保育士の有効求人倍率は、こども家庭庁の資料によると2025年7月時点で全国2.77倍です。これは全職種平均1.18倍の2倍以上にあたり、保育士1人あたり約3件の求人がある売り手市場が続いています。この記事では年次推移や都道府県別の最新データに加え、倍率が高い背景や処遇改善の動き、転職に活かすポイントまでまとめました。

保育士の有効求人倍率は全国平均2.77倍
2025年12月時点の保育士の有効求人倍率は全国平均で2.77倍です。
同時期の全職種平均は1.18倍なので、保育士は約2.4倍高いことがわかります。
| 項目 | 倍率 | 1人当たりの求人数 |
| 保育士 | 2.77倍 | 約3求人 |
| 全職種平均 | 1.18倍 | 約1求人以上 |
この数字は、保育士1人に対して約3件弱の求人がある状態です。
つまり、保育士として仕事を探せば、複数の園から選べる「売り手市場」ということになります。
有効求人倍率とは、求人数を求職者数で割って算出した数値
そもそも「有効求人倍率」ってなに?という方もいるでしょう。
この数値は、ハローワークに届いている求人数を求職者数で割って算出した指標です。
1.0倍を超えていれば「求人数>求職者数」で人手が足りていない状態、
下回れば「求人数<求職者数」で供給過多の状態と判断できます。
保育士の2.77倍は、保育現場の人手不足が続いていることを示しています。
有効求人倍率は時期によっても変動
有効求人倍率は、その時期ごとの求人数や求職者数によって変わります。
保育士の有効求人倍率を含めた全体的な傾向としては、年度替わりに向けた採用が本格化する1月前後にピークを迎え、夏場はやや落ち着く流れがあるようです。
直近の2025年1月には、保育士の有効求人倍率は全国で3.54倍を記録しました。この時期はどう?どんな求人があるか聞いてみる
保育士の有効求人倍率の推移と都道府県別データ
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保育士の有効求人倍率は、2020年をピークに一時低下しましたが2023年以降は再び上昇に転じています。
都道府県による差も大きく、地域ごとの需給バランスの把握が大切です。
年次推移(各年1月・全国平均)
こども家庭庁が公表しているデータをもとに、ここ7年間の推移をみてみましょう。
以下のグラフは、保育士求人倍率における各年度(4月〜翌3月)の最高値をまとめています。
出典:保育士の有効求人倍率の推移(全国)/こども家庭庁、職業安定業務統計/厚生労働省をもとに作成
2021〜2022年はコロナ禍の影響で保育需要が一時的に落ち着き、倍率は3倍を下回りました。
しかし2023年以降は再び上昇に転じ、2025年1月には過去7年間で2番目に高い3.78倍を記録しています。
全職種平均が1.3倍前後で横ばいなのに対し、保育士だけが突出して高い傾向は変わっていません。
2025年6月の直近値は2.77倍ですが、これは季節的に落ち着く時期の数字です。
前年同月の2.69倍から0.08ポイント上昇しており、通年でみた上昇傾向は続いています。
都道府県別の有効求人倍率(2025年7月時点)
地域別にみると、保育士不足の度合いには大きな差があります。2025年1月時点で全国平均を上回っているのは14都府県でした。
| 都道府県 | 倍率 |
| 全国 | 3.54倍 |
| 栃木県 | 6.65倍 |
| 広島県 | 5.38倍 |
| 福井県 | 5.17倍 |
| 東京都 | 4.28倍 |
| 愛媛県 | 3.90倍 |
| 徳島県 | 3.55倍 |
都市部だけでなく、栃木県や広島県、福井県など地方でも高い倍率が目立ち、全国的に保育士確保が難しくなっている状況です。
ただし、倍率が高い=求人の絶対数が多いとは限りません。
東京都は倍率4.28倍ですが求人の絶対数は地方より圧倒的に多く、選べる園の幅が広いのが特徴です。
一方、地方は競争が緩やかで条件交渉が通りやすいメリットもあります。
自分が暮らしたい地域の倍率と求人数の両方を確認するのがポイントです。
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保育士の有効求人倍率が高い3つの理由
保育士の倍率が全職種平均より大幅に高い背景には、3つの要因が考えられます。
理由1. 保育ニーズの拡大に供給が追いつかない
共働き世帯は2024年時点で約1,300万世帯に達し、保育園の利用率は年々上がっています。
さらに2024年4月には保育士の配置基準が見直され、3歳児と4・5歳児の配置人数が引き上げられました。
施設数の増加と基準の厳格化によって、必要な保育士の数そのものが増えている状況です。
加えて、2026年度からは「こども誰でも通園制度」が全国で本格実施されます。
保護者の就労にかかわらず0〜2歳児が月に一定時間通園できるこの制度により、保育士の需要はさらに拡大する見込みです。
理由2. 人材が定着しにくい
東京都福祉局の調査資料「令和4年度東京都保育士実態調査」によれば、保育士の主な退職理由は、人間関係(31.5%)、仕事量の多さ(23.1%)、給料の低さ(22.1%)です。
また、厚生労働省の資料によれば、保育士の離職率は9.3%という結果が出ています。
離職すれば園は新たに求人を出す必要があり、それが有効求人倍率を押し上げる一因となっています。
理由3. 潜在保育士が多く復職が進んでいない
2023年のこども家庭庁の調査結果では、全国の保育士登録者約185万人のうち、実際に保育に従事しているのは約115万人以上とされています。
これがいわゆる「潜在保育士」の数です。登録済みの保育士のうち約62%が、保育士として働いていないことになります。
資格を持つ人は多くても、給与面や働き方の課題など、さまざまな事情で現場に戻れない有資格者が多いようです。
これらの対策として、国は2025年10月から保育士・保育所支援センターを法定化し(出典:改正児童福祉法)、復職支援を強化しています。
