放課後等デイサービスで行う療育内容と保育士が知っておきたい支援のポイント

放課後等デイサービスの療育内容は、厚生労働省ガイドラインで定められた4つの基本活動と本人支援5領域にもとづいて実施されます。本記事では、日常生活習慣・芸術活動・運動・スキル訓練の4分野の具体例から、児発管と保育士の役割、保育園経験のみでも働ける理由まで、放デイの療育内容について知っておきたい情報をまとめました。

この記事でわかること
  • 放課後等デイサービスの基本的な役割と療育内容 ▼詳細
  • 厚生労働省の調査でわかる、現場で重視される5つの支援内容 ▼詳細
  • 保育士でも放デイで働ける理由、活かせる強み ▼詳細

目次

放課後等デイサービスとは?対象年齢と基本的な役割

放課後等デイサービス(以下、放デイまたは放課後デイ)は障がいのある子どもたちが学校終了後や長期休業日に通う通所型の福祉サービスです。

障がいの種類は、肢体不自由・医療的ケア、発達障がい・知的障がい・自閉症などさまざまですが、対象は原則として小学生から18歳までです。

施設は上記の子どもたちが学校終了後の時間や休業日に利用することを目的としており、療育や日常生活の訓練の場所としてだけでなく、放課後に安心して過ごせる居場所としても機能しています。

厚生労働省が公表している放課後等デイサービスを運営するにあたって図るべき基本事項が示された「放課後等デイサービスガイドライン」には、施設としての「基本的役割」として、以下の内容が明記されています。

  • 子どもの最善の利益の保障
  • 共生社会の実現に向けた後方支援
  • 保護者支援

このように、放課後等デイサービスは、障がいの種類や程度に関わらず、子どもたちの最善の利益を守り、保護者や家族を支援することで、共生社会の実現を後押ししています。

障がい児とその家族に寄り添い、適切な支援を行うことが、放課後等デイサービスが担う重要な役割と言えます。

保育士の転職先としても近年注目されており、保育園とは異なる「療育」の専門性を学びながら働ける現場として求人数も増加しています。

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以下にいくつ当てはまるか
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子どもの個性や特性に合わせた関わり方を意識している
保護者対応で、相手の状況に寄り添う姿勢を大切にしている
製作・遊び・運動などの活動の企画・運営経験がある
集団保育で、配慮が必要な子に個別対応した経験がある
子どもの「できた!」を一緒によろこべる

2つ以上当てはまったら

放デイでも経験を活かして
働けそうです。

放デイでの仕事が気になるものの、今まで働いていた保育園とは違うため、どんな働き方になるのかわからないと不安ですよね。

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療育内容を決める4つの基本活動と本人支援の「5領域」

パソコンを使う保育士mapo / stock.adobe.com

放課後等デイサービスでの基本活動と5領域について解説します。

4つの基本活動

放デイでは、以下の4つの「基本活動」を通じて、総合的な支援を行うことが定められています。

  • 自立支援と日常生活の充実
  • 創作活動の機会の提供
  • 地域交流の促進
  • 余暇活動の提供

これらを基本の柱としてそれぞれの療育内容に落とし込みます。療育を含めた支援内容は、個別の支援計画を子ども一人ひとりに対して作成します。

📌 療育支援とは?

療育支援とは、障がいや発達上の特性がある子どもに対して、その子の状態に合わせて発達を促す働きかけや訓練を行う支援のことを指します。

放課後等デイサービスでは、本人支援5領域に基づいた個別支援計画のもとで療育支援が実施され、子どもの自立と社会参加を後押しします。

本人支援における「5領域」と支援計画

支援計画は、児童発達支援ガイドラインに示されている、本人支援における「5領域」にもとづいて作成することが求められています。

本人支援の5領域

  • 健康・生活
  • 運動・感覚
  • 認知・行動
  • 言語・コミュニケーション
  • 人間関係・社会性

支援計画を作成する上での責任者となるのが「児童発達支援管理責任者」と呼ばれる役職です。

放課後等デイサービスでこの役職に就くには指定の国家資格を取得した上で、所定の各種研修を受講する必要があります。

現場で個別支援計画の元となるものを作成し、実施するのは保育士や児童指導員などの職員です。これらの職員が連携を取りながら、それぞれに合わせた支援計画にもとづいた療育を行います。

