保育園を退職後は住民税の納付方法が変更されるため、手続きを行なう必要があります。これまで給与から天引きされていた住民税は、退職時期によっては自分で納める必要があるかもしれません。今回は、保育士さんが退職後に納付する住民税について、手続きの仕方や住民税を滞納しないためのポイントを解説します。
ELUTAS/stock.adobe.com
目次
退職後の住民税の納付方法は2通り
そもそも住民税とは、一定の所得を得ている人が自身の居住地域に対して納める税金のことです。
退職前まで保育士さんの住民税は給料から天引きされていましたが、退職後は支払い方法変更の手続きを行なう必要があります。
なお、住民税の納付額は前年の所得(1月~12月分)から算出し、退職後も翌年の6月から翌々年の5月にかけて納税する必要があります。
住民税の納付方法は、次の2通りです。
- 特別徴収 年12回支給される給与から天引きされて毎月納める
- 普通徴収 自宅へ送付される納税通知書で年1回一括、または年4回分割で納める
納付方法は、退職後に再就職する時期などによって異なるため注意しましょう。
【退職後の住民税】1カ月以上離職期間がある場合
Haru-Works/stock.adobe.com
退職後に転職の予定が立っていない場合は、特別徴収から普通徴収に切り替わるので自身で住民税を納める必要があります。
また、次から説明するように、退職月によって住民税の納付方法が変わります。
1~5月に退職
一般的に1月から5月に退職する場合は特別な手続きは必要なく、5月までに支払う分の住民税が最終月の給与や退職金より一括で徴収されます。
例えば5月に退職した場合、5月分の給与から住民税が1カ月分だけ天引きされる流れで、一括徴収後の6月からは普通徴収に切り替わります。
なお、退職前の最後の給料よりも差し引かれる住民税の金額が高くなる場合は、退職先に申請して普通徴収への切り替えも可能です。
6~12月に退職
6月から12月に退職する場合は一括徴収または普通徴収を選択できます。
退職した月は特別徴収で住民税を納め、その後は特別な手続きが必要ない普通徴収への切り替えが一般的です。
なお、退職先で手続きを行ない一括徴収を希望した場合、退職月の給与や退職金から住民税を一括で支払うことになります。
簡単1分登録!転職相談
保育士・幼稚園教諭・看護師・調理師など
保育関連の転職のご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
【退職後の住民税】退職から1カ月以内に転職する場合
一般的に退職後すぐ入職する場合は、転職先の給与から住民税が天引きされます。
前職から「特別徴収に係る給与取得者異動届出書」を発行してもらい、転職先に提出しましょう。
なお、住民税の手続きがスムーズに行なえなかった場合は普通徴収に切り替わるので、次の6月に徴収する分の住民税から転職先より特別徴収で納税しましょう。
住民税を滞納しないためのポイント
Liza5450/stock.adobe.com
住民税は保育園を退職後も支払い義務が生じます。
そのため、退職後は家族の扶養に入るという保育士さんも、前年の所得に基づいて算出された額の住民税を納める必要があります。
所得が前年より低くなりそうな時は、住民税の支払いが負担になることもあるでしょう。
住民税の支払いを滞納しないためのポイントをまとめました。
退職時期を決めておく
貯蓄や転職後の給与などを踏まえて、退職する時期を考慮しましょう。
たとえば5月に退職した場合は、5月分の給与から1カ月分の住民税が天引きされるだけなので負担が和らぐかもしれません。
減免申請を申請する
住民税の納付が厳しいときは、減免を申請すると住民税の一部または全額が免除になる可能性があります。
なお、その年の所得が確定してから減免が適用されるので、今年度分の住民税についての減免は翌年1月以降に申請できます。
減免を受けられる条件のひとつとして、前年の合計所得が400万円以下で、なおかつ今年の所得が前年の半分以下に減少することが挙げられています。
ただし、被扶養者または被保険者である場合や地域などによって条件が異なるため、詳細は市区町村に確認するとよいでしょう。
保育士さんへ
退職後も住民税などの公的手続きが多く、転職活動が思うように進まないと悩むことがあるかもしれません。「子どもを預けながら働ける職場を探している」「家庭的な雰囲気の保育園で働きたい」など、転職についてご希望をお聞かせください。保育士バンク!があなたにピッタリな求人を紹介します。
読んでおきたいおすすめ記事

