再就職手当をもらえるのか気になっているパート保育士さんもいるでしょう。扶養内や週20時間以内など、働き方による受給条件を知っておきたいですよね。今回は、パート保育士さんも再就職手当を受け取れる対象なのかや、申請方法を解説します。また、再就職手当がいくら受給されるのか算出する計算式もまとめました。
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■目次
パート保育士さんが受け取れる再就職手当とは?
新たな職業に就いたり事業を始めたりした際に支給される、再就職手当。
どのような条件を満たせばもらえるのか気になりますよね。
まずは、再就職手当の概要や目的について見ていきましょう。
概要
再就職手当とは、基本手当(雇用保険)を受給していた方に対し支給される手当です。
転職先が決まった場合、基本手当はその後受け取れなくなりますが、一定の条件を満たしていれば再就職手当を受給できます。
再就職手当は、基本手当の受給中に早期に再就職するほど給付率が高くなる仕組みです。
正社員だけでなく、パートやアルバイトとして勤務する保育士さんも受給の対象となっています。
目的
再就職手当を受け取れる期間を具体的に定めることで、離職した方の再就職率を高める目的があるほか、求職者が速やかに新たな職場を見つけて働くことを促す目的もあります。
パート保育士さんも、基本手当を受給している規定の期間内に再就職すれば、手当を受け取ることができます。
パート保育士さんが再就職手当を受給できる条件
では、パート保育士さんが再就職手当を受給するための条件とはどのようなものでしょうか。以下に挙げてみました。
- 基本手当(雇用保険)の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上である
- 待期期間(求職の申し込みをしてから7日間)が満了した後に就職している
- 離職理由による給付制限を受けた場合、待期満了後1カ月間においては公共職業安定所(ハローワーク)または許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介により就職している
- 新たな就職先で1年以上勤務することが確実である
- 離職前の事業主に再び雇用されていない
- 求職申し込み前から採用が内定していた事業主に雇用されていない
- 就職日前3年以内の就職について、再就職手当や常用就職支度手当の支給を受けていない
- 雇用保険に加入している
以上の条件を満たすためには、失業状態で基本手当を受給している間に、早めに新たな職場を決める必要があります。
基本手当を殆ど受給した後に再就職しても、手当を受け取れない可能性があるので注意しましょう。
こんなときパート保育士は再就職手当を受け取れる?
扶養内や週20時間以内など、働き方によって受給条件から外れてしまうのか疑問を持つ方もいるでしょう。
ここでは、パート保育士さんが再就職手当をもらえるかどうかを、新たな職場での働き方のケースごとに解説します。
配偶者等の社会保険の扶養内で働く場合
社会保険の扶養内で働くパート保育士さんも、規定の条件を満たすことで再就職手当の受給対象になります。
そもそも、年間の総所得額が130万円以内であれば、配偶者等の社会保険の扶養内で働くことができます。
新たな就職先で1年以上勤務することが前提であれば、社会保険の扶養内であっても再就職手当がもらえます。
なお、基本手当を受けていると、扶養家族になれない場合があるようです。
配偶者等の加入している健康保険組合や、勤務先の福利厚生担当へ確認するとよいでしょう。
週20時間以内で働く場合
週20時間以上働くことが雇用保険の加入要件であるため、週20時間以内で働くと雇用保険の加入対象外となります。
再就職手当を受け取るためには再就職先で雇用保険へ加入することが受給条件となっているため、再就職手当の受給対象からも外れます。
出典:Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~/厚生労働省
パート保育士は再就職手当をいくらもらえる?
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それでは、パート保育士さんが受け取れる再就職手当はいくらなのでしょうか。
再就職手当は一定の金額ではなく、基本手当が何日残っているのかなど条件によって変動します。
再就職手当がいくらもらえるのかは、以下の計算式に当てはめることで算出できます。
それぞれの項目について見ていきましょう。
支給残日数
支給残日数とは、再就職した日の前日までに基本手当を受給したうえで、基本手当を受け取れる残りの日数です。
上記の計算式より、早期に再就職したほうが手当の支給額が高くなることがわかるでしょう。
基本手当日額
基本手当日額とは、離職した方が受給する1日分の雇用保険の金額で、離職前の賃金をもとに算出されます。
上限額が定められているため、計算する際には注意が必要です。
給付率
再就職した際の基本手当の支給残日数によって、給付率は変動します。
雇用保険の受給期間の残りの日数が3分の2以上…給付率70%
雇用保険の受給期間の残りの日数が3分の1以上…給付率60%
雇用保険の受給期間の残りの日数が3分の1未満…給付率0%
このように、早めに新たな職場に就くほど再就職手当は多くなる仕組みです。
パート保育士が再就職手当を申請する方法
パート保育士さんが再就職手当を受給するには、以下のような手続きが必要です。
1.再就職手当支給申請書を再就職先に提出して証明を受ける
2.再就職手当支給申請書と雇用保険受給資格証を公共職業安定所に提出する
なお、再就職手当の支給申請書は、再就職した日の翌日から1カ月以内に提出することになっているので覚えておきましょう。
パート保育士が再就職手当をもらう際の注意点
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最後に、パート保育士さんが再就職手当をもらうための注意点について、改めておさらいしましょう。
基本手当の支給残日数に気をつける
基本手当の支給残日数が少なすぎると、再就職手当をもらえない可能性があります。
先述したように、基本手当の支給残日数が3分の1以下になると支給の対象外になるため、再就職を目指す場合は早めに転職活動を始めるとよいでしょう。
新たな就職先がなかなが見つからない場合は保育士向けの転職エージェントに相談してみるのも一案です。
気になる職場の情報を収集したり現在の悩みを相談したりできるので、気軽に利用してみるとよいでしょう。
週20時間以上勤務する
新たな職場で週20時間以上働き、雇用保険に加入しましょう。
先ほど説明したように、雇用保険に加入していなければ支給の対象外となります。
なお、前の職場で週20時間以内で働いていた場合は雇用保険の加入対象外であるため、再就職手当も受け取れません。
1年以上雇用されることが確定している
パート保育士として働く場合、再就職先において契約期間が設けられているケースが多いでしょう。
再就職手当をもらうためには、転職先で1年以上雇用されることが決定している必要があるため、再就職する際には雇用条件を確認しておくことが大切です。
再就職手当の申請中に退職しても、手当の支給申請ができる場合も
再就職手当の申請中に退職するとどうなるのか、気になる保育士さんもいるかもしれません。
基本手当の支給日数が残っていれば、公共職業安定所で再度求職の申し込みを行うことで再就職手当の支給申請ができる場合もあります。
なお、再就職手当とは別に就業促進定着手当があります。
再就職先で6カ月以上雇用され、1日分の賃金が離職前の賃金を下回っている場合、就業促進定着手当が支給されるケースがあります。
再就職手当を受け取ってから離職したとしても対象となる場合があるため、覚えておくとよいでしょう。
パート保育士も対象となる再就職手当について知っておこう
今回は、パート保育士さんは再就職手当を受け取れるのか、また支給条件などを解説しました。
再就職手当とは、基本手当を受給期間中に新たな職場に転職した際に支給される手当です。
基本手当を満額もらう前に早めに再就職するほど多く受け取れる仕組みで、いつ再就職したかによって受け取れる金額が異なります。
パート保育士さんの場合、新たな職場の契約期間が1年未満の場合や、週20時間以内の勤務では支給されないため注意が必要です。
再就職するときに備えて、パート保育士として再就職手当を受け取れる条件について押さえておきましょう。
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