児童発達支援管理責任者(児発管)になるには、保育士としての実務経験3年以上と、所定の基礎研修・OJT・実践研修の修了が必要です。

放デイでは児発管が個別支援計画の作成・モニタリングを担い、現場の保育士・児童指導員と連携しながら療育を進めます。

保育士からのキャリアパスとしても注目されており、月額1〜3万円程度の手当が加算される施設も多く見られます。

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厚労省調査でわかる、現場で重視される支援内容ランキング

厚生労働省が公開している「障害児通所支援の支援内容に関する調査研究」報告書によると、放課後等デイサービスで「支援・療育内容について重視していること」を調査した結果、以下のような回答となりました。

【最も重視している支援内容】
第1位
社会で生活するためのスキルを身に着けること
 
78.2%
第2位
児童の情緒や感性の発達を促進すること
 
73.5%
第3位
自分で考えて自己判断できるようになること、そのために必要な見聞を拡げること
 
65.4%
第4位
本人の関心や趣味に合わせて活動すること
 
60.5%
第5位
滞在することでリラックスしてもらうこと
 
58.7%

また、個別の支援として行っている具体的な療育内容についての回答(複数回答)では「宿題支援・学習支援」がともに40%前後で上位となっており、次に30%台で「ソーシャルスキルトレーニング」が挙げられています。

放課後の短時間を過ごすことから預かりとしての要素も大きいため、療育面で必要とされるスキルトレーニングと、療育を必要としない一般の学童保育(放課後学童クラブ)の要素という両方のニーズに応えるバランスが必要とされているようです。

「専門的すぎる?」と感じるかもしれませんが、実際には療育未経験から始められる放デイも多く、保育士の経験がそのまま活かせる現場も少なくありません。

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    放デイで実際に行う4分野の療育内容と具体例

    公園で遊ぶ子どもmaroke / stock.adobe.com

    放課後等デイサービスでの療育内容としては、子どもたちが意欲的にかかわれる遊びを通して成功体験を重ねることや、将来の自立や社会生活を見据えた支援が多いようです。

    いずれも、子どもたちの個性や特性を生かして可能性を最大限引き出しながら、日常生活における自立、社会参加へつなげていくことを目的としています。

    厚生労働省が調査した「放課後等デイサービスの実態把握及び質に関する調査研究報告書」を参照しながら、放課後等デイサービスで実際に実施されている療育内容の例を見ていきましょう。

    生活リズムを整える、日常生活習慣の指導と支援

    食事や衣類の着脱、歯みがきなどの健康管理、身だしなみや身辺の整理といった日常生活習慣にかかわる支援や指導を行うことで、生活リズムや集団生活への適応、社会性や自立を促します。

    そうじやクッキング、園芸体験など、日常生活の訓練を通じて身体や手先をつかって表現する、作業を完了させる体験をすることで療育につなげる活動も積極的に取り組まれているようです。

    集中力と表現力を育む、音楽と製作の芸術活動

    「音楽療法」という療育手法があるように、音楽演奏や鑑賞を行うことは、リラックスや感情表現、コミュニケーションについて学ぶねらいにもとづいています。

    具体的な療育内容としては、音楽鑑賞、楽器演奏、合唱、リトミック、リズム&ランゲージなどが挙げられています。

    また、絵画や製作、手芸やハンドメイドなどの作品作りは子どもたちも取り組みやすく、アートを通じて集中力や表現力、感覚統合などを刺激する効果が期待されているようです。

    楽しみながら身体を作る、運動とスポーツ療育

    運動・スポーツ・身体を使ったゲーム遊びなどは、余暇を楽しみながら身体づくりやリハビリ、運動訓練にも効果を発揮するでしょう。

    サッカーや乗馬、空手、縄跳びといったスポーツやゲームを通じて、身体を動かす楽しさを味わいながら協働やチームワークについて身につける活動を取り入れている施設も多いようです。

