1歳児の生活発表会で何を題材にしようか悩んでいる保育士さんもいるのではないでしょうか。0歳児や1歳児の子どもは、好きな遊びを見つけて繰り返し遊ぶようになる頃なので、絵本やダンスなど、保育園での遊びをテーマにするとよいでしょう。今回は1歳児の生活発表会のねらいや題材のアイデア、援助のポイントを紹介します。
T.TATSU/shutterstock.com
生活発表会とは
生活発表会とは、保育園での生活や遊びを通して成長した子どもの姿を発表する行事です。
1年間の成長を発表するという意図から、主に12月や、2月・3月といった年度末の時期に行なう園が多いでしょう。
この時期は、発表会の他にもクリスマス会や新年度があり、忙しくなる頃かもしれません。
そのため、保育士さんは2~3カ月ほど前から準備を行ない、子どもたちの練習は1か月ほど前から始めるとスムーズに進められそうですね。
1歳児の生活発表会のねらい
0歳児や1歳児の生活発表会には、以下のようなねらいが挙げられるようです。
- 保育士さんといっしょに、歌ったり踊ったりすることを楽しむ
- 絵本などに親しみ、保育士さんといっしょに表現を楽しみながら遊ぶ
- 楽器などに興味を持ち、自分でやってみようとする意欲を持つ
生活発表会は、子どもの普段の生活や遊びの集大成を発表することが目的です。
ねらいに関しても、いつものねらいの延長線上にあると考えるとよいかもしれません。
1歳児向けの生活発表会の題材
0歳児や1歳児の生活発表会で活用できる発表の題材を紹介します。
お名前呼び
保育士さんに名前を呼ばれ、手を挙げて返事をする「お名前呼び」をしてみましょう。
自分の名前が分かるようになり、「はーい」と返事ができるようになった姿を保護者の方に見てもらえるとよいですね。
本番の場では、恥ずかしくてなかなか返事ができない子どももいるかもしれませんが、そのような姿も子どもらしさとして受け止めていきましょう。
劇遊び
普段、保育園で親しんでいる絵本をもとに、劇遊びを行なうのもよさそうです。
登場人物の少ない簡単なお話や、子どもたちが好きで繰り返し読んでいる絵本があれば、絵本の内容を真似してみても楽しめるかもしれません。
劇遊びをするときは、保育士さんが子どもと同じように役になりきって遊ぶことで、子どもたちも楽しく演じられそうですね。
歌、ダンス
子どもたちが気に入っている曲を使って、歌を歌ったりダンスを踊ったりしてみましょう。
保育士さんを真似ながら歌えるようになったり、手足を活発に動かせるようになったりした姿に、保護者の方も成長を感じられそうです。
また本番では、いつも聞いている曲が流れることで、子どもたちは安心して発表できるかもしれません。
0歳児や1歳児の子どもにぴったりな曲や発表の仕方の例をみていきましょう。
【手遊び歌】まぁるいたまご
ゆったりとしたメロディーの手遊び歌なら、0歳児や1歳児の子どもたちも安心して楽しめそうですね。
お面や衣装などで、たまごやひよこになりきってもよいでしょう。
ひよこ役の子ども、あり役の子ども、怪獣役の子どもと分かれて衣装を身につけても楽しいかもしれません。
【大人気!手遊び歌】バスにのって
乗り物が好きな子どもの多いクラスであれば、子どもたちも張り切って歌ってくれそうです。
運転手さんになりきり、ハンドルに見立てた小さなフープなどを持ちながら歌うのもよいでしょう。
椅子や巧技台などに一列に座り、「キキーッ」と横に倒れる動きを行なっても楽しいかもしれません。
【手遊び歌】パンダうさぎコアラ
0歳児の子どもたちからでも楽しめそうなアイデアです。 「おいでおいで」など、簡単な手の動きを子どもといっしょに楽しめる手遊び歌を歌ってみましょう。
お面や被り物で、パンダやウサギ、コアラになりきって歌えば、より楽しい雰囲気になるのではないでしょうか。
合奏
子どもが好きな歌に合わせて、マラカスやタンバリンを鳴らす音楽遊びを生活発表会で行なうのもよいでしょう。
0歳児や1歳児の子どもでは、楽器を使って自由に音を鳴らすことを楽しむのをねらいにするとよいかもしれません。
保育士さんがモデルとなってリズムや歌詞に合わせて鳴らすことで、子どもたちもだんだんとリズム感を身につけられそうですね。
