こどもの日に向けて、4歳児クラスでこいのぼりの製作を楽しみましょう。年中クラスになると取り組める技法や表現の幅が広がるので、さまざまな作り方に挑戦してみるとよいですね。今回は、4歳児クラスで取り入れたいこいのぼり製作のアイデア12選を紹介します。指導案作成に役立つねらいや、導入のポイントなどもまとめました。
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■目次
4歳児クラスでこいのぼりの製作をしよう
こどもの日といえば、柏餅やかぶとなどさまざまなモチーフがありますよね。
なかでも、保育園に飾ることが多いのがこいのぼりではないでしょうか。
こいのぼりは、中国の「登竜門の伝説」にあやかり、「子どもがさまざまな困難を突破して立身出世するように」という願いを込めて飾られていると言われています。
一般的にかぶとを飾るため男の子の日というイメージが強いこどもの日ですが、性別関係なく親しめるよう4歳児クラスでこいのぼりを製作してみましょう。
今回は、保育園の4歳児といっしょに楽しめるこいのぼり製作を紹介します。
4歳児クラスでこいのぼり製作をするねらい
まずは、4歳児の年中クラスでこいのぼり製作をするねらいを見ていきましょう。指導案を作成する際などに参考にしてみてくださいね。
製作を通して季節の変化を味わう
4歳児頃になるとカレンダーや時間に興味を持つ子どももいるでしょう。
保育園でこいのぼりの製作をすることで、「もうすぐ5月になるんだ」と季節の移り変わりを実感できそうです。
自分なりのイメージを持って表現を楽しむ
自分なりのイメージをえがきながら製作を楽しむのもねらいの一つです。
4歳児になると、完成形を想像しながら取り組む姿が見られるようになるでしょう。
こいのぼりの色やうろこの模様などを自由にアレンジし、子どもたちが自分なりの表現を楽しめるとよいですね。
【平面】4歳児向けこいのぼりの製作アイデア
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では、4歳児向けのこいのぼり製作のアイデアを見ていきましょう。
ここでは、うろこ模様のデザインに活かせる描画技法を中心に、平面製作の作り方をまとめました。
1.デカルコマニーでこいのぼり
用意するもの
- 画用紙 1枚
- 画用紙(目のパーツ)
- 絵の具
- 絵筆
- はさみ
- のり
作り方
1.画用紙を半分に折って折り目をつけ、片側に絵の具を乗せます。
2.(1)の画用紙を半分に折り、絵の具を反対側へ転写させます。
3.絵の具が乾いたら、画用紙をこいのぼりの形にカットします。
4.用意しておいた目のパーツを(3)に貼りつければできあがりです。
ポイント
絵の具の乗せ方は自由なので、子どもたちが好きなように色づけを楽しめるよう豊富な種類を用意しておきましょう。
できあがったら、大きな画用紙に貼りつけて壁面製作に活用したり、リボンを通して壁にかけたりと飾り方を工夫してみてくださいね。
2.はじき絵でえがくこいのぼり
用意するもの
- 画用紙 1枚
- ろうそく
- 絵の具
- 絵筆
- 水
- はさみ
作り方
1.画用紙をこいのぼりの形にカットします。
2.ろうそくで(1)にうろこや目をかきます。
3.水で溶いた絵の具を(2)に塗ります。
4.絵の具が乾いたらできあがりです。
ポイント
絵の具は多めの水で溶くのがポイントです。保育士さんがあらかじめ準備しておきましょう。
また、うろこのデザインは自由なので、子どもたちの思うようにえがいてもらうとよいですね。
できあがった画用紙を牛乳パックに貼りつけて、立体的なこいのぼりにアレンジするのもよいかもしれません。
3.ちぎり絵で作るこいのぼり
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用意するもの
- 画用紙 1枚
- 折り紙 複数枚
- のり
- ペン
作り方
1.画用紙にこいのぼりの形の枠線をかきます。
2.折り紙を小さくちぎり、(1)の線の中を埋めるように貼ればできあがりです。
ポイント
折り紙を貼るときは、下絵のふちに沿って外側から埋めていくのがポイントです。
保育士さんは、コツとして子どもたちに伝えてみましょう。
単色と模様つきの折り紙を混ぜて貼るとかわいらしいデザインになるので、いろいろな種類の折り紙を用意しておくとよいかもしれませんね。
関連動画:ちぎり絵で遊ぼう♪/保育士バンク!
