保育士さんが抱える疲れにはさまざまな原因があります。対処法を知ることで、これからの選択肢が広がり心が軽くなるかもしれません。この記事では、保育士が「もう疲れた」と感じやすい7つの場面と心身のSOSサイン、今日から実践できる5つの対処法を紹介します。それでも改善しないときの判断基準や、転職についての考え方もまとめました。
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精神的に保育士が疲れたと感じる4つの場面
保育士の疲れは一つの原因ではなく、いくつもの場面が重なって蓄積していきます。
ここでは、多くの保育士が「しんどい」と感じやすい場面を、心の疲れと体の疲れに分けて整理しました。
職場の人間関係にモヤモヤ
保育園は女性が多く、同じ資格・同じ職種の集まりという特殊な環境です。
ほかの職場のように職種の違いで距離感を保てるような関係性が生まれにくく、価値観や保育観の違いが直接ぶつかりやすいこともあるようです。
先輩との上下関係や暗黙のルール、派閥のような空気感の中で、自分の意見が言えない、否定されるのが怖いと感じる保育士は少なくありません。
人間関係がしんどくなると、保育の時間そのものがストレスになり、出勤するだけで「疲れた…」となってしまうという保育士さんの声も。
保護者対応のプレッシャー
保護者からのクレームや要望への対応が、大きなプレッシャーという保育士さんは多いでしょう。
子どもの様子や持ち物トラブルなど日常的なできごとでも、保護者から厳しい言葉を受けると精神的に追い詰められることがあります。
とくに、保育中に子どもがケガをしてしまった場合の報告や謝罪などは負担が大きいでしょう。
園の方針と保護者の期待にズレがある場合も板挟みになりやすく、一人で対応を抱え込むケースが目立ちます。
子どもとの関わりに自信が持てない
子どもに一生懸命向き合っても、泣き止まなかったり、集団に馴染めない子への対応に行き詰まったりすると、「自分は保育士に向いていないのでは」と感じることがあります。
クラス全体を見ながら特定の子に時間をかけられないジレンマや、先輩と同じかかわり方を試しても思うようにいかない状況なども、疲労感を強める原因です。
「頑張ってもうまくいかない」と感じてしまい、保育自体に疲れを覚える保育士さんもいるようです。
頑張りが給料・待遇に反映されない
保育士は子どもの命を預かる責任の重い仕事ですが、給与水準は他業種と比べて低い傾向にあります。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均年収は427万6,300円で、全産業の平均を下回っています。
2026年度には5.3%の賃上げが決定するなど処遇改善は進んでいるものの、園によって手取りへの反映度には差があるのが実情です。
身体的に保育士が疲れを感じる3つの場面
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保育士さんが「身体が疲れた」と感じる場面をみていきましょう。
残業や持ち帰り仕事から抜け出せない
日誌の記入、制作物の準備、行事の計画、保護者へのおたより作成。保育士にはさまざまな業務があります。
保育時間中にはとても終わらない事務作業を、残業や持ち帰りでこなしている保育士は多いのではないでしょうか。
東京都の保育士実態調査でも、退職理由の上位に「仕事量の多さ」が挙がっています。
有給休暇が取れず休めない
人手不足の園では代わりの保育士を確保しにくく、有給休暇の取得をためらう保育士も珍しくありません。
「自分が休むとみんなに迷惑がかかる」と無理をして出勤し、結果として体調を崩すケースもあります。
計画的に休みたくても行事や保育参観が入っていると休めないことも多く、「いつ休めるのか」という見通しが立たないストレスが心身の消耗を加速させます。
体力の限界を感じる
抱っこやおむつ替え、中腰での食事介助など、保育の仕事は一日中体を使い続けます。
特に乳児クラスの担当は身体的な負荷が大きく、腰痛や肩こりが慢性化している保育士さんも少なくありません。
年齢を重ねるにつれて回復が遅くなるのを実感し、「この先何年続けられるのか」という不安につながることもあります。
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保育士の疲れは「気を張りすぎる毎日」が理由
ここまで紹介した7つの場面には、共通する背景がありそうです。
保育士さんが慢性的に疲れてしまう根本的な原因を、3つのポイントからみていきましょう。
子どもの安全確保のために、一日中気が抜けない
保育士の仕事は、一瞬も気を緩められない緊張の連続です。
複数の子どもを同時に見守り、事故やトラブルを未然に防ぐ責任があるため、保育中は常に神経を使います。
仕事中の緊張状態は自分では気づきにくいため、毎日続くことで、気づくと心と身体が疲れきってしまうことに。
リラックスできる時間がほとんどないまま一日が終わるため、疲労が蓄積しやすいといえそうです。
保育活動以外の業務が多い
保育計画の作成、日誌の記入、行事の企画と準備、環境整備、保護者対応など、保育士の仕事は「子どもへの保育」だけではなく、バックオフィス的な業務が多いのが現実です。
厚生労働省の「保育士の現状と主な取組」でも、保育士の退職理由として「仕事量の多さ」「労働時間の長さ」が上位に挙がっています。
業務量に対して人手が足りない状態が続くと、一人ひとりの負担は増える一方でしょう。
