公立保育園を辞めたい理由と後悔しないためのキャリアの考え方を紹介!

公立保育士として働く中で、「このまま働き続けていいのかな…」とキャリアに悩んでいませんか?安定した公務員の立場だからこそ、周りには相談しにくく、一人で思い悩んでいる方も多いかもしれません。この記事では、公立保育士の方が抱えやすい悩みとその理由を紹介し、働くスタイルが柔軟で多様化している私立保育園の魅力について解説します。さらに、実際に公立から私立へ転職した方の体験談も交えて紹介しているので、今後のキャリアの参考にぜひご覧ください。

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目次

公立で働く保育士さんが「辞めたい」と感じる理由

子どもたちの成長を支える、やりがいのある保育の仕事。しかし、公立保育士として働く中で、理想と現実のギャップに悩み、「辞めたい」と感じてしまうことがあるのも事実です。

まずは、なぜそう感じてしまうのか、公立保育園で働く保育士さんが直面しやすい働き方の特徴について見ていきましょう。

数年ごとの異動と環境の変化

公立保育園では、数年ごとに勤務先の園が変わる異動があります。

さまざまな園で経験を積めるという側面もありますが、ようやく慣れた頃に人間関係や保育の進め方がリセットされてしまうことに大きなストレスや疲弊感を感じる方も少なくありません。

園によって変わる保育方針やルール

異動は職員だけでなく、園長などの管理職にも適用されます。

そのため、園長が変わるたびに園全体の保育方針や運営ルールが大きく変わることがあります。その都度、新しい方針に適応していく必要があり、落ち着いて保育に臨めないと感じる方もいるようです。

独自のルールや昔ながらの習慣

歴史の長い園も多く、長く勤めるベテラン保育士の影響力が強い傾向があります。

そのため、若手職員が「もっとこうした方が効率的なのでは?」と感じても、昔ながらのやり方や独自のルールが優先され、意見が通りにくいといった働きにくさを感じる場面もあるでしょう。

キャリアアップの道筋が見えにくい

公務員は年功序列で安定している一方、役職のポストは限られています。

そのため、保育士としての経験を積んでも、なかなかキャリアアップに繋がらず、将来のキャリアパスを描きにくいと感じてしまうことがあります。モチベーションの維持に悩む方も少なくありません。

「公務員」という立場でのプレッシャー

公務員という立場上、保護者や地域住民から寄せられる期待は大きく、常に「間違いがあってはならない」というプレッシャーを感じることもあります。

また、行政への報告書類など事務作業も多岐にわたり、保育に集中する時間が削られてしまうという悩みもよく聞かれます。

施設の老朽化とアナログな業務環境

園によっては、施設の老朽化が進んでいたり、新しい遊具やおもちゃの導入が予算の関係で難しかったりする場合があります。

また、ICTシステムの導入がなかなか進まず、指導案の作成や保護者への連絡などを、いまだに手書きや電話といったアナログな方法で行っている園も少なくありません。

「子どもたちのために、もっと良い環境を整えたい」という思いがあっても、設備や業務環境の制約から、やりたい保育が実現できないことにもどかしさを感じることもあるようです。

「自分のせいかも」と一人で抱え込まず、客観的に状況を整理してみましょう

もし、これらの特徴に心当たりがあるのなら、あなたが「辞めたい」と感じるのは、決してあなたの能力不足や責任感の欠如が原因ではないのかもしれません。

まずは「今の環境が、自分の働き方に合っていないだけかもしれない」という視点で、状況を客観的に整理してみることが大切です。

今の現状を相談してみる

退職をためらうとき、多くの保育士さんが考えること

「辞めたい」という気持ちがありながらも、なかなか一歩を踏み出せない背景には、公立保育士ならではの葛藤があります。多くの方が、以下のような理由で退職をためらっています。

