保育士の退職交渉が難航したときの対処法。引き止め・内定取り消しを防ぐ完全ガイド

保育士さんの退職交渉が難航するのは、人材不足や業務上の問題などを理由とした園側の強い引き止めが原因であることが多いようです。せっかく転職先が決まっていても、そのせいで内定取り消しという事態も…。今回は、退職交渉が難航する理由と対策、保育士さんがスムーズに退職交渉できる方法や内定取り消しにならないためのポイントを紹介します。

この記事でわかること
  • 保育士不足が深刻な保育園では欠員は死活問題。退職の引き止めに遭いやすい傾向が ▼詳細
  • 退職交渉の難航で入職日に間に合わなくても、就業の意思があれば内定取り消しは法的に認められない ▼詳細
  • 引き止めにはビジネスライクに対応!解決しない場合は転職エージェントにも相談できる ▼詳細

保育士さんの退職交渉が難航する3つの引き止め理由

保育士さんの退職交渉が難航する原因は、勤務先や上長から強い引き止めにあっていることが挙げられるでしょう。

ここでは、退職希望者を引き止めてしまう側の理由について考えましょう。

人材不足

近年、保育士不足が深刻化しており、多くの園が人材確保に苦労しています。そのため、シフトや人員配置をギリギリの人数で回している園は少なくありません。

保育園は園児の人数に対して保育士の人員配置が決まっています。保育士が規定人数配置できなければ、園児を受け入れられないだけでなく、国からの助成金対象から外れる可能性もあります。

長く働いている・保育士としての力量がある保育士さんを園が手放したくないのはもちろんですが、単純に保育士人数の確保は保育園にとって死活問題と言えるようです。

業務量増加によるさらなる退職を防ぐため

保育士さんは、長時間労働や業務量の多さ、それに見合わない賃金、また職場内だけでなく園児や保護者などさまざまな人間関係でのトラブルなど、多くの問題に悩んでいる方がいます。

これらの問題が深刻化すると、退職や転職を考える保育士さんも少なくありません。

しかし、これらの問題は、ほとんどが園として解決するべき問題でしょう。

保育士さんが業務上の悩みが原因で退職するのであれば、それらの深刻な問題に職場が対応できていない可能性が高いと言えます。

そのため、一人が退職することで業務量などの改善すべき問題を残ったスタッフにそのまま負担させることになってしまいがちです。

それによりさらなる退職者を招いてしまう事態は、園としてはできる限り避けたいでしょう。

業務の属人化によるサービス低下の懸念

園によっては「この仕事はこの保育士さんにしかできない」といった業務があるのではないでしょうか。これを「業務の属人化」と言います。

たとえば、特定の保護者や問題を抱える子への対応をコミュニケーションが得意な保育士さんだけに担当させていたり、壁面装飾や園内の安全確認など特定の業務をよく気がつく保育士さんに任せっきりにしていたりといったことはないでしょうか。

そのようなケースでは、業務ノウハウを持った保育士さんが退職すると、ほかのスタッフでは同じクオリティが保てないといったケースに陥ることがあるでしょう。

必要な業務なのにマニュアルがなかったり、同じ資格を持っている保育士間にも属人的な業務が多かったりするのは、その保育士さんのせいではなく、園の業務管理上の問題と言えます。

このような場合は、スタッフの離職によって保育の質や運営に影響が生じることが、退職交渉の難航につながる引き止めの大きな理由になるでしょう。LINEで相談OK!保育士バンク!に無料相談する

内定取り消しも?退職交渉の難航によるトラブル4ケース

エプロン姿で悩む保育士kimi / stock.adobe.com

退職交渉が難航することによって起こりうる問題と、トラブルを防ぐ対応について考えます。

転職先の内定取り消し

すでに転職先が決まっている場合は、入職日も決まっているはずでしょう。

退職交渉が難航することで退職予定日がずれれば、入職日までに退職できなくなり内定取り消しになるのでは、と考えてしまう方がいるかもしれません。

しかし、内定取り消しには法的事由が必要とされるため「入職の意思があるが都合のため間に合わない」を理由とした内定取り消しは、法的には認められないようです。

ただし、内定時に契約した日に退職が完了しなければ実質入職できないため、こちらから内定辞退する事態になってしまうことも。

そうならないためには、内定時もしくは選考時に「退職交渉が難航する可能性がある」ことを転職先に伝えておく対策が必要でしょう。

退職交渉が難航した場合に入職日を改めて相談できるかを事前に確認しておくことで、いざという際に柔軟な対応をとってくれる可能性が高まるかもしれません。内定取り消しになる前に退職交渉の進め方も相談できる