保育士資格を活かせるデスクワークの仕事10選!転職するメリット・デメリットやオフィスワークの種類も紹介
保育士資格を活かせるデスクワークにはどのような仕事があるのでしょうか。「保育士として働いているけれど、体力的に辛いからオフィスワークの仕事に転職しようか迷っている」という方もいるかもしれません。今回は...

【2025年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や小規模保育園、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...

【2025年版】乳児院で働くには?必要資格と給料、保育園との違いを解説
「乳児院で働くにはどうすればいいの?」と考える保育士さん必見!乳児院は、さまざまな事情で家庭で暮らせない0歳児~2歳頃の子どもを24時間体制で養育する施設です。保育士の方は仕事内容や保育園との違いなど...

在宅ワークで保育士資格を活かせる仕事とは?リスクや外で働く選択肢も解説
「自分のペースで働いて、保育の資格を活かせたら…」そう考えて、在宅ワークに興味を持つ保育士さんはいませんか?今回は、保育関係の在宅ワークの種類や知っておきたいリスク、注意点を詳しく解説。短時間パートや...

保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種。総合保育士やスーパーバイザー、総合職などさまざまな種類があり...

子どもと関わる仕事31選!必要な資格や保育士以外の異業種、赤ちゃんや子ども関係の仕事の魅力
子どもや赤ちゃんと関わる仕事というと保育士や幼稚園の先生を思い浮かべますが、子どもに関係する仕事は意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選をご紹介します。職種によって対応する子...

企業内保育所とは?持ち帰り仕事ゼロの理由と仕事内容のリアル!給料や選び方も解説
企業内保育所とは、主に企業の従業員の子どもを預かる施設。行事や書類業務が少なく、少人数の子どもの成長を見守りながら、やりがいを感じる保育士さん多数!認可保育園との違いを「比較表」で解説し、仕事内容や実...

託児所とは?保育園との違いや施設の種類、働くメリットや給料についてわかりやすく解説
託児所とは、さまざまな形態の認可外保育園のことを指します。主に企業内や病院で行われる小規模保育や、商業施設内に開設されている一時保育などがあたりますが、保育士さんとしては、一般的な園との違いや働きやす...

保育士の年度途中退職は「無責任」ではない!法律で守られた権利と円満退職に向けた5ステップ
「担任だから年度途中で辞められない」と自分を責めていませんか?実は、保育士の途中退職は法律で認められた正当な権利です。今回は就業規則より優先される「民法の知識」や、円満退職に向けた5ステップ、実際に年...

保育士をサポート・支える仕事特集!保育補助や事務、運営スタッフなど多様な職種を紹介
保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?保育補助や事務、本社勤務の運営スタッフなどさまざまな仕事があるため、保育士さんを支える仕事を一挙紹介!異業種である保育士人材のキャリアアドバイザー...

保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...

病院内保育とは?働くメリットや1日のスケジュール、一般的な保育施設との違いについて紹介!
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...

フリーランス保育士として自分らしく働くには。働き方、収入、仕事内容からメリットまで解説
保育園から独立して働くフリーランス保育士。具体的な仕事内容や働き方、給料などが気になりますよね。今回は、特定の保育施設に勤めずに働く「フリーランス保育士」についてくわしく紹介します。あわせて、フリーラ...

保育園の調理補助に向いてる人の特徴とは?仕事内容ややりがい・大変なこと
保育園で働く調理補助にはどのような人が向いてるのでしょうか。子どもや料理が好きなど、求められる素質を押さえて自己PRなどに活かしましょう。また、働くうえでのやりがいや大変なことなども知って、仕事への理...

