離乳食は、栄養摂取だけでなく食への興味や意欲を育む大切な機会です。保育士さんは、適切な食べさせ方について確認しながら進めたいですね。月齢や発達段階に合わせて、乳児期の楽しく安全な食をサポートしましょう。今回は保育で役立つ離乳食の食べさせ方について、月齢ごとの基本から食べさせ方のコツ、食育のポイントなどを解説します。
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目次
【保育士のための離乳食の食べさせ方ガイド】始め方のポイント
「離乳食」とは、子どもの成長にともない、母乳や育児用ミルクだけでは不足してくるエネルギーや栄養素を補完するために、幼児食に移行する過程で与えられる食事のことです。
保育士さんがまず気をつける必要があるのは、ミルクから離乳食へ以降するタイミングの設定です。子ども自身の食欲や行動、成長・発達などの個性を見て保護者と相談しながら、家庭や子どもに合わせた進め方・食べさせ方をする必要があります。
園の方針によりますが、離乳食を始めるにあたっては、保育士さんは離乳食についての年間計画を子どもごとに作成し、家庭や栄養士と連携を図りながら離乳を進めます。
計画書を作成することで、保育士と栄養士との間で離乳食に対する子どもの個性への共通理解と情報共有ができ、保護者への見通しをもった働きかけや適切な育児支援にもつながるでしょう。
園によっては栄養士が年間計画を作成し、保育士さんと共有する場合もあります。
【保育士のための離乳食の食べさせ方ガイド】月齢ごとの進め方

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離乳食の進め方は個人差がありますが、基本的に生後5カ月から6カ月以降に開始することを検討していきましょう。
これまで母乳や育児用ミルクを吸うことに慣れてきた乳児の摂食機能は、離乳食によって食物を噛みつぶして飲み込むことへと発達していきます。
食品の量や食材など食べられるものを少しずつ増やしながら、献立や調理も段階的に変化させ、月齢に合わせて食べさせることも必要になります。
以下で月齢ごとのポイントと食べさせ方について見ていきましょう。
5カ月~6カ月
5カ月を目安に、準備食に向けて内容やタイミングを保護者や栄養士と相談していきます。
体重7㎏前後で支え座りができるようになったら進められるとされていますが、子どもの発達や食欲、授乳リズムなどを見ながら進めましょう。
果汁やスープなどの準備食は、食材の味や舌触りを感じながら飲み込むこと、スプーンに慣れることが目的です。母乳や育児用ミルクと併用しながら1日1回与えるようにしましょう。
食べる動きとしては、離乳食を口に入れて口唇を閉じる動作ができるようになり、口に入った食べ物を舌で口の奥へ送り込み嚥下することができるようになってきます。
保育の中で、口や舌を動かすような歌や手遊びを取り入れて、口の動きを促してあげられるとよいでしょう。
7カ月~9カ月
準備期から初期食を経て、さまざまな味や形・食感、スプーンに慣れることができ、食べる動作が無理なくできるようになるでしょう。この頃から離乳食を1日2回にして、食事のリズムを確立させていきます。
口の動きの発達として、舌、あごの動きは前後から上下に動かせるようになり、それにともない口唇は左右に引かれるようになります。
前歯で食材を食いちぎったり舌を使ってつぶして食べたりする動きもできるようになってくるので、舌でつぶせる固さのものを与えるのがよいでしょう。
保育士さんが離乳食のサポートをする際は、平らな離乳食用のスプーンを下唇にのせ、上唇が閉じるのを待つようにするのがポイントです。また、椅子に座って食べる姿勢を身につけられるとよいようです。
子どもによっては、食事への意欲が見られるようになってきます。
手に持てる物は持たせるようにしたり、食べたい物への指差しなど子どもの要求をキャッチしたりしながら、食べることへの意思や楽しみが高まるようにしていけるとよいでしょう。
10カ月~12カ月
積極的に手づかみで食べようとする傾向が見られるようになります。
この頃から離乳食は1日3回にし、歯ぐきでつぶせる固さのものを与えていけるとよいでしょう。食欲に応じて離乳食の量を増やし、離乳食の後にミルクを与えます。
舌で食べ物を歯ぐきの上に乗せ、歯や歯ぐきで潰せるようになります。
食べさせ方はこれまでと同様ですが、離乳食用スプーンを丸みのあるものに変えていきましょう。
9カ月頃から始まることが多い手づかみ食べは、1歳までの子どもの発育や発達にとって大切なプロセスと言われ、積極的にさせたい行動です。
食べ物を触ったり握ったりすることで固さや触感を体験し、食べ物への関心や自らの意志で食べる行動につながると言われます。
中には、テーブルや床が汚れる、食事に時間がかかるといった理由で手づかみ食べを避けたがる保護者もいるため、保育士さんが手づかみ食べの大切さを保護者に伝えることも大切です。
1歳以降