退職日までの関係悪化

退職交渉が難航しても、勤務者の退職の自由は民法で定められています。どれだけ職場が引き止めようと、法的には、退職の意思を伝えてから2週間後には退職することが可能なのです。

しっかりと退職の意思が固まっているのであれば、上長や経営側が退職を阻止することはできません。

しかし、交渉が難航したままでいると、退職の意思を伝えてから退職日までの間に気まずい思いをしたり、上長や周りの態度が一変して働きづらくなったりするケースも考えられます。

これは職場や上長のモラルの問題のため防ぐことは難しいと言えます。

しかし考え方として、退職交渉の難航や引き止めを断ったためにハラスメントを受けるようであれば、この職場の要求を聞き入れる必要はないと、職場の価値を判断することができます。

最終日まで自信を持って淡々と引き継ぎや退職の挨拶を進めましょう。

民法627条

退職を拒否されても辞めることはできます!

退職の自由は民法627条により保障されており、退職の意思を伝えてから最短2週間で退職が成立します。

職場が引き止めに法的効力はないため「〇月〇日付けで退職します」と告げれば、その日をもって退職しても法的に問題はありません。

必要書類発行・有給休暇取得が認められない

上記で想定した退職交渉の難航を発端としたハラスメントの一環として、退職に向けての必要な手続きや有休休暇の取得を認めないとしてくる職場があるかもしれません。

退職後に必要となるものには、失業手当を受給するためにハローワークが発行する「離職票」や、転職先が認可保育園の場合は自治体からの助成金の関係で提出を求められる「在職証明書」などがあります。

「離職票」は、職場がハローワークの要請に応じて必要書類を提出する法的義務があるので問題ありませんが、「在職証明書」は退職時に自分で発行を依頼する必要があります。

退職交渉が難航することで発行依頼がしづらい場合は、職場に対して内容証明郵便などで依頼書を送るなどの対応をする必要があるかもしれません。

また、最終出勤日までに有給休暇の消化を希望した場合に勤務先が拒否をするのは、労働基準法第39条の違反にあたります。

「うちの社内規定では禁止している」「後任が決まっていないので認められない」など雇用する側が取得を拒否するのは違法ですので、臆せず有休休暇を消化しましょう。

有休休暇を取得した分の給与が支払われない場合は、自治体の労働基準監督署に相談できます。

簡単1分登録!転職相談
保育士・幼稚園教諭・看護師・調理師など
保育関連の転職のご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!

退職交渉が難航したときの対処法4選

退職交渉を難航させないために事前にできることや、引き止められた際の心構えを見ていきましょう。

退職タイミングをはかる

保育士さんの仕事はクラス担任を受け持つことや、入園・卒園・進級、行事といった業務量が増えるタイミングが年間を通して生じるのが特徴です。

そのため、退職しづらいタイミングを考慮する必要があるのが現状と言えるでしょう。

しかし反対に考えれば、年間のスケジュールがある程度決まっていることは退職に適した時期を見極めやすいと言えます。

年度が変わる3月末での退職など、保育園の業務やスケジュールに影響が少ないタイミングをはかることで、退職交渉の難航を防ぐことにつながるかもしれません。

就業規定を事前に確認する

退職を決める際には、まず現在の職場に入職した際に配布された「就業規定」を確認しましょう。

入職初日や内定から入職日までの間に書面でもらうことが主ですが、メールなどで受け取る職場もあるかもしれません。

就業規定には退職に関する項目が記載されていますが、「退職の通知までの期間」が規定されている場合があります。

法的には通知から2週間で退職は完了できますが、就業規則に「退職の1カ月前までに通知すること」のように指定がある場合は、基本的には就業規定に準じることで退職交渉の難航を防ぎやすいでしょう。

