子どもをそばで見守り二人三脚で成長に向けて歩んでいけるのはやりがいを感じられるポイントと言えるでしょう。
加配保育士の仕事を知って、転職先の候補として検討してみてくださいね。
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