転職活動では「福利厚生」の手厚さを重視する保育士さんも多いかもしれません。給与以外の面でさまざまなサービスや恩恵を受けられるため、働きやすさやプライベートの充実につながるでしょう。そこで今回、保育士さんが転職で重視するべき福利厚生について紹介します。求人探しのポイントや確認方法についてもまとめました。
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■目次
まずはおさらい!「福利厚生・手当」とは?
福利厚生とは、雇用側が従業員に対して、給与以外の面で支給する手当やサービスを指します。
そもそも福利厚生には、「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」があるので、まずは2つの違いから見ていきましょう。
法定福利厚生とは
法定福利厚生とは、一定の条件を満たす従業員には必ず支給される制度や手当のことです。
代表的なものには、以下の5つが挙げられます。
- 健康保険
- 厚生年金基金
- 介護保険
- 雇用保険
- 労災保険
これらは従業員やその家族を守るために法律で義務づけられている制度であるため、労働時間などの条件を満たしている場合は必ず福利厚生として設置されています。
法定外福利厚生とは
法定外福利厚生とは、雇用側が独自に導入している福利厚生で、制服の支給や交通費手当、家賃補助などがこれに当てはまります。
法定外福利厚生を豊かにすることで、従業員である保育士さんの金銭的な負担軽減や余暇の充実につながるでしょう。
働きやすさを向上させれば、離職率の低減が期待できるため、保育士さんだけでなく雇用側である保育園にとってもメリットがあると言えますね。
今の園の福利厚生に不満のある方は以下もご覧ください。
あるとうれしい保育士の福利厚生:手当・支給編
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それでは、保育園が独自に設定する福利厚生にはどのような制度・サービスがあるのでしょうか?
ここでは、金銭的負担の軽減につながる「手当」や「支給」といった福利厚生について見てみましょう。
各種費用の支給
「保育士として働くうえでかかる費用を支給する」福利厚生制度を紹介します。
交通費支給
通勤にかかる費用を支給する制度です。
マイカー通勤の場合にはガソリン代や駐車場代を、バスや電車を利用する場合は定期券代を保育園側が負担します。
園によって相場は異なり、2万円~5万円程度で上限を設ける園のほか、交通費全額支給というケースもあるようです。
給食費無料
一般的に、保育士さんは給食を子どもといっしょに食べることが多いですが、その費用を無料とする制度です。
おおむね1食あたり数百円ほどの負担ですが、月単位・年単位で換算するとかなりの金額となるため、保育士さんにとってうれしい手当と言えそうです。
予防接種費用の負担
インフルエンザなどの予防接種にかかる費用を負担する保育園もあるようです。
集団生活の場である保育園は、子どもたちだけでなく保育士さんも感染のリスクが高くなります。健康に働くためにも重要な制度と言えますね。
エプロン支給
保育士さんが仕事中に身につけるエプロンを現物支給する制度です。
また、エプロン以外にも保育中に使用する衣類や靴にかかる費用として、被服費を支給する保育園もあるようですよ。
各種手当
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給料などに上乗せする形で支給する手当について見ていきましょう。
住宅手当・引っ越し手当
住宅手当とは住居の賃貸費用に対して支払われる手当を言います。
家賃の半額を支給したり、3万円など定額で支給したりといったケースが多いようです。
なかには、「宿舎借り上げ制度」として保育園名義で借りたアパートの1室を1万円程度の家賃で保育士さんに貸し出す保育園もあります。
さらに、就職に際して現住所から引っ越す必要がある場合に引っ越し手当が支給されるケースもあるようです。10万円程度を上限にしている園が相場かもしれません。
資格手当
保育士さんが持っている資格に対して、追加で支給される手当です。保育士資格を保有している従業員に対し、月1万円程度を上乗せするといった制度が挙げられます
特に、有資格者・無資格者が分かれるパートの求人では、時給にして100円程度の差を設けるケースが見られるようですね。
役職手当
役職手当とは、一定年数の経験を経て、園のリーダーにあたる役職に就くことでもらえる手当です。
国が推進する処遇改善制度により新たな役職が設置され、役職手当がつきやすくなったという背景があります。
園の状況によって異なりますが、副主任保育士で最大4万円、専門リーダーで最大5千円程度の手当があるそうです。
退職手当
保育園を退職する際に、保育士さんに対して支給される手当を指します。
一般的に、3年~5年以上などある程度勤続年数が長い方を対象に支給することが多く、功労に対する報奨の意味合いが大きいようです。
