平均台を使った遊びを保育に取り入れてみましょう。1歳児の子どもでも楽しめる簡単なルール遊びやじゃんけんゲームなど、平均台を活用すれば遊びの幅が広がりそうですね。今回は、保育園で平均台を使った遊びをするときのねらいや効果、どんじゃんけんなどの遊びを紹介します。あわせて、遊ぶときの注意点もまとめました。
Yaoinlove/shutterstock.com
■目次
保育で平均台を使った遊びを行うねらい
登ったり渡ったりまたいだりと、工夫次第でいろいろな活動ができる平均台。
そもそも平均台とは、高さがある幅の細い棒の上を、バランスをとりながら立ったり進んだりする運動器具です。
保育に平均台を使った運動遊びを取り入れれば、落ちないようにバランスを保つことで平衡感覚が養われたり、集中力や注意力が鍛えられたりすることが期待できるでしょう。
動物や飛行機になりきるなど、ごっこ遊びを組み合わせれば、より楽しく活動できそうですね。
平均台を使った運動遊びを保育に取り入れることには、次のねらいが考えられます。
- 幅の狭い場所を移動しながらバランス感覚を養う
- 慎重に歩くことで集中力を高める
- 恐怖心を克服して達成感を味わう
平均台の高さに慣れるまでは、恐怖心を抱く子どももいるかもしれません。
最初は、保育士さんが子どもの体を支えたり手をとったりして、「おさえているから大丈夫だよ。」と子どもに伝えて安心感を与えましょう。
子どもが平均台の上で立てたり少しでも進んだりできたら、しっかりと褒めるようにすれば、子どもの自信を育むことにつながりそうです。
高さに慣れてきたら、平均台をジグザグに並べたりボールを用いたりして、ワンパターンにならないような工夫してみるとよいですね。
今回は、平均台を使った運動遊びのアイデアをいくつか紹介します。積極的に保育園での活動に活用してみましょう。
保育で行う平均台を使った運動遊び【1人でチャレンジ編】
子どもが1人で楽しめる平均台遊びを、難易度順にまとめました。
馬
遊び方
1.馬に乗っているような姿勢で平均台にまたがります。
2.慣れてきたら腕で平均台をおさえながらお尻を浮かせて、少しずつ前へ進みます。
ポイント
保育士さんが体を支えながら行えば、1歳児から挑戦できるかもしれません。
平均台の端に、馬の好物とされるニンジンに見立てた玩具などを置いて、ニンジン目掛けて進んでも楽しめそうですね。
飛行機
遊び方
1.平均台の上に足を揃えて立ちます。
2.指先までピンと伸ばすことを意識しながら、両手を横に広げます。
ポイント
最初はなわとびで道を作るなどして、高さがない線の上に立つ練習から始めるようにすれば、1歳児から楽しめるでしょう。
高さに慣れたら、飛行機になりきって平均台の上からビューンと飛び降りてみましょう。
猫
遊び方
1.平均台の上で四つ這いになります。
2.慣れたら、平均台の上を四つ這いでゆっくり進みます。
ポイント
ニャンニャンと猫になりきりながら行ってみましょう。
猫の耳や尻尾をつけると、よりなりきって遊べるかもしれませんね。
カニ
遊び方
1.平均台の上に立ちます。
2.カニになりきり、横歩きをしながら進みます。
ポイント
バランスがうまくとれるようになる、3歳くらいから挑戦してみましょう。
ただし、保育士さんが身体を支えるなどフォローすれば、1歳児くらいから楽しめるかもしれません。
端から端まで進めたら、今度は逆方向にカニ歩きをしましょう。
両手をチョキの手にして行えば、よりカニになりきれそうですね。
行進
遊び方
1.平均台の上に立ちます。
2.その場で足踏みします。
ポイント
複数の子どもが平均台の上に立ち、みんなで息を合わせてできるように練習します。
保育士さんの「1、2、1、2」という掛け声に合わせて、手足を大きく振るように伝えてみましょう。
一本橋
遊び方
1.平均台の上に、ビニールテープでスタートとゴールの印をつけます。
2.平均台の上をスタートからゴールまで歩きます。
ポイント
最初は平均台の上をゆっくりと進み、バランスをとる練習をしましょう。
高さに慣れてきたら、後ろ向きや目をつむって歩くなど変化をつけると、子どもの挑戦心を刺激できるかもしれません。
回転
遊び方
1.平均台の上を端から端まで歩きます。
2.方向転換をして、元の場所まで歩きながら戻ります。
ポイント
平均台の上で方向転換をし、往復で歩く練習をしましょう。
慣れてきたら、平均台の上を早足で進んでみるのもよいですね。
ボールキャッチ
遊び方
1.平均台の上に立ちます。
2.保育士さんが下から投げるボールをキャッチします。
ポイント
保育士さんは近距離からゆっくりとボールを投げ、子どもが無理なくキャッチできるように配慮するのがポイントです。
慣れてきたら、保育士さんが少しずつ離れた場所からボールを投げてみましょう。
最終的には、子どもが2人で平均台の上に立ち、向き合いながらボールを投げ合ってキャッチできるか挑戦すると盛り上がるかもしれませんね。
保育で行う平均台を使った運動遊び【ゲーム対決編】
ziggy_mars/shutterstock.com
チームに分かれて競い合う、平均台を使ったゲーム遊びをまとめました。
どんじゃんけん
遊び方
1.2チームに分かれ、平均台の両端に並びます。
2.チームから1人ずつ平均台の端に立ち、合図があったら同時に中心へ向かって進みます。
3.2人がぶつかった場所でじゃんけんをします。
4.負けた人は平均台から降り、チームの次の子どもが中心へ向かって進みます。
5.(3)と(4)を繰り返し、相手チームの陣地に入ることができたら勝ちです。
ポイント
あらかじめ平均台の両端に、ビニールテープなどで各陣地の目印をつけましょう。
どんじゃんけんの遊び方のルールを理解できるようになる、4歳児頃から楽しめるチーム遊びです。
最初のうちは、平均台の上にまたがって行ってもよいかもしれません。
もしも途中で平均台から落ちてしまった場合は、すぐに味方チームの次の子どもがスタートします。
その間にも相手チームは前に進めるので、できるだけ平均台から落ちないよう慎重に渡ることが勝負の鍵となるでしょう。
何人乗れるかな?
