「退職を決意したけど、どのように伝えればいいの?」そんな悩みを抱えている保育士さんもいるのではないでしょうか。そんな時は、「意向調査」で退職の意思を伝えてみませんか?日々の業務で忙しい保育士さんにとって、意向調査は上司とじっくり話ができる貴重な機会です。今回の記事を読んで、しっかり準備と心構えをした上で、退職の話を進められるようにしましょう!
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■目次
保育士さんの意向調査、どのような内容?
保育園では、意向調査を取り入れているところも多くあるのではないでしょうか。
そもそも意向調査とは、主任や園長などの上司と、保育士さんなどの保育園職員が1対1で話をする個人面談のようなものです。
保育園によって面談の内容は異なりますが、例として以下の話をする場合が多いでしょう。
現状について
現在の仕事に対しての評価や今後の目標などを話します。
また、人間関係や業務の悩み事など、働く上での悩みを相談することもあるでしょう。
「上司に話すのは少し勇気がいる」そんな思いで相談をためらう保育士さんもいるかもしれません。
しかし、意向調査は「普段はなかなか話せない」そんな話題を話し合える場です。
貴重な機会のため、普段はなかなか話せないことを信頼できる上司に相談してみるのもよいですね。
来年度の進退
来年度も保育園で働く意思があるかの確認をされる場合もあります。
退職の話題は、普段の業務中には切り出しづらい保育士さんもいるのではないでしょうか。
退職を決意した場合は、意向調査で伝えることが適切なタイミングといえるでしょう。
来年度の希望事項
もし、来年度も勤務を継続する場合は、希望のクラス配置などを問われることもあります。
「同じクラスを持ち上がりたい」「違うクラスで経験を積みたい」などそれぞれ希望を持つ保育士さんもいるのではないでしょうか。
自身の保育士キャリアを構築する上で大切な選択を、この機会に伝えてみるものよいですね。
保育士さんの意向調査が行われるタイミングや形式
「今、勤めている保育園で意向調査は行われるのかな…」と不安に思う方もいるかもしれません。
その場合は、時期を見て意向調査の有無を伺ってみるのもよいですね。
保育園によって異なりますが、意向調査はどのようなタイミングで行われるのかを紹介します。
意向調査のタイミング:10月頃から始まる
意向調査は秋頃から順次始める保育園が多いでしょう。
そこで出た意見をふまえて、来年度の担任や評価を検討する保育園も多くあります。
年度いっぱいでの退職を検討されている保育士さんは、退職意思をここで伝えると来年度の構成に影響が少なく、上司の理解も得られやすいかもしれません。
また、1年に1回なのか、半年に1回なのか、実施回数は保育園によって異なります。
意向調査の形式:午睡中などに個別で時間を設ける
毎日忙しく業務にあたる保育士さん。なかなか時間を作るのは難しいかもしれませんが、意向調査は来年度の構成にもかかわってきます。
そのため、上司としてもしっかり話をする必要があり、1対1で話ができるような時間や環境を整えて行われるでしょう。
園によっては子どもの午睡中などに順次行う場合があるようです。
保育士さんが意向調査で退職を伝えるメリット
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退職はデリケートな話題のため公の場では話しづらく、上司や保育士さんが忙しくてじっくり話ができない、という問題もあるのではないでしょうか。
だからこそ、意向調査で退職を伝えることは、保育士さんにとって大きなメリットがあります。
意向調査で退職を伝えるとよい理由を紹介します。
上司から進退について問われるため退職を切り出しやすい
退職を自分から伝えることは、少し気まずかったり、勇気がいったりして葛藤する保育士さんもいるのではないでしょうか。
意向調査では、上司の方から進退の確認をしてくれる場合があるので、それに答える形となり、言い出しやすいですね。
上司と個人的な話ができる
日中は保育に入り、子どもが午睡中は連絡帳や製作物に取りかかり、保育が終われば書類の記入、など日々忙しい保育士さん。
主任や園長などの上司にあたる人たちも、事務仕事や保護者対応などでなんだか忙しそう、と思ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、意向調査は保育園の運営にかかわる大切な聞き取りが含まれることがあるため、しっかり時間を作って行う場合が多いでしょう。
他の先生に勘ぐられない
「上司と込みあった話をしているところを他の職員に見られたくない」「退職を悟られたくない」などの心配を抱く保育士さんもいるのではないでしょうか。
意向調査は、保育園で働く職員全員に行われる場合が多く、そのように勘ぐられる心配もありませんね。
この機会に、普段相談できないような悩みを打ち明けてみてもよいでしょう。
保育士さんが意向調査で退職を伝えるデメリット
これまでは、「意向調査は退職を伝える貴重な時間」だという内容を紹介してきました。
しかし、意向調査で退職を伝えるデメリットもあります。
保育士さんの事情によって異なるため、参考にしてみてください。
退職時期によっては「伝えるのが遅い」と言われることもある
10月頃に意向調査が行われる場合、年度末の退職なら問題ないでしょう。
しかし、年度途中の退職を希望している場合、引継ぎなどもあるため意向調査を待っていたら遅いと言われる可能性があります。
一般的に、退職日の1カ月前などできる限り早めに伝える方がよいとされているので、退職を決意したらできる限り早めに伝えられるとよいですね。
時間に限りがある
職員全員に時間を設けられるため、一人ひとりの話し合いの時間には限りがある場合があります。
また、退職を申し出た場合、話し合いが長引くこともあるため、「話し足りなかった」「結論が出ず、意向調査の持ち時間が終わってしまった」ということもあるかもしれません。
その場合、改めて時間を作ってもらえるようにしましょう。
保育士さんが意向調査で退職意思を伝えるには?