4.吹き絵でえがくこいのぼり
用意するもの
- 新聞紙(下敷き)
- 画用紙 1枚
- 画用紙(目のパーツ)
- ストロー 1本
- 絵の具
- 絵筆
- 水
- はさみ
作り方
1.机の上に新聞紙を敷いておきます。
2.画用紙をこいのぼりの形にカットします。
3.画用紙の上に水で溶いた絵の具を垂らし、ストローで息を吹きかけます。
4.絵の具が乾いたら、画用紙で作った目のパーツを貼りつければできあがりです。
ポイント
息を吹きかける強さや方向によって異なる模様ができあがるので、友だちの作品と比べながら楽しんでみましょう。
たくさんの絵の具を使うと色が混ざって暗い色になってしまうので、3種類程度を目安に選んでもらうとよいですね。
5.おはじきスタンプでえがくこいのぼり
用意するもの
- 画用紙 2枚
- ダンボール
- おはじき
- 絵の具
- 絵筆
- 接着剤
- のり
- ペン
作り方
1.ダンボールに画用紙を貼ります。
2.(1)の画用紙にこいのぼりの絵をかき、胴体の部分におはじきを隙間なく並べて貼りつけます。
3.(2)のおはじきに1つずつ絵の具を塗り、もう1枚の画用紙を上から重ねます。
4.(3)の画用紙をはがし、おはじきの模様を活かしてこいのぼりの絵をかけばできあがりです。
ポイント
おはじき一つひとつに接着剤や絵の具を塗る作業は少し時間がかかります。
しかし、4歳児の年中クラスであれば集中して取り組めるようになるので、時間をかけて挑戦してみましょう。作品が仕上がったときには、達成感を味わえそうですね。
【立体】4歳児向けこいのぼり製作のアイデア
続いて、4歳児向けの立体的なこいのぼり製作の作り方を紹介します。
6.こいのぼりのガーランド
用意するもの
- 付箋 数枚
- マスキングテープ 数種類
- タコ糸
- はさみ
- ペン
ポイント
細い付箋を用いると作業が細かくなるため、太めの大きい付箋を用意しましょう。
付箋の粘着力が心配な場合は、裏側をセロハンテープで留めておくとよさそうです。
保育室の壁や窓、ドアに吊るすなど飾り方を工夫して、かわいらしく装飾してみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
7.折り紙こいのぼり
用意するもの
- 折り紙
- 画用紙(目のパーツ)
- ペン
作り方
1.折り紙の表を上にして置き、手前から3cm程度のところで折ります。
2.(1)の折り目が左にくるように折り紙を90度回します。
3.(2)の手前側から上辺に向かって、縦3分の1程度を目安に折ります。
4.折り紙を裏返し、(3)で折った幅にあわせて余っている部分を折ります。
5.(4)の右下の角が上辺に重なるように三角形に折ります。
6.(5)を開き、三角形の中心の折り目を内側に畳んで折ります。
7.(6)を裏返し、右下の角が上辺に重なるように三角形に折ります。
8.(7)を裏返して画用紙で作った目のパーツを貼りつけ、ペンでうろこをかけばできあがりです。
ポイント
何度か折り紙を裏返す工程があるので、子どもたちが混乱してしまうかもしれません。
保育士さんは都度見本を見せながら、子どもたちと同じペースで折り進めるとよいでしょう。
作り方はそこまで難しくないため、異なる色の折り紙を使ってこいのぼりの親子を作ってみるのも楽しいかもしれませんね。
8.折り紙でこいのぼりリース
用意するもの
- 折り紙 6枚
- カブトやこいのぼりなどの飾り
ポイント
子どもたちの様子を見ながら折り目の向きなどをゆっくり説明するとよさそうです。
作った後は保育室の壁に飾ると春らしい壁面製作になりますね。(詳しい作り方はこちら)
9.ペットトボトルこいのぼり
用意するもの
- ペットボトル
- ラメ
- 水
- 手形
- 両面テープ
- 目玉シール(もしくは画用紙で作った目玉)
ポイント
スノードームのようにキラキラと光るこいのぼりです。
子どもたちに好きな色で手形を作ってもらい、飾るとよさそうです。
自分で名前を書ける子には手形の裏に書いてもらいましょう。(詳しい作り方はこちら)
10.マーブリングこいのぼり
用意するもの
- 洗面器
- 水 100ml
- マーブリング水溶液(または洗濯のり) 100ml
- 割りばし
- マーブリング専用インク 3色
- 竹串
