保育園でできるスタンプ遊びのアイデアを探している保育士さんもいるでしょう。子どもの年齢に関わらずに楽しめるスタンプは、保育活動の中に取り入れやすい遊びのひとつかもしれません。今回は、スタンプ遊びのねらいや進め方のポイント、スポンジや段ボールなどの身近な材料を使った遊び方のアイデアを紹介します。
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■目次
保育で楽しむスタンプ遊びの概要とねらい
保育園で行うスタンプ遊びは、子どもがさまざまな形や色を楽しむことができる室内遊びのひとつです。
スポンジや段ボールなどの身近な材料を使って子どもたちとオリジナルのスタンプを手作りすると製作が盛り上がりそうですね。
保育園でスタンプ遊びを行うねらいとしては、以下の点が考えられます。
- さまざまな模様や形に興味を持つ
- スタンプ作りに使うさまざまな素材の触感を知る
- 色彩を楽しむ
スタンプ遊びは、絵の具をつけてスタンプするというシンプルな方法のため、子どもの年齢に関わらず楽しむことができる遊びです。
園児自身が好きな形や色を選んで自由に遊ぶことで、さまざまな感性を養う機会にもなるかもしれませんね。
スタンプ遊びの進め方のポイント
ここでは、子どもがスタンプ遊びを楽しむための導入方法や進めるときの注意点を整理していきましょう。
子どもの関心をひくための導入方法
まずは、子どもがスタンプ遊びに興味を持てるように、スタンプのテーマは普段目にすることが多い食べ物などにしてもよいでしょう。
ももやぶどうといった季節にあわせた果物すると、わかりやすいかもしれません。
製作する前に、以下のように導入方法を工夫すると、子どもたちの興味や関心を高めることができそうです。
1.スタンプで作る模様やテーマについて質問する
「〇〇って知っているかな?」「〇〇、見たこと(食べものなら食べたこと)はあるかな?」など、子どもに質問をなげかけて、スタンプで作る模様やテーマに意識をむけてもらいましょう。
2.子どものアイデアを聞く
「〇〇ってどんな形かな?」「どんな色にするといいと思う?」など、上記で話した模様について、子ども自身で形や色を考える時間を設けるよいかもしれません。
3.子どものアイデアの中から色などを選び、見本をみせてスタンプ遊びにつなげる
「みんなが答えてくれた〇〇をスタンプで作ってみよう」などと伝え、保育士さんが事前に作った作品を見せるとよいでしょう。
子どもが興味・関心をひきだすために、実際にスタンプの見本をみせることで遊びのイメージがつきやすく、スムーズに活動を進めることができるかもしれません。
子どもが興味をもちやすい材料を用意する
保育活動の中に楽しむスタンプ遊びの材料や絵の具は、子どもの目をひくカラフルなものを用意するとよいでしょう。
また、園児がつかみやすいものや、触れたときの感触がおもしろい材料をそろえると、関心を持つきっかけになるかもしれません。
スタンプが完成したよろこびを共有する
子どもが好きな色を使ったり、自由な形の模様をスタンプしたりしたときは、「きれいな色になったね」「かわいいね!かっこいい模様が作れたね!」など、子どもの作品に対する言葉を伝えることが大切です。
スタンプが完成したよろこびを保育士さんとわかちあえると、子どもは安心したり嬉しくなったりして、前向きに遊びに取り組みやすくなりそうです。
保育士さんに見せることを楽しみに、いろいろな形のスタンプを作りたいと考える園児もいるでしょう。
【乳児クラス向け】スタンプ遊びのアイデア
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ここでは、0歳児・1歳児・2歳児クラスが楽しめるスタンプ遊びを紹介します。
手足を使ったスタンプ
用意するもの
- 絵の具
- 画用紙
- 新聞紙やブルーシートな
遊び方のポイント
子どもが自身の手足に絵の具をつけて、画用紙に手形や足形のスタンプをつけて遊びます。
さまざまな色を楽しめるよう、複数の色の絵の具を用意するとよいでしょう。
絵の具が床や机などにつかないように、あらかじめ新聞紙やブルーシートを敷いておきます。
0~1歳児は保育士さんがサポートしながら行いましょう。2歳になると自分で手足に絵具をつけて遊べる子どももいるかもしれません。子どもたちの様子を見ながら援助できるとよいですね。
スポンジでスタンプ
用意するもの
- ウレタンスポンジ
- メラミンスポンジ
- 絵の具
- はさみ
- 画用紙
遊び方のポイント
あらかじめ保育士さんは、スポンジをスタンプの形に切っておき、絵の具をつけて、画用紙にスタンプを押して遊びます。
形だけではなく、スタンプの大きさを変えて変化をつけることで、バリエーション豊かなスタンプを楽しめるでしょう。
