保育士の「マネジメント研修」とは、厚生労働省が制定した「保育士等キャリアアップ研修」に組み込まれている研修分野のひとつです。これを受講することによって、保育士として大きくキャリアアップをすることができます。内容や、受講によって得られるメリットについても詳しく見ていきましょう。
maroke/stock.adobe.com
■目次
マネジメント研修が受講できる「保育士等キャリアアップ研修」
保育士の処遇改善と専門性の向上を目的として、2023年度から受講必須となったのが「保育士等キャリアアップ研修」です。
研修を受けた保育士は、厚生労働省が定めた保育士に対する施策「処遇改善等加算Ⅱ」の対象となることで、給与アップが見込まれます。
これは、園の中での役職として、一般保育士と主任保育士の間に「副主任保育士」「専門リーダー」というポジションを設けることが新たに制定され、この役職はともに月額4万円の手当加算対象となっているからなのです。
そして、これらの役職に就くためには、保育士等キャリアアップ研修を受ける必要があります。
特に副主任保育士になる場合には「マネジメント+3つ以上の分野の研修を修了」が要件のひとつとされています。
このことから、保育士さんにとってキャリアパスを明確にするための必須要件として、この「マネジメント研修」が重要視されていることがわかりますね。
マネジメント研修の概要
maroke/stock.adobe.com
マネジメント研修は、副主任保育士に就くために受講が必須となっている分野で、ミドルリーダーに求められる役割を身につけるための研修内容となっています。
受講対象者
厚労省が公表している資料「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」によれば、マネジメント研修の対象者は、園に勤務する一般保育士の中で「各分野におけるリーダー的な役割を担う者としての経験があり、主任保育士の下でミドルリーダーの役割を担う者(当該役割を担うことが見込まれる者を含む)」と認定された保育士であることとしています。
つまり、一般保育士さんが、園長や主任保育士などの上司から、副主任や専門リーダーに就ける経験や素質・能力があるとみなされて役職に就くことを打診され、なおかつ本人がその役職を引き受ける意思がある場合に、受講が可能になります。
マネジメント研修の受講が必須とされている副主任保育士の就任要件は、以下になります。
- 経験年数が概ね7年以上であること
- マネジメント研修に加えて3つ以上の専門研修を修了していること
- 副主任保育士の役職が発令されていること
まず、副主任保育士の就任が発令されたうえで、「保育士等キャリアアップ研修」を受講し、その中でマネジメント研修を受講するという流れが一般的であるようです。
受講内容
「保育士等キャリアアップ研修」は都道府県ごとに実施されているため、マネジメント研修の内容については若干の違いがあるようです。
講習によっては、座学での講義のほかにグループディスカッションがある場合や、eラーニングでの受講が可能な場合もあります。
マネジメント研修自体の基本的な主旨は、「主任保育士のもとでミドルリーダーの役割を担う立場に求められる役割と知識を理解し、自園の円滑な運営と保育の質を高めるために必要なマネジメント・リーダーシップの能力を身につける」とされており、具体的には以下の内容となっています。
リーダー的役割を担う保育士として、園の運営、保育の質向上のために必要なマネジメント力を総合的に学べる 内容となっています。
出典:保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ/厚生労働省
マネジメント研修を受けるメリットとは?
マネジメント研修を受けることで、どんなメリットがあるのかを確認しましょう。
保育の現場で活かせる
副主任保育士を務めるうえで、働いている園の円滑な運営と、保育の質の向上に貢献できます。
また、保育士さんに必要なマネジメントの基礎を身につけることで、運営面だけではなく、保育現場における事故対策・防災などのリスクマネジメントにも幅広く活用できることが期待できます。
キャリアアップにつながる
この新たに制定された副主任保育士・専門リーダーというポジションに就くことで、キャリアアップはもとより、給与アップも見込めます。
もちろん、よりよい職場環境を目指したい保育士さんにとっては、転職する際にも非常に有利になるでしょう。
マネジメント研修・レポートのポイント
各都道府県の「保育士等キャリアアップ研修」を実施している機関によっては、マネジメント研修でレポート提出を求められる場合も数多くあります。
研修を受けながらノートをしっかりとってまとめておくことで、最終的にレポートに活かすことができますので、とったノートは、できるだけその日のうちに復習としてまとめておくことが大事です。
まとめる際には、研修内容を書きとるだけでなく、学んだ内容を自分の勤務する保育園に応用したときのことをシミュレーションし、具体的にどう活かせるか、その際の課題点もメモしておきます。
レポート作成時には、ノートを参照しながら、学んだことと課題点を箇条書きにする と、レポートとしてまとまるでしょう。
例
- 保育園においてのリーダーの役割とミドルリーダーとしての行動指針
- 保育園が抱える課題と解決のプロセス構築
- 人材育成を目的とした職員とのコミュニケーション手法
- 職員にとって働きやすい職場環境の整備とICTの活用
など、さまざまな研修内容についてまとめる場合、そのテーマに関して今まで自分が保育園で担ってきた役割と、その中で実践したことと成果について箇条書きで簡潔に書き出します。
そのうえで、研修の受講内容と得た学びに基づき、今後の課題点・改善点をリーダーとしての立場から考えて提案する、といった内容にまとめていくとよいでしょう。
マネジメント研修を受講してキャリアも給与もアップ!
polkadot/stock.adobe.com
保育士さんとしてただ長く勤めるだけでなく、役職に就くことでキャリアアップと給与アップが見込める なら、働きがいも大きく変わるしモチベーションもアップしますよね。
キャリアアップの第一歩であるマネジメント研修をこれから受ける保育士さんも、これから目指したい保育士さんも、自身のキャリアマップを描きながらスキルと経験を積んでいきましょう!
保育士バンク!は、保育士専門の求人サイトです。
保育士さんの「自分のスキルと給与が見合っていないかも」「もっと自分の経験を活かせる保育園に転職したい」「保育士としてキャリアを積みたい」など、ご自分の理想の転職や職種についてのお悩みやモヤモヤ、どんなことでもご相談ください。
専任アドバイザーが、数多くの求人の中からあなたの希望にぴったりな転職先を紹介します。
今すぐに転職を考えていない保育士さんも、情報収集だけでも大歓迎です。まずは保育士バンク!に相談してみませんか?