保育園や幼稚園で行う色水遊びを、絵の具以外のものを使ってアレンジしたいと考えている先生もいるのではないでしょうか。色水遊びには、植物を使って自然でやわらかい色合いを出す方法もあるので、やり方を知って保育に活かせるといいですね。今回は、朝顔などの草花を材料にした色水遊びの方法や、色水遊びに使える野菜や植物の種類について紹介します。
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植物を用いた色水遊びとは?
保育園や幼稚園で行う色水遊びは、絵の具や食紅、クレープ紙などを使って、透明の水に色をつけて遊ぶことが多いでしょう。しかし、絵の具だけでなく自然の植物から色水を作ることもできます。
植物を用いた色水遊びとは、草花などから抽出した色を使って楽しむ遊びです。
絵の具は色の種類が多いため、「こういう色を作りたい、カラフルにしたい」という子どもの要望を満たすことができるかもしれません。
一方植物を使った色水遊びでは、作れる色の種類が制限されるため、絵の具を使った場合とは遊び方やねらいが異なるでしょう。
いろいろな色にふれて楽しむことをねらいとしている絵の具を使った色水遊びに対して、植物を使った色水遊びでは、
- 普段外で目にしている花や葉っぱから色を出せることを学ぶ
- 絵の具とは違った自然の色の美しさにふれる
といったことががねらいとされているようです。
植物を使った色水遊びは、色が出やすい花を摘んで色水を作ったり、それを使って別の遊びに発展させたりして遊ぶため、4歳児~5歳児の幼児クラスの子どもにぴったりな遊びと言えそうです。
色水遊びに適した植物や野菜の種類
保育園や幼稚園での色水遊びにぴったりな、色が出やすい植物や野菜の種類を紹介します。
植物
以下のお花は色が出やすく、一般的によく色水遊びに使われているようです。
- 朝顔(青、紫)
- オシロイバナ(黄色、紫)
- ホウセンカ(ピンク、赤、紫)
- つゆ草(青)
- サルスベリ(ピンク、紫)
- マリーゴールド
- シソの葉っぱ
青色や紫色のお花を使うと、比較的色が出やすいそうです。
保育園の園庭や近くの公園などに咲いている花などを摘んで集めてみましょう。
色鮮やかで特徴のある花ですが、持ち歩き出来るサイズの図鑑を参考にしながら探すと、見つけやすくなりそうです。
朝顔であれば、子どもたち自身で育てたものを色水遊びに使うのもいいかもしれませんね。
野菜
草花だけでなく、野菜を使っても色水遊びが楽しめます。
具体的には、以下のような野菜を使ってみましょう。
- にんじん
- ピーマン
- パプリカ
- きゅうり
- キャベツ
色の強い野菜を材料にすると色がしっかり出やすいようです。
野菜をおろし器で細かくおろし、キッチンペーパーやガーゼに包みながらしぼれば、少し薄めの色合いの色水ができます。軽くみじん切りにしたものをすり鉢ですって色を出すのもいいかもしれません。
野菜を材料にすることで、草花とは異なる淡い色を出すことができるでしょう。草花から抽出した色鮮やかな色水と比べてみるのも面白そうです。
また、野菜によって色の出方が違うことを観察してみたり、もともとの野菜の色と色水の色を比べてみたりすると新しい発見があるかもしれませんね。
植物を使った色水遊びの遊び方
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植物を使った色水の遊びのやり方を紹介します。
用意するもの
- 草花
- ビニール袋
- 水
- プラカップやたまごパックなどの入れ物
- すり鉢、すり棒など
色水遊びの手順
以下のような手順で色を抽出してみましょう。
1.集めた草花を種類ごとに分け、ビニール袋に入れます。
2.ビニール袋に水を少し入れます。
3.色が出るように強めにもみます。
4.色が出できたら、色水のできあがりです。
ポイント
袋の中で強くもんでも色が出にくい場合には、すり鉢とすり棒を使ってすりつぶすと色が出やすいでしょう。
石を使って、花や葉っぱをまな板などの上でこするのもいいかもしれません。植物はやわらかいため、子どもの力でも十分すりつぶすことができそうです。
絵の具ではすでにある色を使って遊びますが、植物を材料にした場合は自ら色を作り出すため、子どもたちは想像力を働かせながら取り組むことができるでしょう。
色水遊びを発展させたアイデア
保育園や幼稚園でできる、色水遊びを発展させた遊びのアイデアを紹介します。
お絵かきや暑中見舞い作り
植物から抽出した色水の優しい色合いを活かして、自由にお絵かきを楽しんでみましょう。
夏の時期に色水遊びをする場合には、色水を使ってハガキに絵をかき、暑中見舞いを作るのもいいかもしれません。
夏の草花から作った色水で暑中見舞いをかけば、子どもたちが季節を感じながら遊ぶことができそうです。
紙や布などを染める
草花から出した色水を染料にして、紙や布を染めてみましょう。
半紙やコーヒーフィルターなどを折りたたみ、角を色水につけて広げると不思議な模様ができあがります。
好きな形にカットしてオリジナルのしおりを作ったり、布を染めればオリジナルのハンカチを作ったりできるでしょう。
季節を楽しむ製作になるだけでなく、保護者の方へのプレゼントとして作ってみるのもいいかもしれませんね。
色水の氷作り
植物で作った色水を使って、色付きの氷作りをしてみるのはいかがでしょうか。
製氷トレーに色水を入れて凍らせれば簡単に作ることができます。同じ色のものをたくさん作ったり、色を混ぜて新しい色の氷を作ってみても面白いかもしれません。
ハートや星形などのシリコン製の製氷トレーを使ってみれば、かわいらしい形の氷ができあがるため子どもたちが喜んでくれそうです。
また、薄めの色水をトレーに入れて、その色を抽出した花びらをいっしょに入れると、できあがったあとにどの花の色かがわかりやすくなるうえに、見た目もかわいらしくなるでしょう。
ゼリー作り
できあがった色水を使って、色付きのゼリーを作ってみましょう。
温めた色水にゼラチンを混ぜて固めればできあがりです。ゼリーならではのプルプルとした感触を子どもたちも気に入ってくれるかもしれません。
実験のような感覚で子どもたちといっしょにゼリー作りをしてみてもいいですね。
ただし、温かい色水を使うため、万が一子どもたちがやけどしないように、容器を手で押さえてこぼれないようにサポートしましょう。
植物を使った色水遊びで、自然ならではの色を楽しもう
今回は、色水遊びに適した植物の種類や、草花や野菜を使った色水遊びの方法、発展させた遊びのアイデアなどを紹介しました。
植物を使った色水遊びは、花を集めたり色を出したりと少し手間がかかるでしょう。
しかし、その分色を作る楽しさを経験したり、その色を使ってどのような遊びに展開させるかなど、子どもたちの発想を活かしたりしながら楽しめそうです。
保育園や幼稚園でいろいろなお花や野菜を使った色水遊びを楽しんで、子どもたちと自然ならではの色の美しさにふれる機会を作ってみてくださいね。