保育園の遠足のしおりを手作りする場合、どのように作ればよいのか悩む先生もいるでしょう。持ち物や注意事項など必要な項目を押さえつつ、テンプレートやイラストを活用して子どもがよろこぶかわいい仕上がりにできるとよいですね。今回は、遠足のしおりの作り方や書くべき内容、作るときのポイントなどを紹介します。
milatas/shutterstock.com
■目次
保育園の遠足のしおりを作る目的やねらいとは?
ルールやマナーを守ったり、友だちとの集団行動を学んだりできる遠足行事。
そんな遠足をより楽しいものにするために欠かせないのがしおりですよね。では、なぜ保育園で遠足のしおりを作成するのか、ねらいを3つ紹介します。
子どもの期待感を膨らませる
一つ目のねらいは、遠足に向けて子どもたちの期待感を膨らませることです。
しおりがあれば、「いつ、どこに行き、どんなことをして遊ぶのか」ということが明確になるので、子どもたちが遠足を心待ちにするようになるでしょう。
また、遠足に必要な持ち物を揃えたり行き先についての知識を深めたりと、活動への意欲を高めることにもつながりそうですね。
安全に過ごすためのルールをわかりやすく知らせる
二つ目のねらいは、子どもたちにルールをわかりやすく知らせることです。
保育園の遠足には、ルールを守ったり周りにあわせて行動したりすることで、社会性を育むというねらいがあります。目的地での過ごし方や時間を守ることなど、社会性を身につけるための大切なルールをしおりに書いておくことで、子どもたちが理解しやすくなるでしょう。
文字だけでなく〇と✕のイラストを添えれば、やってよいこととダメなことを把握しやすくなりそうですね。
保護者に遠足の流れを把握してもらう
三つ目のねらいは、保護者に遠足の流れや一日の行動を把握してもらうことです。
子どもだけが参加する遠足の場合、どこへ行ってどんな風に一日を過ごすのかは保護者が気になるところでしょう。また、必要な持ち物や当日の送り迎えの時間など、知っておきたい情報はたくさんあります。
集合時間や注意事項、連絡先など必要な内容がすべてまとまっている遠足のしおりがあれば、保護者が安心して当日を迎えられるかもしれませんね。
保育園の遠足のしおりを作るねらいをふまえ、次からは具体的な作り方や作成のポイントなどを紹介します。
保育園の遠足のしおりを作るときの流れ
まずは、保育園の遠足のしおりを作るときの流れを見ていきましょう。
1.どのような方法で遠足のしおりを作るか決める
遠足のしおりの作り方には、ウェブサイトでテンプレートを使用しながら作成する方法と、手書きをメインとした手作りする方法の2通りがあります。
まずはそれぞれの特徴を把握したうえで、どんな方法で遠足のしおりを作成するのか決めることからはじめましょう。
作成ツールやテンプレートを使用する
ウェブサイトにある無料のしおり作成ツールやアプリケーション、テンプレートなどを活用して遠足のしおりを作ることができます。
パソコンでの作成は、写真やイラストを簡単に入れ込むことができたり、編集・修正などにも手間をかけずに行ったりできるという特徴があるでしょう。
一から手作りする
手作りする場合は、先生オリジナルのデザインやレイアウトで作成できるので、一つひとつがあたたかみのあるしおりとなるでしょう。
ただし、手作りで遠足のしおりを作る場合は、パソコンで作るよりも編集や修正に時間を要してしまうため、当日までに時間がない場合は適していないかもしれません。
テンプレートを利用する場合と手作りする場合の長所と短所を比較して、作成に取り掛かる前に遠足のしおりの作り方を決めましょう。
2.表紙を作る
遠足のしおりの作り方を決めたら、まずは表紙から作成しましょう。
表紙には、以下のような項目を記載します。
- タイトル(「〇〇ほいくえん えんそくのしおり」など)
- 遠足にいく日付
- 行き先
- クラス
- 氏名
タイトルや行き先は、子どもが見てわかりやすいように書くのがポイントです。
たとえば動物園に行く場合、「いきさき:〇〇どうぶつえん どうぶつとなかよくなれるばしょ」と書けば、子どもは動物がたくさんいる場所を想像して、より遠足を心待ちにするかもしれません。
また、動物園の場合はキリンやゾウ、水族館の場合はペンギンやイルカなど、行き先にちなんだイラストを表紙に入れれば、子どもが目的地をイメージしやすいうえにかわいい仕上がりになるでしょう。
3.遠足のしおりに書く具体的な項目・内容を決める
表紙を作成したら、遠足のしおりに記載する具体的な項目や内容を決めましょう。
日程や持ち物、遠足でのルールなど、子どもたちが安全に楽しく過ごすために必要な項目を選択し、短くかつシンプルに書くことがポイントです。
また、見開き1ページ目に簡単な目次を作成し、何の項目がどのページに書いてあるのかわかりやすくまとめておくのもよいかもしれませんね。
【項目・内容】保育園の遠足のしおりの作り方
MIA Studio/shutterstock.com
次に、保育園の遠足のしおりに記載する項目や内容についてくわしく紹介します。書き方の例もまとめているので、作成するときの参考にしてみてくださいね。
遠足当日の日程
まずは、遠足当日の流れを時系列でまとめましょう。書き方の例は以下です。
