保育園で子どもが笑顔になるシアター遊びを行いましょう。紙皿や紙コップなどの身近な素材で手作りしたり、ハンカチやタオルを活用したりして楽しく演じられるとよいですね。今回は、保育に使えるシアター遊びを10種類紹介しながら、それぞれの特徴や演じ方のポイントをまとめました。あわせて保育に導入するねらいもお伝えします。
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■目次
保育で行うシアター遊びの概要
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シアター遊びとは、さまざまな素材を活用して繰り広げられる劇遊びです。
保育の場面では、子どもの注目を惹きつける際や、活動の導入などに使われます。
保育園でできるシアター遊びには、手袋やハンカチを使ってコンパクトに行えるものや、段ボールで手作りした大がかりなものなど、あらゆる大きさや種類のものがあります。
オリジナルのシアターを手作りし、日常保育の隙間時間や、誕生日会・クリスマス会などのイベントの際に活用するなど、用途に合わせて取り入れるとよいですね。
保育でシアター遊びをするねらい
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子どもが視覚的にストーリー展開を想像しやすい、シアター遊び。
保育士さんが演じ方を工夫したり、楽しい仕掛けを盛り込んだりすることで、より子どもにストーリーが伝わりやすくなるでしょう。
保育園でシアター遊びを導入するねらいとして、以下が挙げられます。
- 昔話など物語のあらすじを知る
- 歌を歌ったりクイズに答えたりすることを楽しむ
- 季節の行事や文化などに興味を持つ
- 基本的な生活習慣を身につけるきっかけを作る
シアター遊びを通して、子どもに絵本や昔話、歌の歌詞、行事の意味や保育園での約束ごとなど、ジャンルを問わず伝えることができるでしょう。
また、シアターを手作りして自己紹介すれば、子どもたちの興味を惹きつけられるかもしれませんね。
次より、10種類のシアター遊びを紹介し、それぞれの特徴や演じるポイントを解説します。
1.保育に使えるシアター:スケッチブック
シアターの特徴
スケッチブックシアターとは、スケッチブックにクレヨンや色鉛筆、マジックなどで絵をかき、ページをめくりながらストーリーを展開させる遊びです。
コンパクトなので隙間時間に導入したり、戸外へ持ち出して外遊びの際に使ったりと、気軽に活用できるでしょう。
演じるポイント
片手で持てる大きさのスケッチブックシアターであれば、保育士さん1人でできます。
飛び出す仕掛けなどを盛り込んだときは、演じる声の大きさにメリハリをつけると子どもがあっと驚くかもしれません。
また、スケッチブックに大きな穴をあけて、保育士さんが中から顔をのぞかせれば、子どもがよろこびそうですね。
2.保育に使えるシアター:手袋
シアターの特徴
手袋シアターとは、指を人形に見立てるなどして、手袋を舞台として物語が繰り広げられる遊びです。
指が5本であることを活かし、例えば5番まである歌の歌詞を題材にすれば、演出がスムーズでしょう。
布製のため製作には時間を要するかもしれませんが、洗濯可能なのでいつも清潔に扱うことができます。
また、やぶけたり割れたりしにくいため、繰り返し長く遊べるのもメリットでしょう。
演じるポイント
保育士さんが手袋をはめて指を動かし、歌ったり演じたりしながら子どもの興味を惹きつけましょう。
手の平サイズの大きさなので、少人数保育の際に取り入れてみてくださいね。
3.保育に使えるシアター:ペープサート
シアターの特徴
ペープサートシアターは、紙人形を使って演じる劇遊びです。
紙の表と裏に異なる絵をえがいて持ち手をつければできあがるので、手軽に用意できるのも魅力でしょう。
演じるポイント
持ち手をクルっと回転させ、絵が変化することを楽しみながら演出してみましょう。
紙の形を工夫し、シルエットクイズにしても盛り上がりそうです。
年長児クラスでは、子どもといっしょにペープサートシアターを手作りしてもよいですね。
4.保育に使えるシアター:紙コップ
シアターの特徴
身近な素材である紙コップを使って演じる遊びです。
紙コップにテーマに沿った絵をえがき、複数の紙コップを重ねたり、高く積み上げたりすることで話を展開させることができます。
演じるポイント
例えば、切込みを入れた紙コップを重ねてクルクルまわせば、絵が動いているように見せることができます。
また、紹介している動画を参考に紙コップの底を切り抜き、ライトを当てて暗闇に映像を映し出すのもよいでしょう。
