保育園での水分補給のねらいとは?タイミング・回数や子どもへの伝え方を解説

保育園では、子どもは体内の水分量が多く体温調節機能も未熟なため、季節を問わず、こまめな水分補給が欠かせません。本記事では、水分補給を取り入れるねらいや子どもへわかりやすく伝える方法、活動別のおすすめタイミングや回数、楽しく続けるための具体的な工夫、家庭との連携のコツまで、保育現場でそのまま実践できる内容を整理して紹介します。

健二-中村 / stock.adobe.com

この記事でわかること
  • 子どもの健康と成長を守る水分補給の3つのねらいを解説 ▼詳細
  • 明日の保育で使える楽しい水分補給アイデア7つの工夫 ▼詳細
  • 水分補給に迷わない4つのおすすめタイミングと回数の目安 ▼詳細

目次

保育で水分補給を取り入れる3つのねらいと役割

保育に水分補給を取り入れるねらいは、子どもたちの健康と安全を守り、健やかな成長を支えることにあります。

子どもは体内の水分量が約70〜80%と大人(60%前後)より多く、代謝が活発である一方、体温調節機能や腎機能も未熟なため、わずかな水分不足でも体調を崩しやすいといわれています。

脱水が進むと体温調節がうまくいかず熱中症のリスクが高まるほか、便秘・倦怠感・集中力の低下にもつながります。

だからこそ保育園では、「のどがかわく前に飲む」習慣を日常的に支えることが大切なのです。

さらに、水分補給を通じて子どもたちが自分の体調に気づけるようになることもねらいのひとつです。

このように水分補給は、子どもたちの健康管理だけでなく、日常生活での気づきや学びの場としても重要な役割を果たします。

【保育士セルフチェック】
水分補給、うちの園は
丁寧にできてる?

保育中の水分補給が十分できているか
振り返ってみましょう

朝の活動前に必ずお茶タイムを設けている
外遊びや運動の前後で水分補給の声かけをしている
給食・おやつの前後にも水分補給を促せている
子どもが嫌がったときに工夫で対応できている
水分補給を楽しく演出できる人員的なゆとりがある
同僚や園長と水分補給について話し合える環境がある

チェックが3つ以下だったら

今の職場環境を見直してみる
必要があるかもしれません

今の園は余裕がなくて、水分補給や子どもの健康状態をしっかり見守れていない…。

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子どもが自分から飲みたくなる水分補給の工夫7選

子ども用のコップHanasaki / stock.adobe.com

保育士さんがただ「飲みましょう」と声をかけるだけでは、子どもたちが自主的に水分補給に取り組む意識は育まれないかもしれません。

ここでは、子どもたちが楽しみながら水分補給を続けるための具体的な方法を紹介します。

自分専用のカップやマグボトルで「特別感」をつくる

子どもたちは、自分専用のかわいいカップやマグボトルがあると、それを使うのが楽しみになります

お気に入りのキャラクターが描かれたものや、自分の名前入りのものを使うと、「これで飲みたい!」という気持ちが湧いてくるでしょう。

また、水分補給達成シートなどを用意し、飲み終わったらシールを貼るといった小さなご褒美を加えると、達成感が生まれる可能性があります。

ゲーム感覚で楽しく取り組む

水分補給を遊びに取り入れると、子どもたちは自然と続けやすくなる可能性があります。

「〇〇が終わるまでに一口飲めるかな?」といったタイムチャレンジや、「ゴクゴク選手権」などを開催し、みんなで競争するのがおすすめです。

ただし、競争が苦手な子もいるため、全員を褒めるようなルールにすることで、誰でも楽しく参加できるでしょう。

ストーリーやテーマで飲む時間を演出する

水分補給に物語を加えると、子どもたちの興味が引き出される可能性があります。

「これは元気がたまる魔法の飲み物だよ」「のどちゃんを助けるお水を飲もうね」といったテーマを設定すると、楽しみながら水分補給ができるでしょう。

飲み終わったあとに「のどちゃんが元気になったね!」と声をかけることで、達成感も得られやすいかもしれません。

歌やリズムに合わせて水分補給タイムを習慣化する

飲むタイミングをリズムや歌に合わせると、水分補給が特別なアクティビティに変わります。

たとえば、「お茶をゴクゴク、みんなでパチパチ!」と簡単な歌や動きを取り入れると、子どもたちは自然と楽しめるでしょう。

また、身体を動かしながら飲むことでリズム感も育まれていくことが期待できます。

季節や好みに合わせて多様な飲み物を用意する

毎日同じ飲み物では飽きてしまうこともあるため、多様な飲み物を用意するとよいでしょう。保育園では、子どもたちに親しまれている麦茶やほうじ茶が定番ですが、冬場にはこれらを少し温めて提供するのもいいかもしれません。