ペットボトルでスタンプ
用意するもの
- ペットボトル
- トイレットペーパーの芯
- 緩衝材
- 絵の具
- テープ
- カッター
- はさみ
遊び方のポイント
緩衝材をトイレットペーパーの芯に巻いたり、ペットボトルの底の部分を切り取ったりなど子どもには難しい作業は、あらかじめ保育士さんが準備しておきましょう。
木の幹のイラストを書いた画用紙を用意したり、子どもがクレヨンなどでえがいたりしてもよいですね。
スタンプに絵の具をつけて、木の葉っぱや桜の花、もみじなどに見立て、スタンプを押して遊びます。赤や黄色、オレンジなど色とりどりの絵の具を用意することで、秋の紅葉をイメージしたスタンプ画を楽しみましょう。
乳酸菌飲料でスタンプ
用意するもの
- 乳酸菌飲料の容器
- ペットボトルのキャップ
- ぶつかり防止のクッションシート
- テープ
- はさみ
- ペン
- 紙コップ
- スポンジ
- 絵の具
- 筆
遊び方のポイント
クッションシートの切り抜きやスポンジのスタンプ台は、あらかじめ保育士さんが準備しておきましょう。
乳酸菌飲料の容器は2歳児くらいの子どもの手でもつかみやすい大きさのため、スタンプを押しやすいかもしれません。たくさんスタンプを押して遊べるように、大きな模造紙を用意して、みんなでいっしょに遊んでもよいでしょう。
動画ではさくらの模様のスタンプですが、いちょうやもみじの形にしても秋の季節を感じられる仕上がりになるでしょう。(詳しい作り方はこちら)
トイレットペーパーの芯でスタンプ
用意するもの
- トイレットペーパーの芯
- 絵の具
- 紙皿
- 画用紙
- ハサミ
- クレヨン
- 色鉛筆
遊び方のポイント
子どもがはさみを使える場合は、保育士さんがサポートをしながら切り込みをいれていきましょう。
トイレットペーパーの芯の切り込みに絵の具をつけて、画用紙にスタンプして遊びます。
クレヨンや色鉛筆を使って、スタンプの模様にあわせたお絵描きを楽しんだり、黒い画用紙にカラフルな絵の具をつけて花火のスタンプを作ったりしても楽しめるでしょう。(詳しい作り方はこちら)
【幼児クラス向け】スタンプ遊びのアイデア
ここからは、3歳児・4歳児・5歳児クラスが楽しめるスタンプ遊びを紹介します。
めんぼうでスタンプ
用意するもの
- 綿棒
- 輪ゴム
- 画用紙
- 絵の具
- ペン
- 色鉛筆
遊び方のポイント
子どもが輪ゴムで綿棒をまとめられない場合は、テープなどを巻いて綿棒を固定してもよいでしょう。
スタンプの模様にあわせて絵をかいたり、あらかじめ保育士さんが絵をかいて、その枠にそってスタンプで模様をつけたりしても面白いかもしれません。(詳しい作り方はこちら)
緩衝材でスタンプ
用意するもの
- 段ボール
- はさみ
- カッター
- 緩衝材
- テープ
- 絵の具
遊び方のポイント
段ボールを長方形以外の形に切って、さまざまな形のスタンプを作ると、仕上がりに変化がでて楽しめるかもしれません。
また、段ボールを小さく切り、黒い画用紙の上に白い絵の具で細かくスタンプをすることで、雪が降る景色に見立てたスタンプ画を作ってみてもよいでしょう。(詳しい作り方はこちら)
ガーゼスタンプ
用意するもの
- 画用紙
- ガーゼ
- 脱脂綿
- 絵の具
- 輪ゴム
- クレヨン
- ペン
遊び方のポイント
最初に「スタンプでぶどうの色を塗ろう」と遊びの目的を伝えておくと、スタンプで何をするのかが明確になり、子どもが取り組みやすくなるかもしれません。
子どもが輪ゴムでガーゼをとめられない場合は、保育士さんがサポートしましょう。
木のイラストだけではなく、ガーゼの柔らかい質感のスタンプを広い範囲に押して、お花畑に見立てることもできるかもしれません。
また、あらかじめペンやクレヨンで、ぶどうやさくらんぼなど、丸いフルーツのイラストを画用紙にかいて、塗り絵のようにスタンプで色をつけて遊んでもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
葉っぱのスタンプ
用意するもの
- 葉っぱ
- 絵の具
- 画用紙
遊び方のポイント
葉っぱに好きな色の絵の具をつけて、画用紙にスタンプして遊びます。お散歩のときにさまざまな形の葉っぱを拾い、活用するとよいでしょう。
さまざまな材料を使って、子どもといっしょにスタンプの世界を楽しもう
今回は、子どもといっしょに楽しめるスタンプ遊びのねらいや、遊び方のアイデアを紹介しました。
保育で行うスタンプ遊びは、子どもが自由にさまざまな色や形を楽しめるため、発想力を養うよい機会になるかもしれません。
オリジナルのスタンプを作り、子どもといっしょにスタンプアートの世界を楽しんでくださいね。