保育園や幼稚園の先生の中には、お別れ会の指導案を作成する方もいるかもしれません。全園児合同で開催する園も多く、ねらいや環境構成、予想される子どもの姿などを詳しく記入する必要があるでしょう。今回は、お別れ会の指導案の流れや例文を解説します。年齢別のポイントや言葉かけの具体例もまとめました。
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お別れ会の概要とねらい
お別れ会とは、小学校進学へのお祝いの気持ちを込めて卒園児を送り出す行事です。卒園式が近づく2月〜3月頃に開催し、全園児をホールや体育室などに集めて行う園も多いことでしょう。
お別れ会を開催するねらいを、在園児と卒園児に分けて紹介します。
<在園児>
- 卒園児にお世話になったお礼の気持ちを伝える
- 卒園児との思い出を振り返る
- 成長を感じ、進級への期待を抱く
<卒園児>
- 在園児や先生、友だちに感謝の気持ちを表す
- 園生活を振り返り、進学への期待を膨らませる
- 卒園するよろこびを友だちと分かち合う
保育園や幼稚園のお別れ会は、異年齢交流の場として卒園児と在園児が感謝の気持ちを伝えあうとともに、子ども自身が成長を実感する機会になります。
具体的な内容としては、歌や合奏などを発表したり、ゲームを行ったりと子どもたちが楽しめるプログラムを計画することでしょう。
先生の中にはお別れ会の流れを考え、指導案を担当する方もいるかもしれません。卒園児を見送る気持ちを大切にしながら、ねらいや環境構成・援助方法などを詳しく記入し、行事に向けて準備していきましょう。
お別れ会の流れ
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ここでは、全園児が集合して開催するお別れ会の流れの一例を紹介します。
1.始まりの言葉
2.ゲーム
3.先生の出し物
4.在園児から歌のプレゼント
5.卒園児から合奏のプレゼント
6.園長先生からの言葉(終わりの言葉)
お別れ会が思い出に残る会となるよう、流れやプログラムを考えていきましょう。
保育園で開催する場合は、0歳児〜5歳児と幅広い年齢の子が楽しめるゲームや出し物を用意することが大切になります。乳児クラスの生活リズムなども考慮して行事の時間を調整しつつ、計画を立てていきましょう。
また、幼稚園では園の特色を活かしてリトミックや英語劇などを披露する場合があるかもしれません。園生活を振り返るスライドショーなども用意すると盛り上がりそうですね。
お別れ会の指導案の実例
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実際に、保育園や幼稚園でお別れ会を開催する場合の指導案の実例を紹介します。
全園児が参加することを考慮して、ねらいや環境構成、予想される子どもの姿などを記入していきましょう。先生の配慮や援助を記載する際は、お別れ会が盛り上がるような言葉かけを意識して記載するとよさそうです。
司会進行の際は在園児・卒園児がお別れ会に集中できるよう、静かに参加することや姿勢を整えることを伝えましょう。
特にゲームの後は楽しい雰囲気となるため、友だちと話したり、身体を動かしたりとなかなか次のプログラムに集中できない子もいるでしょう。子どもたちが興味をひくプログラムを用意して、切り替えができるように工夫するとよさそうです。
【年齢別】お別れ会の指導案作成時のポイント
ここでは、年齢別にお別れ会の指導案の作成のポイントを紹介します。
0歳児~1歳児
0歳児~1歳児クラスでは、お別れ会の途中に人見知りをして泣き出したり、身体を動かしたりと、集中して参加することが難しい場面も多いでしょう。
指導案には「人がいっぱいいてびっくりしちゃったね」「大丈夫だよ。手をパチパチしてお祝いしようね」など、子どもの気持ちに寄り添った言葉かけを記入するとよさそうです。
また、職員同士でそれぞれの子どもの担当者を決めておき、おむつ替えやミルクなどの対応ができるように準備することも大切です。事前にマットや敷物を用意するなど、環境構成を整えられるとよいですね。
2歳児~4歳児
2歳児〜4歳児クラスでは、各クラスでお別れ会がどのような意味を持つのか話しておくと、会に集中して参加することができそうです。
指導案では「先生の話を聞く」「友だちとの話に夢中にならない」など約束事のポイントをまとめておくとよいかもしれません。
また、各クラスが歌や劇の出し物を発表する園もあるようです。その場合は、卒園児への感謝の気持ちを込めて発表できるよう、言葉かけの内容を詳しく記入しておくとよいですね。
5歳児
卒園する5歳児クラスでは、お別れ会に参加する前に思い出を振り返る時間を設けるとよいかもしれません。指導案には、「在園児との思い出を季節ごとに発表し合う」など具体的な内容を書きましょう。
また、お別れ会終了後は感想を伝え合う時間を設け、在園児に手紙やメッセージカードを作成する時間を設ければ、より感謝の気持ちを伝える大切さを感じることができそうです。ひらがなを書く練習にもなり、進学を意識した活動になるでしょう。
お別れ会の指導案を作成して卒園児を見送ろう
卒園児の担当クラスの先生は、卒園式の準備や保育所児童保育要録の記入などで、多忙になることが予想されます。
先生方一人ひとりの業務量なども考慮したうえで、指導案作成や会場設営などの役割分担を行い、スムーズにお別れ会が進むように計画することが大切でしょう。
指導案作成時はプログラムの順番や言葉かけの内容について迷うこともあるかもしれません。周りの先生に相談したり、過去のお別れ会の文例を参考にしたりするとよさそうです。
子どもたちの成長を祝い、楽しいお別れ会となるように準備できるとよいですね。
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