- 画用紙
- トイレットペーパーの芯
- 目玉シール
- キリ
- はさみ
- 折り紙のカブト
ポイント
渦を描くように竹串を動かすと模様に変化が出て面白い仕上がりになりそうです。
キリを使う部分は保育士さんが行ない、トイレットペーパーに竹串を通す際はケガのないように見守りましょう。
11.紙コップこいのぼり
用意するもの
- 紙コップ 1個
- 折り紙
- ストロー 1本
- モール
- セロハンテープ
- はさみ
- のり
- ペン
作り方
1.紙コップの側面にペンや折り紙で装飾をします。
2.折り紙を長方形にカットし、紙コップのふちに貼ります。
3.紙コップの底に2カ所穴をあけてモールを通します。
4.モールの先端をストローに結びつけ、結び目にセロハンテープを巻いて補強すればできあがりです。
ポイント
紙コップの側面に絵をかくのが難しい場合は、あらかじめ画用紙などに顔やうろこをかいたものを貼りつけてもよいでしょう。
こいのぼりのしっぽ部分は、折り紙以外にも短く切った紙テープやPEテープなどを混ぜて装飾してみるのもかわいいかもしれませんね。
12.トイレットペーパーの芯で作るこいのぼり
用意するもの
- トイレットペーパーの芯
- 画用紙
- 画用紙(装飾用)
- はさみ
- のり
作り方
1.トイレットペーパーの芯に画用紙を巻きつけます。
2.(1)の端を軽くつぶして、しっぽの形になるように三角形に切ります。
3.うろこや目などのパーツを貼りつければできあがりです。
ポイント
三角形に切り落とす工程は、鉛筆などで目印をかいてからカットするとやりやすくなりますよ。
保育士さんは子どもたちに見本を見せて、どのあたりをカットすればよいのか伝えましょう。
トイレットペーパーの芯に穴をあけて紐で吊るしたり、芯の端にストローをつけて立てたりと、飾り方をアレンジして保育室に飾ってみてくださいね。
4歳児クラスでこいのぼり製作をするときのポイント
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ここでは、4歳児の年中クラスでこいのぼり製作をするときのポイントをまとめました。指導案で活動内容や保育者の援助を記載する際に参考にしてみてくださいね。
表現の幅が広がるアイデアを取り入れよう
4歳児ははさみやのりを正しく使えるようになったり、いろいろな技法にチャレンジできたりと、製作のなかで表現の幅が広がってくる頃でしょう。
そのため、こいのぼり製作でもペンやクレヨンで直接えがくだけでなく、絵の具を吹いて広げるなど新しい描画方法に挑戦してみるとよいかもしれません。
製作工程が長いアイデアにチャレンジしよう
少し難しく工程が長い製作にチャレンジしてみるのもポイントです。
4歳児頃は、細かい作業ができるようになるとともに、日常の遊びにも集中できるようになってくると言われています。
「これの次はこれをやる」と順序を考える思考力も身につくようになるようなので、複数の工程がある製作に挑戦してみるとよいでしょう。
友だちとのかかわりや違いを意識できる飾り方を
4歳児は友だちと集団で遊ぶことが増え、自分と他者との違いなどを理解し始めるようになるでしょう。
こうした特徴を踏まえて、全員の作品を壁面にまとめたり棚に一つずつ並べたりと、クラスの一体感や友だちとの表現の違いを実感できるような飾り方を取り入れてみるとよさそうです。
導入はさまざまな方法で
さまざまな方法で導入を行ないましょう。
たとえば、絵本を読み聞かせたりこいのぼりの歌を歌ったりする導入方法が挙げられます。
また、イメージを膨らませられるように保育園に飾っているこいのぼりを見て、製作への意欲を育むのもよいかもしれませんね。
さまざまな表現を取り入れて4歳児とこいのぼりを製作しよう
4歳児の年中クラスで行なうこいのぼり製作には、季節の変化を味わうというねらいがあります。
導入として歌を歌ったり絵本を読んだりする以外にも、こどもの日の意味やこいのぼりを飾る理由などを伝えて、季節の行事への関心を育んでみましょう。
はじき絵や吹き絵など子どもたちが自由な表現を楽しめる技法を取り入れて、4歳児クラスでこいのぼり製作を楽しんでくださいね。
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