保育参観は子どもだけでなく、保護者も楽しみにする一大イベントです。ふれあい遊びやわらべうた、手遊びや体を動かす遊びなど、親子でいっしょに楽しめるアイデアがあれば当日盛り上がりそうですね。今回は、保育参観の日に親子でふれあえる遊びを乳児・幼児の年齢別に紹介します。あわせて、取り入れるときのポイントもまとめました。
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■目次
保育参観で親子ふれあい遊びを楽しもう!
保育園で行われる年に数回の保育参観は、保護者の方が園での子どもたちの姿を直接見られる機会です。数少ない親子での活動になるため、楽しみにしている保護者の方も多いでしょう。
子どもたちは、お家の人が来てくれているうれしさや恥ずかしさなどから、いつも以上に張り切ったり甘えたりと普段とは少し違う姿が見られるかもしれません。そのため、親子で楽しめる活動を計画し、子どもたちたちが安心して楽しめるようにするとよいですね。
保育参観では、製作遊びや歌の発表のほかに、保護者の方といっしょにふれあい遊びを取り入れる園もあるのではないでしょうか。
保育参観でふれあい遊びを行うのには、以下のようなねらいが挙げられます。
【乳児クラス】
- 手や足を使って親子でふれあい遊びを楽しむ
- 歌に合わせて体を使って表現をする楽しさを味わう
【幼児クラス】
- 全身を使って親子でふれあい遊びを楽しむ
- わらべうたなどを歌いながら、保護者の方とふれあい遊びをする楽しさを味わう
乳児クラスの場合、保護者の方と手や指を動かしたり、表現したりする楽しさを味わうというねらいがあるでしょう。
幼児クラスの場合、わらべうたなどの歌を歌いながら、親子で体全体を使ったふれあい遊びをして楽しむことが挙げられます。
このようなねらいをもとに指導案を作成し、保育参観当日を盛り上げていきましょう。
今回は、保育参観で楽しめるふれあい遊びについて、乳児・幼児向けの年齢別のアイデアを紹介します。
【乳児クラス向け】保育参観の親子ふれあい遊び
まずは、乳児クラス向けの親子ふれあい遊びのアイデアを紹介します。
わらべうた
保護者の方も聴きなじみのある、わらべうたからみていきましょう。
一本橋こちょこちょ
一本橋こちょこちょを通して、親子でふれあい遊びをしてみましょう。
はじめは保護者の方が子どもに行い、何回か遊んだら交代すると面白いかもしれません。親子で向かい合って座ると、お互いの表情がよく見えるのでより楽しめそうです。
0歳児、1歳児、2歳児クラスの子どもは繰り返して遊ぶことでよろこんだり、もう一度やって欲しいと期待する表情を見せてくれたりするかもしれません。
むすんでひらいて
むすんでひらいてで遊んでみましょう。
まずは保育士さんが見本になって遊び方を見せると、保護者の方もやりやすいでしょう。
保護者の方が理解したら繰り返して遊び、慣れてきてから子どもたちと「上にあるものはお星さまだね」や「手を頭の上にするとどんな動物に変身するかな」など考えたもので遊んでみてもよいかもしれません。
体を動かす遊び
次に体を動かす遊びを見ていきましょう。
タッチ遊び
タッチ遊びとは、親子で両手や片手でお互いをタッチする遊びです。
<遊び方>
1.子どもと向かい合わせになります。
2.両手を広げて「タッチ」と言いながらタッチをします。
3.片手でタッチをしたり、ハイタッチをしたりいろいろな場所をタッチします。
保育士さんが実際に遊びながら説明をすると、保護者の方や子どもたちが分かりやすくなるでしょう。
1歳児や2歳児がタッチする場所は、子どもの手が少し届きにくいところにしたり、低い場所にしたり、変化をつけながら遊ぶと楽しめそうです。
新聞じゃんけん
新聞じゃんけんをしてみましょう。
<遊び方>
1.親子で1枚の新聞紙の上に乗ります。
2.前にいる保育士さんとじゃんけんをして負けた親子は新聞紙をたたみます。
勝った親子はそのまま待ちます。
3.新聞紙が小さくなってきたら、子どもをおんぶして立ちます。
4.新聞紙から出てしまった親子は、ゲームが終了となるので周りで座って見ます。
最後まで残った親子の勝ちです。
開始する前のルール説明で、「じゃんけんに負けると新聞が小さくなるので、お子さんをおんぶや抱っこしてくださいね」と声をかけておくと、保護者の方もスムーズかもしれません。
ゲームが盛り上がるように、「〇〇ちゃん親子の新聞が小さくなってきています、頑張ってください」など実況していくと面白くなりそうですね。
バスごっこ
バスごっこで遊びましょう。
子どもと保護者の方が隣になるように座ってもらいましょう。
慣れてきたら他の親子といっしょに並んで実際のバスの座席のように座ったり、切符を用意しておいたりすると本物のバスに乗っている感覚を楽しめそうですね。
