認定こども園で働く保育教諭の仕事内容をご存じでしょうか。 保育士や幼稚園教諭との違いを知っておけば、転職の際に役立つかもしれません。今回は、認定こども園の特徴に触れながら、保育教諭の仕事内容についてくわしく紹介します。あわせて、保育教諭として働くうえでのやりがいや大変なことなどもまとめました。
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■目次
保育教諭とは
幼稚園と保育園の両方の特徴を兼ね備えている認定こども園。
いまだ解消に至らない待機児童問題を背景として増加傾向にある認定こども園は、施設の成り立ちに応じて以下に挙げる4つのタイプに分かれています。
- 幼保連携型
- 幼稚園型
- 保育所型
- 地域裁量型
認定こども園のなかでも、幼保連携型の施設が最も多いのが現状です。
そんな幼保連携型認定こども園で働くのが、幼稚園教諭と保育士の両方の資格を有する保育教諭です。保育教諭は、未就学の子どもたちに対し保護者の就労の有無に関わらず保育を行いながら、幼稚園同様の教育にも携わっています。
なお、幼保連携型以外の認定こども園では、子どもの年齢に応じて保育士か幼稚園教諭のいずれかの資格を持っていれば働くことが可能です。
ただし満3歳以上の子どもに対しては、両方の資格を併せ持つ保育教諭が担当することが推奨されています。
そのため、保育教諭のニーズは今後ますます高まっていくことが考えられるでしょう。
出典:認定こども園に関する状況について(令和3年4月1日現在)/内閣府
出典:認定こども園概要/内閣府
保育教諭と、保育士や幼稚園教諭との違いは?
認定こども園で働く保育教諭について、保育士や幼稚園教諭との違いをまとめました。
勤務先
保育士さんの主な勤務先は保育園や託児所、養護施設などで、幼稚園教諭の主な勤務先は幼稚園や幼児教室などです。
一方保育教諭の勤務先は、先述したように幼稚園と保育園が一体となった認定こども園です。
保育教諭は、保育士と幼稚園教諭の両方の資格を持っているため、認定こども園以外にも、託児所や幼児教室などさまざまな施設で働くことが可能です。
必要な資格
保育士になるためには保育士資格、幼稚園教諭になるためには幼稚園教諭免許が必要となります。
一方保育教諭として働くためには、保育士資格と幼稚園教諭免許の両方が必要です。
出典:幼保連携型認定こども園の保育教諭の資格要件等について緩和する特例の延長(概要)/内閣府
保育教諭の仕事内容
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それでは、認定こども園で働く保育教諭は、どのような仕事内容をこなしているのでしょうか。
そもそも、認定こども園を利用する園児は、以下の3つの認定区分に分けられています。
- 1号認定:3~5歳児で保育の必要がない子ども
- 2号認定:3~5歳児で保育を必要とする子ども
- 3号認定:0~2歳児で保育を必要とする子ども
つまり幼稚園と保育園の機能をあわせ持つ認定こども園では、1号認定の子どもは教育、2号・3号認定の子どもは保育を受けながら過ごします。
認定区分により保育時間や教育方法が異なるため、保育教諭の仕事内容も受け持つ子どもによって異なるようです。
子どもの生活習慣指導
認定こども園には、保育園と同様に0歳児から5歳児までの子どもが在園しています。
そのため子どもの年齢や発達状態に合わせて、食事や排泄、着替えや睡眠など生活習慣の指導を行います。
子どもの社会性指導
保育教諭は、社会生活を送るうえで必要なルールや約束を子どもに伝える役割も担っています。
子どもの年齢に応じて友だちとの関わりかたなどを伝え、園で健やかに生活できるよう社会性の指導を行いながら成長を見守ります。
子どもの安全管理
子どもが保育中にケガをしないよう気を配り、安全に生活するための配慮を行います。
万が一トラブルが生じた際には早急に対処し、職員内で情報を共有します。
また、地震などの災害時に備えて避難訓練を定期的に行うなどして、子どもの防災意識を高めることも大切な仕事です。
保護者との連携
連絡帳を作成したり送迎時にコミュニケーションを取ったりして、園での子どもの様子を保護者へ伝えることも、子どもの成長を見守るうえで必要な業務です。
