福笑いは、お正月遊びのなかでも定番の遊びでしょう。用意するものも少なく遊び方もシンプルなため、低年齢の子どもでも楽しみやすいかもしれません。今回は、お正月遊びの一つである福笑いについて、由来や保育園での遊び方を紹介します。また、子ども向けにわかりやすく説明する言い換え例もまとめました。
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■目次
お正月に福笑いをして楽しもう
お正月に楽しむ伝承遊びには、羽根つきやけん玉、お手玉などさまざまあります。
そのなかでも、福笑いは昔から子どもたちに親しまれている人気の遊びではないでしょうか。
そもそも福笑いとは、おかめやおたふく、ひょっとこなどの顔の輪郭がかかれた紙の上に、目や鼻などのパーツを目隠しした状態で並べていき、できあがりの顔の面白さを楽しむ遊びです。
目を瞑って形や大きさなどの感触を頼りにどこのパーツなのか見当をつけていくため、遊びを通して子どもたちの想像力が刺激されそうですね。
一人でも複数人でも楽しめるため、保育園の活動にも取り入れやすいかもしれません。
まずは、福笑いの由来や意味について紹介します。
お正月遊びの福笑いの由来や意味
お正月遊びとして、福笑いをするようになった起源や由来ははっきりとしていないようです。
定着した時期も定かではないものの、ある一説によると江戸時代の後期に福笑いが誕生し、明治時代頃に広く普及したのではないかと伝えられています。
そして、遊んでいる最中の顔やできあがった面白い顔を見てみんなで笑い合うことから、「笑う門には福来る」ということわざのように、新年の幸せを願う意味を込めてお正月に遊ぶようになったのではないかと言われているそうです。
お正月にみんなで福笑いを楽しむことで、自分自身や家族などにめでたいことが起きますようにと祈願する意味があったのかもしれませんね。
また、福笑いではおかめやひょっとこの顔が使われるのが一般的ですが、用いられるようになった理由は明確ではないようです。
しかし、福をもたらす縁起物として人々の生活になじみ深いものとされていたため、親しみを込めて使われるようになったと伝えられています。
お正月遊びの福笑いの遊び方
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では、福笑いはどのようにして遊ぶのか、遊び方を見ていきましょう。
用意するもの
- 顔の輪郭がかかれた紙(おかめやひょっとこなど)
- 顔のパーツ
- 目隠し用のタオルや手ぬぐいなど
遊び方・ルール
1.福笑いのパーツを机に置きます。
2.福笑いをする人が目隠しをします。
3.目隠しをしたままパーツを手に取り、形や大きさを確認して顔の中に並べていきます。
4.全てのパーツを並べ終わったら、目隠しを外します。
5.できあがった顔の面白さを見て楽しみます。
ポイント
2歳児や3歳児クラスのなかには、はじめて福笑いに挑戦する子どももいるかもしれません。
その場合は遊び方に慣れるまで、周りで見ている子どもが「これは鼻だよ」「これは右の眉毛だよ」などと教えながらパーツを手渡すと遊びやすいかもしれません。
また、周りにいる子どもたちが「もう少し上」「もっと右」などパーツの位置を誘導してもよいというルールを取り入れてみれば、ゲームがより盛り上がりそうですね。
以下の動画は写真を使って楽しむ福笑いの製作動画です。くわしい作り方を知りたい方は参考にしてみてくださいね。
関連動画:「写真を切り取って家族で盛り上がろう♪写真福笑い/保育士バンク!」
お正月遊びの福笑いについて子ども向けに説明する言い換え例
お正月遊びの福笑いについて子どもたちに説明する際は、簡単な言葉に言い換えて説明してみましょう。
ここでは、子どもたちからの質問を想定した受け答えの例を紹介します。
Q.福笑いってなに?
「福笑いは、顔の形をした紙の上に目をつぶったまま目とか鼻とかの形をした紙を置いて、へんてこな顔を作るお正月遊びだよ。保育園でもみんなでやってみようね。」
Q.どうしてお正月に福笑いをするの?
「お正月に福笑いをする理由は、くわしくはわからないんだって。だけど、福笑いをするとみんなが笑顔になるから、新しい1年のはじまりによいことが起きますようにみんなでお願いしようね。」
Q.福笑いはどうやって遊ぶの?
「福笑いをやる人は、タオルを目に巻いて見えないようにします。そして、手で紙を触って顔のどの部分かよーく考えて、『ここだ!』と思う場所に並べていくよ。全部並べ終わったらタオルを取って、できあがったお顔を見てみんなでたくさん笑おうね。」
このように、福笑いはどうしてお正月に行われるのか、遊び方などをわかりやすく説明すると、子どもたちも興味を持って遊んでくれるかもしれません。
言葉だけで説明するのが難しい場合には、先生が実際に福笑いをやってみせれば遊び方を理解しやすくなるでしょう。
また、先生が作った顔を見て、福笑いの面白さを実感してもらうこともできそうですね。
保育に福笑いを取り入れて、お正月遊びに親しもう
今回は、お正月遊びの定番の一つ、福笑いについて、由来や意味と子ども向けに説明する方法などを紹介しました。
福笑いは、古くからお正月に親しまれてきた伝承遊びで、目隠しした状態で目や口などのパーツを置き、できあがった顔の面白さを楽しみます。
由来や起源についてははっきりしていないものの、一説では江戸時代後期に誕生し、明治時代頃に広く普及したとされているようです。
また、お正月に行われるようになった理由も定かではないものの、「笑う門には福来る」ということわざにならって、新年に福笑いをしてみんなが笑うことで、幸せを呼び込む意味があったと伝えられています。
福笑いの由来や遊び方について説明するときは、わかりやすい言葉を使ったり先生が実演したりしてみましょう。
保育園で福笑いを楽しんで、子どもたちがお正月遊びの風習に親しむ機会となるとよいですね。