開業届の控えは、どういった場面で必要なのでしょうか。フリーランス保育士などの個人事業主は、開業届の控えや写しの提出を求められることがあるかもしれません。今回は、開業届の提出方法ごとに控えのもらい方を紹介します。あわせて、開業届をなくしてしまった場合の再発行の手続きについてもまとめました。
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開業届の控えが必要な場面
フリーランス保育士さんは、個人事業主であることの証明書代わりとして、受領印のある開業届の控えの提出を求められるケースがあります。
まずは、個人事業主として開業届の控えが必要になる場面をおさえておきましょう。
金融機関からの融資を受けるとき
金融機関から事業資金の融資を受ける際には、開業届の控えの提出を求められるケースがほとんどのようです。
個人事業を行なっていることを確認するための書類として、開業届の控えが用いられます。
小規模企業共済に加入するとき
小規模企業共済は、掛金を積み立てることで将来的に退職金代わりとなる共済金を受け取れる仕組みです。
本来、小規模企業共済に加入する際には確定申告書を提出しますが、個人事業主として働き始めた初年度など確定申告書の控えが手元にない場合は、開業届の控えを提出する必要があります。
屋号で銀行口座を作るとき
個人事業主の場合、原則として口座の名義は個人名ですが、銀行によっては「屋号+代表者名」での口座開設が可能です。
屋号付きの口座を作るにあたって、開業届の控えが必要な場合があります。
キャッシュレス決済を導入するとき
クレジットカードやQRコード決済などのキャッシュレス決済を導入する場合には、加盟にあたり登録が必要です。
登録の手続きの際には、開業届の控えの提出を求められる場合があるようです。
法人用にクレジットカードを作るとき
一般的なクレジットカードと比較すると、利用限度額が大きい傾向にある法人用クレジットカード。
個人事業主が法人用のクレジットカードを作成する場合にも、開業届の控えが必要になることがあるようです。
このように開業届の控えが必要な場面がいくつかあるため、紛失しないよう手元に保管しておくことが大切でしょう。
開業届の控えをもらう流れと保存方法
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では、どのようにして開業届の控えを手にすることができるのでしょうか。
ここでは開業届の提出方法ごとに、控えをもらう流れや保存方法についてまとめました。
税務署の窓口で提出する場合
税務署の窓口で控え用のコピーを添えて開業届を提出すると、不備がなければその場ですぐにコピーに受領印が押されるので、控えとして受け取ることができます。
郵送で提出する場合
開業届の控えは郵送でも提出できます。
その場合は、控え用のコピーを添えて開業届を税務署へ郵送する際に、返信用封筒も忘れずに同封しましょう。
郵送してから一週間ほどで、開業届の控えに受領印が押されて手元に届くという流れです。
電子申請(e-Tax)を利用して提出した場合
国税手続きを行うためのシステムe-Taxを利用して開業届を提出した場合、受理されればメッセージボックスに通知が届くでしょう。
届いた通知は一定期間経過すると削除されてしまうため、送信した開業届のデータとともにプリントアウトすることで控えとして利用できます。
受理した開業届の控えは、確定申告書と一緒に保管するとよいでしょう。
開業届の控えをPDF化してパソコンなどに保存しておけば、必要なときにプリントアウトして使えそうですね。
開業届の控えを紛失した際に再発行する方法
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万一開業届の控えをなくしてしまった場合は、再発行をしておくと提出を求められた際に困らないでしょう。再発行する際にもいくつかの方法があります。
開業届を再提出する
1つ目は、税務署に開業届を再提出する方法です。
この方法では、その日のうちに無料で開業届の控えを受け取ることができます。
ただし収受日付が再提出した日付に変わるので、個人事業主になり数年たっていれば実際に開業した日付とかけ離れてしまうでしょう。
日付のズレが原因で開業届の控えの提出が認められないといった懸念もあるため、緊急でない場合は次より説明する方法で対応するとよいかもしれません。
開業届の開示請求を行なう
2つ目は、開業届の開示請求を行なうという方法です。
ただし、開業届の控えを受け取るまで2週間から1カ月程度要するため、余裕を持って手続きを行なう必要があるでしょう。
こちらも、窓口に持参するか郵送するかで対応が変わってきますので注意しましょう。
税務署の窓口に持参する場合
開業届の控えを再発行するにあたり、税務署に直接提出する場合に必要なものは以下のとおりです。
- 保有個人情報開示請求書(国税庁のホームページにて用紙をダウンロード可能)
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険の被保険者証、マイナンバーカードなど)
保有個人情報開示請求書に必要事項を記入します。
「求める開示の実施方法等」の欄は、「写しの交付」にチェックを入れましょう。
税務署に郵送する場合
開業届の控えを再発行するにあたり、税務署に郵送する場合に必要なものは以下のとおりです。
- 保有個人情報開示請求書(国税庁のホームページにて用紙をダウンロード可能)
- 本人確認書類の写し(運転免許証、健康保険の被保険者証、マイナンバーカードなど)
- 住民票の写し(開示請求の日からさかのぼって30日以内に作成されたもの)
保有個人情報開示請求書に必要事項を記入します。
「求める開示の実施方法等」の欄は、「写しの送付を希望する」にチェックを入れましょう。
税務署より開示決定通知書を受け取ったら、保有個人情報の開示の実施方法等申出書を税務署の窓口に持参するか郵送することで、開業届のコピーを受け取ることができます。
なお、1件につき300円(オンライン申請は200円)の開示請求手数料がかかります。
提出書類について詳しくはこちらを参考にしてくださいね。
開業届の控えを確認する方法
開業日など、開業届に記した内容を確認したいことがあるかもしれません。
書類を提出した税務署にて本人確認書類(運転免許証、健康保険の被保険者証、マイナンバーカードなど)を提示することで、自分の開業届の控えを無料で閲覧することができます。
ただし開業届の閲覧のみで、控えを受け取ることはできません。
なお、動画の撮影は禁止されていますが、携帯電話などでの撮影や、内容を紙などに書き写すことは可能です。
各種手続きにあたって開業届の控えが必要な場合は、先述した方法を参考にしてくださいね。
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参考文献:国税庁 / 開示請求等の手続
開業届の控えはきちんと保管しておこう
フリーランス保育士さんは、キャッシュレス決済を導入する時などに提出を求められる場合があるため、開業届の控えを大切に保管しておきましょう。
「開業届をもらってない」「控えを紛失してしまった」といった場合には再発行できるということを覚えておくと、いざというときに慌てなくて済みそうですね。
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