子どもと関わる看護師の仕事10選!保育園など病院以外で働く場所も紹介
子どもに関わる仕事がしたいと就職・転職先を探す看護師さんはいませんか?「小児科の経験を活かして保育園に転職した」「看護師の資格を活用してベビーシッターをしている」など保育現場で活躍している方はたくさん...

保育士から転職!人気・おすすめの異業種20選。経験を活かす仕事ランキングや保育士以外の業種を紹介
保育士として働いていると、「保育士以外の仕事にチャレンジしてみたい」「異業種へ転職したい。事務・販売...保育士資格は活かせる?」などと考える方はいませんか?「保育士経験しかないけれど大丈夫?」と迷う...

【保育士の意外な職場30選】一般企業・病院からフリーランスまで!珍しい求人総まとめ
保育士資格を活かして働ける意外な職場は多く、病院、一般企業、サービス業などたくさんあります!今回は、保育園以外の転職先として人気の「企業内・院内保育」から異業種の「フォトスタジオ」「保育園運営本部」ま...

保育士資格を活かせる仕事・働ける企業30選!在宅ワークや転職体験談も紹介
「保育園以外の職場でも、保育士資格って活かせるの?」そんな風に考えたことはありませんか?保育士資格は、乳幼児の成長を支えてきた経験と専門性を証明する国家資格。保育園だけでなく、子ども関連の一般企業、福...

【2025年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止や有効期限切れの場合の対処法をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許更新制については、2022年7月1日に廃止されました。以降は多くの教員免許が「更新不要・期限なし」として扱われるようになりました。ただし、制度廃止前にすでに失効していた免許状には、再授与...

保育士が児童発達支援管理責任者(児発管)になるには?実務経験や要件、働ける場所など
保育士の実務経験を活用して目指すことができる「児童発達支援管理責任者(児発管)」について徹底解説!多くの障がい児施設で人材不足が続いているため、児童発達支援管理責任者(児発管)を募集する施設が多数!2...

幼稚園教諭からの転職先18選!資格を活かせる魅力的な仕事特集
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...

【2025年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く資格職「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。放課後児童クラブで働く職員は資格の有無を問わず「学童支援員」と呼ばれ、給与が低いイメージがあるようですが、...

保育士が活躍できる保育園以外の仕事22選!資格が役立つ意外な職場や在宅ワーク、注意点も紹介
「保育士資格を持っているけど保育園以外で働いてみたい」と考えていませんか?放課後等デイサービスや企業内保育所、在宅ワークなど、保育園以外でも子どもに関わりながら働ける場所はたくさんあります!今回は、一...

【2025年最新】保育士の給料は本当に上がる?正社員やパートの昇給額や「上がらない」と感じてしまう理由
「処遇改善で給料が上がるって聞いたのに、実感がない…いつ上がるの?」そんな声が、保育現場から聞こえる中、政府は保育士の人件費を10.7%引き上げるために、処遇改善制度を新たにスタート!今回は、2025...

私って保育士に向いていないかも。そう感じる人の7つの特徴や性格、自信を取り戻す方法
せっかく保育士になったのに「この仕事に向いていないのでは?」と不安を抱いてしまう方は多いようです。子どもにイライラしたり、同僚や保護者と上手くコミュニケーションが取れなかったりすると、仕事に自信が持て...

ベビーシッターとして登録するなら「キズナシッター」を選びたい理由トップ5
ベビーシッターとしてマッチングサービスに登録する際に、サイト選びに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。収入や働き方の安定性、サービスごとの特徴や魅力も気になりますよね。本記事ではそんななか「キズナ...

子育て支援センターで働くには?職員になるための資格や保育士の役割・仕事内容をわかりやすく解説!
子育て支援センターとは、育児中の保護者と子どもをサポートする地域交流の場。保育士経験者は資格を活かして働けるため、転職先のひとつとして考えることも大切です。今回は、職員になるための資格や保育士の役割、...

ベビーシッターになるには?資格や仕事内容、向いている人の特徴
ベビーシッターになるにはどうすればいいのでしょうか?まずは必要な資格やスキルをチェックしましょう。ベビーシッターは働く時間や場所を柔軟に調整できる場合が多く、副業としても人気です!初めてでも安心してベ...