    サーキットトレーニングやバランスボール、トランポリン、マット運動など、室内で取り入れられる運動療育もさまざまあります。

    障がいに合わせた各種スキルトレーニングと学習支援

    直写・視写といった視知覚トレーニング、音読・リスニング、脳の機能向上トレーニングといった認知支援を行いながら、学習支援につなげていく取り組みを行っている施設もあるようです。

    また、障がいの種別に合わせて、PT(理学療法)、ST(言語療法)、OT(作業療法)などの支援プログラムを取り入れている施設もあります。

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    保育園での経験を放デイで活かす働き方と役割

    放課後等デイサービスへの転職を考える保育士さんの中には、「療育未経験で大丈夫?」「保育園とは何が違う?」といった疑問を持つ方も多いようです。

    実際の現場では、保育園で培った経験がそのまま活かせる場面が多くあります。

    放デイ特有の職員体制や役割分担を理解しておきましょう。

    保育園で培ったスキルが放デイで活きる3つの場面

    放課後等デイサービスの求人の多くは、療育未経験の応募を歓迎しています。理由は、保育園で培った以下のスキルが放デイの現場でそのまま活かせるためです。

    子ども一人ひとりの特性に合わせた関わり方

    保育園で複数の子どもに目を配りながら、それぞれの性格や発達段階に合わせて関わってきた経験は、個別支援計画にもとづく療育の現場で大いに活きます。

    放デイでは「集団の中の個」への配慮がより重視されるため、保育園での日々の積み重ねが土台になります。

    保護者との信頼関係づくり

    放デイでは送迎時のやりとりや面談を通じて、保護者と密にコミュニケーションを取ります。

    保護者の不安や悩みに寄り添ってきた保育園での経験は、障がいのある子どもを育てる保護者の支援においても重要な強みになります。

    製作・遊び・運動などの活動運営

    放デイの療育内容には、製作活動、リトミック、運動遊び、室内ゲームなどが多く含まれます。

    保育園で日常的に行ってきた活動をアレンジして対応できる場面も多く、子どもを引きつける引き出しの多さがそのまま戦力になるでしょう。

    療育の専門知識については、入職後にOJTや外部研修、先輩職員からの指導を通じて習得していくのが一般的です。

    基礎研修制度を整えている施設も多く、未経験から段階的に専門性を高められる環境が用意されています。

    児発管と保育士、現場での役割分担と連携の流れ

    放課後等デイサービスでは、職員ごとに明確な役割分担があります。

    日々の活動は保育士・児童指導員が中心となって運営し、子どもの様子や変化を児発管に共有します。

    児発管はその情報をもとに支援計画のモニタリングを行い、必要に応じて計画の見直しを実施。3〜6か月ごとに保護者面談を実施し、計画の方向性を確認していく流れが一般的です。

    児童発達支援管理責任者(児発管)の役割

    • 個別支援計画の作成・モニタリング・見直しを担う責任者
    • 保護者面談、学校・医療機関などの関係機関との連携窓口

    保育士・児童指導員の役割

    • 個別支援計画にもとづく日々の療育の実行
    • 活動の企画・準備・運営、計画の元案作成
    • 送迎、宿題支援、子どもの様子の記録、保護者対応

    保育士には、放デイで数年勤務した後に所定の研修を経て児発管になるステップアップの道もあります。

    なお、児童発達支援管理責任者は、放デイ1事業所につき1名以上の配置が義務付けられています。

    なるためには、保育士などの実務経験を含む所定の実務年数と、基礎研修・OJT・実践研修の修了が必要です。

    「自分の経験で放デイの療育に貢献できそう」と感じた方も、「実際に働く現場の雰囲気まではわからない」という方もいるでしょう。

    求人票だけでは見えにくい施設の雰囲気などは、転職エージェントのキャリアアドバイザーに聞いてみることができます。

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    放課後等デイサービスの療育内容についての質問

    放課後等デイサービスの療育内容について知りたい疑問に答えます。

    Q. 放課後等デイサービスの療育内容には、どんなものがありますか?

    A. 放課後等デイサービスの療育内容は、大きく分けて4分野です。

    4分野は「日常生活習慣の指導・支援」「音楽・製作などの芸術活動」「スポーツ・身体トレーニング」「障がいに合わせた各種スキルトレーニング」です。これらは厚生労働省が定める4つの基本活動と、本人支援の5領域にもとづいています。