「今日は温かい麦茶だよ!」と声をかけることで、飲み物を飲む楽しみが増すでしょう。また、飲み物だけでなく「今日は何色のカップで飲もうか?」と子ども自身で選ぶ楽しさを取り入れるのもよさそうです。

飲んだ量や回数をわかりやすくして達成感を引き出す

子どもたち自身が「どれくらい飲めたか」を目で確認できるようにすると、達成感を得られる可能性があります。

たとえば、目盛り付きのボトルを使うと、「ここまで飲めたよ!」と自分で進捗を確認する楽しみが生まれるでしょう。

このとき、保育士さんが「いっぱい飲めてすごいね!」と具体的に褒めることで、子どもたちはさらに積極的に取り組むようになるかもしれません。

友だちといっしょに飲む時間を共有する

水分補給の時間を設けて友だちといっしょに取り組むと、みんなでやる楽しさが生まれる可能性があります。

保育士さんが「お友だちといっしょにゴクゴクしようね!」と声をかけたり、リーダー役を順番に決めて「みんなで飲もう!」と呼びかけてもらうと、自然と協力し合う姿勢が育まれていくでしょう。

いっしょに達成する喜びを共有することで、水分補給が楽しい習慣になる可能性があります。

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水分補給の大切さを子どもに伝える2つの説明アイデア

水分補給を子どもに習慣化させるには「なぜ飲むのか」を子どもにも伝わる言葉で説明することが大切です。

年少児には実用的な説明よりも、身近なキャラクターや擬人化したストーリー、絵本や紙芝居など視覚的な教材を組み合わせるのが効果的です。

ここでは、現場の保育士さんが実践している2つの説明アイデアを紹介します。

体の中の「お水ちゃん」を擬人化して伝える

体の中の水分の働きをそのまま説明しても、年少児にはイメージが湧きにくいものでしょう。

そこで「体の中にはお水ちゃんが住んでいて、汗をかくと元気がなくなっちゃうんだよ」と擬人化して伝えると、子どもにも理解しやすくなります。

お水ちゃんのイラストを保育室に貼っておくのもおすすめです。

「お水ちゃんに元気をあげようね」「ゴクゴク飲んだら、お水ちゃんがニッコリしたね」と、子どもたちに声かけしたら、自分から飲もうとする習慣ができました!

絵本や紙芝居で水分補給の役割を視覚化する

言葉だけでは伝わりにくい体内の働きも、絵本や紙芝居を使えば視覚的にイメージできます。

「のどがカラカラになっちゃった!」「お水を飲んだらピカピカに元気になったよ」とストーリー仕立てにすると、子どもは自然と内容を覚えていきます。

読み聞かせのあとに「みんなも一緒にゴクゴクしようね」と実際の水分補給につなげると、学びと行動が結びつきやすくなります

市販の食育絵本がなかったので手作りのペープサートで見せたら、子どもたちが外遊びの後に「お水のまなきゃ!」と言い合うようになってくれました。

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    水分補給におすすめの4つのタイミングと1日の回数の目安

