2026年4月から、幼稚園の1クラスあたりの人数が「原則35人以下」から「原則30人以下」に設置基準の人数が引き下げられます。1995年以来、31年ぶりの見直しです。「よりきめ細かく、質の高い幼児教育が提供」を目指し、現場で働く幼稚園教諭にとっても注目の改正です。今回は、学級規模の見直しや配置基準の改善内容・背景・現場への影響を元幼稚園教諭の視点でわかりやすく解説します。
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2026年4月から1クラス30人以下へ!31年ぶりの見直し
文部科学省は幼稚園設置基準を改正し、1クラスの定員をこれまでの「原則35人以下」から「原則30人以下」に引き下げることを決定しました。
施行は2026年4月1日です。これは1995年以来、実に31年ぶりの改正となります。
文科省が2024年に実施した実態調査によると、今回の基準引き下げによって影響がある(新たな教諭の人材確保や園舎の改修等の対応が生じる)と回答した園は、全体の3.8%にとどまりました。
また、文部科学省が学校基本調査をもとにまとめた2024年度の学級規模データは以下の通りです。
すでに30人以下で運営している学級が全体の95.7%を占めており、大多数の園は対応済みの状態です。

影響がある園に対しては2032年3月31日まで6年間の経過措置が設けられ、国としても施設整備や人材確保の支援を行うとしています。
一人ひとりと丁寧に向き合いたいなら少人数クラスの幼稚園を探すなぜ今、幼稚園の設置基準が見直されたのか
今回、なぜ改正に至ったのかは複数の要因が考えられるでしょう。
質の高い幼児教育の提供
文部科学省は「幼児一人ひとりの置かれた状況や発達の特性に応じた、行き届いた教育環境の整備が必要」としており、少人数クラスの実現がその基盤となるでしょう。
会見において松本洋平文部科学大臣も「小学校との連携強化」「幼稚園のさらなる質の向上」について述っており、手厚い教育体制の整備が今回の改正の目指すべき方向であるといえます。
保育士の配置基準の見直しに並行した対策
2024年度から、4歳・5歳児クラスにおける配置基準が25人に対して教員1人へと見直されました。
この改正は、これまで担任一人が背負ってきた30人分の責任を分散させ、クラス運営をチームで支える体制へ移行するための大きな転換点です。
なお、2022年の文部科学省の調査によれば、幼稚園教諭は離職者の割合が30歳未満が60%と最も高く、離職を防ぐ取り組みが必要だといわれています。

学級規模の縮小でクラスの人数が減れば、教育の質だけでなく、書類業務・保護者対応・行事準備のすべてに余裕が生まれるでしょう。
また、一人ひとりの子どもの成長を実感しやすくなり、仕事のやりがい向上にもつながりそうです。
このように離職防止や長く働き続けられる環境づくりという観点からも、改正が実施された理由の一つと考えられます。
特別な配慮を必要とする子どもへの対応
発達の特性や個別支援が必要な幼児が年々増加しており、担任1人が多人数を見る体制では一人ひとりへの丁寧な関わりに限界が生じていた園も少なくありません。
こうした現場の状況のなか、体制が見直されることで、必要な支援が行き届きやすくなるでしょう。
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今後の幼稚園の課題
改正は前進である一方、現場ではまだ解決されていない課題が残っています。設置基準の見直しとあわせて、理解しておきたいポイントを紹介します。
増築が必要になる場合も
幼稚園の園舎や運動場に必要な面積は、学級数をもとに算出される仕組みになっています。
そのため、30人以下への引き下げによって学級数が増えた場合、施設面積が基準を満たさなくなり、園舎の増築・改築が必要になるケースがあります。
文科省の実態調査では、こうした対応が発生する幼稚園は全体の3.8%。
国は施設整備への支援として私立幼稚園施設整備費補助金を設けており、対応が必要な場合は運営法人や所轄庁に早めに相談する必要があります。
改正のペースが遅い
公立小学校では2021年度から2025年度にかけて「1学級40人→35人」への引き下げが段階的に進んでいました。
幼稚園の30人学級化はその5年後であり、「もっと早く、もっと踏み込んだ改正ができたはず」「5人刻みにこだわる必要はなかった」という声もあるようです。
半世紀以上にわたって据え置かれてきた基準がようやく動き出した一方で、これからは教育・保育の質の向上に向けて、よりスピーディーな対応が求められるでしょう。
幼稚園教諭の確保
設置基準を見直しても、実際に配置できる教諭が確保できなければ意味がありません。
少子化による若年人口の減少や、保育・教育業界全体での人材不足が深刻化していることから、幼稚園教諭の確保も難しいのが現状です。
これから幼稚園教諭になりたいという若者を増やすためにも、待遇や業務負担の改善なども含めて、対応が必要になります。
なお、保育士バンク!では、幼稚園と求職者をつなぐサポートを行っています。
幼稚園教諭の方々には、全国各地の「好待遇」「手厚い福利厚生」の幼稚園を紹介します。もし、もっと働きやすい環境へ転職したいという方は、お気軽にご相談くださいね。
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幼稚園の設置基準に関するよくある質問Q&A
幼稚園の設置基準についてのよくある質問をまとめました。
Q. 幼稚園の設置基準とは何ですか?
教育基本法・学校教育法に基づき、1学級あたりの子どもの人数(学級規模)や専任教諭の配置定数、施設・設備の要件などが定められています。今回の改正はその中の「学級編制基準」にあたります。
Q. 幼保連携型認定こども園も同じ基準になりますか?
保育教諭等の人材確保や園舎の増築・改築などの対応が必要になる園が存在する可能性があります。
Q. 2026年4月の改正で、自分自身が何か対応することはありますか?
ただし、「もっと子どもたちとじっくり向き合いたい」「一クラス20人以下の園で働いてみたい」などという要望がある場合は、早めに転職先を探すことも大切です。
会員登録・相談無料保育士バンク!で転職相談Q. 経過措置とは何ですか?
2032年3月31日まで従来の基準(35人以下)で運営を続けることが認められています。対象となる園は期間内に教諭の確保や施設整備を計画的に進めることが求められます。
Q. 設置基準の見直しで、保育の質は本当に上がりますか?
設置基準の見直しはあくまで環境整備の第一歩であり、保育の質向上には教諭の専門性向上や処遇改善など継続的な取り組みが必要です。
Q. 幼保小連携との関係は?
幼稚園の30人学級化はその流れに沿ったものであり、就学前から少人数の環境で丁寧な関わりを受けることで、小学校への学びの接続がよりスムーズになると期待されています。
出典:幼稚園設置基準の見直しについて/文部科学省 出典:松本文部科学大臣記者会見(令和8年2月20日)/文部科学省出典:幼稚園教諭の早期離職者について/こども家庭庁出典:私立幼稚園施設整備費補助/文部科学省出典:公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律等の施行について(通知)/文部科学省
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保育士バンク!編集者
保育園・幼稚園の実習経験があり、元幼稚園教諭。 2児の母でもあり子育て経験も豊富。
現在は、保育士バンク!ライターとして保育士さん・幼稚園教諭のタメになる情報を発信中。
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