「子ども・子育て支援新制度」によって作られた小規模保育事業には、A型・B型・C型の3類型があります。これらは認可基準によって区分されていますが、保育料や職員数などに違いはあるのでしょうか。今回は、小規模保育事業とは何か、また保育士として働くうえで知っておきたいメリットや注意点などを紹介します。

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目次
小規模保育事業について知ろう
小規模保育事業とは、2015年からスタートした「子ども・子育て支援新制度」によって作られた地域型保育事業のうちのひとつです。
地域型保育事業とは、地域における多様な保育ニーズにきめ細かく対応し、質の高い保育を提供するために開始され、なかでも小規模保育事業は、待機児童の約9割を占める0~2歳児の保育問題を解決することも目的にスタートしました。
小規模保育事業は定員が6人~19人までと定められており、定員20人以上の認可保育園と定員5人以下の家庭的保育の中間的な立ち位置にあることが特徴です。また、卒園後の受け皿として認定こども園などの「連携施設」を設定し、協力しながら保育を行うといった特色を持っています。
さらに、多様な場所、規模、提供形態を前提としているためさまざまな事業者が参入しているようです。以下は、2016年4月1日時点の事業者別の件数を示した表です。
| A型 | B型 | C型 | |
|---|---|---|---|
| 施設総数 | 1711 | 595 | 123 |
| 公立/私立 | 33/1678 | 21/574 | 10/113 |
| 株式・有限会社 | 753 | 237 | 25 |
| 社会福祉法人 | 290 | 57 | 16 |
| 個人 | 242 | 176 | 52 |
表より、施設数はA型、B型、C型の順に多く、事業開始から1年後の2016年時点で2429施設あることがわかります。
小規模保育事業は認可基準によってA型、B型、C型の3種類に分類されていますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。違いや特徴について次からくわしく見ていきましょう。
出典:地域型保育事業の件数について(平成28年4月1日現在)/厚生労働省
小規模保育事業A型・B型・C型の認可基準や特徴
認可基準
小規模保育事業A型、B型、C型の認可基準を以下の表にまとめました。
子どもの定員数や保育の実施場所、連携施設の確保が必要なことは共通している反面、職員数や資格などについては異なる基準が設けられているようですね。
小規模保育事業A型の特徴
A型は一般的な保育所分園に近い形態であり、小規模な認可保育園と近いかもしれません。
原則として、保育者が保育士に限られることがB型やC型と異なる点と言えるでしょう。
また、0歳児3人に対して保育士1人、1~2歳児6人に対して保育士1人という認可保育園の配置基準よりも1人多く配置することが求められています。
小規模保育事業B型の特徴
B型は保育所分園に近いA型と家庭的保育事業に近いC型の中間の形態です。
職員のうち2分の1以上が保育士であればよいなど、A型よりも配置基準がやや緩やかに設定されています。
ただし、保育士以外の職員には研修が実施されるため、質を保ったまま保育ができるでしょう。
また、少人数ならではのきめ細やかな保育を確保するために、A型と同様認可保育園の配置基準よりも1人多い職員を配置することが定められています。
小規模保育事業C型の特徴
C型は家庭的保育に近い形態として設定されています。
職員は家庭的保育者と定められており、市町村長が行う研修を修了した保育士や、保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認めた保育士以外の人も働くことができます。
また、配置基準は0歳児から2歳児3人に対し職員1人(補助者を置く場合は5:2)という基準になっており、年齢による区分がないという点においてA型やB型と異なります。
ちなみに保育料については、子ども・子育て支援制度にもとづき、保育の必要性の認定区分や保護者の所得に応じて決められ、施設に直接支払われることとなっています。
出典:子ども・子育て支援新制度なるほどBOOK平成28年4月改訂版 保育料について/内閣府
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小規模保育事業で働く保育士のメリット

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小規模保育事業を実施している園で働くうえで、保育士にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
きめ細やかな保育ができる
小規模保育事業は定員が6人~19人と設定されており、保育士も認可保育園より多めに配置されているため、子ども一人ひとりとじっくり向き合うことができるでしょう。
また、家庭的な雰囲気でゆったりと落ち着いた保育ができる環境が整えられているようなので、子どもたちと深く関わり手厚い保育をしたい方にはぴったりかもしれません。
大規模円に比べて行事が少ない傾向にある
預かる子どもの年齢が0歳児~2歳児という低年齢児、かつ施設の規模が小さいところが多いため、行事や大きなイベントが比較的少ない傾向にあるようです。
園にもよりますが、行事前に製作や準備で忙しくなり残業や持ち帰り仕事が発生するといったことも少ないかもしれませんね。
乳児保育を専門的に身につけられる
小規模保育事業には0歳児から2歳児の子どもたちが通っているため、乳児さんの保育を実践的に身につけやすいでしょう。
保育士として、乳児保育を中心に経験を積んでいきたいと考えている方には向いているかもしれません。
C型であれば保育士資格を持っていなくても働ける
小規模保育事業A型やB型で働く場合、基本的に保育士資格や看護師資格などを持っていることが求められるでしょう。
しかし、C型の施設であれば、保育士資格を持っていなくても家庭的保育者として働くことができます。ただし、家庭的保育者として認められるためには、研修を受けて保育士と同等以上の知識や経験を持っていることが必須です。
小規模保育事業で働くうえでの注意点
さまざまなメリットがある反面、小規模保育事業で働くうえでどのような点に注意する必要があるのでしょうか。
園庭や遊具などの設備が整っていないことがある
小規模保育事業はさまざまな場所で展開される事業として位置づけられており、ビルの一室や駅前などに立地していることも多くあります。
そのため、園の敷地自体が狭く、園庭や遊具などの設備が整っていないこともあるようです。外遊びをするときは近くの公園などに行って遊ぶことになるでしょう。
園によって連携施設が定まっていない場合もある
小規模保育事業は、卒園後の子どもたちの受け皿となり、保育内容の支援や協力体制がとれる連携施設を設定することが定められています。
しかし、離島やへき地などで他に保育施設がなく連携施設の設定が難しいと市町村が認める場合は、2015年4月1日から2025年3月31日までの10年間、連携施設の確保をしなくてもよいとされています。
ちなみに、2019年4月1日時点で連携施設が全く決まっていない小規模保育事業施設はA型B型C型あわせて785施設あり、全体の施設数4904施設のうち約16%が設定をしていません。
東京などの都市部では連携施設が決まらない場合、0歳児から5歳児までが入園対象となる特例措置が設けられているようです。
小学校入学まで見届けられない
小規模保育事業の入園対象は原則として0歳児から2歳児です。
3歳からは連携施設へ通うようになるため、子どもたちが大きくなる姿を最後まで見届けることが難しくなるでしょう。
子どもの成長をそばで見守れるのが2歳児までということは、保育士さんにとって寂しさを感じるポイントかもしれませんね。
出典:【連携状況別】家庭的保育事業等(居宅訪問型保育事業を除く)の連携施設設定数(平成31年4月1日時点)/厚生労働省
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