保育園で散歩を行う際、子どもに対する安全対策が欠かせませんよね。子どもを車の事故から守るために保育士さんがしっかりと手をつなぐなど、散歩時の注意点を再確認することも大切です。今回は、保育園の散歩時に想定できる危険な場面や配慮することをまとめました。あわせて、散歩リュックの中身についても再認識しておきましょう。
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■目次
保育園で散歩を行うときは子どもの安全対策が必須!
保育園に散歩を取り入れているという保育園は多いでしょう。
散歩は、子どもが楽しみにしている保育活動のひとつですよね。
さまざまな自然に触れて気分転換にもなる活動ですが、保育園の外に一歩出れば、子どもにとって歩きにくい道や危険な場所なども点在しています。
大人にとって歩くのに何の心配もないような道でも、子どもにとっては転びやすい段差だったり急な坂道に感じたりするかもしれません。
そのため保育園で散歩を行う前にはあらかじめ現場を下見しておくなど、危険を回避するための配慮が大切です。
保育園で散歩を行う際の安全対策として事前に準備すること
それでは、保育園の散歩における安全対策として、前もって保育士さんが準備できることを見ていきましょう。
散歩の道筋を決める
散歩を行う前に、子どもの目線に立ちながら歩道の広さや人通りの多さなど、道路状況を確認しておきましょう。
事故が多発している場所があれば避け、歩行者専用道路や信号機が設置されている横断歩道など、子どもが安全に歩けるルートを優先しながら道筋を決めるとよいでしょう。
目的地を下見する
散歩のゴール地点である目的地にもあらかじめ保育士さんが足を運び、子どもが実際に遊ぶ姿を想定しながら危険な場所がないかチェックしておきましょう。
目的地において、遊具や子どもがよじ登れそうな場所など、転落などで怪我をする恐れがないか確認する必要があります。
子どもにとって危険だと想定できるポイントがあれば目的地を変更するなど、子どもが事故に遭うリスクを最小限に抑えられるよう工夫をしましょう。
時間帯を決める
人や車の多くなる通学や通勤ラッシュの時間帯を避けて散歩を実施しましょう。
一般的に10時以降の午前中であれば、人や車の動きが落ち着くかもしれません。
なお、地域のイベントが実施される日程もおさえておけば、その日は散歩をお休みするなど計画が立てやすくなりそうです。
情報を共有する
指導案に散歩の流れや注意点などを記し、想定できるトラブルを未然に防げるよう保育士さん同士で共有しておきましょう。
なお、子どもの怪我や事故など散歩の最中にトラブルがあったとき速やかに対応できるように、散歩時に持ち出す携帯電話に保育園や病院、保護者の連絡先を登録しておくとよさそうです。
散歩マップを作成する
散歩のルートが一目見て確認できるよう、散歩用のマップを作成して園内に掲示してみましょう。
面白いスポットや道中に咲いている花などの写真を添付すれば、子どもにとってより散歩が楽しみになりそうです。
保護者も確認できるよう玄関などに散歩マップを掲示すれば、散歩で使う道や目的地の公園などを分かりやすく伝えることができるでしょう。
なお、毎月配布する園便りを活用しても、保護者に向けて散歩に関する事柄を詳しく知らせることができそうです。
道路状況などを踏まえながら定期的に見直しをかけ、いつでも一番安全な道筋を示せるとよいですね。
子ども向けにしおりを作成する
子どもの安全意識が高まるように、子ども向けのしおりを作成して交通ルールについて学ぶ時間を設けてみてはいかがでしょうか。
「手をつなぐ」「前の人から離れないように歩く」「車道に飛び出さない」 など、散歩中の約束ごとをイラスト入りで示して手渡せば、子どもがルールを覚えやすいかもしれません。
保育園の散歩で想定できる危険な場面と安全対策
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保育園で散歩を行う際には、子どもに起こりうるトラブルを未然に防ぐ必要があります。
ここでは、保育園の散歩の時間に想定できる危険な場面ごとに保育士さんが配慮できることをまとめたので、散歩を行う前にあらかじめチェックしておきましょう。
歩行者や自転車との接触
散歩中に自転車や歩行者と接触すれば、大きな怪我につながる可能性も。
子どもを危険な状況から回避するために、散歩中には次のことを意識するとよいでしょう。
手をつないで歩く
保育士さんがしっかりと子どもの手をつなぎ、歩く方向に誘導しましょう。
子どもの人数によっては子ども同士で手をつながせるケースもありますよね。
その場合は、「友だちの手を離さないで歩く」「急に走らない」など注意点を繰り返し伝えましょう。
列からはみ出さないよう前の人について上手に歩けるように、あらかじめ保育室で練習しておくとよいかもしれませんね。