【2025年最新】子育て支援員とは?資格取得の方法・研修、仕事内容などについて解説
「子育て支援員」は、保育や福祉の現場で子どもたちの成長を支える重要な資格です。2025年現在、放課後児童クラブや保育園での人材不足が続いており、子育て支援員のニーズはますます高まっているようです。この...

【2025年版】保育士の転職時期はいつ?年度途中の退職・4月入職のスケジュール
「そろそろ転職したいけれど、いつ動くのが一番いいんだろう…?」そんな不安を感じている保育士さんにとって、安心して転職を進められるベストタイミングは4月(=3月末退職)です。今回は、4月転職が最適な理由...

【2025年版】幼稚園教諭免許の更新をしていない!期限切れや休眠状態の対応、窓口などを紹介
所有する幼稚園教諭免許が期限切れになった場合の手続きの方法を知りたい方もいるでしょう。更新制の廃止も話題となりましたが、更新していない方は今後の対応方法をくわしく把握しておくことが大切です。今回は、幼...

【2025年最新】調理師の給料、年収はどれくらい?仕事内容や求人、志望動機なども徹底解説
子どもたちが毎日口にする給食やおやつを作る保育園の調理師。保育園で常勤として働く場合、年収は300万円以上が相場のようです。さらに、保育園調理師なら成長する子どもの身体づくりを助ける存在として、やりが...

インターナショナルスクールに就職したい保育士さん必見!給料や仕事内容、有利な資格とは
保育士さんが活躍できる場所のひとつとしてインターナショナルスクールがあります。転職を検討するなかで、英語力は必須なのか、どんな資格が必要なのかなどが気になるかもしれません。今回は、インターナショナルス...

【2025年】保育士の借り上げ社宅制度とは?自己負担額と同棲・結婚後の条件を解説
保育士さんの家賃負担を軽減する「借り上げ社宅制度」。2025年度の制度改正で利用条件が変わり「制度がなくなる?いつまで使える?」「結婚してもOK?」といった疑問や不安も多いようです。本記事では、制度の...

児童館職員になるには?必要な資格や仕事内容、給料
児童館は、地域の子どもたちへの健全な遊び場の提供や子育て家庭の育児相談などを行なう重要な施設です。そんな児童館の職員になるにはどのような資格が必要なのかを解説します。また、児童館の先生の仕事内容や20...

病児保育とはどのような仕事?主な仕事内容や給与事情、働くメリットも解説
病児保育とは、保護者の代わりに病気の子どもを預かる保育サービスのことを言います。一般的に、風邪による発熱などで保育施設や学校に通えない子どもを持つ保護者が利用します。今回は、そんな病児保育の概要を詳し...

【2025年度】保育士の給料と年収は今後どうなる?処遇改善の昇給額と採用で年間30万円支給する地域も紹介!
保育士は「給料が低い」と言われるなか、処遇改善で人件費が10.7%引き上げられました。2025年度に公表された統計では、正社員の平均年収は約407万円、パートの時給1,370円へ改善。ただし「手取りが...

保育園の事務仕事がきつい理由TOP5!仕事内容や給料、業務で楽しいと感じることも紹介
保育園で事務職の仕事を知りたい方必見!仕事に就いてから後悔しないように、今回は、保育園事務の仕事内容や業務がきつい理由・楽しいと感じることTOP5をわかりやすく紹介します。給料や待遇、採用に向けた面接...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
保育園退職後の住民税の手続き方法をおさえておこう
これまで給与から天引きされていた住民税は、いつ転職するのかや退職する時期などにより納め方が変わります。
切り替えの手続きが遅れるなどして住民税の支払いが滞納しないように、前もって納税方法を確認しておきましょう。
退職後の公的手続きなどに追われてスムーズに就活ができないことがあるかもしれません。
転職についてお悩みがあれば、保育士バンク!へ一度ご相談ください。

保育士バンク!の新着求人
お住まいの地域を選択して、最新の求人情報をチェック!



















