書き方例「にってい」(時間/項目)
- 〇〇:〇〇 〇〇ほいくえん(ようちえん)しゅっぱつ
- 〇〇:〇〇 〇〇とうちゃく(目的地)
- 〇〇:〇〇 ごはん・きゅうけい
- 〇〇:〇〇 かえりのばすにのる
- 〇〇:〇〇 〇〇ほいくえん(ようちえん)とうちゃく
出発・到着時間や休憩時間などを明確に記載しておくことで、保護者が安心できるのはもちろん、子どもが1日の過ごし方や時間を意識することにつながるでしょう。
表紙だけでなく日程をまとめた部分にも行き先を表記すれば、子どもはどこへ行ってどんなことをするのか想像を膨らませられるため、より遠足を楽しみにしてくれるかもしれませんね。
当日の服装
遠足のしおりには、当日にふさわしい服装や靴などをしっかり明記しておきましょう。書き方の例は下記です。
書き方例「えんそくのひのふくそう」
-
- うごきやすいふくそう
(例 ながそで・ながズボン・ながくつした)
※季節によって異なるので、時期にふさわしい服装を明記しましょう。
- はきなれたうんどうぐつ 等
子どもが理解できるのはもちろん、服装を準備する保護者の方にも伝わりやすいよう具体的に書きましょう。
空いたスペースに服装のイラストを添えれば、保護者がどのような服を用意すればよいのか把握しやすくなりそうですね。
持ち物
持ち物リストは「もっていくもの」と表記してまとめましょう。
持ち物は遠足の準備をする際に重要となる項目なので、一つひとつ確認しやすいようにチェックボックスを作るとよいかもしれません。
書き方例「もっていくもの」
☐おべんとう ☐すいとう ☐おやつ ☐きがえ ☐はんかち ☐てぃっしゅ ☐あまぐ
※あめのひはさむくなるので、うわぎをもってくるようにしましょう。
季節や気温、行き先によって持ち物が変わったり追加になったりする場合があるので、保護者へ向けてその旨を一言添えておきましょう。
遠足での約束やルール
遠足でのマナーやルールなどをまとめましょう。
イラストといっしょに説明すれば、どのような点に注意して過ごせばいいのかがわかりやすくなります。やってはいけないことに✕を書いておけば、子どもたちに伝わりやすくなりそうですね。
約束やルールについて表記するときの書き方例は以下です。
書き方例「おやくそく」
①せんせいのおはなしをちゃんとききましょう。
②ぐあいがわるくなったら、すぐにせんせいにこえをかけましょう。
③おともだちをたたいたり、おしたりせずに、なかよくすごしましょう。
シンプルに書けば最低限守るべきものを把握しやすくなるので、約束やルールは2つから3つほどに絞って簡潔にまとめましょう。
遠足の目的地
遠足の目的地を記載するときは「ばしょ」という表記にして、地図を載せましょう。
空いているスペースに目的地にちなんだイラストを添えれば、さらにかわいいしおりができあがります。
また、行き先の住所や電話番号もいっしょに書いておけば、保護者も安心できるかもしれませんね。
園の連絡先
遠足のしおりの最後には、保育園や幼稚園の住所や連絡先を記しておきましょう。
書き方例「れんらくさき」
〇〇ほいくえん
じゅうしょ:〇〇✕✕~
でんわばんごう:〇〇〇ー〇〇〇〇
子どもが安全に楽しく1日を過ごせるよう、必要な内容を絞って端的に記載することがポイントです。文字だけだとさみしい印象があるので、適宜イラストを組み合わせてかわいいしおりを作成してみましょう。
保育園の遠足のしおりを作るときのポイント
最後に、保育園の遠足のしおりを作成するうえで押さえておきたいポイントを紹介します。
行き先や項目に合わせてイラストを添える
子どもたちが何度も開きたくなるように、適度にイラストを添えましょう。
当日の服装や注意事項などしっかりと伝えたい項目に関連したイラストを添えることで、子どもたちが視覚的に理解しやすくなるかもしれません。
また、空白のスペースにもお弁当やバスなど遠足にちなんだイラストがあれば、よりかわいいしおりになりそうですね。
重要な部分のみ、文字の大きさや太さ、色を変える
子どもたちに守ってもらいたいルールや約束、注意事項の部分は、文字の大きさや太さを変えて表記しましょう。
文字が強調されていれば、何が大切なのかわかりやすくなるので、子どもの意識を強めることにつながるかもしれません。
書き方例
「ちゅうい」
①〇〇のなかでははしらない
②△△ではおおきなこえをださない
行き先や項目にあわせてイラストを添えたり、注意事項を太文字にしたりするといったポイントを押さえて、子どもにとってわかりやすい遠足のしおりを作成してみましょう。
保育園の遠足のしおりをかわいく手作りして、子どものワクワクを引き出そう
今回は、保育園の遠足のしおりを作るねらいや作り方の手順などを紹介しました。
遠足のしおりは、子どもたちが安全に楽しく過ごすための手引きです。
手作りで時間をかけて作成する方法や、パソコンを使ってかわいいテンプレートを利用する方法など、作り方はさまざまあります。
作成するときは、伝えたい項目や内容を短くシンプルに書くことや、かわいいイラストを適度に入れることなどがポイントです。これらのコツを押さえて、子どもたちが手に取ってワクワクするような遠足のしおりを作ってみてくださいね。