障害児保育の研修まるわかりガイド!キャリアアップ研修の内容・受講法・レポート例文まで

    保育士等キャリアアップ研修の「障害児保育」分野は、15時間の受講で障害の理解から指導計画、保護者・関係機関との連携まで学べる研修です。修了すれば処遇改善(月額5,000円~最大4万円)の対象になります。今回は、研修の具体的な内容・受講方法の選び方・レポートの書き方例文まで、現場の保育士さんが知りたいことを徹底解説します。

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    この記事でわかること
    • 障害児保育のキャリアアップ研修の修了と手当の仕組み ▼詳細
    • 実際何を学ぶ?具体的な研修内容 ▼詳細
    • 修了に必要なレポートの書き方と例文を解説! ▼詳細

    キャリアアップ研修「障害児保育」の受講の目的と必要性

    障害児保育のキャリアアップ研修は、保育士としての専門性を高めながら、処遇改善にもつながる研修制度です。

    キャリアアップ研修が定める8つの分野のうちの一つに「障害児保育」があります。

    まずは、キャリアアップ研修の概要と障害児保育の分野を学ぶ必要性について押さえておきましょう。

    キャリアアップ研修とはリーダーの育成と処遇改善が目的

    保育士等キャリアアップ研修は、保育現場でリーダー的な役割を担う職員を育成し、保育士のキャリアパスを明確にするための制度です。

    認可保育園や認定こども園などで勤務し、おおむね経験3年以上の保育士が受講できます。

    研修は都道府県や、その指定を受けた機関が実施しています。

    職務分野別リーダー・専門リーダー・副主任保育士といった役職に就くためには、所定の研修の修了が必要です。

    また、処遇改善手当を受け取るためにも修了が条件となります。

    手当の目安は、

    • 職務分野別リーダー:月額約5,000円
    • 副主任保育士/専門リーダー:月額最大4万円

    (※園の状況や自治体により異なります)

    なお、修了証に更新はなく、転職や一時的に保育業界を離れた場合でも有効です。

    「障害児保育」分野の受講は15時間

    キャリアアップ研修では、「障害児保育」の分野があり、受講時間は15時間以上が基準。

    講義・演習を通じて学び、障がいの基礎知識や個別支援計画書の作成方法、保育環境・配慮の工夫なども習得できます。

    研修は、テキストや事例をもとに進むことが多く、実際の保育場面を想定したグループワークや演習が含まれることもあるようです。

    なぜ今「障害児保育」分野の研修が必要なのか

    こども家庭庁の調査によれば、保育所等における障害のある子どもの受入れ数は2022年時点で約9万人と、10年前と比較すると約2倍に増加しています。

    受け入れ児童数

    引用:多様なニーズに対応した保育の充実(障害児・医療的ケア児等)/こども家庭庁

    さらに、小学校・中学校の通常の学級に在籍する「学習面又は行動面で著しい困難を示す」とされた児童生徒の割合は8.8%にのぼり、10年前の6.5%から上昇傾向にあります。

    こうした状況を踏まえると、障がいのある子や「気になる子」への対応は、特定の担当者だけが必要になるスキルではなく、多くの保育士に求められています。

    キャリアアップ研修は、障がい児保育のベースとなる知識と実践力を身につけるための機会となるでしょう。

    キャリアアップ研修の受講や
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    障害児保育の研修の受講方法はオンラインが主流