2人以上の保育士を配置する
子ども全員を見守りながら歩けるように、同行する保育士さんの人数を調整します。
列の先頭と後方には必ず保育士さんを配置し、自転車が前後から来ないかなど周囲に注意を払いながら危険を回避することが大切です。
車道への飛び出し
散歩中や目的地に到着したあとも、子どもが車道へ飛び出さないように次のことを実行しましょう。
保育士さんが車道側を歩く
車道からできる限り離れ、保育士さんが車道側を歩きながら子どもと手をつなぐようにしましょう。
異年齢の子ども同士で手をつなぐ場合には、年長児が車道側を歩くようにするなど、子どもの成長に合わせて配慮する必要があります。
車道に近い場所では遊ばない
目的地の公園などで遊ぶ際には、車道から離れたスペースを設定しましょう。
遊びに入る前には、「〇〇より向こうへ行かない」「ジャングルジムと砂場で遊ぶ」などと、子どもが車道へ近づかないよう具体的に遊べる場所を指定するとよいかもしれません。
横断歩道での列の乱れ
横断歩道を渡る時には、信号を気にして列が乱れることも。
危険を回避するために、次のことを意識してみましょう。
子どものペースで渡る
子どもの歩くスピードが遅ければ、信号が赤になる前に渡りきれるのかと保育士さんは焦るかもしれません。
けれども、子どもが急いで横断歩道を渡ろうとすれば、走って転んだり靴が脱げたりする可能性もあり危険が伴います。
そのため、信号が赤に変わりそうでも決して子どもを急かさず、子どもの歩くスピードに合わせて落ち着いて横断歩道を渡るようにしましょう。
中央にも保育士を配置する
横断歩道を渡っている時に青信号が点滅したり黄色になったりした場合には、二手に分かれることも想定して前後のほか中央にも保育士さんを配置するとよいかもしれません。
そうすることで、後列は次の信号まで待つべきだと判断した際にも子どもを誘導しやすくなるでしょう。
【ケース別】保育園の散歩中に子どもがトラブルに遭ったときの対処法
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散歩の最中に、子どもが怪我をするなどトラブルに遭ってしまうことがあるかもしれません。
そういった場合には、保育士さん同士で役割分担をしながら次のような対応をしましょう。
【軽度の怪我など】応急処置を施す
子どもが虫に刺されたり、転んでかすり傷などを負ったりすることがあるかもしれません。
比較的軽い怪我の場合には、保育士さんが持参した薬や絆創膏などで応急処置を施しましょう。
【重度の怪我など】病院へ搬送する
子どもが転倒などで頭部を激しく打った場合や出血が多い場合などは、子どもを病院へ搬送し、保護者へも速やかに状況を説明しましょう。
子どもの意識が朦朧としているなど一刻を争う場合は、救急車を呼ぶ必要があります。
前もって散歩に持ち出す携帯電話にそれぞれの連絡先を登録しておけば、連絡などがスムーズに行えるでしょう。
【不審者に遭遇など】警察へ報告する
散歩中、不審者に遭遇してしまったら防犯ブザーを鳴らして周囲に助けを求め、警察に通報しましょう。
また、散歩中の事故や事件において加害者がいる場合にも警察に連絡をし、現場の状況などを伝えます。
保育園で行う散歩において危険な状況だと察知した場合には安全な道や違う目的地に変更する必要があるでしょう。
周囲の状況を確認しながら、臨機応変に対処することが求められます。
いずれの場合も、トラブルの状況を保護者や保育園へ必ず報告するようにしましょう。
目的地についたときや保育園へ戻る前には、人数確認を忘れずに行うことも大切ですね。
保育園の散歩における安全対策に欠かせない持ち物とは
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散歩中に予測できるトラブルに備え、あらかじめ安全対策に向けて準備したい持ち物をまとめました。
- 笛
- 防犯ブザー
- 虫よけスプレー
- 水
- 紙コップ
- 救急セット(絆創膏、傷薬、湿布など)
- タオル
- ティッシュ
- ビニール袋
- 携帯電話(保育園、病院の電話番号を登録)
子どもが怪我をした時を想定し、救急セットは忘れずに備えておきましょう。
また、夏は熱中症に気をつける必要があるため飲み物を多めに用意するなど、季節毎のトラブルを想定しながら準備することが大切です。
保育園の散歩に向けて安全対策を講じることが大切
保育園で行う散歩では、子どもにとってさまざまな危険が想定されます。
トラブルを未然に防ぐためには、子どもが交通ルールについて理解できるよう工夫したり、繰り返し注意点を伝えたりすることが大切でしょう。
子どもが楽しく散歩できるよう、日頃から安全対策に配慮しながら万一の事態に備えてくださいね。
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