保育教諭として保護者から信頼を得られるよう、それぞれの家庭環境や子どもの成長過程を把握しながら対応する必要があるでしょう。
行事の運営
発表会や運動会、毎月の誕生日会といった恒例行事の企画や、当日に向けた準備を進めることも保育教諭の仕事です。
行事にちなんだ製作や遊戯の練習などは、どの認定区分の子どもでも参加できるようスケジュールを工夫して、園児全員が楽しめるように努めることが大切でしょう。
大変な業務もある保育教諭の仕事ですが、やりがいも感じられるポイントもさまざまあるようです。
次からは働くうえでの大変なこととやりがいについて見ていきましょう。
出典:認定こども園概要/内閣府
保育教諭として働くうえで大変なこと
保育教諭は保育と教育の両方を行うため、以下が大変なこととして挙げられるようです。
2つの資格を取得する必要がある
保育教諭として働くためには、保育士と幼稚園教諭の両方の資格を所持していなければなりません。
そのため、保育士または幼稚園教諭のいずれかの資格しか持っていない場合には、2つの資格を揃えるために時間や費用がかかり、大変だと感じる場合もあるようです。
タイムテーブルを工夫する必要がある
認定こども園で生活をする子どもは認定区分により保育時間にばらつきがあります。
そのため、メイン活動を平等に行えるよう時間設定の配慮が必要なこともあり、日々のタイムスケジュールの調整が大変だと感じることがあるかもしれません。
保育と教育の両方を兼ね備えた指導が求められる
保育教諭は、保育園のように生活習慣の指導をしたり、幼稚園のように教育的な指導をしたりと、子どもの認定区分にあわせた対応が求められます。
受け持つ子どもの発達に合わせて、保育士と幼稚園教諭それぞれの知識が必要となるため、慣れるまでは指導の仕方に戸惑うことがあるかもしれません。
このように保育教諭として働くにあたって大変なことがあるようですが、その一方でやりがいを感じることも多いようです。
保育教諭として働くやりがい
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保育教諭として働くうえでのやりがいとして、以下が挙げられるでしょう。
保育士と幼稚園教諭の両視点から子どもの成長を見られる
保育教諭として認定こども園で働くと、保育士と幼稚園教諭の両視点で子どもと接することができます。
保育園あるいは幼稚園だけでは得られない幅広い視野を持つことで、自分の得意とする保育技術を活かせる機会が増え、子どもの成長をより深く見守ることにつながるかもしれません。
転職先の視野が広がる
幼保一体化が進む昨今、認定こども園で保育教諭として働いた経験や、幼稚園教諭と保育士の両資格を所持していることが転職の際に有利に働くことがあるかもしれません。
ベビーシッターや幼児教室、児童会館など、保育士と幼稚園教諭それぞれの資格を活かせる仕事はさまざまあるため、転職先の選択肢も広がるでしょう。
子どもの成長を長く見られることも
一般の保育園には、卒園まで在籍せずに途中から幼稚園に通う子どももいるでしょう。
一方認定こども園は幼稚園としての役割も兼ね備えているため、そのまま就学前まで通い続ける子どもがほとんどのようです。
多くの子どもと長い期間ふれ合えることは、うれしいポイントかもしれません。
受けられる研修の幅が広がる
保育教諭は、保育と幼児教育の両方の知識を学ぶ必要があります。
そのため、例えば幼稚園教諭だった方が保育教諭として働くようになると、これまで対象外だった保育士さん向けの研修も受けられるようになります。
これまでより幅広い能力を身につけられる機会があるため、今後のスキルアップにも役立つでしょう。
保育教諭の仕事内容を知り、認定こども園への転職を検討してみよう
今回は、認定こども園で働く保育教諭の給料や仕事内容について紹介しました。
共働きの増加により、子育て家庭からのニーズが増している認定こども園。
そこで働く保育教諭は、保育士と幼稚園教諭の両資格を持ち、保育と幼児教育の双方から就学前の子どもの成長を見守る仕事です。
そのため幅広い知識が必要となり大変なこともありますが、保育士と幼稚園教諭の両方の視点で子どもとかかわれるためやりがいも感じられるでしょう。
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