    保育園のおやつタイムmilatas / stock.adobe.com

    保育園での水分補給は、1日あたり6〜8回を目安にしている園が多いとされています。

    具体的には、どのタイミングで水分補給をするのがよいのでしょうか。

    朝の登園後午前活動の前後給食午後活動の前後午後のおやつ降園前を基本とします。

    夏場や運動量の多い日はこれに加えて15〜30分おきに声かけをするのが目安です。

    月齢や活動量、気温によって柔軟に調整することが大切でしょう。

    ここでは、水分補給を取り入れるシチュエーションについて詳しく紹介します。

    朝の活動開始前

    子どもたちは登園後すぐに活動が始まることが多いため、朝の体操や集まりの前に軽く水分補給を促すとよいでしょう。

    特に冬場は、暖房で乾燥した室内にいると知らず知らずのうちに水分が失われるため、「体操の前にお水を飲んで元気になろうね!」などと声をかけるとよさそうです。

    運動や外遊びの前後

    子どもたちは運動や外遊びでたくさん汗をかくため、脱水症状を防ぐために水分補給が重要です。

    遊びに夢中になりがちなため、活動前後に「水分補給タイム」を設定して声をかけるのが効果的かもしれません。

    たとえば、「遊ぶ前にゴクゴク飲もう!」や「いっぱい遊んだからお水を飲んで元気になろうね!」と促してみましょう。

    給食やおやつの前後

    給食やおやつは、保育活動の中で区切りがある時間帯です。このタイミングで水分補給を取り入れると、自然に習慣化できるようになるでしょう。

    食事をする前に飲むことで食べ物が飲み込みやすくなり、食後の水分補給は消化を助ける効果も期待できます。

    食事をするときは、「給食(おやつ)の前にお茶を一杯飲もうね」など、声かけを工夫しましょう。

    季節や活動に合わせて適宜追加する

    冬場は空気が乾燥しているため、室内遊びが続いた場合でも、子どもたちに水分補給を促しましょう。

    また、夏場にはより頻繁な水分補給が必要です。保育活動の合間にこまめに「お茶タイム」を設け、全員で一緒に飲む習慣をつけるとよいでしょう。

    こうしたタイミングや回数を丁寧に実践できるかどうかは、職員配置や園のゆとりによって変わるもの。

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    家庭での水分補給を習慣化する保護者連携4つのコツ

    保護者と話す保育士polkadot / stock.adobe.com

    水分補給は保育園での活動中だけではなく、家庭でも習慣づけることが重要となるでしょう。

    ここでは、保育園での水分補給を家庭でも習慣化してもらうためにできることを紹介していきます。

    保護者に「なぜ水分補給が大切なのか」をわかりやすく伝える

    保護者に水分補給の重要性を理解してもらうことは、家庭での取り組みを進める第一歩です。

    たとえば、「子どもは身体の水分量・活動量が多いため、大人よりも水分が失われやすい」といった具体的な理由を説明すると効果的でしょう。

    また、水分不足が便秘や体調不良につながるおそれがあることについても伝えると、関心を持ってもらいやすくなるかもしれません。

    保護者向けのおたよりやクラスの掲示板を通じて伝えるとよいでしょう。

    家庭で楽しく水分補給を続けられる方法を具体的に提案する

    家庭での水分補給をスムーズに進めるには、保護者が率先して子どもといっしょに水を飲む姿を見せることが効果的です。

    「お父さんお母さんも飲むから、一緒に飲もうね!」と声をかけると、子どもは楽しく水分補給に参加してくれるかもしれません。

    たとえば、食事やおやつの時間に「家族みんなで乾杯しよう!」と声をかければ、水分補給をすることが楽しいイベントに変わる可能性があります。

    保護者が楽しそうに飲む姿を見せることで、子どもにも自然に習慣化していくかもしれませんよ。

    保育園での取り組みを保護者にわかりやすく共有する

    保護者が家庭でも保育園と同じ方法を実践しやすくなるよう、園での水分補給の取り組みを共有しましょう。

    たとえば、連絡帳で「今日は外遊びのあとに〇〇ちゃんが上手にお茶を飲みました!おうちでも遊んだあとにお水を飲む習慣を続けてみてくださいね」と伝えるのがおすすめです。

    また、「保育園ではこんなふうに楽しく取り組んでいます」と、活動の写真やシール表の使い方をおたよりで紹介すれば、保護者も家庭で取り入れやすくなるでしょう。

    保護者の疑問や不安に答えて安心感を与える

    家庭で水分補給を取り入れる際に、出てきそうな疑問や不安に丁寧に答えることも重要です。

    たとえば以下のような質問が出てきたときには、次のように答えるとよいでしょう。

    どんな飲み物がいいの?