遊び方
1.2チームに分かれます。
2.1チームずつ平均台の上に全員で乗ります。
3.全員が落ちずに何秒間平均台の上に立っていられるかを競うゲームです。
ポイント
平均台を2つ用意すると、2チーム同時に行うことができます。
友だちを絶対に押さないなど、約束事を確認してから遊びましょう。
障害物競争
遊び方
1.2チームに分かれます。
2.障害物の置かれた平均台の上を、スタートからゴールまでリレーしながら進みます。
3.チーム全員がゴールできるまでのタイムを競うゲームです。
ポイント
さまざまな平均台遊びに慣れたら、4歳児からは少し難しい障害物競争に挑戦してみましょう。
あらかじめ平均台の上に、風船やぬいぐるみなどを置いて準備します。
障害物を落とさないように進むなど、ルールを確認してから始めましょう。
平均台を2つつなげて、曲がり角のあるコースを作っても盛り上がるかもしれません。
保育園で平均台を使った運動遊びをするときのポイント
保育に平均台遊びを取り入れる際に気をつける点をまとめました。
徐々に高くする
最初は保育室にビニールテープを貼って線を作り、その上をバランスをとりながら歩いてみましょう。
高さがないので、1歳児の子どもでも平均台に慣れるための練習として取り組めそうです。
その後、牛乳パックで作った手作りの平均台などを用いて、少し高さのある場所に立つ感覚をつかんでみましょう。
少しずつ歩く距離を伸ばしたり、徐々に平均台の高さを上げたりすると、子どもが恐怖心を抱きにくくなるかもしれません。
周りにマットを敷く
平均台は高さがあるので、活動中は子どもから目を離さないようにしましょう。
万が一平均台の上から子どもが落ちてしまっても怪我につながらないよう、あらかじめ周りにマットを敷いておくことが大切です。
友だちと距離をとって遊ぶ
平均台の上では、子どもが不安定な状態で立っているため、子ども同士で押したりひっぱったりすると落下する危険性があります。
活動前には、前の友だちが終わってから乗るようにするなど、約束事を決めておきましょう。
少しずつ遊び方の難易度を上げる
平均台の高さに慣れるまでは、保育士さんが手をつないだ状態で平均台の上を渡るなど、子どもの状況にあわせてフォローしましょう。
また、以下のように徐々に難易度を上げれば、子どもはスムーズに平均台の高さに慣れることができるかもしれません。
1.またがる
2.四つん這いになる
3.上に立つ
4.横歩きをする
5.すり歩きをする
6.歩く
7.後ろ歩きをする
8.ジャンプをする
スタンプカードを作り、技ができる度にご褒美スタンプを押せるなど工夫すれば、子どものできるようになりたいという意欲を高められるかもしれませんね。
保育で使える平均台遊びのレパートリーを増やして楽しもう
今回は、保育で楽しめる平均台を使った運動遊びを紹介しました。
保育士さんが牛乳パックで平均台を手作りしたり、身体を支えるなどサポートしたりしながら行うようにすれば、1歳児から楽しめるでしょう。
4歳児以降では、チームに分かれて競うゲーム遊びなど発展した遊びにもチャレンジできそうです。
平均台は、子どものバランス感覚や体幹を鍛えることにつながるかもしれません。
また、平均台の幅や高さを意識しながら遊ぶことで、集中力や注意力を高めるなど、あらゆる効果を期待できそうです。
保育に平均台遊びを導入し、さまざまな運動を通して子どものチャレンジする気持ちを高められるとよいですね。