しかし、あくまでも法的には「2週間前の通知」であるため、就業規則を理由に希望の退職日を職場側が拒否することはできません。

感情的にならない

退職の意思を伝えたにもかかわらず園側から強く引き止められ断りづらい場合は、冷静に対応することが重要です。感情的にならず、ビジネスライクに断ることを心がけましょう。

「感情的になる」とは、怒る・泣く・委縮するなどのほかに、相手が引き止めの方法として感情に訴えてきた時に、それに流されてしまうことも含まれます。

引き止めの材料として、こちらの落ち度を責めてくるパターンや、「ほかの職員や子どもたちに迷惑がかかる」「ここで諦めるならどこへ行っても通用しない」など否定的な言葉をかけてくる場合は、感情に引きずられがちですので、流されないよう自分の意思をしっかり持ちましょう。

ほかに引き止めの手段として、待遇・給与などこちらが不満だった要素の見直しを提示する、退職日について交渉してくるパターンもあるようです。

以下で具体例と返答パターンについてみていきましょう。

例①「子どもたち(もしくは同僚)が困る」と感情に訴えてくる

感情面への共感を求めて、退職を思いとどまらせようとするパターンです。

NG返答 「そうですよね…もう少し考えます」

OK返答 「状況は理解しますが、意思は変わりません。引き継ぎには誠実に対応します」

例② 給与・待遇改善を提示してくる

不満の原因を解消する提案で、退職を思いとどまらせようとするパターンです。

NG返答 その場で即答して断るか、曖昧に保留してしまう

OK返答 「すでに意思決定しておりますのでお受けできません」

例③「後任が決まるまで待ってほしい」と先延ばしを求める

人員確保を理由に、退職日をずらそうとするパターンです。

NG返答 「わかりました」と答えて、退職日を曖昧なままにする

OK返答「では、○月○日付で退職できるようご手配をお願いいたします」

常識的な交渉内容については謙虚に聞いたうえで、問題ないと冷静に判断できれば受け入れてもよいかもしれません。

あらかじめ転職エージェントに相談しておく

退職交渉が難航しそうだと感じたら、転職活動と並行して転職エージェントへの相談を早めに始めておくことをおすすめします。

転職エージェントは求人紹介だけでなく、退職交渉のスケジュールや進め方についても相談に乗ってもらえます

「引き止めが強くて退職日が決まらない」「内定先への入職日をずらしてもらえるか確認したい」といった状況でも、エージェントを通じて転職先との調整を図れるケースがあります。

難航してからあわてて動くより、あらかじめエージェントとつながっておくことで、退職から入職までの流れを安心して進めやすくなるでしょう。退職交渉が難航しそう転職と退職の進め方を
まとめて相談する

保育士バンク!の新着求人

お住まいの地域を選択して、最新の求人情報をチェック!

の検索結果は0件でした。
データの取得に失敗しました。しばらく経ってからお試しください。

選択済みの市区町村

    退職交渉が難航しそうな保育士さんからのよくある質問

    事務作業をする若い幼稚園教諭maroke / stock.adobe.com

    退職交渉が難航して悩んでいる保育士さんの疑問や不安に答えます

    Q. 園長に「辞めさせない」と言われた。本当に辞められないの?

    A. 辞めることは法的に可能です。

    民法627条の規定により、退職の意思を伝えてから2週間が経過すれば退職は成立します。雇用者が「認めない」と言っても、それで退職を阻止する法的根拠はありません。就業規則に定められていても、退職そのものを拒否する根拠にはならないと解釈されています。

    Q. 退職交渉が長引いて、内定先の入職日に間に合わないかもしれない。内定は取り消される?

    A. 「退職手続きの遅れで間に合わない」という理由だけでは、転職先が内定を法的に取り消すことは原則できません。

    ただし、入職日当日に出勤できなければ実質的に自己都合の辞退となるリスクがあります。最も有効な対策は、選考中または内定時点で「退職交渉が長引く可能性がある」と転職先に伝え、入職日の調整が可能かを事前に確認しておくことです。