【手話ダンス】幸せなら手をたたこう
歌詞に合わせて「タンタン」と音を鳴らすことが楽しめる歌です。
シンプルなリズムなので、繰り返し遊ぶうちに、子どもたちも歌に合わせて鳴らすことができるようになるかもしれません。
0歳児や1歳児の低月齢児のクラスは、リングベルやマラカスなどを持って演奏してもよさそうですね。
簡単に楽しめる手遊び『手をたたきましょう』
手遊び歌をもとに、リズム打ちをして遊んでみましょう。
鈴やタンバリンを活用して、叩く動きを楽しんでもよさそうです。
歌の中にある、怒る、泣くといった真似っこでは、保育士さんの様子を真似しながら楽しむことができるでしょう。
【シーン別】1歳児の生活発表会のポイント
maroke/shutterstock.com
生活発表会は、主に計画・練習・本番の流れで進むでしょう。
シーン別のポイントをまとめました。
計画
子どもの発達や興味に沿った発表内容を考える
生活発表会は、子どもの普段の生活や遊びの集大成を発表し、1年間の成長を感じてもらうことが目的です。
普段から行なっている遊びや興味のあることを題材にすることで、子どもは意欲を持って生活発表会に参加できるでしょう。
保育士さんは、子どもの興味や関心をよく観察し、子どもたちに人気の曲や絵本、遊びを題材にするとよさそうです。
他のクラスとの内容が被らないか注意する
生活発表会の本番では、順番にクラスの発表を行なうでしょう。
他のクラスと発表内容が被ってしまうと、見ている保護者の方はもちろん、子どもたちも戸惑ってしまうかもしれません。
事前に発表内容を職員同士で共有し、それぞれのクラスの個性が表れた発表ができるとよいですね。
練習
遊びを通して楽しく練習できるようにする
遊びの中で発表の練習を行うことで、子どもは生活発表会に期待を持ち、楽しいものだと感じることができるでしょう。
また、遊びの延長で練習をすれば、普段の子どもの姿や成長が表れやすくなるかもしれませんね。
保育士さんが子どもの「楽しい」「やってみたい」という思いを引き出せば、主体性や意欲を養ったり、豊かな表現を育んだりすることにつながっていきそうです。
リハーサルを行なう
ステージやマイク、衣装などを用意し、本番当日を想定したリハーサルを行なうことで、本番で緊張しにくい環境を作ることができるかもしれません。
特に0歳児や1歳児では、遊戯室など見慣れないところに行くと場所見知りしてしまい、普段のように発表ができないことも考えられます。
練習のときから、何度か本番で使うステージや衣装を使うことで、その場の環境に少しずつ慣れていくことができそうですね。
本番
子どもが安心できるように関わる
生活発表会の本番では、保護者の方がたくさん来ていたり、会場が飾り付けてあったりといつもと違う点がたくさんあります。
特別な雰囲気を感じ取り、子どもたちは緊張したり泣いてしまったりするかもしれません。
保育士さんも本番では緊張してしまうかもしれませんが、なるべく普段通りに振る舞い、子どもが安心できるような声かけやスキンシップができるとよいですね。
保護者の方に子どもの頑張りを伝える
子どもたちは、練習ではできていたことでも、本番になると緊張してしまい、うまくいかなかったということがあるかもしれません。
保育士さんは、これまでの練習で見てきた子どもの成長や発表を楽しむ姿を保護者の方に発信していけるとよいでしょう。
本番で子どもが緊張してしまうことも、0歳児や1歳児の子どもらしい姿の一つとして温かく受け止めてもらえるよう、あらかじめ保護者の方に伝えておくとよいかもしれませんね。
ねらいや題材を知って、1歳児の生活発表会を盛り上げよう
今回は1歳児の生活発表会のねらいや発表アイデア、保育士さんが気をつけるポイントを紹介しました。
生活発表会は子どもの遊びや成長の様子を発表する場です。
普段から楽しんでいるダンスや絵本を題材にすることで、子どもの意欲につながるのではないでしょうか。
子どもが遊びの延長として楽しんで参加できるように、保育士さんは発表内容や練習の方法を考えていけるとよいですね。
発表アイデアやポイントを活かして、1歳児の生活発表会を成功させましょう。