理由1:安定した雇用や福利厚生を手放すことへの不安

公務員である公立保育士は、安定した給与や充実した福利厚生が魅力です。

苦労して公務員試験を突破した経緯もあり、「この安定を手放して後悔しないだろうか」という不安は、退職を考える上で最も大きな障壁の一つと言えるでしょう。

理由2:「公立が一番働きやすいはず」というイメージとの葛藤

一般的に「公立保育園は待遇が良く、働きやすい」というイメージがあります。

そのため、「恵まれているはずの環境でうまくいかない自分が、他の場所でやっていけるはずがない」と思い込み、自信をなくしてしまう方も少なくありません。

理由3:家族や友人からの「せっかく公務員になったのに」という声

退職について周囲に相談した際に、「もったいない」と反対されることも多いでしょう。

安定した職業というイメージが強いからこそ、家族や親しい友人の理解を得られず、自分の決断に迷いが生じてしまうこともあります。

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知っておきたい、私立保育園の働き方と特色

公立保育園で働く方の中には、「私立は残業が多くて給料も低い」といったイメージをお持ちの方もいるかもしれません。しかし、そのイメージは、もしかしたら少し古い情報に基づいている可能性があります。

実は、保育士不足の解消や保育の質の向上のため、働きやすさを改善する私立保育園は年々増えています。

公立より給料が高い求人も!給与アップのチャンス

一般的に公立の方が給与水準は高いと言われていますが、最近では、国による処遇改善に加え、運営法人独自の努力で保育士の給与を大幅に引き上げている私立保育園も増えています。

経験やスキルによっては、公立園で働くよりも高い給与を目指せる可能性があります。

近くの給料の高い私立園を聞く

家賃補助や退職金制度など、福利厚生が充実した園が増加中

安心して長く働けるように、福利厚生に力を入れる園が増えているのも特徴です。

月数万円の家賃補助(借り上げ社宅制度)や、将来に備えるための退職金制度を整備している法人は少なくありません。

求人を探す際には、こうした給与以外のサポートにも注目してみるとよいでしょう。

年間休日120日以上や、独自の休暇制度も

完全週休2日制で土曜出勤分は必ず平日に振替休日を取得できる園や、年間休日が120日以上に設定されている園も多く見られます。

法人によっては、リフレッシュ休暇やアニバーサリー休暇といった独自の制度を設け、心身ともにゆとりを持って働ける環境を整えています。

「残業ゼロ」を掲げる園も!ICT化で業務負担を軽減

多くの私立保育園では、保育士の負担を軽くするため、業務の効率化に積極的に取り組んでいます。

保育業務支援システム(ICT)を導入し、手書きだった書類作成や保護者連絡にかかる時間を削減。

「残業ゼロ」「持ち帰り仕事禁止」を掲げ、プライベートの時間を大切にできる環境づくりを進める園も増えています。

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あなたの「やってみたい保育」を選べる

私立保育園の魅力の一つが、園ごとに特色ある保育を実践している点です。

英語やリトミック、食育、モンテッソーリ教育など、もしあなたが「こんな保育に挑戦してみたい」という思いを持っているなら、それを実現できる環境が見つかるかもしれません。

保育観に合う保育園を探してみる

若手でも活躍できる!実力や意欲を評価する風土

公立保育園の年功序列とは対照的に、私立保育園では年齢や経験年数に関わらず、実力や意欲を評価する風土のある園も多くあります。

若手であっても良いアイデアは積極的に採用され、リーダーなどの役職に抜擢されるチャンスも。風通しの良い環境で、自分の力を試したい方には魅力的な選択肢と言えるでしょう。

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    公立での経験が、次のキャリアで「強み」として活かせる理由

