保育士さんの中には「退職後にやることって何?」と迷う方がいるかもしれません。健康保険・国民年金の切り替え、失業保険の受け取りなどさまざまな手続きが必要になる方がいるでしょう。今回は、「退職後にやることリスト」として、必要な手続きをわかりやすくまとめました。期限や手続きに必要な書類も詳しく紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
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■目次
保育士さんが退職後にやることは?
退職の予定がある保育士さんは「健康保険や住民税に関する手続きは必要?」「何をやればよいの?」と不安を抱くことがあるでしょう。
退職後にやることを事前にリスト化してチェックしておけば、手続きがスムーズに済みそうですね。
仕事を辞めてから必要な手続きは以下の6つです。
- 給料未払いについての確認
- 健康保険の切り替え
- 国民年金への切り替え
- 失業保険の受け取り手続き
- 住民税の納付や切り替え
- 確定申告
「重要な書類を提出し忘れて期限が過ぎていた…」ということのないように、しっかり必要な手続きを行なっていきましょう。
【保育士さんが退職後にやることリスト】給料未払いについての確認
まずは、給料の未払いがないかの確認を行ないましょう。
残業代が支払われていなかったり、規定よりも少ない退職金を支給されたりとさまざまなトラブルに見舞われる方もいるようです。
給与や残業代、退職金、手当などが規定通りに支給されているか確認することが大切です。
給料の未払いが発生している場合は、保育園の運営元に問い合わせを行ない、支払われない場合は労働基準監督署に相談するとよさそうです。
また、給料が未払いのまま保育園の運営元が倒産した場合は「未払賃金立替払制度」を活用しましょう。これは、賃金の一部を国が立て替えて支払う制度です。詳細については労働基準監督署に問い合わせするとよいでしょう。
【保育士が退職後にやることリスト】健康保険の切り替え
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退職後は健康保険証を園に返却し、切り替えをする必要があります。切り替えの際は退職した園から「健康保険資格喪失証明書」を受け取ります。
退職後すぐに転職先が決まっている場合は、新たな職場で健康保険の加入手続きをしてくれます。
ただし、以下のような場合は自身で切り替え手続きを行なわなければならないため、注意しましょう。
国民健康保険に加入する
国民年金に加入する方は退職日の翌日から14日以内に市区町村の役所で「健康保険資格喪失証明書」を提出し、手続きを行ないます。自営業の方も対象になります。
家族の扶養に入る
家族の扶養に入る方は、被扶養者となる手続きを退職日の翌日から5日以内に行ないましょう。
基本的に扶養に入る家族の事業所から「被扶養者(異動)届」をもらい、必要事項を記入して事業者経由で提出してもらうとよいでしょう。本人の年収が130万円未満であれば、加入できます。
前の園の健康保険を任意継続する
前の園の健康保険の任意継続をする場合は、退職日の翌日から20日以内に健康保険組合へ申し出て、継続手続きを行ないましょう。
最長加入期間は2年間で退職時の標準報酬月額にお住まいの都道府県の保険料率※を乗じた額が保険料になります。都道府県毎の保険料額表はこちらでご確認ください。※40歳以上65歳未満の場合は介護保険料率を含む
健康保険は退職日翌日から適用されなくなります。病院を受診する場合があることを考えて、早めに手続きを行ないましょう。
【保育士が退職後にやることリスト】国民年金への切り替え
退職後は厚生年金の資格がなくなるため、速やかに切り替え手続きをしましょう。
退職後の月内や翌月に転職先で就業する場合は、第2号被保険者として継続して厚生年金に加入することができ、新しい職場が手続きしてくれます。
また、退職後に家族の扶養に入る方は手続きが不要です。
ただし、すぐに転職しない、または扶養に入らない20歳以上〜60歳未満の方は、退職日の翌日から14日以内にお住まいの地域の役所で国民年金への切り替えの手続きを行ないましょう。
基礎年金番号かマイナンバーがわかる書類や印鑑、退職日が確認できる離職票や退職証明書書類などを持参します。
【保育士が退職後にやることリスト】失業保険の受け取り手続き
前職の雇用保険加入期間が2年間の中で12カ月以上ある方は、失業保険を受け取る資格があります。