お祝い
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手当などのほか、保育士さんのライフイベントやキャリアの節目に際してお祝いをする福利厚生もあるようです。
結婚祝い金
保育士さんの結婚を祝って支給される祝い金を指します。
金額は保育園によって異なるようですが、なにかと出費の多い折であるため、こうした制度があると安心かもしれません。
出産祝い金
健康保険から出る出産手当金とは別に、「お祝い」の名目で会社から支給されるものです。
結婚祝いと同様に金額はさまざまなものの、園に新生活を応援してもらえている心強さを感じられそうです。
永年勤続表彰
永年勤続表彰とは、10年、20年など長い期間勤続した人にお祝い金や記念品などを贈呈する制度です。
節目となる勤続年数を改めて意識するきっかけにもなり、保育士さんにとってモチベーションアップにつながりそうですね。
あるとうれしい保育士の福利厚生:制度・サービス編
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次に、保育士さんのライフワークバランスの充実や仕事への満足度の向上につながる制度・サービスにかかわる福利厚生を紹介します。
休暇制度
特別休暇
有給休暇以外にも、特別休暇枠を設けている保育園があるようです。
<例>
- 誕生日休暇
- アニバーサリー休暇
- ウェディング休暇
- リフレッシュ休暇
これらの休暇が導入されていれば、誕生日や結婚などの折に触れてお休みすることができるので、ワークライフバランスを保ちやすいかもしれません。
入社時の有休付与制度
一般的に有給休暇の付与は入社半年後としている保育園が多いところを、入社すぐの時期であっても有休を取得できる制度です。
環境の変化から体調を崩しやすい入社すぐの時期も、安心して休むことができるでしょう。
研修制度
保育士としてステップアップするための勉強を後押しするために、研修制度を充実させている保育園も多いでしょう。
なかには、意欲のある保育士さんを対象に、海外の保育園を視察できる制度など、園独自の研修を設けるケースが増えているようです。
優待サービス
宿泊施設やレジャー施設などで使える優待サービスを、福利厚生として備えている保育園もあるようです。
大型テーマパークや温泉、宿泊施設など、さまざまな娯楽施設を特別価格で利用できるサービスに加入できるといった共済組合の会員になれる制度も魅力的ですね。
系列園の利用可
複数園を運営している法人の場合、自分の子どもを系列園に入園させられる制度を取り入れる保育園もあるそうです。
子どもの預け先が見つからないといった不安を抱えずに済むため、育児中の保育士さんはぜひ利用したい制度と言えるでしょう。
福利厚生が充実した保育士求人の探し方
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最後に、福利厚生が充実していて働きやすい保育士求人を探すポイントをまとめました。
求人票の福利厚生欄を確認する
福利厚生について知りたいときは、保育園の求人票を確認してみましょう。
福利厚生欄を見ると、園で実施している制度やサービスについて記載してあります。ただ、くわしい内容までは書いていないケースもあるため、気になる項目については面接や見学の場などで担当者に確認してみるとよさそうです。
転職フェアや説明会などで質問する
福利厚生のくわしい制度内容について知りたい場合、転職フェアや説明会といった場で質問する方法もあります。
ただ、福利厚生に関して尋ねるときは、「待遇ばかりに興味があって保育内容に関心がなさそう」という印象を与えないよう、質問のしかたに注意が必要です。
「貴園で長く働き続けたいと考えているのですが」と前置きをするなど、工夫することで誠実な印象になるため、前もって聞き方を考えておくとよいでしょう。
保育士専門の転職エージェントを利用する
「福利厚生について知りたいけど、具体的な金額や休暇の日数を聞くのは気が引ける」という保育士さんは、保育士専門の転職エージェントを利用する方法もあります。
聞きにくいことはエージェントが仲介して保育園側に確認するため、不必要に気を使うことなく制度内容を知ることができますよ。
保育士の転職では「福利厚生」もチェックしてみよう
今回は、保育士さんが求人探しでチェックしておきたい福利厚生とは何かや具体的な制度について紹介しました。
保育士さんが安心して長く働き続けられるよう、諸費用の負担を軽減したり、さまざまなサービスをお得に利用できたりする福利厚生。転職の際は、こうした制度が充実した保育士求人にも注目してみるとよいかもしれません。
一方、求人票やホームページに福利厚生の記載はあっても、実際には制度が利用しづらいといったケースも。そのため、求人を探す際はエージェントを利用してみるのも一つの方法です。
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