    研修の受講形態は大きく「オンライン」「対面」の2種類がありますが、2020年頃からオンラインで完結できる研修が主流になっています。

    それぞれの特徴をチェックしてみましょう。

    ・オンライン研修(eラーニング+Zoomライブ演習)の特徴

    多くの実施機関が、eラーニング(オンデマンド動画)とZoomライブ演習を組み合わせた形式が一般的です。

    合計15時間以上の受講が必要ですが、シフト勤務でまとまった時間が取りにくい保育士でも、スマホやPCで隙間時間を使って自分のペースで進められるのがメリットです。

    ・対面研修の特徴

    対面研修は2日間の集合研修が一般的です。

    オンラインが主流になってはいますが、地域によっては対面研修を実施する場合があります。

    他園の保育士とのグループワークやディスカッションを通じて実践的な学びを得たい方や、講師に直接質問しながら学びたい方にはぴったりですね。

    人手が少ない園では参加のハードルが高くなりがちですが、「同じ悩みを持つ仲間と出会える」という点は対面ならではの魅力です。

    なお、オンライン・対面どちらの形式が利用できるかは都道府県や実施機関によって異なります。受講前にお住まいの地域の実施状況を確認してみましょう。

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    障害児保育のキャリアアップ研修で学ぶ5つの科目

    研修のカリキュラムは5科目で構成されており、障害の基礎知識から環境づくり、指導計画、保護者対応まで幅広く学べます。

    それぞれの科目が「現場でどう活きるか」という視点でひとつずつ解説します。※あくまでも一例です。

    科目1:障害の理解

    知的障がい・発達障がい(自閉スペクトラム症・注意欠如・多動症など)・肢体不自由・視覚障害・聴覚障害といった障害の種別と基礎的な特性を学びます。

    まずは「障がい」そのものを理解することが、適切な支援の出発点になるからです。

    特性のある子どもに合った環境を整えるための基礎知識を、理論的に身につけられるでしょう。

    科目2:障害児保育の環境

    個々の発達を促すための生活・遊びの環境構成(ユニバーサルデザインの視点)を学ぶ科目です。

    「教室のどこに何を置くか」「活動のルーティンをどう視覚化するか」といった、明日から試せる具体的な環境整備のポイントが学べます。

    また、他職種(看護師・栄養士・巡回相談員など)との連携方法や、障がいのある子とほかの子どもたちとの関係づくりにおけるリーダーとしての知識も習得できるでしょう。

    科目3:障害児の発達の援助

    各障がいの特性に応じた見方と具体的な支援方法を学ぶ、研修の中心となる科目といえそうです。

    ASDの感覚過敏、ADHDの衝動性、知的発達の遅れなど、障がいごとの特徴を理解したうえで、集団保育の中でどのようにその子を育むかを考えます。

    「問題となる行動」ではなく、「その行動の背景にある子どもの気持ちや困り感」を理解する姿勢を身につけることが、研修のねらいのひとつになっています。

    科目4:障害児保育の指導計画、記録および評価

    段階的な計画の立て方を学ぶことができる科目です。

    全体的な計画→年齢別の指導計画→個別の指導計画という立て方や、実態把握→目標設定→援助方法の設定→記録と評価なども学ぶようです。

    特に「きちんと個別計画を書けているか不安」という保育士さんに役立つでしょう。

    評価の考え方や記録の共有方法なども習得できそうです。

    科目5:家庭および関係機関との連携

    障がいのある子の保護者が辿る心理的なプロセスを理解し、寄り添う支援のあり方を知る機会となるでしょう。

    保護者から「自分の子だけ見てほしい」「どう接していいか不安がある」と相談された時の判断の方法や連携の仕方なども学ぶことができそうです。

    また、児童発達支援施設・特別支援学校・保健センターといった地域の専門機関との具体的な連携方法や、小学校への就学に向けた支援方法なども身につけられるでしょう。

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      障害児保育の研修レポートの書き方と構成のコツ

      なお、研修を修了するには、受講後にレポートの提出が必要です。

      「何をどう書けばいいかわからない」という保育士さんのために、具体的な記述例を紹介します。

      研修レポートは修了認定に必要な最終課題

      キャリアアップ研修では、15時間以上の受講に加え、レポートの提出が修了の条件となっています。

      レポートは「知識・技能の習得」と「それを実践する際の基本的な考え方の認識」を確認するためのものです。

      提出期限を過ぎると修了証が発行されないため、研修の後半に差し掛かったら早めに書き始めるのがポイントですね。

      レポートの基本構成例

      レポートの書き方は人それぞれですが、基本構成例を押さえておきましょう。

      1.研修で学んだ内容の要約(200字程度)「2.自園の実践と照らした気づき(300字程度)」「3.明日からの保育にどう活かすか(200字程度)」の3部構成を意識すると書きやすいかもしれません。

      「勉強になりました」「学びが深まりました」という感想にとどまらず、「自身の対応を振り返ると〜」「明日から個別計画のこの部分を見直したい」のように、自分の保育の場面と結びつけて書くとよさそうです。