【幼児クラス向け】保育参観の親子ふれあい遊び
次に、幼児クラス向けの親子ふれあい遊びのアイデアを見ていきましょう。
わらべうた
アルプス一万尺
アルプス一万尺では、手のひらをあわせるだけでなく、両手を組んで親子でテンポよく合わせるといった少し難しい動作が入るので、4歳児や5歳児頃から挑戦するとよいでしょう。
テンポを遅くしたり、早くしたりと変化をつけながら遊ぶと、繰り返し楽しめそうですね。
ずいずいずっころばし
ずいずいずっころばしでは、親子で遊んでもらってから慣れてきたら4人グループになってみましょう。指を入れる人は最後まで残ってしまった人にするなど、交代をしながら遊ぶとよいですね。
お寺のおしょうさん
お寺のおしょうさんでは、保育士さんが見本を見せてから始めましょう。はじめはゆっくりのテンポで歌って遊んでいくとよいですね。
繰り返して遊ぶと子どもが自然と歌を歌ってくれるかもしれないので、「親子でいろいろなテンポにして遊んでみましょう」と声がけをするとより楽しめそうです。
歌にあわせる遊び
ここでは、歌にあわせる遊びを紹介します。
ジャンケン列車
まずは、ジャンケン列車で遊んでみましょう。
<遊び方>
1.子どもが先頭になり、保護者が後ろにつながります。
2音楽がスタートしたら歩きはじめ、音が止まるまで自由に動きます。
3.音楽が止まったら、側にいる友だちとじゃんけんをします。
3.じゃんけんに負けた子どもは、勝った親子(保護者)の後ろにつながります。
4.(1)~(3)を繰り返し、最後まで残った列車の先頭にいる子ども(親子)がチャンピオンとなります。
負けてしまった子のなかには、他の保護者の後ろにつくのを恥ずかしがる様子が見られるかもしれません。そんなときは、保護者同士がつながったり、「間を開けないように前の人について行ってね」と声をかけたりして様子を見ながら対応するとよいでしょう。
鬼のパンツ
鬼のパンツで遊びましょう。
歌にあわせて遊ぶだけでも楽しめそうですが、鬼のツノやお面などを事前に作っておくとより盛り上がるでしょう。「あなたも~」というところを子どもの名前を入れてもよいかもしれません。
参考動画:【工作あそび】節分製作にぴったりな紙皿でできる鬼のお面を作ろう/保育士バンク!
参考動画:【工作あそび】節分製作に活用できる牛乳パックでつくる鬼のツノ/保育士バンク!
大きなたいこ
大きなたいこでふれあい遊びをしてみましょう。
子どもが歌ったり、保護者が歌ったりと交互に遊んでもよいでしょう。 向き合って遊ぶことで、お互いの表情を見ながらリズムに合わせて遊ぶことができそうです。
「小さなたいこは、誰がたたくたいこかな」と声をかけると、動物や虫などを想像しながらふれあい遊びができるかもしれませんね。事前に「動物のなかで誰がたいこをたたくかな」と子どもたちとクラスで話し合い、お面や耳を作っておくと盛り上がりそうです。
親子でふれあい遊びをするときのポイント
ふれあい遊びのアイデアがわかったところで、取り入れるときのポイントを紹介します。
親子で楽しめるもので年齢に合わせたものにする
親子で楽しめるものかつ、年齢に合わせたものを取り入れることが大切です。
遊び方が難しいと途中でわからなくなってしまう子どももいるかもしれません。その場合は、保護者の方にフォローをしてもらったり、保育士さんがわかりやすくもう一度説明したりして親子で楽しめるようにしましょう。
1歳児や2歳児の場合は、恥ずかしくなってずっと保護者の方に抱っこしてもらうことも考えられます。そのときは、様子を見ながら参加ができるときにやってみるなど、無理強いをしないするとよいかもしれません。
クラスの人数が多い場合は2つに分けて、交代しながら楽しめるようにする
保護者の方もいると人数も多くなってしまうため、保育室内で行うときはグループを作るとよいでしょう。
遊んでいないグループの子どもが飽きないように、応援したり歌を歌ったりなどしていくと全体で楽しむことができそうですね。
親子で楽しめる題材を取り入れて保育参観でふれあい遊びを楽しもう
今回は、保育参観での親子ふれあい遊びについてくわしく紹介しました。
親子で楽しめるふれあい遊びには、乳児・幼児別のねらいがあり、0歳児、1歳児、2歳児クラスは手や指を使った表現を楽しむことが挙げられます。
3歳児、4歳児、5歳児クラスは、わらべうたなどの歌を歌いながら体全体を使って楽しむことをねらいとしています。
手遊びや歌遊び、わらべうたなどさまざまなアイデアがあるので、年齢にあわせた題材を活用してみましょう。その際、通常より保育室内の人数が多くなることにも配慮して行うことが大切です。
このコラムを参考にしながら、保育参観に向けて親子で楽しめるふれあい遊びを取り入れてみましょう。