休憩が取れず、回復する時間がない
保育の現場では、昼食も子どもといっしょに食事指導を兼ねてとることが多く、実質的な休憩とは言えません。
休憩中に「ノンコンタクトタイム」と言いつつも、結局は連絡帳を書いたり翌日の準備を進めたりしていることが多いという保育士さんの声も聞かれます。
心と身体を休める時間が確保できないことで、疲れが回復しないまま次の日を迎える悪循環が生まれます。
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「疲れたかも」と思ったら確認したい5つのサイン
疲れが限界に達する前に状態を把握しておきましょう。
ここでは、心と体が発するSOSのサインを5つ紹介します。
①朝起きるのが辛く、出勤前に気持ちが沈む
アラームを何度もスヌーズしてしまう、起きても頭がぼんやりして動けない。
このように、以前はなかった朝のだるさが続いているなら、疲労が蓄積しているサインです。
休日に「明日から仕事だ」と思うだけで気分が沈んだり、子どもたちの顔を思い浮かべても楽しみを感じなくなったりしている場合は、休息が不足している状態といえそうです。
また、ストレスにより夜なかなか寝付けないことが原因となっているケースもあるでしょう。
- 日曜の夕方になると動悸がする、夜なかなか寝付けなくなった
- 家を出る前に「今日休みます」と連絡する自分を何度も想像してしまう
②休んでも疲れが取れず、体が重い
十分に寝たはずなのにだるい、休日を過ごしても月曜には疲れてしまうなど、慢性的な疲労感は、身体が限界に近づいているサインです。
肩こり・腰痛・頭痛が日常化している場合も要注意です。
「階段の上り下りが辛い」「子どもを抱っこする力が入らない」など、保育業務に影響が出始めたら、回復のための対策が必要な段階です。
- 休日に丸一日寝ても月曜の朝にはもう体が重い
- 子どもを抱っこする腕に力が入らない、階段の上り下りが以前より辛い
③保育活動への意欲がなくなり、楽しめない
以前は「明日はこんな遊びをしよう」と考えるのが好きだったのに、今は「最低限の業務をこなすだけで精一杯」という状況になっていないでしょうか。
保育のアイデアを考える気力がない、子どもの成長に感動しなくなった。こうした変化は、心の疲れが進行しているサインです。
意欲の低下は能力不足ではなく、疲れがたまっていることが原因かもしれません。
- 制作物や行事の準備を「とりあえずこれでいいか」で済ませるようになった
- 子どもが新しいことをできるようになっても、以前のように嬉しいと思えない
④体調を崩しやすくなった
風邪が治りにくい、胃痛や腹痛が頻繁に起こる、肌荒れがひどいなど、体調不良が続いたり回復に時間がかかったりするのは、免疫力が落ちているサインです。
ストレスと身体症状は密接に関連しています。「仕事だから仕方ない」で済ませず、身体の不調は早めに対処しましょう。
- 休日ごとに風邪をひく。ものもらいや片頭痛、口内炎など細かい不調がある
- 出勤前に胃がキリキリする、原因不明の頭痛や腹痛が繰り返される
⑤些細なことでイライラしたり涙が出たりする
同僚のちょっとした一言に傷ついたり、子どもの行動にイライラしたり。感情のコントロールが難しくなっているのは、心の疲労がピークに近い状態です。
日曜(出勤前日)になると翌日の仕事を考えて憂うつになる、仕事の帰り道に涙が出る、家に帰ってから急に泣けてくるといった状態が続く場合は、メンタルクリニックの受診や転職相談など、早めの対処が必要です。
- 子どもの泣き声や同僚の何気ない一言に、以前なら感じなかった怒りが湧く
- 帰宅後や入浴中に急に涙が出る、理由がないのに泣けてくる
セルフチェックの目安として、上記のうち2つ以上に該当する場合は、心身ともに限界が近い可能性があります。
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- 推しのドラマを毎日1話ずつ観るために配信サービス契約
- お気に入りの入浴剤でゆっくりお風呂に入る
- 休日に映画を観るときはプレミアムシートを予約する
こうした「ちょっとした楽しみ」を日常に取り入れて、疲れを翌日に残さない習慣につなげましょう。
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SNSで話題のカフェ巡り、推し活、デパコスのカウンセリング予約など、自分が楽しめることならなんでもOKです。
「時間がない」と感じるかもしれませんが、週にたった1時間でも心の疲れに効く効果はありそうです。
ポイントは「保育士としての自分」から完全に離れる時間を作ることです。
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中腰での姿勢や抱っこなど身体に負担がかかることが多い保育士さんには、意識的に体をほぐす時間が必要です。
朝の5分間ストレッチ、動画を見ながらのヨガ、週末に近所を20分だけ散歩するなど、少し続けると血行がよくなり、気分転換にもなります。
いつも仕事の悩みで頭がいっぱいという保育士さんも、運動中は仕事のことから離れやすいのもポイントです。
仕事とプライベートの切り替えを意識しながら、無理のない軽い運動を取り入れてみましょう。
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友人や家族、趣味でつながっている人など、保育とは関係のない相手に話すことで、新しい見方や考えが得られるきっかけにもなりそうです。