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有効求人倍率が高い今、転職で条件を上げるポイント
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保育士の有効求人倍率が高い状態は、裏を返せば「保育士が園を選べる立場にある」ということです。
この環境を活かして、よりよい条件で働くために知っておきたいポイントをまとめました。
処遇改善の最新動向を気にしてみる
実は、保育士の給与などの待遇は年々改善されています。
2025年度の統計では正社員保育士の平均年収は約407万円、パートの平均時給は約1,370円です。
国が主導する処遇改善手当制度が導入され、2025年度にはさらに幅広い立場の保育士への給与に還元されるよう制度が整備されました。
転職先を選ぶ際に「処遇改善手当がいくら支給されるか」を確認しやすくなっているので、転職したい方はは、転職エージェントに確認してもらいながら求人探しをすると効率よく探せます。
自治体独自の補助金・手当を活用する
国の制度に加えて、自治体ごとに独自の保育士確保施策を実施しています。
| 自治体 | 施策の内容 |
| 千葉県松戸市 | 勤続年数に応じて月額45,000円〜最大78,000円の「松戸手当」 |
| 東京都江戸川区 | 勤続5年で10万円の報奨金 |
| 埼玉県戸田市 | 対象保育士に年間40万8,000円の給与上乗せ補助 |
| 神奈川県横浜市 | 支援センター経由の就職で5万円の奨励金 |
各都道府県でも、都市部を中心に月額最大82,000円の家賃補助(宿舎借り上げ制度)を受けられる自治体も多くあります。もらえる補助金を聞こう保育士バンク!に相談してみる
求人選びのチェック方法を押える
有効求人倍率が高い今は、複数の園から内定をもらいやすく条件を比較しやすい環境です。
後悔しない転職のためには次の3点を意識してみてください。
- 月給の額面だけでなく、処遇改善手当や自治体独自の補助金の有無を確認
- 園見学を行い、職員の雰囲気や残業の実態を自分の目で確かめる
- 1つの園だけで決めず、複数を比較して入職先を決める
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保育士の有効求人倍率に関するよくある質問
保育士の有効求人倍率について気になる方の質問や疑問に答えます。
Q1.保育士の有効求人倍率はどこで確認できる?
こども家庭庁が厚生労働省「職業安定業務統計」をもとに作成した「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」というPDF資料で確認できます。
この資料には、都道府県別のデータも掲載されています。
Q2. 倍率が高いのと低いのではどちらが保育士に有利?
「有効求人倍率が高い」というのは、求人数が求職者数より多いことを示しています。 1.0倍を超えていれば求人数が求職者を上回っている状態です。
2025年6月時点での保育士の有効求人倍率2.77倍は、保育士1人に対して約3件弱の求人があることになります。
Q3. 有効求人倍率は時期によって変わる?
年度替わりに向けた採用活動が活発になる1月頃が最も高くなります。
2025年は1月に3.78倍、6月に2.77倍と約1倍の開きがありました。この変動は、転職のタイミングを計る参考になります。
Q4. なぜ保育士の求人倍率は全職種より高いの?
共働き世帯の増加で保育需要は拡大し続けていますが、保育士の供給が追いついていません。
配置基準の改定や「こども誰でも通園制度」の導入で、今後も需要拡大が見込まれます。
Q5. 少子化なのになぜ保育士が足りないの?
出生数は減少傾向にありますが、共働き世帯の増加で保育園を利用する家庭の割合は上昇しています。
さらに2026年度の「こども誰でも通園制度」により、就労有無を問わず0〜2歳が利用できるようになるため、保育士需要はさらに高まる見通しです。
Q6. こども誰でも通園制度とは?
この制度は、 2026年度から全国の自治体で本格実施されています。
保護者が働いていなくても利用できるため保育ニーズが拡大し、保育士需要がさらに高まると見られています。
Q7. ブランクがあっても保育士に復職できる?
潜在保育士が復職しやすいよう、復職支援制度や研修を設ける園が増えており、ブランク10年以上でも復帰しやすい環境が整いつつあります。
国は全国75か所に「保育士・保育所支援センター」を設置し、復職相談や研修を実施しています。
Q8. 保育士って人数が少ないの?
こども家庭庁の調査結果では、全国の保育士登録者約185万人のうち、実際に保育士として働いていない人の数は約115万人とされています。
この数は、資格保有者のうち約60%以上にもなります。
保育士ニーズは高まっていても、保育士として働いている人が少ないことから、有効求人倍率が高まっているともいえます。出典:保育人材の確保のための総合的な対策/こども家庭庁出典:保育士の現状と主な取組/厚生労働省出典:松戸市の保育士確保に関する取組み/まつどDE子育て出典:保育士さんが江戸川区を選ぶ5つの理由/江戸川区出典:保育士の皆さんへ!「私らしく働きたい」なら とだ。 がんばる保育士の皆さんを全力サポート!/戸田市出典:横浜市潜在保育士等への就労奨励金交付事業/横浜市
保育士の有効求人倍率は高く、転職しやすい状況
保育士の有効求人倍率は2025年7月時点で全国2.77倍。推移としては少ない範囲ながら上昇傾向にあり、前年同月からも0.08ポイント上昇しています。
全職種平均と比べると2倍以上の高さで、保育士にとっては転職・復職しやすい状況といえます。
2026年度からはこども誰でも通園制度の本格実施や、人件費5.3%の賃上げも予定されており、保育士の需要と待遇はさらに改善される見通しです。
好条件の求人は早い者勝ちになってしまうかもしれません。気になったタイミングで情報収から始めてみましょう。
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