    Q. 放課後等デイサービスと児童発達支援、学童保育の違いは何ですか?

    A. 対象年齢と目的が異なります。

    児童発達支援は未就学(0〜6歳)の障がいのある子どもが対象で、発達の基礎づくりが中心です。放課後等デイサービスは原則として小学生〜18歳の障がいのある子どもが対象で、放課後・休業日の療育と居場所提供が目的です。一般の学童保育(放課後児童クラブ)は障がいの有無に関わらず利用でき、療育要素はありません。

    Q. 放課後等デイサービスで保育士が担当する仕事は何ですか?

    A. 保育士は児童指導員などと連携して、個別支援計画にもとづく日々の療育を実施します。

    具体的には、子どもの送迎、宿題支援、ソーシャルスキルトレーニング、製作・運動・音楽などの活動運営、保護者対応などです。個別支援計画の作成責任者は「児童発達支援管理責任者(児発管)」が担いますが、現場で計画の元案を作り実行に移すのは保育士・児童指導員の役割になります。

    Q. 保育園しか経験がないけど、放課後等デイサービスで働ける?

    A. はい、働けます。求人の多くは療育未経験を歓迎しており、保育士資格があれば応募可能な施設が大半です。

    保育園で培った子どもとの関わり方、保護者対応、製作・遊びのスキルは放デイでもそのまま活かせます。施設によってはOJTや外部研修制度を整えており、入職後に少しずつ療育の専門性を身につけられる環境もあります。

    保育士バンク!では専任アドバイザーが園を訪問して取材しているため、研修体制や未経験者の受け入れ実績まで把握した上で情報をご提供できます。

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    Q. 放課後等デイサービスの療育保育士の給料相場はどのくらいですか?

    A. 放課後等デイサービスで働く保育士の給料は、月給20〜25万円前後が一つの目安です。

    経験年数や役職(児発管・管理者など)、地域、運営法人の規模によって幅があります。児童発達支援管理責任者の資格を取得すると手当が加算される園も多く、保育園からの転職で年収が上がるケースも見られます。具体的な年収相場は地域・施設形態によって差があるため、求人情報で個別に確認することをおすすめします。

    Q. 放課後等デイサービスへの転職、まだ迷っている段階でも相談していい?

    A. はい、迷っている段階での相談を歓迎しています。

    「保育園と放デイ、どちらが自分に合っているか整理したい」「現職を続けながら情報だけ集めたい」という方も多くご利用いただいています。「夏の間だけ様子を見たい」「ボーナス後に考えたい」といったご自身のペースでの利用も可能です。

    Q. 在職中に登録しても、今の職場にバレない?

    A. バレません。本人の許可なく勤務先に情報が共有されることはありません。

    保育士バンク!では在職中とお伝えいただければ、連絡の時間帯や方法(電話・メール)にも配慮した対応をします。「平日夜のみメール連絡希望」「土日のみ電話OK」など、ご都合に合わせて柔軟に調整できます。

    Q. 登録した後、しばらく動かなくても大丈夫?

    A. 大丈夫です。登録後すぐに動く必要はありません。

    必要なタイミングが来てから相談に切り替える使い方もできます。実際、「いつか用に情報を集めておきたい」と登録後数ヶ月から1年以上経ってから本格的に動き出す方も少なくありません。希望の連絡頻度をお伝えいただければ、必要以上の連絡はいたしません。

    療育内容を理解して放デイの支援に活かそう

    放課後等デイサービスで行われる療育は、障がいのある児童が社会参加できるようさまざまな支援を提供して子どもたちの可能性を引き出すことが目的です。

    保育園での勤務経験しかないけど放課後等デイサービスで働ける?」「療育に関わる仕事にはどんなものがある?」と考えている保育士さんは、保育士バンク!へご相談ください。

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    出典:放課後等デイサービスガイドライン/厚生労働省出典:児童発達支援ガイドライン/厚生労働省出典:児童発達支援及び放課後等デイサービスの役割・支援内容等について/厚生労働省出典:「障害児通所支援の支援内容に関する調査研究」報告書/厚生労働省出典:放課後等デイサービスの実態把握及び質に関する調査研究報告書/厚生労働省

     

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