お昼寝前に部屋を暗くした際や、お泊まり保育の夜のイベント時にも活躍しそうですね。
5.保育に使えるシアター:紙皿
シアターの特徴
身近な素材である紙皿を使って演じる遊びです。
紙皿の丸い形を活かし、クルクルと回転させて絵が変化する様子を楽しみます。
演じるポイント
紙皿に切り込みを入れて2枚重ねれば、絵がクルクルと変わるような仕掛けを作ることもできます。
例えば、紙皿シアターを使って朝から夜へと場面が変わるような演出をすると、子どもが一日の流れを視覚的に理解しやすくなるでしょう。
また、徐々にイラストが見えるような仕掛けにして、何の絵なのか当てっこ遊びをしたり、紙皿を顔に見立てて表情を変化させたりと、ネタを工夫することで楽しみ方が広がりそうですね。
6.保育に使えるシアター:エプロン
シアターの特徴
エプロンのシアターとは、保育士さんが身につけているエプロンを舞台として劇を演じる遊びです。
エプロンのポケットに人形を忍ばせたり、マジックテープで人形をエプロンにくっつけたりして、物語を展開させます。
演じるポイント
保育士さんのエプロンが舞台なので、基本的に子どもと対面しながら進めます。
そのため、子どもと対話を楽しみながら進行すると、よりシアターに集中できるかもしれません。
7.保育に使えるシアター:パネル
シアターの特徴
パネルにくっつく特殊な素材の布に絵をえがき、パネルを舞台に物語を展開させる遊びです。
パネル上で、絵を貼ったり外したり裏返したりして演出します。
演じるポイント
大きな絵のなかから小さな絵を登場させるなど、子どもがびっくりするような仕掛けを作るとより楽しめるでしょう。
使うモチーフが多い場合は、複数の保育士さんで絵を動かす係と台詞を話す係を分担するとスムーズに進行できそうです。
8.保育に使えるシアター:タオル&ハンカチ
シアターの特徴
タオルやハンカチなどあらゆる布を使って、劇遊びを展開します。
大きさや色の異なる布を用意すると、見立てられるものの幅が広がるでしょう。
演じるポイント
動画を参考に動物などを作り、ストーリーを展開させましょう。
目の前で製作する様子を見せながら、1枚の布が何の形に仕上がるのか当てるゲームをするのも楽しいかもしれません。
9.保育に使えるシアター:色水
シアターの特徴
ペットボトルなどに入れた色水と、モチーフの型を切り抜いた画用紙を用いて、色に親しみながら物語を展開させる遊びです。
型を切り抜いた画用紙を筒状にして色水の入ったペットボトルにかぶせれば、水の色をそのモチーフの色として表現できます。
水の色を変えるたびに、モチーフの色が変化する様子を楽しめるのが特徴です。
演じるポイント
カラフルな色合いの絵本を題材にして、色水の入ったペットボトルをさまざまなモチーフに見立てたり、色水を透明なコップに移したりしながら、ストーリーを進めてみましょう。
色水を混ぜて色が変化する様子を楽しめば、子どもが色に興味をもつきっかけになるかもしれません。
10.保育に使えるシアター:ダンボール
シアターの特徴
ダンボールに絵をかき、大きな家や実際に乗れる汽車などに見立てて物語を展開させるシアター遊びです。
子どもが保育士さんといっしょに共同製作を楽しみながら、シアター遊びの準備をしてもよいですね。
演じるポイント
ダンボールで手作りした道具や背景を舞台に、保育士さんがセリフを話しながら身体全体を使って演じてみましょう。
子どももいっしょにダンボールの汽車に乗るなど、参加型にしてもおもしろそうです。
このように、シアター遊びは使う素材によりさまざまな演出ができます。
なお、子どもの前で披露する前に、練習する時間を設けてストーリー展開などを把握しておきましょう。
可能であればあらかじめセリフを頭に入れておくと、子どもとの対話を楽しみながらアドリブなどにも対応できそうです。
また、ペープサートやパネルなどのシアターを行う場合は舞台装置を用意すると、子どもがより集中して楽しめるかもしれませんね。
保育園の行事に、子どもが夢中になるシアター遊びを取り入れてみよう
今回は、保育に使えるシアター遊びを10種類紹介しました。
紙コップや紙皿など身近な素材で手作りできたり、保育士さんがいつも身につけるエプロンを舞台にしたりと、保育園で楽しめるシアター遊びにはさまざまなものがあるようです。
日常保育の隙間時間のほか、誕生会やクリスマスなどの行事の際も、シアター遊びを導入してみましょう。
例えば行事にまつわる問題を交えたクイズ形式にすると、子どもが行事に親しむことができそうです。
いろいろな種類のシアター遊びを保育に取り入れて、子どもの驚く様子や笑顔がたくさん見られるとよいですね。
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