    冬場はぬるめの麦茶やお白湯がおすすめです

    どのくらいの量を飲ませればいい?

    一日にコップ6~8杯を目安にしてみてください

    このように、具体的な飲み物と飲むべき量の目安を伝えると、保護者も家庭で取り組みやすくなる可能性があります。

    さらに、水を飲みたがらない場合の工夫として、「かわいいカップを用意する」「温かい飲み物にする」といったアイデアを提案することで、保護者も安心して実践できるでしょう。

    保育園での水分補給についてのよくある質問

    保育園での水分補給について、保育士さんや保護者からよく寄せられる疑問をまとめました。日々の保育や家庭での取り組みに役立ててください。

    Q. 保育園で1日に何回ぐらい水分補給するのが目安?

    A. 一般的には、1日あたり6〜8回程度を目安にしている保育園が多いです。

    朝の登園後・午前の活動前後・給食前後・午後の活動前後・午後のおやつ前後・降園前などが多いようです。月齢や季節、活動量によって調整します。夏場や運動量の多い日は、これに加えて15〜30分おきに声かけをするのが望ましいとされています。

    Q. 子どもに水分補給の大切さをわかりやすく伝えるには?

    A. 「のどがかわく前にお水を飲もうね」を合言葉にしつつ、体の中の「お水のお話」として擬人化して伝えるのが効果的です。

    「体の中のお水ちゃんが少なくなると、元気が出なくなっちゃうんだよ」「お水を飲むと、お水ちゃんが元気を運んでくれるよ」のように、見えない体内の働きをキャラクター化すると、年少児でもイメージしやすくなります。絵本や紙芝居を活用するのもおすすめです。

    Q. 水を飲みたがらない子にはどう対応すればいい?

    A. 無理に飲ませず、「飲みたくなる仕掛け」を増やすのが基本です。

    自分専用のカップを選ばせる、飲む量を可視化できる目盛り付きボトルを使う、お友だちといっしょに飲む時間をつくる、冬場はぬるめのお茶を用意するなど、複数のアプローチを組み合わせると効果が出やすいです。それでも嫌がる場合は、体調や口内の違和感がないか保護者と情報共有することも大切です。

    Q. 冬場でも水分補給は必要?

    A. 必要です。

    冬場は暖房による室内乾燥や、夏より汗をかきにくいことから「のどの渇き」を感じにくく、知らないうちに脱水が進みやすい季節です。冬は冷たい飲み物より、ぬるめの麦茶・ほうじ茶・白湯を用意すると、子どもも飲みやすくなります。

    Q. 水分補給に取り組みたいけれど、時間や余裕がなくて思うようにできません

    A. 水分補給に十分な時間や声かけを行えるかは、園ごとに差があります。

    水分補給が思うようにいかないのは、園の保育士1人あたりの担当人数や行事の詰まり具合、職員間の連携体制によって起こることが多いでしょう。「自分の工夫だけではどうにもならない」と感じる場面が続く方は、余裕をもって子どもたちを守れる職場環境について聞いてみるのもよいかもしれません。
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    Q. まだ転職は考えていないけど、保育士バンク!に登録してもいい?

    A. はい、問題ありません。

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    Q. 登録するとしつこく連絡が来ない?

    A. 希望の連絡方法(電話・メールなど)や時間帯を伝えていただければ、それに合わせた対応になります。

    「メールだけにしてほしい」「夜間の連絡は不要」など具体的に伝えていただくと、無理のないやり取りが続けられます。忙しい毎日の中で、無理せず使えるようになっています

    保育のねらいを理解して子どもの水分補給を楽しく習慣化しよう

    子どもの健康を守り、成長を支えるためには、保育園だけでなく家庭でも水分補給を習慣化することが重要です。

    日々の水分補給を楽しい活動に変えるためには、カラフルなカップやゲーム感覚での取り組み、友だちとの協力など、子どもたちが積極的に参加できる工夫が効果的です。

    また、運動や食事の前後といった保育活動中の最適なタイミングで促すことが、子どもたちの水分不足を防ぐポイントとなります。

    さらに、保育園での取り組みを保護者に共有し、家庭でも実践しやすい方法を提案することで、保育園と家庭が一体となった取り組みが可能になるでしょう。

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