    公立保育園での経験は、決して無駄にはなりません。むしろ、転職市場において高く評価される「強み」となります。

    丁寧な書類作成能力と事務処理のスキル

    公立保育園で求められる正確で丁寧な書類作成能力は、どの園でも通用する重要なスキルです。

    煩雑だと感じていた事務作業の経験が、転職先では「安心して仕事を任せられる」という信頼に繋がります。

    多様な子どもや保護者に対応してきた経験

    異動を通じてさまざまな地域・家庭環境の子どもたちや保護者と関わってきた経験は、あなたの対応力を大きく成長させているはずです。

    その豊富な経験値は、新しい環境でも大きな強みとなるでしょう。

    自治体の基準を理解していることへの信頼性

    公立保育園で勤務し、自治体の監査や指導の基準を肌で理解していることは、私立保育園の運営側にとって非常に心強い要素です。

    コンプライアンス意識の高さも、高く評価されるポイントです。

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    【体験談】元公立保育士に聞く「転職してよかったこと、大変だったこと」

    Aさん(26歳 / 公立5年→私立1年目)

    よかったこと

    一番の変化は、自分の意見やアイデアが保育に反映されやすくなったことです。今の園では、若手もベテランも関係なく意見を出し合い、良いものはすぐに採用してもらえます。『子どもたちのために、こんなことをやってみたい』という想いを実現できる環境に、毎日やりがいを感じています。

    大変だったこと

    最初は、業務のスピード感に戸惑いました。公立の時は一つひとつ確認しながら進める文化でしたが、今の園は良い意味で裁量が大きく、自分で判断して進める場面が多いです。慣れるまでは大変でしたが、その分、保育士としての成長スピードは速いと感じています。

    他にも、実際に公立保育園から私立保育園に転職した保育士さんのエピソードを紹介しているので合わせてご覧ください。

    今後のキャリアを考えるための具体的なステップ

    もし、少しでも他の可能性に興味が湧いたら、焦らずに情報収集から始めてみましょう。後悔しないキャリア選択のための3つのステップをご紹介します。

    • ステップ1:まずは自己分析から。キャリアの「軸」を明確にする
    • ステップ2:情報収集と比較検討。思い込みで判断しない大切さ
    • ステップ3:キャリアアドバイザーなど第三者に相談し、客観的な意見を聞く

    ステップ1:まずは自己分析から。キャリアの「軸」を明確にする

    「なぜ辞めたいのか」「どんな働き方がしたいのか」「保育士として何を大切にしたいのか」を改めて書き出してみましょう。

    自分のキャリアの「軸」を明確にすることで、次に進むべき方向性が見えてきます。

    ステップ2:情報収集と比較検討。思い込みで判断しない大切さ

    「公立だから」「私立だから」という枠組みで判断するのではなく、一つひとつの園の情報を集めてみましょう。

    求人サイトを見たり、園のホームページをのぞいてみたりするだけでも、働き方の多様性に気づくことができるはずです。

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    ステップ3:キャリアアドバイザーなど第三者に相談し、客観的な意見を聞く

    一人で悩まず、保育業界に詳しいキャリアアドバイザーに相談してみるのも有効な手段です。

    あなたの経験や希望を客観的に分析し、自分では気づかなかったキャリアの可能性を提示してくれるでしょう。

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    退職の前に立ち止まって、自己分析。自分に合った働き方を選ぼう

    公立保育士として「辞めたい」と感じることは、決してネガティブなことではありません。

    それは、あなたが真剣に自分のキャリアと向き合っている証拠であり、より良い働き方を見つけるための大切なきっかけです。

    公立・私立という枠組みだけで可能性を狭めてしまうのではなく、「自分に本当に合う環境はどこか」という新しい視点で、視野を広げてみませんか。あなたの保育士としての素晴らしい経験とスキルは、場所を変えれば、もっと輝かせることができるかもしれません。

    「まずは情報収集だけでもしてみたい」「自分の市場価値を知りたい」など、どんな些細なことでも構いません。保育士バンク!では、専属のキャリアアドバイザーがあなたのお悩みに寄り添いながら、最適なキャリアプランを一緒に考えます。お気軽にご相談ください。

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