    Q. 「退職前に有給休暇を消化させない」と言われた。従う必要がある?

    A. 従う必要はありません。

    退職前であっても取得を拒否することは法律違反にあたります。「社内規定で禁止している」「後任が決まっていない」といった理由も、法的な拒否理由として認められていません。有給分の給与が支払われない場合は、園の管轄地域の労働基準監督署に相談することができます。

    Q. 在職中に転職サービスを使うと、今の園にバレてしまう?

    A. バレません。

    本人の許可なく、勤務先に情報が共有されることは一切ありません。保育士バンク!では在職中であることを事前にお伝えいただければ、連絡のタイミングや手段(電話・LINE・メールなど)を細かく調整した対応をしています。LINEで相談OK!保育士バンク!に無料相談する

    Q. 転職するかどうかは相談してから決めてもいい?

    A. 「相談しておいて、いい求人があれば考えてみる」でもOK!

    「他の園の条件を知りたいだけ」「本当に辞めていいのか迷っている」という段階からの相談が実際に多く寄せられています。保育士バンク!では情報収集目的のご相談を歓迎しており、転職へ誘導するようなことはしていません。まずは「今の状況を話してみる」くらいの気持ちで大丈夫です。

    Q. 保育士バンク!に相談したら、しつこく連絡が来ない?

    A. 希望の連絡方法や時間帯をお伝えいただければ、それに合わせた対応になります。

    「まずは情報収集だけ」とお伝えいただければ、必要以上の連絡はしていません。日々忙しい保育士さんの生活リズムに配慮した対応を心がけているため、「電話は苦手なのでLINEで」「夕方以降にしてほしい」といったご要望にも対応しています。

    安心して次の職場を見つけたい非公開求人から転職先
    を紹介してもらう

    読んでおきたいおすすめ記事

    退職交渉を難航させないためのポイントを押さえよう

    慢性的な人手不足に陥っている園が多い中、保育士さんの退職交渉はどうしても難航しやすいようです。仕方ないとあきらめず、内定取り消しといった事態はなるべく避けたいものですね。

    事前の準備と少しの心がけでスムーズな退職交渉を進めることも困難ではありません。引き止めの理由や想定されるトラブルを把握しながら、新しい職場への転職につなげましょう。

    保育士バンク!は、保育士さんの転職に特化した求人サービスです。

    豊富な求人の中から、あなたのご希望に合う仕事の紹介や転職に向けたアドバイスをさせていただきますもちろん完全無料です!

    いま転職したいと悩んでいる保育士さんも、なんとなくいつかは…と思っている保育士さんも、まずは情報収集から始めてみませんか?

    保育士バンク!まで、お気軽にお問い合わせください。退職交渉が面倒…求人探しから退職まで
    まるっと相談!

    \ 公的基準&現場の声でチェック /

    【無料】あなたの「隠れ我慢」度を
    チェックしてみましょう
    (今の職場環境は適正?過負荷?)

    ▼ タップでチェックシートを開く

    保育士バンク!の新着求人

    お住まいの地域を選択して、最新の求人情報をチェック!

    の検索結果は0件でした。
    データの取得に失敗しました。しばらく経ってからお試しください。

    選択済みの市区町村

      保育士さんに人気の勤務先

      あなたへのおすすめ記事

      特集コラム一覧

      本記事の内容は、記事作成日時点の資料等を基に可能な限り正確な情報を掲載するよう努めております。
      しかしながら時間の経過等により情報が古くなったりすることもあり、必ずしもその内容の正確性および完全性を保証するものではございません。

      また、記事の内容はひとつの見解を示すものであり、皆様が思考を更に深める材料としてご活用いただくことを目的としております。
      実際には多様な見解があり、必ずしも唯一絶対の真理を示すものではありません。これらの点につき、本記事の内容を参考にしていただく際は念のためご留意ください。

      プロ厳選!プレミアム求人

      保育士求人を探す

      コラム記事を探す

      よくある質問

      アプリで簡単!サクサク入力♪履歴書作成なら保育士バンク!