潜在保育士は2021年時点で約107万人もいるといいます。保育士不足が問題となっている状況を受け、国や自治体は潜在保育士の復職支援を積極的に行なっていますが、具体的にどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。今回は、潜在保育士の職場復帰を支援するための取り組みを紹介します。将来的に保育士として復帰したい・働きたいと考えているのであれば、利用を検討してみましょう。
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■目次
潜在保育士の人数は2021年時点で約107万人!
潜在保育士とは、保育士資格を持っているのにも関わらず、保育士として働いていない人のことです。
こども家庭庁が公表した「保育士の現状と主な取組」によると、2021年時点で潜在保育士は約107万人もいるそうです。
同年の保育士資格を持つ「登録者」は約173万人でした。そのうち約107万人が潜在保育士となると、実際に保育士として働いている人は約66万人しかいないという計算になります。
昨今、日本全体で叫ばれている保育士不足の要因のひとつに、保育士資格を取得したものの保育士として働くという人が少ないことが関係していることがわかるでしょう。
以下の記事では、過去に保育士として働いていた人たちの主な退職理由や潜在保育士が退職後に働かない・復帰しない理由を解説していますので、詳しい情報を知りたい方はぜひ参考にしてくださいね。
【潜在保育士の復職支援】支援金の貸し付け
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国や自治体は保育士不足という状況を解消させるために、積極的に潜在保育士の復帰をサポートする取り組みを行なっています。ここでは、潜在保育士の復職支援の詳しい内容を確認しておきましょう。
就職準備金貸付
新たに保育所で勤務する保育士を対象に、就職のための準備資金の貸し付けを行なう制度です。貸し付け額は40万円で、一人につき1回限り利用できます。
この制度を利用するには、保育所などに新たに勤務し、保育士として週20時間以上勤務する方であり、さらに以下の条件をすべて満たさなければなりません。
- 保育士登録後1年以上経過している方、または保育士登録が行なわれてから1年未満の方で、養成施設の卒業もしくは保育士試験合格から1年以上経過している方
- 保育所等を離職後1年以上経過している方、またはこれまで保育所などに勤務経験がない方
無利子で貸し付けてもらうことができ、保育士として2年間勤務した場合、返還は免除されます。
なお、一部自治体によっては「就職準備金貸付」ではなく、「潜在保育士の再就職支援事業」という名称で支援を行なっているところもあるようです。
そのため、利用する際にはお住まいの自治体の制度をしっかりと確認したほうがよいでしょう。
未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業
未就学児をもつ潜在保育士が保育士として復帰するにあたり、その子どもを保育所などへ入所させた場合に保育料の一部について貸し付けを行なう制度です。
貸し付け額は月額2万7000円が上限となっており、最長1年間の貸し付け期間があります。こちらの制度も無利子であり、2年間保育士として勤務すれば返還を免除される仕組みです。
未就学児をもつ保育士の子どもの預かり支援資金
未就学児をもつ潜在保育士が保育士として復帰するにあたり、その子どもがファミリー・サポート・センターやベビーシッターといった事業を利用する場合に、利用料の一部の貸し付けを行なう制度です。
貸し付け額は年12万3000円が上限となっており、最長2年間の貸し付け期間があります。なお、こちらの制度も無利子であり、2年間保育士として勤務すれば返還を免除される仕組みです。
【潜在保育士の復職支援】自治体や民間企業によるセミナー
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潜在保育士が安心して保育士に復帰できるように、自治体や民間企業も積極的に潜在保育士向けのセミナーやフェアを実施しています。
自治体主催のセミナーの場合は、保育内容を中心とした研修や就職相談などを行ない、民間企業主催のセミナーの場合は復職相談に乗ってもらえたり、実際の求人を紹介してもらえたりするようです。
いずれのセミナーも、潜在保育士が保育士として不安なく働くうえでのサポートをしてくれるため安心して利用できるでしょう。
保育士としての復帰を考えているのであれば、自治体や民間企業が実施するセミナーの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
【潜在保育士の復職支援】自治体や民間企業による就職・転職フェア
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自治体や民間企業では、セミナーだけでなく保育士さんや保育学生さんを対象とした就職・転職フェアを開催しています。
就職・転職フェアとは、複数の法人が1つの会場に集うイベントです。一度に多くの保育法人と接触することができ、比較検討しやすいでしょう。保育士資格を持っているのであれば、潜在保育士さんでも問題なく参加できます。
保育士バンク!でも全国各地で就職・転職フェアを開催しています。お近くの開催予定を確認してみてくださいね。
保育士バンク!就職・転職フェアに関する情報はこちらから
出典:未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業/東京都社会福祉協議会
出典:未就学児をもつ保育士の子供の預かり支援資金/東京都社会福祉協議会
復職支援を活用して保育士の現場で活躍しよう
支援金やセミナー、就職・転職フェアなど、潜在保育士に向けた復職支援は数多くあります。
人によって潜在保育士でいる理由は異なると思いますが、将来的に保育士として復帰したい・働きたいと考えているのであれば、これらの支援をうまく活用するとよいでしょう。
保育士バンク!では、保育士資格を活かして働くことのできる求人を豊富に取り扱っています。給料面や勤務時間などの希望条件に合う求人を探したいとお考えの潜在保育士さんは、お気軽にお問い合わせください。
いきなり相談するのはハードルが高いと感じる場合は、まずは無料で参加できる就職・転職フェアに参加してみませんか。事前予約で特典をゲットできるので、この機会にぜひご利用ください。