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保育士さんの退職は、上司にとってもショックな出来事の一つです。
しかし、保育士さんの姿勢によって相手の捉え方は変わり、前向きに受け入れてくれる場合もあります。
せっかく勇気を出して退職を伝えるならば、円満に話を進めていきたいですね。
そのために大切なことを紹介します。
誠実な対応をする
保育園で働く中で、不満に思うこともあるかもしれません。
しかし、不満を言われた上司は気持ちよくはないですし、言い方によっては嫌な気分にさせてしまいます。
また、解決策を提案されて退職を引き止められたり保留にされたりするきっかけになることもあるでしょう。
不満に思うことを伝えたいのならば、相談という形で話し、愚痴にならないように気をつけて伝えるとよいですね。
強い意思を伝える
もし、退職を決意したのならばしっかりと強い意思を伝えましょう。
もし、人間関係や給料などの悩み事が退職理由の場合、上司からの提案に納得して退職を取り下げる場合もあるかもしれません。
しかし、その気持ちがない場合はきちんと自身の意思を伝えましょう。
前向きな理由を伝える
悩み事があり退職する場合は、その内容を相談するのもよいでしょう。
その際、前向きな退職理由の方が受け入れてもらいやすい場合があります。
「自身のキャリアアップのため」「新しい働き方に挑戦したい」など、自身の将来を考えた決断だと伝えると、上司も応援してくれそうですね。
意向調査で退職を引き止められた!そんな時に保育士さんがすべきこととは
意向調査で退職の結論を保留にされることもあるでしょう。
「年明けに結論を聞かせてほしい」「よく考えてみて」などと言われ、そのまま話し合いの機会を逃してしまう場合もあります。
また、「人が足りないから」と退職を認めてもらえないケースもあるようです。
そのような場合、どのように対応するべきかを紹介します。
一度持ち帰るのもあり
退職したい保育士さん、退職を引き止めたい上司、このように意見が対立した場合、お互いに冷静でいられないことがあります。
そのような時は、一度持ち帰って冷静になった状態で改めて話し合うことも説得手段の一つです。
数日後に話し合いの場を設け、再度退職の意思と感謝の気持ちを伝えると納得してもらえる場合があります。
ただし、あまり先延ばしにしてしまうと、お互い忙しくなり続きを話し合うタイミングを逃してしまうこともあります。
計画的に進めていきましょう。
転職先が決まったことを伝える
結論が出る前に次の仕事を決めることは不誠実では?と思われるかもしれません。
しかし、在職中に転職活動をする保育士さんは多くいます。退職前に次の仕事を決めることは一般的といえるでしょう。
次の仕事が決まっていることは、引き止められない大きな要因の一つです。
「今の保育園での経験を生かして新しい環境で頑張りたい」と、前向きな伝え方を心がけましょう。
意向調査で保育士さんが退職を伝えるために準備すること
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意向調査で退職を伝えるためには、保育士さん自身の心構えが大切です。
誠実な伝え方をして円満退職するために事前準備をしていきましょう。
何事も最初が肝心です。
退職への一歩として意向調査を迎え、円満に話し合うために整理しておいた方がよい内容を紹介します。
退職理由を明確にする
「体力的にしんどい」「仕事量が多い」などの退職理由は、保育士さんからよく聞かれるものです。
事実を伝えるのもよいですが、何がつらいのか、なぜ改善案ではなく退職という決断なのかを明確にする必要があります。
また、悩み事が理由よりも、キャリアアップなどの前向きな理由を用意すると受け入れてもらいやすいので考えてみましょう。
引き止められた場合のシミュレーションをしておく
退職を引き止められる、保留にされる場合もあるでしょう。
その場合、どうするべきかを事前に考えておくとよいですね。
また、保留にする場合は、きちんと次の話し合いの場を設けられるように、その場で日程を決めるのもよいでしょう。
感謝の気持ちを伝えられるようにする
相手に納得してもらうためには、誠実な対応が必要です。
伝えたいことはいろいろあるかもしれませんが、まずは感謝の気持ちを伝えましょう。
退職日まで、保育士さん自身が心地よく過ごすためにも前向きな姿勢を見せることは大切ですね。
転職活動を進める
転職先を決めてから退職の意思を伝えるのもよいでしょう。
退職ギリギリに転職活動を始めるよりも、余裕をもって始めた方がより希望にあった求人を見つけることができます。
日々の業務と転職活動を両立するのは大変なことです。
早めに動いていきましょう。
退職意思と心構えをもって意向調査に臨もう!
意向調査での退職申し出について紹介しました。
誠実な姿勢を見せ、有意義な意向調査の話し合いになるように準備をしていきましょう。
円満な退職を迎えるために、退職や転職活動は早めに動くことが大切です。
転職でのキャリアアップを退職理由の一つとして、意向調査で伝えらえるとよいですね。