すぐに転職しない方は、離職票が届いたら最寄りのハローワークで手続きを行ないましょう。
手続きに必要な書類は以下の通りです。
- 雇用保険被保険者離職票
- 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カードなど)
- 身元確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカードなど)
- 直近3カ月内に撮影した縦3cm×横2.4cmの証明写真2枚※マイナンバーカードがある場合は省略可能
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
また、手続き後、すぐに失業保険が給付されるわけではありません。ハローワークで受給資格の認定を受けてから待期期間が7日間あります。
会社都合で退職された方は待期期間の翌日から支給されるようです。※銀行口座への入金などの関係で約1カ月後になる可能性あり
一方、自己都合で退職された方は2カ月間の待期期間を経て支給されます。
雇用保険受給者初回説明会への参加や4週間に1度失業の認定を受ける必要があることから、スケジュールを調整しながら速やかに手続きを進めるとよさそうです。
【保育士が退職後にやることリスト】住民税の納付や切り替え
退職後に住民税の納付の切り替えが必要な場合があります。
住民税の徴収方法は、会社が代わりに給与から天引きして納付する「特別徴収」と個人で納付する「普通徴収」があります。
すぐに転職する方は転職先の会社で特別徴収を継続することが可能です。退職した園に「給与所得者異動届出書」の作成を依頼し、転職先に提出しましょう。
すぐに転職しない方は特別徴収から普通徴収に切り替わるため、自身で住民税を収める必要があります。退職の時期によって納付方法が異なります。
1月~5月に退職:5月までに支払うべき「住民税」が最終月の給与や退職金から一括で徴収
6月~12月に退職:市町村から住民税の納付書が送付されるため、翌月分から自身で納付
自身で納付する場合は、1年分を一括で支払いまたは年4回に分けて支払う方法のどちらかを選択できるようです。
【保育士が退職後にやることリスト】確定申告
確定申告とは、1年間の所得税の額を確定させる手続きのことです。
前職で毎月の給与から徴収されていた概算の税金との差額を算出し、過不足を清算する必要があります。
退職した同年に転職しなかった方や自営業を開始した方は、自身で確定申告を行ないましょう。
また、すぐに転職された方は前職の源泉徴収票を転職先に提出すれば、確定申告は不要です。ただ、11月頃に転職した場合は年末調整に間に合わない可能性があり、自身で確定申告を行なわなければならないことがあるので注意しましょう。
確定申告が必要な方は、翌年の2月16日〜3月15日の間にお住まいの地域の税務署またはオンライン上で手続きを行ないます。
手続きには以下の書類が必要になります。
- 確定申告書類(税務署の公式サイトでダウンロード可能)
- 源泉徴収票(前職のもの)
- 国民年金などの控除証明書
確定申告で所得税を納付する必要がある場合は期限を確認し、速やかに納付しましょう。逆に所定よりも多くの税金を納めていた方は還付金を受け取れます。確定申告書に記入した口座に入金されるのを待つとよいですね。
保育士さんへ
「退職後の手続きと転職活動を並行して行うのが大変…」という方は保育士バンク!にご相談ください。あなたのペースに合わせて転職活動を全面的にサポートいたします。求人紹介や面接調整などのフォローをさせていただきますので、お気軽にご相談くださいね。
出典:賃金の不払いが発生したら、迷わず労働基準監督署に相談、申告してください!/厚生労働省
出典:日本年金機構
保育士さんは退職後にやることリストを作成しよう
退職後にどんな手続きをすればよいのかわからないという保育士さんは多いかもしれません。
計画的に行うためにも「退職後にやることリスト」を作成し、自身のスケジュールに照らし合わせながらスムーズに手続きを行なうとよいですね。
また、記事内で説明したように退職後、すぐに転職するとさまざまな手続きを省略できます。
無職期間が長くなってしまうと自身で行なう手続きが多くなってしまうことから、早めに転職先を探すとよさそうです。
その際はぜひ保育士バンク!にご相談ください。「少し休みたいけれど、すぐに転職すべきか迷っている」という方からの問い合わせもお待ちしています。新しい職場を見つけるためのスケジュールをいっしょに立てていきましょう。