1歳以降は、自分で食べる意欲を高めていきましょう。並行して「いただきます」など食事のマナーを教える段階に入っていくのもよいようです。
形のある食物を噛みつぶせるようになり、エネルギーや栄養素の大部分が母乳やミルク以外で摂取できる状態を「離乳の完了」と言います。生後12カ月から18カ月頃にかけて完了を促していけるとよいでしょう。
また、離乳の状況や食欲、体重など必要に応じて1日1~2回の補食を与えてもよいようです。
食べさせ方は手づかみ食べで、前歯で噛み取る動作が無理なくできるようサポートしましょう。一口の量を覚え、スプーンなどの食器を使いながら自分で食べる準備をしていきましょう。
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【保育士のための離乳食の食べさせ方ガイド】援助のポイント
保育士さんが離乳食を与える際に、サポートの観点から食べさせ方のポイントを紹介します。
スプーンでの与え方
保育士さんが口元まで離乳食を運ぶ際に、まず食べ物を飲み込んだことを確認してから次のスプーンを近づけるようにしましょう。急いで次から次へと矢継ぎ早に与えようとするのは危険です。
また、子どもにとって食事そのものの苦手意識にもつながってしまいかねません。
一口の量を覚える
ビスケットや果物など手に持ちやすく食べやすい食品を利用して行ないます。
前歯で量を加減しながら噛みとらせることで、奥歯にのせて噛める一口分の量を子どもが覚えることができるようサポートしましょう。
水分補給のタイミング
特に夏場などはできるだけ水分を摂らせたいという気持ちがあるため、食事中に牛乳や麦茶、汁物などの水分を細かく与える習慣がついてしまっている保育士さんがいるようです。
このような食べさせ方は、離乳食の段階で食物を流し込む習慣がつきやすくなってしまい、歯ぐきや舌で食材をつぶしたり、食感を知ったりする体験を妨げることになるでしょう。
食べ物が口の中にある間は、急いで水分を与えないように気をつけましょう。
与えたものを食べない・口から吐き出す場合
慣れないものや食べにくいものを拒否してしまうのは誰にでもあることですが、嫌いな食べ物や固すぎるものを無理に食べさせたり急がせたりするのは避けましょう。
無理に食べることで食材を丸のみしたり、急がせることで柔らかいものを噛まなくなったりするなどの弊害につながることもあるようです。
噛む習慣をつけるためにも、十分に咀嚼できる食材を無理のない範囲で提供しましょう。
子どもが自分で食べる機会を奪わない
保育園での離乳食についての課題のひとつに、誤嚥などの事故防止や上手に食べることを重視するあまり、咀嚼機能が不十分な離乳期にはペースト状の食物ばかりになることが挙げられます。
ペースト状の離乳食は手づかみしにくいため、自分で食べづらいのが難点です。
子どもの食べる・飲み込む動作は運動機能とともに発達し、経験により確立します。その経験の中で重要なのは、食べさせてもらう状態から「自分で食べる」へ移行することと言われています。
特に共働きなど忙しい家庭では、乳児期に自分で手づかみ食べをする機会が少なくなってしまう子どもも多いと言われています。そのため保育園では、できるだけ自分の手で食べる機会を奪わないようにすることが求められるでしょう。
保育士さんは子どもの食べる力をサポートする意識で、食べ方をコントロールする技術や安全に食べる方法を教え、自ら食べようとする意欲を育むようにしましょう。
保育士・幼稚園教諭・看護師・調理師 etc.無料転職サポートに登録【保育士のための離乳食の食べさせ方ガイド】食育へのつなげ方
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離乳食の食べさせ方を、そのまま食育へとつなげることも保育士さんの大切な役割の一つです。離乳食を通して子どもの成長を促す工夫が必要と言えるでしょう。
段階を踏みながら食事を規則的に摂ることで生活リズムを整え、食べる意欲が育ち、食べる楽しさを体験していくことを目標としましょう。
「食べる」ことから「食べることを楽しむ」経験としては、さまざまな食材の味や舌ざわりを楽しむ、手づかみにより自分で食べるといった体験があります。また、食材の見た目や香り、味を楽しめるよう五感を刺激する食べさせ方も大切です。
保育士や友だちといっしょに食卓を囲み、共食を通じて食の楽しさやコミュニケーションを図る、思いやりの心を育むといった観点も含めて進めていけるとよいでしょう。
そのために保育士さんなど大人が食べる姿を見せたり、「あーんしてみよう」「にんじんおいしいね」など、コミュニケーションをとったりながら笑顔で食べさせることが食育につながるでしょう。
また、「もぐもぐ、ごっくんできたね」など上手に食べられたことを褒める、達成感を味わわせる声かけも大切です。
出典:保育所におけるアレルギー対応ガイドライン/こども家庭庁
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