      「合理的配慮」テーマの場合

      本研修では、合理的配慮とは特別扱いではなく、その子が集団に参加するための環境の調整であることを学びました。

      自園の3歳児クラスに在籍するA児は、活動の切り替えに時間がかかることが課題でしたが、これまで『なかなか動けない子』として見ていたことに気づかされました。

      研修を通じて、予告なしの切り替えが本人にとって大きな負担になっていた可能性を理解しました。

      今後は次の活動を絵カードで事前提示する環境構成を試みるとともに、他の保育士とも情報共有し、クラス全体での一貫した対応を目指していきたいと思います。

      合理的配慮とは..その子が、みんなと同じように活動に参加できるよう、周りの環境や関わり方を調整すること

      「保護者支援」テーマの場合

      研修では、障害のある子の保護者が辿る心理的プロセスとして、ショック・否認・怒り・受容という段階を学びました。

      自園でも、診断を受けることに抵抗を示す保護者への声かけに悩む場面が多くあります。

      研修を受けて、保護者の反応はわが子を守ろうとする気持ちの表れだと理解できました。

      今後は診断の有無を急かすのではなく、まず保護者が今どの段階にいるかを意識し、その気持ちに寄り添うことを優先する姿勢を持ちたいと思います。

      面談では保護者の言葉を遮らず、まず受け止めることを大切にしていきたいです。

      「指導計画」テーマの場合

      研修では、個別の指導計画を立てる際に『問題点モデル』ではなく『信頼モデル』で子どもを捉えることの重要性を学びました。

      自園でこれまで作成していた個別計画を振り返ると、『〜ができない』という課題中心の記述が多かったことに気づきました。

      研修を通じて、子どもの強みや好きな活動を起点にして目標を設定し直すことが、子どもの主体性を引き出すことにつながると理解しました。

      次の個別計画の見直しでは、担任全員で子どものよさを出し合う場を設け、強みを活かした支援方針を立てる取り組みを始めていきたいと思います。

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      障害児保育の研修に関するよくある質問

      障害児保育の研修についてのよくある質問をまとめました。受講前にぜひ確認しておいてください。

      Q. 研修は何時間かかる?途中で中断できる?

      A. 1分野15時間以上の受講が必要です。

      eラーニングの場合は複数日にわたって自分のペースで視聴でき、Zoomライブ演習は指定の日時への出席が必要な形式が一般的です。

      途中中断の可否や視聴期限については実施機関によって異なるため、申し込み前に確認しておきましょう。

      Q. 受講料はかかる?

      A. 受講料は都道府県や実施機関によって異なります。

      都道府県が直接実施する研修や、各都道府県の受講料免除制度の対象者に該当する場合は無料で受講できることも多いです。

      一方、指定研修実施機関が実施する場合は無料〜数万円程度と幅があります。

      たとえば東京都では、対象施設に勤務する保育士は受講料が免除されますが、免除対象外の場合は1分野あたり数千円〜1万円台の費用がかかる機関もあります。

      まずは、お住まいの都道府県の公式サイトや実施機関のウェブサイトで確認してみましょう。

      Q. オンライン研修だけで修了証はもらえる?

      A. eラーニング+Zoomライブ演習のオンライン完結型でも修了証は発行されます。

      修了証は全国の都道府県で有効で、転居・転職後も失効しません。

      ただし、実施機関によって受講可能な都道府県が限られる場合があるため、申し込み前にチェックしましょう。

      Q. 他の分野とどれから受ければいい?

      A. 現在、担当しているクラスや園の状況に合った分野を選びましょう。

      キャリアアップ研修には、障害児保育を含む以下の8つの分野があります。

      乳児保育/幼児教育/障害児保育/食育・アレルギー対応/保健衛生・安全対策/保護者支援・子育て支援/マネジメント/保育実践

      障がい児保育は全年齢に関わる汎用性の高い分野なので、クラス担任を問わず取り組みやすい分野のひとつです。

      副主任を目指す場合は、2026年度にマネジメントを含む4分野以上の修了が必要になるため、早めの計画的な受講をおすすめします。

      出典:保育士等キャリアアップ研修の実施について/厚生労働省 出典:障害児支援施策について/こども家庭庁 出典:保育士等キャリアアップ研修ガイドラインの概要/こども家庭庁

      障害児保育の研修は「自信」と「キャリア」の両方を手に入れるチャンス

      障がい児保育のキャリアアップ研修は、5科目15時間で障がいの理解から指導計画・保護者連携まで体系的に学べます。

      受講形態はオンライン・対面から選べ、修了すれば処遇改善と全国有効の修了証が手に入ります。

      研修は保育現場で活用できる内容のため、スキルアップに役立つでしょう。

      自分の保育への自信と次のキャリアをつかむ機会」として、ぜひ前向きにご活用くださいね。

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