話せる相手がいないという場合は、保育士バンク!のキャリアアドバイザーが、親身になってお話を伺います。
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転職を考えるときに、チェックしたいポイントは以下の通りです。
- 残業時間と持ち帰り仕事の実態
- 有給休暇の取得率
- 職員の定着率(離職率が高い園は注意)
- 保育理念が自分に合っているか
- 園見学で感じた雰囲気
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保育士の資格やこれまでの経験はさまざまな場所で活かせます。代表的な3つの方向性を紹介します。
働きやすい保育園に転職
園が変われば、人間関係も働き方もまったく異なります。
今の園が合わないからといって、保育士という仕事自体が合わないとは限りません。
小規模保育園、企業内保育所、病院内保育室など、保育の形はさまざまです。
配置基準にゆとりがある園や行事が少ない園を選べば、体力的・精神的な負担を減らせる可能性があります。
保育の資格・経験を活かせる職種に転職
保育士資格や現場経験は、保育園以外の場所でも評価されます。具体的には次のような職種があります。
- 児童発達支援・放課後等デイサービスの支援員
- 学童保育の指導員
- ベビーシッター
- 子育て支援センターの相談員
- 保育園の事務職・運営スタッフ
「子どもは好きだけど、保育士以外の仕事がしたい」「保育士には疲れたけど、せっかくの資格を活かしたい」という方におすすめの選択肢です。保育士以外の仕事自分のスキルを活かして転職
保育業界を離れてキャリアチェンジする
保育士の経験で身についた対人コミュニケーション力、マルチタスク能力、臨機応変な対応力は、まったくの異業界でも評価されるスキルです。
保育士からの転職実績が多い職種としては、事務職、接客・販売業、医療事務、営業職などが挙げられます。
保育とは別の分野に移ることで、働き方や負担が大きく変わるケースもあります。
保育士の疲れに関するよくある質問
保育士さんが「疲れた」と思ったときに気になる不安や疑問について答えます。
Q1.保育士が疲れて仕事に行けなくなったらどうする?
体調不良のまま出勤しても、自分の回復を遅らせるだけでなく、保育の質にも影響します。
まずは休暇を申請し、症状が続くなら医療機関を受診してください。
回復してから今後のことをゆっくり考えても、決して遅くはありませんよ。
Q2.保育士が人間関係に疲れたときの対処法は?
保育園は閉鎖的な環境になりやすく、園内だけで悩みを解決しようとすると余計にこじれることもあります。
友人や自治体の相談窓口など外部の相談先を持っておくとよいでしょう。
根本的に合わない、業務に支障が出るといったケースでは、異動願いを出したり転職を考えるのも選択肢の一つです。
職場・仕事の相談はどんな小さなことでもOK!Q3.転職したくても、地元にいい求人がない場合は?
非公開求人とは、競合対策や採用の質を保つため一般公開されない求人のこと。
転職エージェントに登録すれば、求人サイトに載っていない非公開求人にアクセスできるので、地元の条件のよいポジションが見つかるケースがあります。
保育士専門の転職サービスなら、求人票には載らない職場のリアルな情報を教えてもらえます。
まずは気軽に無料相談から始めてみましょう。
聞いてみるだけでもOK非公開求人を見てみたい!Q4.保育士自体を辞めたいと思った場合はどうしたらよい?
メモに書き出してみると、「保育士が嫌」なのか「今の職場が嫌」なのかが見えてくることがあります。
保育自体を離れたい場合は、保育経験を活かせるベビーシッターや子育て支援の仕事、異業種への転職も選択肢としてありそうです。
Q5.保育士が一番つらいのは何年目?
2〜3年目は「一通りできるようになったけど、まだつらい」というギャップに悩みやすく、5〜7年目は後輩指導やリーダー業務が加わり負担が増える時期です。
年次によって悩みの質は変わるため、悩みや疲れる要素がまったくなくなることはないかもしれません。
定期的に自分のメンタルの状態を振り返り、人と比べて落ち込んだり、同僚のあら探しをしてしまうようなネガティブな感情に陥っていないか、見つめなおしてみるのもよさそうです。
Q6.保育士のメンタルが限界なときはどこに相談すればいい?
主な相談先として、国が設置しているさまざまな電話相談窓口があります。
園内で言いにくい仕事の悩みやメンタルの不調などは、保育業界に詳しいキャリアアドバイザーがいる保育士バンク!でも相談が可能です。
保育士に疲れたと感じたら保育士バンク!に相談してみる出典:保育士の現状と主な取組/厚生労働省
保育士に疲れたと感じたら、まず状況を整理することから
保育士の疲れには、それぞれに原因や疲れの種類があります。
気を張り続ける保育士さんならではの環境と業務量の多さがもとになっていそうです。
疲れのサインに気づいたら、休息をとる、気持ちを切り替えてリフレッシュする、誰かに相談するなど、簡単にできる対処法もありますが、それでも改善しない場合は、職場を変えるという手段も。
保育士バンク!では、「辞めるか迷ってる…」「ほかの園の情報だけ見てみたい」という相談も大歓迎!
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